Xbox

ページ名:Xbox

Xbox(エックスボックス)は、マイクロソフトが開発および販売を行った家庭用ゲーム機である。「Xbox」と小文字で表記されることが多いが、ロゴ等は「XBOX」とすべて大文字で表記されている。

Xboxは固定されたゲームプラットフォームだったが、Windows 8ではエンターテインメントブランド、Windows 10ではゲームをコアとしたサービスプラットフォームと広がりを見せている。

目次

概要

PC/AT互換機用パーソナルコンピュータの部品をほぼそのまま流用した構成となっており、一部のメディアは「ほとんどパソコン (PC)」と呼ぶほどだった。コントローラのポートは形状こそ異なるがPCでも一般的なUSB規格が使われている。製造はフレクストロニクスに委託された。オペレーティングシステムとしてWindows 2000のカーネルをごく軽量化したものを搭載し、APIにはDirectXを採用している。

仕様

  • CPU:Intel Mobile Celeron(Pentium IIIベース(Coppermine-128k))733MHz
  • グラフィック:NVIDIA製 XGPU (X-Chip) 233MHz(GeForce3の改良版)
  • ポリゴン描画能力:1億2500万ポリゴン/秒(理論値)
  • メモリ:DDR SDRAM 64MB(CPU、GPU共用)
  • メモリ帯域幅:6.4GB/秒
  • 記憶装置:5倍速DVD、8GBハードディスク、8MBメモリーカード
  • サウンド:ウォルフソン・マイクロエレクトロニクス社製 ステレオコーデック 256チャンネル
  • インターフェース:コントローラポート×4、10/100Mbpsイーサネットポート
  • 最大解像度:1920×1080
  • 電源:100V,50/60Hz 消費電力:絶対最大定格200W
  • 重量:3.86 kg
  • 外形寸法:324×265×90mm

サウンド、HDD/DVDインターフェイス、イーサネットはnForceのMCPに相当する集積チップのMCPXが処理する。

沿革

発売までの経緯

当初、マイクロソフトはセガのドリームキャストに自社が開発したオペレーティングシステムのWindows CEを提供して技術協力していた。ドリームキャストが商業的に失敗すると、マイクロソフト自身が巨大産業であるゲーム業界に参入するという噂が流れる。背景にはセガとの路線対立や、ソニー・コンピュータエンタテインメント (SCE・当時) や任天堂に提携を求めて断られたことがあるとも言われている。コンピューター用のオペレーティングシステムで圧倒的なシェアを握るマイクロソフトは、ゲーム機をプラットフォームにして、エンターテインメントビジネス、次世代のネット家電でも主導権を握ろうと経営戦略を大きく転換させたカタチである。

2000年3月、日本国内のPlayStation 2 (PS2) 発売のわずか数日後に、マイクロソフトがゲーム機参入を発表。当時ソニーグループはPS2でWintelに挑戦すると宣言しており、マイクロソフトが逆に挑戦するという構図になったことで話題を集めた。マイクロソフト社内での最初期のコードネームは「プロジェクト・ミッドウェー」で、マイクロソフトならではのPCのノウハウを生かしたゲームコンソールとPCの中間 (一般名詞midway) の存在を目指すこと、およびミッドウェー海戦になぞらえた日本への反攻開始が意味されていた。噂の段階から開発コードネームとして浸透した「X-BOX」が、そのまま実際の名称にも使われることとなった。製品仕様や発売前の技術デモなどは徹底的にPS2を意識していた。

シェア

かつて、日本のゲーム機市場に他国メーカーが本格参入した例は少なく、Xboxの上陸は「黒船」に例えられて話題を集めた。2002年2月22日の日本市場発売に合わせてビル・ゲイツが来日し、『笑っていいとも!』に生出演したり、X JAPANのYOSHIKIを起用したりと大規模な宣伝活動をした。

最終的に日本国内50万台、全世界2,400万台の売り上げを記録した[1]。全世界で最も売れたソフトは『Halo 2』(849万本)、日本国内で最も売れたソフトは『デッド オア アライブ3』(24万本)となった[7]。

北米をはじめ日本以外の地域ではPlayStation 2に次ぐシェアを獲得し、全世界での累計販売台数はニンテンドーゲームキューブを若干上回っており、『Halo』シリーズなど海外メーカー製の爆発的ヒット作も多数生まれている。2005年、日本国外で初めてゲーム関連事業は単年度黒字を達成した。

Xbox Live

詳細は「Xbox Live」を参照

Xbox Liveというオンラインサービスを2002年11月に米国、2003年1月に日本、同3月に欧州各国で、それぞれ開始した。標準本体のみでオンラインサービスに接続できるのが最大のセールスポイントであった(その後発売されたPS2の新型機種でもLAN端子を標準装備し本体のみで接続できるようになった)。さらに、Xbox Live対応ゲーム全てで共通のコミュニケーション手段としてプレイヤー同士の音声での会話、ボイスチャットを採用した。スターターキットにセガの人気タイトル『ファンタシースターオンライン』(Phantasy Star Online)を標準添付するなど、戦略的な施策も盛り込まれた。

しかし、日本でのオンラインゲーム普及のペースが予想より遅かったことや、2002年9月に発表され、Xbox Liveのキラーソフトとして期待されていた『トゥルーファンタジー ライブオンライン』が開発中止になるなど、やはり魅力的なソフトが存在しないことから、ライバル機に対し優位性を打ち出せなかった。また、他機種がウェブマネーや口座振替などの未成年者でも比較的利用しやすい決済方法を取り入れているのに対し、Xbox時代はクレジット決済しか提供されていなかったことがハードルの高さにも繋がったと考えられる。その反省を踏まえてか、次世代機Xbox 360にも共通して提供されているXbox Liveにおいてはクレジットカード決済の他、プリペイドカード、郵便局のATMやコンビニエンスストアの決済などを用意している。

不祥事

  • 発売直後に「プレイ中にDVDやCDのメディアに傷が付く」という問題が指摘される。MSは、当初「メディアに傷が付いても再生には支障が出ないので問題はない」と説明するなどの対応を行ったが、最終的には無償での本体修理とメディア交換に応じた。
  • 2005年2月17日、マイクロソフトは2003年10月23日以前に製造された1410万台の製品について、電源コードが異常発熱して火傷を負う人が発生していると発表し、電源コードの無料交換に応じた。
  • 2002年2月に、アメリカでイマージョン社によりコントローラ振動機能の特許侵害訴訟をアメリカ連邦地裁に起こされるものの、2003年7月29日にマイクロソフト側がイマージョン社に2,600万ドルを支払うことで和解した。
  • 2002年にイギリスで放送された本製品のCMに「ショッキング」等のクレームが136件寄せられ、放送が中止された。

その他

  • 日本での発売当初の希望小売価格は34,800円だったが、2002年5月22日に価格改定され、希望小売価格24,800円に。2003年5月29日から7月31日まで6,800円のキャッシュバックキャンペーン。2003年11月20日には本体価格を16,800円に値下げ。その後、2004年5月に発売された「Xboxプラチナパック2」は、ゲームソフト2本や追加のコントローラ、DVDビデオ再生キットなどを追加した上、19,000円(税別)にまで希望小売価格を下げた。
  • 日本発売時の初回出荷台数は25万台と発表されている。一方、エンターブレインによれば、日本での発売開始から3日間の推定販売台数は12万3929本で、ソフト装着率(全ソフト販売台数÷本体販売台数)は1.45本である。
  • 当時のセガ会長・大川功がXbox開発の話を聞きつけ、マイクロソフトの当時社長ビル・ゲイツに何度も直談判し「セガのタイトル資産を提供するからドリームキャストの互換性をXboxで実現させてくれ」とドリームキャストの道筋を作ろうとした。だが、ドリームキャストはインターネット環境を有するのに対し、Xboxはインターネット環境を考えておらず、この話は結局破談となった。このことが後に日本法人マイクロソフト株式会社社長を当時勤めていた古川享によってTwitterにて語られた。

周辺機器

Xbox コントローラブラックとグレーの2種類がある。コントローラは当初ワールドワイド戦略を考えていたアメリカ本社によって統一された巨大な物を採用予定だった。しかしながら本体同様巨大なコントローラに懸念を感じた日本スタッフが小型の物を提案、ようやく採用に至った。本国アメリカでも、のち2006年にIGNが掲載した記事「最悪なゲームコントローラー TOP10」で2位となってしまうなど、決して評判はよくなかったようで、アメリカでも本体発売半年後、この日本仕様の小さな物への変更が行われた。Xbox メモリーユニット補助記憶装置。容量は8MB。Xbox DVDビデオ再生キットXbox システムリンクケーブル2台の本体を接続して、通信対戦を行うためのケーブル。Xbox RFアダプタビデオ入力端子の無いテレビに本体をRF接続するためのケーブル。Xbox 標準AVケーブルコンポジット映像と音声を出力するケーブル。Xbox コンポーネントAVパック本体に接続して、S映像・光デジタル音声出力する変換ボックス。Xbox コンポーネントAVパック本体に接続して、コンポーネント映像・光デジタル音声出力する変換ボックス。電源コードXbox Live スタータキットXbox ボイスコミュニケータXbox ビデオチャットキット

関連項目

  • Category:Xbox用ソフト
  • Xboxのゲームタイトル一覧
  • Xbox 360 - 「Xbox」と冠したMS社製ゲーム機(第二世代)
  • Xbox One - 「Xbox」と冠したMS社製ゲーム機(第三世代)
  • DirectX
  • MSX

外部リンク

  • Xbox.com 日本


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