国際比叡プロダクション_宗教

Christianity[]

深海棲艦との戦いはアルマゲドンであり、救世主の再臨と世界の終わりをキリスト教徒たちにとっては意味します。突如神の奇跡か悪魔の魔法のごとく怪物が出現し、世界を破壊するというのはまさしく世界最終戦争というにふさわしい事象でした。それまで”casual believer”だった欧米の人々は急激に信仰に傾き、深海棲艦と戦う軍隊を「神の兵」、「十字軍」として讃え参加しました。問題があるとすればそれは艦娘の扱いであって、彼女らが二次大戦中の艦艇を基にしているために、更には深海棲艦と「何らかの」関係があるために、素直に天使や神の兵の役割を与えることができないのが話をややこしくしています。

特に米国ではそうですが、キリスト教圏での信仰の深さは劇的に上昇しており、これは深海棲艦との戦いへの支持を獲得するには役立っていますが、全般的には政治や経済の正常な働きを阻害する要因となっています。当然宗派間対立は激化し、特にこれがCIS諸国とEUとの分断を決定づけています。妄言を吐く宗教指導者が政治の場で幅を利かすことは理性的で合理的な戦略判断を妨げるのみならず、退却や守勢への風当たりが厳しくなったことで艦娘轟沈を増やす事態にまで至るなど、深海棲艦との戦いという点ではその害は深刻です。これが、特に信仰篤い米国が南北アメリカ大陸から外征できていない大きな理由です。

カソリック、プロテスタント、東方正教をはじめとして数多く分派のあるキリスト教ですが、深海棲艦出現以降の激動の中で、残念ながら宗派間対立は激しくなっています。

Islam[]

神の敵المسيح الدجّال(Al-Masih ad-Dajjal)とは、イスラームで最後の救世主の再臨の前に来る、神の教えに背くよう人々を誘惑する悪魔的存在です。ムスリムたちはその指導者の共通認識に従って、（都合の良いことにイスラームの教えに背いた格好をした女性の姿を取った）深海棲艦たちをこの「神の敵」と認識しています。従って彼らは「神の敵」との戦いに励むとともに、やがて来る救世主の再臨を待ちわびています。

困ったことに、この神の敵の出現は、人々がイスラームの教えに背く行いをするようになった末法の世になったときのこととされているのです。冷戦の影に隠れていた、イスラームの厳格な適用を求めるイスラーム原理主義はこの事象のために大きく勢いづき、（艦娘無しには勝ち目のない深海棲艦相手に戦う代わりに）ムスリムたちや異教徒に彼らの急進的なイスラーム像に従うよう暴力をもって強制し、しかも宗派間で「正しいイスラーム」どころか「神の敵」像すら異なるために、宗派間戦争が激化しています。

Hindu[]

ヒンドゥーでは、世界の終わりは遥か遠く未来のことであって、深海棲艦の進撃とは現在の「カルパ」の終わりを示す現象であるに過ぎず、文明の破壊の先には新たな「カルパ」の創立が待ちます。ヒンドゥーへの帰依の度合いはやはり高まったものの、彼らは総じて戦闘的ではなく、ただ時の流れに身をまかせて時代の移り変わりを眺めるのみという消極的な立場を持っています。

Bhuddism[]

仏教はヒンドゥーと同じく深海棲艦の進撃を時代の移り変わりの契機と捉えています。彼らの教えでもやはり、ブッダの教えから5000年が経つとその教えが忘れ去られ頽廃がもたらされ、ブッダの再臨によって新たな時代が始まるとされています。大幅に時間軸がズレていることを含め、総じて今回の事態は仏教の教えと整合的でなく、信仰の深さは高まったもののそれは深海棲艦への態度には大きな影響は与えていません。

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