黒川紀章が手がけた国立新美術館の魅力

ページ名:黒川紀章が手がけた国立新美術館の魅力

東京・六本木にある「国立新美術館」についてご紹介します。建築に詳しくない方でも楽しめるように、できるだけわかりやすく、建築の面白さやこの美術館の魅力をたっぷりお伝えしていきます。

「国立新美術館」ってどんな場所?

国立新美術館は、2007年に開館した日本で5つ目の国立美術館です。他の美術館と違って、常設展示を持たず、さまざまな企画展やグループ展が開催される“展示の器”としての役割に特化しています。訪れるたびに違う展示が楽しめるのが特徴で、アート好きの人たちの間では「何度行っても飽きない美術館」として親しまれています。

そして、この美術館が特に注目されるのが、その建築デザイン。設計を手がけたのは、日本を代表する建築家・黒川紀章(くろかわ きしょう)です。

黒川紀章ってどんな建築家?

黒川紀章(1934年~2007年)は、建築界で世界的に高く評価された人物です。「メタボリズム(新陳代謝)」という独自の建築理論を展開し、未来的で柔軟性のある建築を提案し続けました。都市の変化に対応できる「成長する建築」というアイデアは、今でも多くの建築家に影響を与えています。

そんな彼の集大成とも言えるのが、この「国立新美術館」。生前最後の大規模プロジェクトとなりました。

建築初心者でも感じる美しさ!ガラスの波が印象的な外観

国立新美術館を訪れると、まず目に入るのが美しい曲線を描く巨大なガラスの外壁。まるで波がうねっているような形状で、見る角度によって表情が変わります。このガラスのカーテンウォール(外壁)は全長200メートルにも及び、館内に自然光をたっぷり取り込む工夫がされています。

この「波打つガラス」は、建物の柔らかさや開放感を演出するだけでなく、周囲の緑との調和も大切にしています。季節ごとに変わる木々の色がガラスに映り込み、訪れるたびに違う風景を楽しめるのも魅力です。

内部空間もまるでアート!カフェやロビーの使い方も秀逸

建物の中に入ると、天井が高く開放感にあふれたロビー空間が広がっています。印象的なのは、逆円錐型の巨大なコンクリートの構造物。まるでUFOのような存在感で、実はその上にはおしゃれなカフェ「サロン・ド・テ ロンド」があります。

この“浮かぶカフェ”は、美術館の建築を楽しむうえでの名所。建築好きの間では写真スポットとしても有名で、カフェでお茶をしながら空間の美しさを堪能できます。

また、階段や通路にも丸みを帯びたデザインが随所に見られ、どこを見ても「直線と曲線のバランス」が計算されています。建築に詳しくなくても、「なんだか居心地がいいな」「気持ちがいい空間だな」と感じられるのは、このデザインの力なんです。

 

展示がなくても楽しめる建築の魅力

「展示を見ないのに美術館に行くなんて…」と思うかもしれませんが、国立新美術館は“建物そのものを楽しむ”という贅沢な時間の使い方ができる場所です。ゆっくり建物を見上げたり、ガラス越しに外の景色を眺めたり、館内を歩くだけでも充分に満足感があります。

実際、建築巡りが趣味の方の中には「展示より建物が目当て」という人も多く、建築ファンにとってはまさに聖地のひとつです。

アクセスも良好!周辺スポットも充実

国立新美術館は、東京メトロ千代田線「乃木坂駅」から直結でアクセス抜群。また、徒歩圏内には森美術館や東京ミッドタウンなど、アートやデザインに触れられるスポットが点在しており、一日かけて建築・アート散歩を楽しむのにもぴったりです。

まとめ

「建築って難しそう…」というイメージを持っている方でも、国立新美術館は五感でその魅力を感じられる空間です。黒川紀章という建築家が遺した哲学と美意識が、この場所には詰まっています。

展示を目当てに訪れるのもよし、建物をじっくり堪能するのもよし。ぜひ一度、足を運んでその空間に身を委ねてみてください。

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