2] ファイル:テンプレート:Country flag alias World|25x20px|テンプレート:Country alias Worldの旗アナと雪の女王
原案
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
『雪の女王』
主題歌
英語版
イディナ・メンゼル/デミ・ロヴァート「レット・イット・ゴー」
日本語版
松たか子「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」(日本語歌)
May J.「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜(エンドソング)」
製作会社
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズ
公開
テンプレート:Country alias USAの旗 2013年11月27日
2014年3月14日
製作国
テンプレート:Country alias USAの旗 アメリカ合衆国
興行収入
254.3億円
[1]$400,738,009[2]Flag_of_the_United_States.svg
$1,267,838,009[
『アナと雪の女王』(アナとゆきのじょおう、原題:Frozen)は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズ製作による2013年公開のアメリカ合衆国の3Dコンピュータアニメーション・ミュージカル・ファンタジー映画。2013年度アカデミー長編アニメ映画賞受賞作品。日本ではアナ雪の略称でも呼ばれる。
ディズニー史上初のダブルヒロイン、すなわち、2人のディズニープリンセスを主人公とする作品である。雪と氷の魔力を持つ女王エルサ、そのエルサと王国を救うため冒険の旅に出る妹アナ、この2人の姉妹を軸に、真実の愛が描かれる。
ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話『雪の女王』からインスピレーションを得たこの作品は、舞台設定を雪と氷の世界としているが、ストーリーは新規に書き下ろされた。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズ長編作品としては53作目で、短編アニメの『ミッキーのミニー救出大作戦』(3D作品)が同時上映された。
日本での興行収入は、2014年6月、『ハリー・ポッターと賢者の石』を上回り、公開128日間で日本歴代3位、世界歴代5位、アニメーション映画としての興行収入は全世界歴代1位となっている。
ストーリー
触れたものを凍らせたり雪や氷を作る魔法の力を持って生まれたアレンデール王国の王女・エルサ。彼女は8歳のある夜、妹のアナと魔法で遊んでいるときに、はしゃぎすぎたアナを助けようとして自分の力を制御できず、誤って魔法をアナの頭に当ててしまい、意識不明の状態にさせてしまう。2人の両親である王と妃は、目を覚まさないアナを助けるため、トロールたちの所に行って救いを乞う。幸いアナはトロールの力で回復したが、2人で遊んで楽しかった思い出だけ残して魔法に関する記憶を失うことになる。
日増しに魔法の力が強くなっていくエルサは、魔法の力を世に知られぬよう城中の窓や戸や門を閉めて部屋に閉じこもり、魔法を制御するために誰とも触れ合わず自分を抑えて生きることを強いられる。一方アナは、なぜ突然大好きな姉が自分を避けるようになったのか理由もわからないまま閉ざされた城の中で寂しく成長する。その10年後、2人は両親を海難事故で亡くし、お互いだけが唯一の肉親となってしまう。
さらに3年後、成人したエルサは女王として即位することになる。13年間閉ざし続けた城の門を、特別に1日だけ開いて戴冠式が行われる。しかし、エルサの魔法はもはや自分の意思で抑えることができないほど強大なものになっていた。自分を抑え感情を殺してなんとか1日を乗り切る覚悟をするエルサ。一方アナは、13年ぶりに外界と接触できる特別な1日に、新たな出会いを期待して胸を膨らませる。遂にその願いは叶い、戴冠式に招かれていた他国の王子ハンスと恋に落ちたアナは、その日のうちに結婚の約束までしてしまう。婚約を告げられたエルサは、あまりにも早すぎる展開に2人の結婚を反対するが、エルサはアナと口論になり、思わず人々の前で魔法を暴発させてしまう。自分の力を知られ、怪物呼ばわりされたエルサは王国から逃げだす。そして夏の王国は、エルサが知らずに暴走させてしまった魔法によって永遠の冬に閉ざされる。北の山にたどり着いたエルサはそこに魔法で氷の城を建て、自分を抑えつけるのをやめてありのまま独りで生きていく決意をする。
この事件の騒動に紛れウェーゼルトン公爵に愚痴られたアナはハンスに国を任せ、エルサを連れ戻すため1人で旅に出る。道中で出会った山男のクリストフ、彼の相棒でトナカイのスヴェン、そして魔法の雪だるまオラフとともに、エルサを探して北の山へ向かい、氷の城にたどり着いたアナは、エルサに説得を試みる。エルサは再び自分の魔力がアナを傷つけることを恐れてそれを拒絶するが、自分の魔法が国中を凍らせたことを知って愕然、悲しみから魔法を暴走させてしまい、その際にアナの胸に魔法が当たってしまう。アナはクリストフとともにエルサが生み出した怪物マシュマロウに城から追い払われる。クリストフはアナの髪が白くなっていることに気付き、彼女を救うため家族同然の仲間であるトロールたちのもとへ向かうが、エルサから受けた魔法で、アナの身体が凍り付き命が危ないことが判明する。だがトロールの力ではどうにもならず、回復には「真実の愛」の力が必要だと告げられ、クリストフはアナを救うためには婚約者のハンスからのキスが必要だと判断し、衰弱してゆくアナを抱えてスヴェンを走らせ、城へと急ぐ。
一方ハンスは、アナを乗せて旅立ったはずの馬だけが王国に戻ったことで異変を感じ、城の兵士たちを連れて捜索に出かける。氷の城で、マシュマロウとの交戦中に、ウェーゼルトン公爵からひそかに暗殺を命じられたボディーガードたちがエルサに容赦なく攻撃を仕掛けるが、その場に現れたハンスによってエルサへ狙いを定めていたボディーガードの攻撃が外れ、氷の城の天井に命中して氷のシャンデリアが落下、その際に気絶したエルサを王国の牢屋に閉じ込める。ハンスは、冬を止めるようエルサを説得するが、その術は彼女自身にも知る由がなく、やがてエルサは王国を魔法の危険に晒すことを恐れて牢から逃げ出す。
城に着いたアナはハンスに事情を話し、彼のキスを求めるが、その途端にハンスの態度は豹変する。彼はアナを愛してはおらず、立場の低い13人兄弟の末っ子から王に成り上がるためにアレンデールの王女姉妹に近づき、王国を乗っ取るつもりで、近づきやすいアナを選んだだけだと告げる。ハンスは瀕死のアナを冷たい部屋に閉じ込めて放置し、城の側近たちに彼女が死んだといい、エルサを反逆罪で処刑すると宣告する。その頃クリストフは、アナを城に届けたあと落ち込んだ表情で城を後にするが、スヴェンに叱咤されてアナへの愛を自覚し、再度城へ向かう。一足先に閉じ込められたアナの元に着いたオラフは、彼女を温めるために自分の体が融けるのも構わずに暖炉に火を点け、アナに愛とは自分のことよりも相手のことを考えることだと教え、クリストフがアナを愛していることを伝えて、彼に会いに行かせようとする。
城を抜け出したアナは凍りついたフィヨルドの船の上でクリストフの姿を見つけるが、その直前、ハンスがエルサにアナの死を告げ、ショックで無抵抗な彼女に剣を振り下ろそうとするのを発見し、自分が助かるチャンスを捨ててエルサの元へ走る。アナの身体は完全に凍りつき、ハンスの剣を砕いて彼を跳ね飛ばす。エルサは氷の彫像と化したアナを抱きしめて慟哭(どうこく)する。そのとき凍りついたアナの身体が元に戻り、彼女は息を吹き返す。魔法の力をコントロールする術が「恐れ」ではなく、相手を心から思いやる「真実の愛」だと知ったエルサは、王国を覆っていた雪と氷を空へと蒸発させる。夏に戻ったせいでオラフは溶けかけてしまうが、エルサがオラフの頭上のみ雪を降らせる魔法をかけてあげたことで、溶けないまま夏を満喫できるようになる。ハンスはアナに怒りの制裁を受けたあげく拘束され、同じく怪物呼ばわりしたウェーゼルトン公爵もまたアレンデールとの貿易を打ち切られ、両者ともそれぞれの本国に強制送還される。クリストフは王室専属の氷配達人に、そしてアナの恋人になる。エルサは二度と城の門を閉ざさないと約束し、凍らせた城の広場の地面でアナや国民たちとともに真夏のスケートを楽しむ。
エンドロール後は、主人のいなくなった氷の城で、マシュマロウがエルサの捨てたティアラを拾い上げて被る場面でラストとなる。
登場キャラクター
アナ(英語版)(Princess Anna of Arendelle)主人公。17歳。アレンデール王国の王女。赤毛の髪だが、5歳のときに頭に受けたエルサの魔法の影響で一房だけが白い(本人はそのことを忘れているため生まれつきだと思っている)。そばかすが特徴。明るい性格で、いざという時は男勝りな一面をのぞかせる。仲の良かった姉と理由もわからず引き離され、閉塞的な城の中でひとり寂しく育ったため素敵な出会いを夢見ていた。そして、王子ハンスの紳士的な一面に惹かれて出会ったその日に彼のプロポーズを受けいれる。しかし、姉のエルサに反対され彼女と口論してしまい、逆上したエルサが思わず人々の前で魔法を暴発させて王国から逃亡したため、永遠の冬に閉ざされる。これに怒ったウェーゼルトン公爵に姉のエルサに対する侮辱や言いがかりを付けられる。王国を逃亡したエルサを想って彼女を捜す旅に出る。エルサ(英語版)(Elsa the Snow Queen of Arendelle)アナの3歳上の姉で、もうひとりの主人公。アレンデール王国の王女で、次期王位継承者。優雅で心優しい性格。髪はプラチナブロンド。生まれながらに雪や氷を作り出す魔法の力を持っている。その力は成長するにつれて制御することができなくなるほど強大になっていく。子供の頃に魔法でアナを誤って傷つけてしまい、それ以来、誰とも触れ合わず自室に閉じこもる。女王となる戴冠式の日に、人々の前で魔法を見せてしまい逃亡せざるを得なくなる。その際、期せずして王国を極寒の冬に変えてしまう。魔法の能力としては上記が主で意識的なコントロールはできないが、氷の城や橋、雪だるまを瞬時に建造したり、自ら着ているドレスを変化させたりなどの例外もある。また、自身の喜怒哀楽によって放出する雪や氷の形状が変化する。クリストフ(英語版)(Kristoff)勇敢でワイルドな山男の青年。氷を売って生計を立てており、山の中でトナカイのスヴェンとともに暮らしている。歌が上手い。山小屋でアナと出会い、彼が会話の中で突然の吹雪が吹いてきた方角を示したおかげで、アナは姉のエルサがどこに潜んでいるか気付く。その後エルサを捜す旅に同行する事になる。幼い頃からスヴェンと採氷をしていたが、それが契機で、トロールを目撃し、その存在を知ることになった。スヴェン(Sven)山に住むトナカイ。クリストフの相棒。にんじんが好物。言葉こそしゃべらないが、幼い頃から一緒にいるクリストフとは意思疎通ができる様子。ジョン・ラセターの犬フランキーをモデルにしている[3]。オラフ(英語版)(Olaf)夏に憧れる陽気な雪だるま。元はエルサとアナが幼い頃に作ったもので、その際はごく普通の雪だるまだった。王国から逃亡した際に再びエルサの魔法で作られる。主に3つの雪玉から成る身体で、それぞれを意のままに入れ替えることができる。鼻はにんじん。夏に憧れるがゆえに、永遠の冬に終止符をうつのが目的のアナたちを、嬉々として氷の城へ案内する。ハンス・ウェスターガード(英語版)(Prince Hans Westergaard of the Southern Isles)エルサの戴冠式に招待されたサザンアイルズ王国の王子で、本作のヴィランズ(悪役)である。13人兄弟の末っ子で、王も女王も上の兄たちに目をかけているので、ハンスは孤独感を持っていた。戴冠式でアナと出会い、アナの孤独感を理解して彼女にプロポーズする。アナが旅に出ている間、アレンデール王国のことを任される。一見紳士的に見えるが、本性は残忍で冷酷。内心ではアレンデールを支配するためにエルサだけでなく彼女のあとを追ったアナをも抹殺しようと野心を燃やしている。監督のジェニファー・リーは、ハンス王子の本質について原作の「悪魔の作った鏡」であるとインタビュー[4]で語っている。鏡のように周囲の人物の心象を写し出しているのだ。これまでのディズニー・ヴィランズは、登場した時点で視聴者に悪役とわかったり、物語の途中から徐々に不可解な行動をとる者が多かったが、彼は珍しく終盤まで本性が明らかにされなかったキャラクターである。ウェーゼルトン公爵(The Duke of Weselton)アレンデール王国の隣国で、貿易相手であるウェーゼルトン国からエルサの戴冠式に招待された公爵で、もうひとりのヴィランズ。常に2人のボディガードを引き連れている。ドイツ読みが正しい発音だが、いつもウィーセルタウン(Weaseltown)と発音されてしまう事をいやがる。頭の大部分がハゲかかっているため、常にかつらを被っている。エルサの代わりにアナを無理やり社交ダンスさせたり鶏や猿の真似を得意とするなど一見愛嬌があるが、短気で身勝手な性格で、戴冠式に招待され参上するにはある目的があった。王国から脱走したエルサに対し怒りを露わにし彼女を怪物呼ばわりするも、自分の行為を棚に上げてアナに「殺されかけた」と勝手な言い分をいう。また、ハンスが代理に就かれてからは傲慢不遜な態度を取っていた。ハンスがエルサを捜しに旅に出る際に2人のボディガードを託すが、内心では一刻も早くアレンデール王国を取り戻すためにエルサを暗殺すべくボディガードに密かに命じ、ハンスをも出し抜く野心を燃やしている。マシュマロウ(Marshmallow)エルサの魔法で作られた氷の怪物で、氷の城の門番。怒らせるとつららの形をした牙(きば)と爪とトゲが生えて襲いかかる。マシュマロウという名は劇中ではオラフにしか言及されていない。本編中盤でエルサを追って来たハンス王子によって片足を切られ崖から落ちてしまう。が、再び誰もいなくなった氷の城に現れ、エルサが捨てたティアラを密かに被った途端凶暴な性格から穏やかになり、爪とトゲが無くなるシーンがエンドロール後のオマケのシーンで描かれている。オーケン(Oaken)サウナ付き山小屋の主人。5人の子供がいる。夏の真っただ中から突然極寒の冬になったので、店内の夏物を半額セールにしている。従って冬物の品揃えが実に悪い。何かにつけ自分が発明した日焼け止めオイルをアピールする。普段は優しくて温和な性格をしているが、クリストフに「悪党」呼ばわりされると店から力づくで放り出すという恐ろしい一面も見せた。トロールたち(Trolls)石のような姿をした不思議な生き物。クリストフの友達であり、家族のような存在。長であるパビーはかつてエルサの魔法で傷付いたアナを治した。トロールの1人であるバルダは陽気で、幼い頃のクリストフが最初に出会ったトロール。人間でいう男性にあたるトロールたちは緑か青のクリスタル製ネックレス、女性にあたるトロール達はピンクか赤、長のパビーのみ黄色のネックレスをかけている。シトロン(Sitron)ハンスの愛馬で種類はフィヨルド馬(英語版)。ハンスとアナが最初に出会った際にハンスと一緒にいた。アナから彼女自身がアレンデール王国の王女と聞いて、ハンスと一緒におじぎする礼儀を持ち合わせている。後にハンスと一緒にエルサを捜す旅に出かける。カイとゲルダ(Kai and Gerda)アナとエルサの召使い。アナとエルサが幼い頃からアレンデール王国に仕えていた。原作とされるアンデルセンの「雪の女王」の主人公たちの名がつけられている。アグナルアレンデール国王で、エルサとアナの父。心優しく民衆皆から愛されていた。アナが不慮の事故に見舞われた際、城の蔵書からトロールたちの住む谷を見つけ出し、妻と娘たちを連れて馬を走らせた。エルサを魔法の恐怖から救おうと試行錯誤していた矢先、外交のため船出した途中、船が嵐に襲われ沈没、妻とともにこの世を去ってしまう。声の出演
役名 | 原語版 | 日本語吹替版[5] |
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アナ | クリスティン・ベル[6] | 神田沙也加 / 石川由依(予告編) |
エルサ | イディナ・メンゼル[6][7] | 松たか子 / 坂本真綾(予告編) |
クリストフ | ジョナサン・グロフ[8][9] | 原慎一郎 |
オラフ | ジョシュ・ギャッド[6][10][11] | ピエール瀧 |
ハンス王子 | サンティノ・フォンタナ[8] | 津田英佑 |
ウェーゼルトン公爵 | アラン・テュディック[11] | 多田野曜平 |
パビー | キーラン・ハインズ | 安崎求 |
オーケン | クリス・ウィリアムズ | 北川勝博 |
カイ | スティーブン・アンダーソン | 飯島肇 |
アレンデール国王 | モーリス・ラマルシェ | 根本泰彦 |
バルダ | マイア・ウィルソン | 杉村理加 |
幼いアナ | リビー・スタベンラッチ(台詞) ケイティー・ロペス(歌) | 稲葉菜月 |
子供時代のアナ | アガサ・リー・モン | 諸星すみれ |
幼いエルサ | エヴァ・ベラ | 佐々木りお |
10代のエルサ | スペンサー・レイシー・ガーナス | 小林柚葉 |
ゲルダ | エディ・マックラーグ | 増岡裕子 |
アレンデール王妃 | ジェニファー・リー | 最所美咲 |
テーマ
作品のメッセージとして、監督のクリス・バックは、「家族の強さ」であり、すなわち、エルサとアナの「姉妹の絆」であるとしている。また、共同監督で脚本を担当したジェニファー・リーは、「『恐れ』対『愛』」が本作の大きなテーマであると述べている。
製作
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズは長年にわたって『雪の女王』の翻案に取り組んでいた。2002年後半に一度廃案となったが、その後も再び企画が立ち上がった[12]。しかしながら2010年3月時点でプロジェクトは再度棚上げされた[13]。同年6月にディズニーはプロジェクトが「ホールド」状態となっていることを発表した[14]。2011年12月、『塔の上のラプンツェル』の成功を受けてディズニーは『Frozen』と題された新作を2013年11月27日に公開することを発表した[15]。翌月、本作が手書きアニメーションではなく、3Dコンピュータアニメーションとなることが明かされた[12]。2012年3月5日、女優のクリスティン・ベルが主人公アナの声を務め、クリス・バックが監督し、ジョン・ラセターとピーター・デル・ヴェッチョがプロデュースすることが発表された[16]。6月、雪の女王エルサの声をイディナ・メンゼルが務めることが明かされた[7]。11月30日、『シュガー・ラッシュ』の脚本家の1人であるジェニファー・リーがバックと共同監督を務めることが発表された[17]。12月19日、ジョナサン・グロフがクリストフの声を務めることが発表された[9]。
制作にあたり、アート・ディレクションを担当したマイク・ジアイモと同アシスタントのリサ・キーンは、リサーチの場所にノルウェーを選び、同国のベルゲンがモデルになっている[18]。フィヨルドの地形や建築物、とくにスターヴ教会などはジアイモらにインスピレーションを与え、城のデザインなどに生かされている。また、ローズマリングと呼ばれる伝統的な花柄模様をインテリアなどさまざまな場所に利用した。キャラクターの服装には民族衣装を着せたりローズマリングを入れるなど、ノルウェーを意識したデザインがされているが、エルサが「雪の女王」となってからの衣装はこれに入らず、雪の結晶をテーマとしており、ケープは広げると雪の結晶の形になっているという。また、氷の城もこの衣装と統一感を持たせたデザインになっている。これらコスチュームのCGは薄い生地を何十枚も重ねるようにデザインされ、膨大なレイヤーが費やされた[19]。
音楽
『アナと雪の女王』のオリジナル歌曲はロバート・ロペスとクリスティン・アンダーソン=ロペスが作詞・作曲する。2013年8月のディスニー・D23のデスティネーション・Dのイベントで楽曲「レット・イット・ゴー」が披露される。この曲は挿入歌としてエルサを演じるイディナ・メンゼルが歌い、キャラクターが王国を離れて氷の宮殿を建てる際に使われる。主題歌にはデミ・ロヴァートが歌う「レット・イット・ゴー」が使用される。2013年2月、映画音楽の作曲のためクリストフ・ベックが雇われたことが発表された[20]。クリスティン・ベルもまたメンゼルとデュエットすることが明かされている[8].
公開
2013年6月18日にティーザー予告編が公開され[21]、同月21日より公開のピクサーの『モンスターズ・ユニバーシティ』に付けられた[22]。
興行収入
世界で最後の公開国になった日本では[23]、2013年7月から公開された予告編では物語の内容が描かれていたが、2014年1月になるとエルサ(イディナ・メンゼル)が「レット・イット・ゴー」を歌う本編場面の特別映像が劇場予告や日本版公式サイトなどで流されるようになった[24]。2月には日本語吹き替えの松たか子が歌う日本語版の映像も公式サイトで公開された[25]。2014年3月14日にTOHOシネマズ日劇他全国598スクリーンで公開され、3月15・16日の土日2日間の成績が動員60万2347人、興行収入7億6338万9450円となり、興行通信社による「全国映画動員ランキングトップ10」で1位となった[26]。
ほとんどの劇場で2D版のみの公開となり、3D版も当初は字幕版のみが公開されていた。以後のディズニー配給の3D映画でも、本作と同様に2D版を中心とした劇場公開がされている。
初日を含めた3日間では観客動員79万2636人、興収9億8640万5300円の成績で、公開5日目には観客動員100万人を突破している[23]。4月26日からは3D日本語吹替版が約138劇場で、映画館の観客が一緒に挿入歌を歌える限定公開イベント「“みんなで歌おう♪”歌詞付き」版が約85劇場で上映開始され、4月28日付ランキングで前週は『名探偵コナン 異次元の狙撃手』に阻まれた2位から1位に返り咲き[27]、4月29日時点で累計動員1030万4109人、興行収入128億7278万5800円を記録し、2008年の『崖の上のポニョ』以来の日本公開映画における動員1000万人超えを達成した[28]。MovieNEX(Blu-ray・DVD)の発売が決定した後も興行収入1位を記録し続けた。
2014年6月2日には日本での興行収入が212億円を突破した。また、累計の観客動員数は1601万人を超え、『ハリー・ポッターと賢者の石』を上回って日本歴代3位となり記録的な大ヒットとなっている。国内で上映された映画で興行収入が200億円を突破したのは1997年の『タイタニック』、2001年の『千と千尋の神隠し』と『ハリー・ポッターと賢者の石』の3本のみで、今回は、公開の翌年に200億円を突破した『ハリー・ポッターと賢者の石』以来、12年ぶりの記録となった[29]。
評価
第86回アカデミー賞において『風立ちぬ』で本作とアカデミー長編アニメ映画賞を争ったスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫は、宮崎駿が1957年のロシア版アニメ映画『雪の女王』を見て強い関心を持っていたエピソードを明かしつつ、本作について、原作を大幅に変えながらもその精神である自己犠牲のテーマを変えておらず、なおかつ原作どおりに2人のヒロインを「男の子」の手を借りずに描き、「感心したのと同時に、今の時代を表している作品になっている」と述べた。
世界各国では、本作のファンが「レット・イット・ゴー」を歌う映像をYouTubeなどで公開する例が多数見られている[25]。
また、本作においてエルサのキャラクターが男性からの求婚を求めておらず、物語上も男女の愛に限らない多様な愛の形を認めるメッセージが込められていることから、「ありのままの自分」を肯定する「レット・イット・ゴー」を同性愛のカミングアウトの歌と解釈する向きもある。これに対し、キリスト教関係者からは子供を同性愛に導くという批判があったり、逆にキリスト教的自己犠牲を尊ぶものという評価を受けるなど、多彩な解釈を生んでいる[30]。
受賞
- 第86回アカデミー賞[31]
- 第71回ゴールデングローブ賞[32]
- アニメ映画賞
- 主題歌賞ノミネート(「レット・イット・ゴー」)
- 第67回英国アカデミー賞[31]
- 第41回アニー賞[33]
- 作品賞
- 監督賞(クリス・バック、ジェニファー・リー)
- 声優賞(ジョシュ・ギャッド)
- 美術賞(マイケル・ディジャイモ、リサ・キーン、デヴィッド・ウオマスリー)
- 音楽賞(クリステン・アンダーソン=ロペス、ロバート・ロペス、クリストフ・ベック)
影響・その他
- 『塔の上のラプンツェル』のラプンツェルとフリン・ライダーがカメオ出演している[34][35]。
- アナが食べているチョコレートは『シュガー・ラッシュ』に登場したものと類似している[35] 。
- アナが歌う『生まれてはじめて』の場面にジャン・オノレ・フラゴナールの『ぶらんこ』をベースに描かれている[35]。
- オーケンの店の棚にミッキーマウスの雑貨が飾られている[35]。
- 舞台のモデルとなったノルウェーでは本作の影響で観光業が活性化し、ディズニーの観光部門でもノルウェー行きのパッケージツアーなどを企画している[18]。
- ↑歴代興収ベスト100 - CINEMAランキング通信
- ↑ 2.02.1 引用エラー: 無効な
[ タグです。「boxoffice」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません] - ↑ [ジョン・ラセターの犬フランキー君 “アナと雪の女王を百倍楽しむために知っておくべき15の秘密”]. (2014年5月17日). ジョン・ラセターの犬フランキー君 2014年7月18日閲覧。
- ↑ 監督インタビュー: http://johnaugust.com/2014/scriptnotes-ep-128-frozen-with-jennifer-lee-transcript (英語、2014.1掲載)
- ↑アナと雪の女王、【吹替え専門サイト】ふきカエル大作戦!!、2014年3月13日閲覧。
- ↑ 6.06.16.2 Nachman, Brett (2012年8月16日). “Disney In Depth: The Future Of Disney Animation (Frozen, Paperman, & Wreck-It Ralph) - A Recap Of D23's Destination D Event”. Geeks of Doom. http://www.geeksofdoom.com/2012/08/16/disney-in-depth-the-future-of-disney-animation-frozen-paperman-wreck-it-ralph-a-recap-of-d23s-destination-d-event/ 2012年8月17日閲覧。
- ↑ 7.07.1 Breznican, Anthony (2012年6月11日). “Disney's 'Frozen': Kristen Bell and Idina Menzel to voice animated tale”. Entertainment Weekly. http://insidemovies.ew.com/2012/06/11/disneys-frozen-kristen-bell-and-idina-menzel-to-voice-new-animated-tale/ 2013年6月23日閲覧。
- ↑ 8.08.18.2 Alexander, Bryan (2013年6月17日). “'Frozen' defrosts Kristen Bell's Disney dreams”. USA Today. http://www.usatoday.com/story/life/movies/2013/06/17/frozen-disney/2389171/ 2013年6月18日閲覧。
- ↑ 9.09.1“Jonathan Groff joins Disney's Frozen Voice Cast”. ComingSoon.net. (2012年12月19日). http://www.comingsoon.net/news/movienews.php?id=98237 2012年12月19日閲覧。
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- ↑ 11.011.1 Snetiker, Marc (2013年6月18日). “Santino Fontana and Josh Gad Join Disney’s Frozen, Starring Jonathan Groff & Idina Menzel”. Broadway.com. http://www.broadway.com/buzz/170190/santino-fontana-and-josh-gad-join-disneys-frozen-starring-jonathan-groff-idina-menzel/ 2013年6月18日閲覧。
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- ↑ Dawn C. Chmielewski and Claudia Eller (2010年3月9日). “Disney restyles 'Rapunzel' to appeal to boys”. Los Angeles Times. http://articles.latimes.com/2010/mar/09/business/la-fi-ct-disney9-2010mar09 2010年4月6日閲覧。
- ↑“The Lion King Goes 3D”. ComingSoon. (2010年6月22日). http://www.comingsoon.net/news/movienews.php?id=67228 2012年1月12日閲覧。
- ↑ Sciretta, Peter (2011年12月22日). “Walt Disney Animation Gives ‘The Snow Queen’ New Life, Retitled ‘Frozen’ – But Will It Be Hand Drawn?”. SlashFilm. http://www.slashfilm.com/walt-disney-animation-the-snow-queen-life-retitled-frozen-hand-drawn/ 2011年12月22日閲覧。
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- ↑ 35.035.135.235.3 日経エンタテインメント!ミュージカル増刊『アナと雪の女王』特集号 / ミュージカル映画名作セレクション 12頁「トリビア集」、2014年7月16日発行・発売。
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