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ネタバレ注意!
クモ
意識の中に侵入されているようでめまいがした。
皮膚のできものが大きくなっては弾け、それぞれの穴を、小さな針で
何度も何度も刺されているかのような感覚に襲われた。
突然、鉄のクモ...おそらく小さなセンチネルが、肩まで上ってきてそのままレンズの中に入ってきた。
これは現実なのか? 現実のはずが無い。 私は叫んだ。
「落チ着イテ, 子供ヨ. 落チ着イテ. 我々 は 〜トー緒ニ アナタ.」
古代のコーバックスの意識が私の反応を見ていた。あたかもこの出来事が彼らの実験であるかのように、それか
ら幻覚は薄れていった。
四面体
小さな浮遊四面体の表面から現れ、私を取り囲んだ。
私はマルチツールで振り払おうとしたが、そうする度に、
まるで引き付けられているかのように距離を詰めてくる。
「コーバックス ノ 囁キ 〜ダロウ 発展サセル ソノ トラベラー. コーバックス ノ 囁キ 〜ダロウ
発展サセル トラベラー ノ テクノロジー.」
もうマルチツールに触れんばかりの距離だ。 そいつらは最後のひと寄せを仕掛けてきた。 そして青く光るビジョ
ンを見た。 現実が戻ってきた。
記憶
まるでカーテンをかけるかのように、
モノリスから青い光があふれてきた。奥からは賑やかな声が聞こえてきて、
それから懐かしいにおいがそよ風に運ばれてきた。故郷を思い出すことはできないが、
この先が故郷に続いていることは分かる。
私は思い出せない過去に心を痛めた。 過去に帰りたいと私の魂が叫ぶ。 空と、 無限の彼方を見上げた。
始まったばかりの旅を、本当に断念できるのか?
「過去 ハ 清エタ. 修復スル デキマセン. 抵抗スル.抵抗スル.」
その場所に住む魂が見ていた。 私がどちらの道を選択するのかを記録しながら。
子ども
モノリスからひとりの子どもが現れた。 しばらくして私は気づいた...
その子は… 私だ。 何の不安もなく無邪気なその小さな子は私をじっと見上げ、レンズを覗き込もうとする。
子どもは突然泣き出し、 私の両膝にしがみついた。 置き去りにしないでと必死に懇願してくる。
独りは嫌なのだ... 私はずっとここに居るべきだ。 もう一度ひとつになろう。もう一度... ひとつに...
「過去 ハ 消エタ. アノ日々 ハ 終ワッタ. タダ ソノ トラベラー 旅 続ク.」
子どもと接していると、奇妙な感じがした。コーバックスエコーがその様子を見ていた。
眠り
頭がくらくらしてきた。 私は妙な倦怠感に襲われ、
古代遺物の前で横にならざるを得なかった。 ここは心が落ち着く。 かつてどこにでもあったかもしれない家のよ
うに安心できる。
「目ヲ閉ジテ, 子供ヨ. コーバックス ノ 囁キ 祝福スル アナタ. 目ヲ閉ジテ.目ヲ閉ジテ.」
睡魔に本気で抗おうと思えば可能だろうが、 古代文字の光が何とも温かくて心地よい…
モノリスを信頼するか、それとも意識を放棄するが選択しなければならなかった。
古代のコーバックスは私の選択を記録した。
ドッペルゲンガー
チラチラと瞬く私の反射像がポータルから現れた。
私の動き一つ一つを真似ている。私が手を振れば、像も手を振る。
私がマルチツールを掲げれば、すぐさま動きを真似てくる。
ドッペルゲンガーが何かを欲しがる動きをする。 そして私もドッペルゲンガーとそっくりな動きを
無意識にしていることに気付き、 私たちは両者ともたじろいだ。
ドッペルゲンガーの体はチラチラと輝いているが 装備は本物のように見えた。
マルチツールはむしろ私のものよりも良いものに見える。空間の不自然さが薄れていく…
「コーバックス ノ 囁キ 指令: オ礼スル 自分自身.」
最後の真似が終わると、像は消え去った。
言語
液体状の金属でできた投げ縄が現れて私のレンズを覆った。
一瞬止まったかと思うとそれは私の頭を引っ張り、光るモノリスに触れさせようとする。
古代の石は温かく、その奥深くからは自らを解放しようと
する秘密のテクノロジーのうなり声が聞こえてくる。私は振り返って象形文字を見上げ、
どうしてこんなことが起こっているのか考えた。象形文字は異星人の言語で語りかけてくる。
「コーバックス ノ 囁キ 祝福スル 〜ト一緒ニ 言語. 〜スル ナイ 抵抗スル. アナタ は safe, 子供ヨ.」
奇妙な金属の投げ縄は私を解放した。それから私は贈り物を受け取った。
未来
私の動きは正常のようだが、他のものは本来の速さより速く動いている。
太陽は数秒でこの地球の周りを巡り、昼夜は延々と入れ替わりを
続けている。草を食べ、狩りをする生物たちの姿はかすんだ状態でしか見えない。
私は時間の渦にはまっている。 私のマルチツールに表示される数字がどんどん上昇する。
モノリスに近づけば近づくほど時間の流れがおかしくなっていく
「トラベラー! 動ク 後口ニ 〜ヘ/〜スル為ニ 加ワル 未来. 触レル モノリス 〜ヘ/〜スル為二 取り戻ス
時間ノ流レ.」
私が行動すると、時間は元のリズムに戻った。
コイン
長きに渡り、巡礼者はモノリスの上で 輝く象形文字の間に数字を掘っていたようだ。
視線を落とすと、 古代のコインが落ちていた。 私がブーツで地面を掘り起こすと他にもいくつか見つかった。
遺跡は静寂に包まれていた。 反応など永遠にないのかも知れないが、
もしかしたら何かを持っているのかも知れない。
「ダメ 欲張リ. 包ミ込ム アトラス. ダメ 欲張リ. 包ミ込ム アトラス.」
ここに住むエコーが目覚めて私の行動に気づいた。
青いエネルギー
古代ルーン文字を調べていると、それは雪妙な光を放ち始めた。
オベリスクから出る奇妙な青いエネルギーは、軌跡を残しながら私のマルチツールの周辺を漂っている。
「コーバックス ノ 囁キ 祝福スル テクノロジー. 侵入ヲ 拒ムナ.」
トリガーを引けば、排熱装置が自動的に開き、
この奇妙で不可思議な物質が装備の内部に入り込むだろう。 私が決断すると、青いエネルギーは反応した。
保護
監視されているような気がする。 振り返っても、 私を狙っていそうな
存在は確認できないが、ここにいることは間違いない。
この見知らぬ土地のどこかで、誰かが攻撃を実行しようとしている。
「トラベラー, 撤退シロ! コーバックス ノ 囁キ アゲル 保護. 動ク 後ロニ」
私の本能が検証された。遠距離攻撃が発射された。エコーは私の行動を観察し、その結果として保護してくれた
プール
足元のオベリスクの台座から液体金属があふれ出てきた。 私の足はすでに液体金属に浸かってしまった。
まぶしい反射の中、 体が沈み始めるにつれ 自分の表情が恐怖に染まっていくのがわかった。
私を銀の膜の下に引き込もうとしている温もりのある手を足に感じた。
マルチツールについている危険探知装置の全てが警告を出している...
「体ヲ浸ケル 〜ノ中ニ 私タチノ 水ニ. 感ジロ コーバックス ノ 囁キ 落チ着イテ. 体ヲ浸ケル 〜ノ中ニ
私タチノ 水ニ. 感ジロ コーバックス ノ 囁キ 落チ着イテ.」
それが何なのかあまり理解できないまま、私は金属のプールから現れた。
奴隷制
モノリスの台座にある2つの石のブロックがゆっくりと回転する。
小さな赤い光の玉がそれぞれの石に絵を描く。
その後、赤い光が合わさり、下にあるくぼみで液体に変化した。
私が近づくほど、赤い液体は激しく渦巻いた。
どちらの絵にもマスクをつけた電子生命体が描かれていた。
1つは、枷から抜け出すための力を吸収している生命体。
もう1つは、自分を捕えようとする者から隠れている生命体だった。
「コーバックス ノ 実態 〜カラ逃走シタ 奴隷制. コーバックス ノ 囁キ 共有スル コノ 知識. されます
free.」
赤い液体は装備の中に流れ込んできた。それはテクノロジーの設計図へと変わった。
贈り物
オベリスクの基部にくっきりとした穴が現れた。 丸くなった角とその周りのこすったような痕から、
何らかの生物が、 何世紀にも渡ってこの穴に資源を押し込んできたことが分かる。
「コーバックス ノ 囁キ 包ミ込ム トラベラー 贈り物.」
一体何が起こるのかは分からないが、穴の下に同じ大きさの
3つのブロックが見える。 どうやらモノリスの深部にある装置と
つながっており、それで回転させられるようだ。
私は荷物の中から穴にはまりそうな資源を探し出し、穴に入れた。 モノリスは私の捧げものを受け取り、それ
をさらに価値のあるものに変えた。
オーブ
モノリスが消えた。 私の周囲の景色は変わらないように見えるが、
どういうわけか惑星の植物に移動していた。 かつて不思議な石が立っていた場所の真ん中に
浮かんでいるのは赤く輝く体だ。
球体の強烈な光でその下の地面が焼けている未知の力でひびが入っている。 私はそれを拾い上げて、
オーブと一体にならなければいけない気持ちになった。 遠くで私に話しかける声が聞こえる...
「見口 ソノ 聖ナル アトラス ストーン. 避ケル 接触.見セヨ 尊敬. アトラス! アトラス! アトラス!」
赤いオーブは私を評価した。現実が戻ってきた。
殻
電子生命体の空っぽの殻がモノリスから現れた。 年代もので風雨にさらされ傷んでいる。
そのマスクの光は何世紀もの間、 消えたままだ。
「コーバックス ノ 要求! トラベラー! 取り戻ス 聖ナル 殻 〜ヘ/〜スル為二 コーバックス ノ 研究室!
無視シロ 貴重ナ 殻! ドウカ!」
手にはさびついたキャニスターを持っている。
私のスキャナーの分析によれば、かつては金属が入っていたようだ。
スキャンすると、消えた生物の殻の奥底に未知の物質があることも分かった。
殻がモノリスに吸収されて戻る前に、 古代のコーバックスが私の行動を判断した。
破損
惑星の内部は空洞で、 私はだだっ広いボール状の底に立っていた。
周りでは、木の根っこがむき出しの地面から上の方へ突き出している。
見下ろすと、モノリスの土台が私の足元にあがってきているのが見える。
様々な資源の水晶がむき出しの岩の間に張り巡らされている。 生命体が叫んでいるのが聞こえる。
「負荷ガカカッタ コーバックス ノ 囁キ 破壊シタ 現実. 取り戻ス 秩序. 取り除ク パワー. 取り除ク
オーガニック 汚職.」
私がその岩から資源を抽出すると、反転は終わった。
配列
星々がモノリスの上に並んでいる。 はるか天上には太陽が描く2本のはっきりとした線が
宇宙の奥深くまで伸びていっているのが見える。動き続ける銀河が完璧に並ぶ今この瞬間に
ここにいることが不可能のように思えてくる。
私は不思議と穏やかな気持ちに包まれた。 量の線が一つぼんやりと赤く巨大な輝きに向かい、
もう一方の線は私の視界を越えたが遠くの地点に向かっている。
「トラベラー, 包ミ込ム 未確認. 輝ク 光ヲ 〜ノ中ニ 暗闇 発見スル 銀河ノ 中心.」
私は軌道を一つ選ぶと、コーバックスエコーは記録を取った。
毒素
私はめまいがした。 気分が悪い。 見回すと、この古代建造物を
取り囲んでいる植物は枯れて弱々しい状態だった。
その一方で、 惑星の動物たちはこの建造物からは距離を置いているように見える。
よく見ると、石に警告が刻まれている。 古代の言語だ...
「注意セヨ! モノリス 作り出ス 危険な 毒素! 毒! 動ク! 後ロニ!」
私のエクソスーツの環境警告センサーが不規則に動作していた。 スーツは強力な力に抵抗していたが、私の想
像よりスーツは強かった。 ハザード対策システムが無効になった。 ビジョンは終わると、私は無傷だった。
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