神話:巨人の牝牛の窃取

ページ名:巨人の牝牛の窃取

巨人の牝牛の窃取

 ゴチュバダンはウロックスの子で、力にあふれ壮健、勇敢で、激しくそして強い最高のオーロックスでした。しかし巨人の族長ベルギルマーは、ゴチュバダンを自らの家畜にしてしまいました。当時はベルギルマーの一族がクイヴィン山脈の北の土地を占領していましたが、彼らの土地に住もうとする人間はほとんどいませんでした。

 ウラニン王の斥候は、ベルギルマーの一族が巨人の炉で人肉を焼いてはそのひどい匂いを楽しみ、人間を美味しく食しているとしばしば報告していました。王はベルギルマーを嫌悪しましたが、王の助言者たちは巨人の族長を攻撃しないように進言しました。巨人のステッドは堅い木の壁に囲まれ、双頭の犬によって守られていたからです。

 ウラニン王は偉大な雄牛のことを耳にし、ゴチュバダンを自分の家畜に加えて、ベルギルマーの一族をクイヴィン山脈の北の土地から追い出すことを誓いました。王はきらびやかな槍と鎖かたびらで身を固め、巨大な宝物を手に入れるため、戦団と一緒に馬を駆りました。王の息子の“青い兜の”ブランディグ、“剣の”ジョラム、そして“瞬きなしの”ハーカラ(彼女はそのときはコロルテス部族を追放されていました)など、多くの良い人物たちが王と共に馬を駆りました。

 戦団がたどった道は以下のとおり。

 まず「荒れ山」の東、コルグラダスとハレヴァを過ぎていきました。これはウラニン王の土地で、休む必要があれば、王は一日をかけて歓待されました。ウラニン王の戦団は丘で襲撃者を撃退しなければなりませんでした。王は敵がとても大胆になっていることに愕然としました。それから彼らは長いあいだ人をよせつけなかった東のかた巨人の地へ向かいました。

 

 

 ウラニン王の戦団はそこでベルギルマーの巨人に会い、戦団の多くが死にました。戦士たちは双頭の犬を巨人よりも恐れましたが、ウラニン王は彼の馬「黄金の風」に乗り犬を槍で貫きました。戦団は「ボーデンの丘」に向かいました。巨人の戦士が敗北すると、臆病なベルギルマーは残りの巨人たちを砦の中に退避させました。

 ウラニンはベルギルマーの野営地に包囲しました。巨人の城を6回攻撃し、そして6回撃退されましたが、王は決してあきらめませんでした。7回目の試みで、ウラニン王は壁を突破し、部下はその隙間を通って侵入しました。臆病者のベルギルマーは逃げましたが、ウラニン王は虐殺をおこないました。

 それからウラニン王は捕獲した牛の群れを守るために3kmにわたる堀と800mおきに3つの渡し場をもつ丘の砦を築きました。

 それから、レッドカウ砦には3回の試練がありました。

 まず、巨人ベルギルマーが失った牛を取り戻しにきたときです。

 2回目は、ストラヴリ部族の“何回も試す”ハルガートがゴチュバダンを自分のものにしようとオルゴヴァルテス部族を襲撃したときでした。そのときは、“熊の棍棒の”ジャレネストがデンジャーフォードで3日の夜と昼のあいだハルガートの戦士団を防ぎきりました。

 3回目、最後の試練は、「森の邪悪」がブルー軍団を率いて襲ってきたときでした。このとき、砦は陥落しました。この戦を語れるものは誰も残りませんでしたが、その後、赤牛のブルーがみられるようになったのです。

 

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