服部平次/2

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服部 平次（はっとり へいじ）は、『名探偵コナン』の登場人物。アニメでの声優は堀川りょう。

概要

大阪の高校生探偵。私立改方学園高等部2年に所属。推理力では同い年の工藤新一に引けを取らず、「西の高校生探偵」「西の服部、東の工藤」と並び称されるほど。

大阪弁（関西弁ではない[1]）で喋る生粋の関西人であり、工藤新一以上の熱血漢。色黒の肌は、本人曰く祖父譲りとのこと。父親は大阪府警本部の服部平蔵。母親は服部静華。遠山和葉とは幼馴染で、初恋の相手。大阪府寝屋川市在住[2]。

人物

世間で自分と比較されている工藤新一と対決するために、毛利探偵事務所に乗り込んだのが初登場。その際、新一と蘭との電話で工藤新一が話すのは新一自身のことだけで蘭のことは話さないと聞き、近くで覗いていると確信した（ニュアンスは異なるが事実上そうである）。その時、たまたま毛利小五郎が引き受けた依頼先で起こった殺人事件のトリックの推理を披露した。しかし、その推理は巧妙に仕掛けられた犯人のミスリードだった上に、風邪薬として飲まされた白乾児（パイカル）で一時的に元の体に戻った新一に正しい推理をされて敗北した形となった（ちなみにこの白乾児は大阪から彼が持ってきたもの）。推理勝負にこだわっていたため自分の負けを認めたが、新一の「真実は一つしかないのだから、推理に勝ち負けなんてない」という言葉によってその場は考えを改める。しかし、「どちらが早く謎を解くか」という推理勝負自体はいまだに好きな様子。

それ以降も新一をライバル視していたが、『ホームズフリーク殺人事件』の推理披露の為にコナンに麻酔銃を撃たれ、その推理中に目を覚まし、江戸川コナン=工藤新一であることに気づき、彼の事情を知ってからはコナンの良き協力者の1人となる。プライベートで東京を訪れる際は毛利探偵事務所に泊めてもらったり、偶然2人で同じ事件に遭遇した時は「探偵は探偵を呼ぶ」と言ってコナンとの再会に上機嫌になったりと、ライバルというよりは親友同士のノリで理解しあっており[3]、コナンと共同で捜査や推理をし、事件を解決に導くようになる。コナンが「工藤新一」として接することができる数少ない人物であり、コナンも平次の事を頼もしく思っている。しかしほぼ毎回コナンのことを「工藤」と呼んでしまい、周りの人間（特に蘭）から疑いの目を向けられてしまう。そのたびにコナンを冷や冷やさせるが、大阪人らしくボケで誤魔化している(｢目をつけるところが工藤にそっくり｣と言う等最近は誤魔化し方が雑になっている)。一度、蘭がコナンの正体が新一であることに気づいた際、疑いを晴らすため新一に変装して蘭の前に現れたが、結果は失敗に終わる[4]。コナンに影響されて「犯人を絶対自殺させない」と考えるようになる。新一とは、中学校のスキー旅行の時に起きた事件の推理を巡ってすでに対決していたのだが、本人はそのことに気付いていない。

「推理に勝ち負けなんてない」と言う新一とは反対に、勝ち負けにこだわる負けず嫌いな性格[5]。父親から殴られて「捜査妨害」として戒められても諦めなかったり、カンパニー（CIA）と関係がある事件である事が分かっても、新一と同じく興味本位でのめり込む。コナンに花を持たせる義理堅いところもあるが、多くはコナンが手柄を立てると「ええトコ取り」と気にする。白馬探からは、探偵としては血の気が多く先走りしがちと批判されたが、現場保存よりまだ生きているかもしれない人の命を大事にする熱血漢である[6]。

高校では剣道部に在籍しており、その剣の腕前はかなりの物（両親も共に剣の達人）。日本刀で襲い掛かってきた犯人をその鞘で打ち倒したエピソードがある[7]。京都泉心高校剣道部に「沖田」という名のライバルがいる[8]。法医学・民法の知識に富んでいる。また、水泳・英語も得意な様子。特に英語に関しては、ジョディの正体を怪しんでコナンと一緒に彼女の自宅を訪れた際、彼女とネイティブ並みの英会話を交わしている[9]。自動二輪免許を持っており、作中何度かバイクを利用している[10]。

幼馴染の和葉との仲は、新一と蘭の関係と同じく両思いであり、和葉の登場以降は直後の豪華客船での事件の1回を除き、全ての登場回で彼女が登場している[11]。ポーカーフェイスでボケてしまうので、コナンや蘭をやきもきさせることも多い[12]。自分の彼女に対する感情が恋愛感情なのかはまだ理解していない様子。口癖は「ボケ」。

服装

制服は学ラン。愛用の帽子には、ホワイトソックスをもじった「SAX」のロゴマークが入っている。和葉曰く「帽子をかぶり直したら平次の推理スイッチオン」。

由来

• 名前の由来は、『探偵物語』の服部刑事と『銭形平次 捕物控』の銭形平次。

補足

• 周囲からの呼ばれ方は、コナン（新一）が「服部」（周囲に他の人間がいるときは「平次兄ちゃん」）、蘭・阿笠・目暮警部・高木刑事が「服部くん」、哀が「大阪の～（少年探偵、探偵くん、お友達など）」、小五郎が「大阪の色黒ボウズ」・「平次」など、平蔵・静華・和葉が「平次」、大滝警部が「平ちゃん」。平次に計画を潰されて怒ったコナンに1度だけ「色黒男」と呼ばれたことがある。
• 推理小説ではエラリー・クイーンが好き[13]。
• 大阪在住にもかかわらず準レギュラー扱いで、原作では全体から見ると出番が多い[14]。
• 幼馴染である和葉に対しては素直になれない為か、「子分」呼ばわりしたり、単なる付き添いである事を強調したりする事が多い。しかし、心の底では彼女の事を意識している事がうかがえる。和葉が道を訊いたお巡りさん、停電した弾みに彼女がしがみ付いてしまった彼女の横に居た男性、果ては和葉に抱き抱えられたコナンにまで嫉妬の炎を燃やしてしまい、推理に集中出来無くなってしまう。本人は、その事を気にしていたが、何故「彼女の傍に男性が居るとイライラするのか」が理解出来ず、コナンに「ガキだな」と言われて逆上してしまった。最終的には答えを導き出したが、その内容は彼が推理をする際とは裏腹のトンチンカンな物だった。
• 映画版では第3作で初登場し、以後第7作・第10作・第13作・第14作に登場。第7作『迷宮の十字路』では、映画の主役になった。第13作『漆黒の追跡者』では、独自で捜査するコナンの手助けをした。
• 担当声優の堀川りょうは、同作者の『YAIBA』で刃のライバル鬼丸猛を演じており、高山みなみとの共演が多い。OVA『コナンvsキッドvsヤイバ 宝刀争奪大決戦!』では、服部平次（峰家の奇妙な薬を飲んで変身してしまったコナン）と鬼丸猛が共に登場している。
• 黒羽快斗（怪盗キッド）とは、映画・ОVAで3回も対決しているが原作では一切関わりがない[15]。
• 堀川は、服部平次の声を演じる1年前にアニメでゲストキャラクターを演じている（「バレンタイン殺人事件」）。
• 2008年に発売された『コナン&金田一』のキャラクター紹介で、主人公のライバルの項目に「コナンのライバル」として平次が載っていた。同じページに紹介された『金田一少年の事件簿』の主人公・金田一一のライバルである明智警視も初登場時に彼に推理勝負で敗れ、それ以降主人公の理解者になるという平次と似た境遇がある。
• 海外版での名前はHarley Hartwell。

脚注

1. ↑ 小学館の特集本『コナンドリル（ISBN 9784091794024）』でも明記されている。
2. ↑ 単行本31巻および32巻より。
3. ↑ 後述の様に推理の勝ち負けにさほどこだわらないコナンにとって「ライバル」と言えば同じ探偵の平次よりも、黒羽快斗（怪盗キッド）の方である。
4. ↑ 当人は完璧な変装をした算段で「和葉が居なければバレなかった」と思い込んでいたが、顔立ちが明らかに違う上、口調が関西弁のままだったため蘭にはあっさり見破られていた。
5. ↑ 「シンフォニー号」の事件では、意見が割れたことでコナンに推理勝負を提案。単独捜査に走ったことが災いして、真犯人に海へ投げ込まれてしまった。また、参加した剣道大会で事件に巻き込まれた際は、やがて来るコナンを意識し、彼が到着する前に事件を解こうとして犯人と大立ち回りになってしまう。たまにコナンとは電話で最近解決した事件の件数を比べたりもしている。
6. ↑ このとき、犯人からは「生存の可能性を否定されるまで、命を優先する」とその行動を肯定されている。
7. ↑ 大学生の間では、「大阪府警の人間を一人で全部倒した」という噂が広まっていたほど。また、このとき相手の降り下ろした刀（振り下ろした勢いで跳箱に食い込み、抜けなくなってしまった）の上に乗るという超技も披露している。
8. ↑ 『YAIBA』の登場人物・六代目沖田総司がモデルと思われる。
9. ↑ これは、声優の堀川りょうの相当な語学力にもよるという見方もある。
10. ↑ 蜘蛛屋敷の事件ではブルーのホンダCB400FOUR、劇場版『迷宮の十字路』ではカワサキKLR250だと思われるもの。
11. ↑ その事件でもラストシーンに和葉にもらったお守りが登場している。
12. ↑ 和葉のことは「和葉」と名前で呼ぶが、それ以外の女性のことは「ねえちゃん」としか呼ばないので一途なようである。
13. ↑ 工藤新一が来る事を予期して参加したホームズフリークの大会ではうっかりその事を喋ってしまい、周りのシャーロキアンに敵意のこもった視線を向けられた。
14. ↑ しかし、アニメでは彼が登場する話はスペシャルになる事が多く、アニメオリジナルの話には登場した事があまり無い為、全体からすると出番は少ない。ただし、映画、ОVA、ゲームでは登場は多く、些細な事件でも東京に駆けつける様子が見られる。
15. ↑ しかしアニメ版の「怪盗キッドの瞬間移動魔術」では、大阪でテレビ中継を見るオリジナルシーンが加えられた。

関連項目

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