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作中の戦国時代にある村(後年における楓の村)で四魂の玉を守っていた高名な巫女。楓の姉で、日暮かごめの前世。かつて犬夜叉を封印した人物でもある。
普段は長い髪を元結で束ねており、巫女として気丈に振る舞っている。かごめとは容姿が似ているとされるが、犬夜叉によると「桔梗のほうが賢そうで美人」とのこと。弓矢の名手で、破魔の矢で敵を浄化することができる。また、大型の弓を好んで使う。
50年前に邪妖・奈落の謀略で一度命を落とすが、鬼女・裏陶の術によりこの世に蘇る。だが、魂はすでにかごめに転生していて一部しか戻らなかったため、魂が常に不足しがちで、死魂虫を用いて死魂を補充しなければならない。
復活して巫女としてのしがらみから解放されたのちは、生前は抑えていた感情をあらわにするようになり、特に自らの過去の因縁に関わる犬夜叉や奈落、そして犬夜叉の心を占めるかごめに対しては激しい感情と憎悪をぶつけることもある。表面上は寡黙だが、かごめと同じく喜怒哀楽の激しい性格。一方で蘇生後も、行く先々で弱者を救い多くの人々から慕われている。犬夜叉や奈落が関わらない部分では、生前と変わらない慈愛に満ちた心優しい女性である。
桔梗の生前の動向については、無印アニメの第147話および第148話で大きく掘り下げられた。
かつての彼女は、妹の楓とともに「歩き巫女」という修行の一環で諸国を旅してまわっていた。その際に、当時のライバル的存在であった黒巫女の椿によって、ある種の「呪い」を受ける。それから村に帰った際、妖怪退治屋から汚れた四魂の玉を清めるよう依頼を受け、四魂の玉を清めつつ妖怪たちから守る任に就く。
その頃、村に寄りつくようになった犬夜叉と出会い、最初は彼のことをあしらっていた。しかし、百足上臈に襲われかけた楓を犬夜叉が助けたことをきっかけに意識するようになっていき、やがて恋仲に発展するが、皮肉にもそれが原因で巫女としての霊力が以前より低下していくことになる。
ほどなく、自分に片想いをしており、洞窟で看病していた野盗・鬼蜘蛛の邪念から生み出された奈落が差し向けた妖怪たちが、村に接近していることすら察知できなくなる。犬夜叉と協力し、かろうじて撃退には成功するものの、その戦いの最中に楓が右目を失明してしまう[3]。このことに責任を感じた桔梗は、四魂の玉を守る巫女としての自分の力に限界を感じ、四魂の玉をこの世から消し去ること、そして犬夜叉と添い遂げることを決意するが、その直後、玉を狙う奈落の策略に嵌められ、致命傷を負わされてしまう[4]。
そして、同様に奈落に欺かれ、玉を盗もうとした犬夜叉を最期の力で封印したが、それでも完全には犬夜叉のことを憎みきれなかった。すでに深手の傷を負っていたが、生き延びることを望まず、命が尽きる直前に四魂の玉と一緒に自分を火葬するよう楓に頼み、玉とともにこの世を去った。
桔梗は再び生まれ変わることを望んではいなかったが、その魂は約500年の時を経た現代にて四魂の玉とともに日暮かごめとして転生した。戦国時代では桔梗の死から約50年後、生まれ変わりであるかごめが体内に四魂の玉を宿したまま、骨喰いの井戸からタイムスリップしてやってきた。それからほどなく、鬼女・裏陶が桔梗の墓から盗んだ骨と墓土で作り上げた紛い物の身体に、かごめの魂を入れたことで現世に復活するも、桔梗は自分を無理やりこの世に呼び戻した裏陶を怒りのままに滅した。
彼女は犬夜叉を恨んだまま死んだため、楓の制止も聞かずに彼を殺そうとしたが、かごめに魂を奪い還され、崖から落下。だが骨と墓土でできた体は壊れることはなく、やがて近くの村で巫女として暮らすようになる。姉のように慕ってくれる少女・小夜をはじめ、他の子どもたちや村人たちからも慕われていた。ところがある日、旅の僧侶・晴海が、桔梗が生きた人間ではなく死人であることを見破る。そしてその夜、死魂虫を操って死魂を集めているところを晴海と小夜に見つかる。晴海は法力で桔梗を無理やり成仏させようとしたが、失敗して殺されてしまう。そして、その現場を小夜に見られていたことに気づくと、桔梗は小夜に詫びながら村を去った。
晴海の弟子はその現場を目撃したのち、川に落ちて流されているところを犬夜叉一行に助けられる。犬夜叉は、晴海の弟子の話を聞くなり桔梗を捜しに出かける。桔梗は結界を張っていたが、同じ魂を持っているため結界を通過してきたかごめを術で動けなくした。そこへ犬夜叉を来させ、わざとかごめの目の前で彼と口づけをし、抱擁し合う。そして犬夜叉の意識を奪い、かつて愛した彼を連れて一緒に地獄へ行こうとするが、かごめに邪魔されて失敗。死魂虫に乗って去る。それから楓の家に寄り、鬼蜘蛛が奈落となったいきさつを聞く。その後、桔梗は「己の本懐を遂げるため」に、かごめから奪った四魂の玉をわざと奈落に渡した。
白霊山では睡骨の死を見届け、白心上人を諭し成仏させる。それからは、体を作り直して鬼蜘蛛の心を捨てた新生奈落と対峙するが、彼の攻撃を受け、瘴気の満ちあふれる川に突き落とされて体を瘴気に蝕まれる。その間は肉体を眠らせ、聖さま(ひじりさま)として魂だけで戦っていた。そして、式神・胡蝶と飛鳥の導きでやってきたかごめに体内の瘴気を浄化してもらい、復活する。犬夜叉一行があの世とこの世の境に向かう前には、犬夜叉に鬼蜘蛛の洞窟の土を塗った矢を託し、それをかごめに渡させた。
しかし、奈落の怨念が強く、再び瘴気の傷が開いてきたため、翠子の魂と同化する。その際に犬夜叉に四魂の玉ごと奈落を浄化する計画を告げたのち、自ら同行を申し出た琥珀とともに行動している。それと同時に琥珀の四魂のかけらを一点の汚れもなく浄化し、玉の完成とともに奈落を消滅する準備をしていた。
その後、魍魎丸を吸収した奈落との戦いののち、弥勒が吸い込んだ瘴気を自分の身体に取り込んだことで、かごめが一度浄化したはずの瘴気がまた体を蝕み始めた。さらに奈落が張り巡らした蜘蛛の糸に汚され、連動して琥珀のかけらが汚れることを防ぐために、式神をつけて琥珀を離れた場所に隠した。のちに犬夜叉たちと再会し、桔梗を浄化するべく霊山・梓山に弓を取りに行ったかごめたちを待っていたが、奈落に捕まる。このことで容体はますます悪化し、琥珀の行方を完全に見失ったばかりか、浄化の力をも失っていた[5]。かごめの矢で霊力を取り戻し、奈落が桔梗の中に隠した四魂の玉を奈落にぶつけて浄化を試みたが、邪気が入り込み失敗。琥珀と梓山の弓をかごめに託し、犬夜叉に看取られながら再び死を迎える。
最期は「普通の女になれた」と笑顔を浮かべ、犬夜叉と口づけを交わしながら消滅。その魂は天に召されていった。アニメでは成仏する前に意識だけが楓のもとへ行き、今までつらい思いをさせてしまったことを謝り、別れを告げた。彼女は四魂の玉に琥珀の持つ四魂のかけらを浄化するための光を残していたが、曲霊との戦いで琥珀のかけらに移り、かけらが奪われる瞬間に光は彼の体に残り、琥珀の命を救った。享年18。
作者である高橋留美子は東村アキコとの対談で、桔梗を「(ストーリー上)いずれどうしても死ななきゃいけないキャラ」と語っている[6]。
蘇った直後は、かつて愛した犬夜叉を道連れにしてともに地獄に堕ちようとしていたが、楓から奈落の話を聞いてからは犬夜叉に対する怨念が消えていった。二度目の死に際には、犬夜叉に看取られながら悔いなく成仏した。
アニメのオリジナルストーリーでは、生前に顔にこそ出さなかったが、巫女ではなく普通の女として生きたいという願望があることを彼にだけは打ち明けた。犬夜叉からは母・十六夜の形見である紅差しを渡された。
自分の生まれ変わりであり、恋敵でもあるかごめのことは快く思っていない。自分とは違い、生ある存在として犬夜叉とともに生き、生きてさえいれば自分が癒すはずだった犬夜叉のすさんだ心をかごめが癒していることへの嫉妬から、序盤では隙あらば彼女を殺そうとしていた[7]。
その後はかごめの力を試すような言動を取り、アニメでは的を外す彼女に大きな溜息をつくこともあった。次第にかごめには自分以上に霊力や心の強さがあることに気づき、最期は彼女に後を託し、死魂虫であいさつをしながら成仏した。
琥珀と初めて対峙した際、すでに奈落の呪縛が解けていることを見抜いていた。翠子の魂と融合したのち、彼と行動をともにする。奈落に操られた結果とはいえ、父と仲間を殺した現実に苦しむ琥珀の心を救うことができない自分に無力さを感じていた。
鋼牙の四魂のかけらが奈落に取られたらすぐに琥珀のかけらを使おうとしていたが、弥勒たちの奮闘を見て琥珀を救おうと考えるようになる。上記の通り、奈落を倒すことよりも琥珀の命を救うことを選んだ。
弥勒については、奈落との戦いで彼が大量に吸い込んだ瘴気を浄化した。だが瘴気すべてを浄化しきれず、風穴を使うたびに瘴気の傷は広がっていくと通告する。
殺生丸については、原作と映画でそれぞれ会ったが、映画では少し会話しただけであった。その際、「生きる者すべてを恨んでいる」と話した。
鋼牙については、奈落との戦いによる犠牲者を一人でも減らすため、彼が持つ四魂のかけらを渡し、群れに戻るよう迫るが拒否される。名前を知っていたが、犬夜叉から聞いていた様子。
元々、霊力も高かったので巫女としての戦闘力が高い上に、勘も非常に鋭く人間キャラクターとしてはトップクラスである。だが、生身の人間の女性なのでかごめ同様、肉体は弱く打たれ弱い。
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