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『ドラえもん』は、藤子・F・不二雄[† 1]による日本の児童漫画・SF漫画作品であり、また同作品に登場するキャラクターの名前でもある。
本作は「小学館」の発行している学年別学習雑誌で連載されていた漫画作品である。作品タイトルは、本作の登場人物の名前からきている。
勉強もスポーツも駄目でドジばかりの小学生「野比のび太」と、未来(22世紀)から来たネコ型ロボット「ドラえもん」の日常生活を描いた作品である。舞台となる時代は、基本は現代であるが、タイムマシンで過去や未来へも行き来する。
本作において欠かすことのできない要素であり、作品の魅力の一つとなっているのが、不思議な効力を持った数々のアイテム「ひみつ道具」である。
詳細はひみつ道具を参照
また、作品内におけるドラえもんの立ち位置が「ロボットとして扱われる事なく、普通の人間関係を築いている[1]」事も本作の特徴である。
典型的なプロットは「のび太の身にふりかかった困難を、ひみつ道具で一時的に解決するが、道具を不適切に使い続けた結果、しっぺ返しを受ける」というものである。
このプロットは、作者の描くSF(すこし・不思議、Sukoshi Fushigi)[† 2]を反映しており、当時のSFの唱える "if"(もしも) についての対象を想定した回答であるといえる。
ドジばかりの少年「野比のび太」。お正月をのんびりと過ごしていると、机の引出しから、のび太の子孫「セワシ」と未来のロボット「ドラえもん」が現れる。
未来の野比家では、のび太が残した借金がセワシの代まで及んで困っているという。悲惨な未来を変えるために、セワシが世話係として連れてきたドラえもんと暮らす事になるのび太。
ドラえもんはポケットからひみつ道具を取り出しのび太を助けてくれる。のび太は道具に頼りがちになりながらも、時には反省し学んでいき、少しずつ未来はより良い方向へと進んでいく。
本作の連載開始当初は、ドラえもんが騒動を巻き起こすギャグ漫画としての特色が強く、ストーリー性の強い作品は見られなかった[2]。しかし、連載が進むにつれて、次第にギャグ漫画の特色が薄くなり、作品のストーリー性が強くなっていった。
読者層が小学校在学の児童全学年と広範囲に展開されている為、読者の年齢差を意識して、内容面まで描き分けられて連載されていた。小学1年ならひみつ道具の楽しさが描かれ、小学4年からは、のび太の成長などのストーリー性が強くなり、小学6年になると、複雑な内容も増えてくる[2]。
当初、ドラえもんとのび太は「世話役と世話をされる者」だけの関係だったが、物語が進むにつれて、2人の仲が変化してくる。世話係の役目を終えて未来へ帰ったドラえもんは[3]、使命を負ってではなく、のび太の元へと再び現れる[4][2]。
ドラえもん連載期間(読み切り、半年未満の連載、及び大長編は除く。黄色は他誌と同時掲載。詳細は「連載誌」の項を参照)
1969年より、小学館の学年誌(『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』『小学四年生』)にて連載開始した。いずれも1970年1月号で、当時の作者名義は「藤子不二雄」。1話ごとに完結する短編として執筆。タイトルロゴは赤松育延によるもので、ドラえもんの手足をイメージしている[1]。
藤子・F・不二雄が執筆した作品は全1345話(短編・中編・長編)。ただしその一部[5][6][7][8][9][10]は、執筆当時のチーフアシスタントであるたかや健二による執筆[11]。
『ドラえもん』本編連載のほか、1974年には、ドラえもんの妹ドラミを主人公に据えたスピンオフ作品『ドラミちゃん』が連載され、のちに『ドラえもん』本編に統合された[2]。
詳細はドラミを参照
1973年に初めてテレビアニメ化し、日本テレビ系で半年間放送した。放送期間延長の話が出るほどの人気を博していたが、制作会社の社長の突然の辞任により打ち切りとなる。1979年にテレビ朝日系でテレビアニメ化され、同局の看板番組までに発展を遂げる。2005年に制作スタッフを一新し、放送を続けている。
詳細はドラえもん (1973年のテレビアニメ)、ドラえもん (1979年のテレビアニメ)、ドラえもん (2005年のテレビアニメ)をそれぞれ参照
1980年からはアニメーション映画の原作として長編[† 1]の執筆を開始し[2]、これを『大長編ドラえもん』と称している。『ドラえもん』の長編作品であり、映画公開に先行して『月刊コロコロコミック』で連載された。通常執筆するのは1話完結型の短編作品だが、『大長編ドラえもん』は1つの長編を数回に分けて連載し、単行本も『ドラえもん』からと独立した『大長編ドラえもん』シリーズとして発行している。映画にふさわしくスケールの大きな舞台で、のび太が仲間と協力して困難を乗り越え、成長する冒険物語が描かれる。この頃は『大長編ドラえもん』を含めると8本の雑誌に同時連載していた。
1987年以降は作者の体調面の問題もあり、短編の連載は少なくなった。大長編を除く、作者本人の手による最後の単発作品は、全3回の集中連載作品「ガラパ星から来た男」(第45巻収録)となっている。
1996年に藤子・F・不二雄が逝去した後も、藤子・F・不二雄プロの萩原伸一(むぎわらしんたろう)および岡田康則は、「大長編ドラえもん」シリーズの続巻を2004年まで執筆した。ただし藤子プロ執筆の巻は「まんが版▷映画シリーズ」として、藤子・F・不二雄本人が執筆した巻とは区別されている。
詳細は大長編ドラえもんを参照
『ドラえもん のび太の恐竜2006』(2006年公開)以降の映画は「大長編ドラえもん」としては漫画版が執筆されていない。ただし、『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』(2007年公開)以降は「映画ストーリー」として岡田康則(単行本では「藤子・F・不二雄プロ」名義)が漫画版を執筆している。単行本は既刊3巻。純粋な漫画版を執筆するのではなく、外伝漫画を執筆することもある。
詳細はドラえもんの派生作品#映画ストーリー超特別編を参照
2004年には、すべての作品を収蔵した「ドラえもん文庫」が開設された。作者の出身地で知られる富山県高岡市の高岡駅前再開発ビル「ウイング・ウイング」内の高岡市立中央図書館の「ドラえもんコーナー」と、富山大学横山研究室である。これはドラえもん研究で知られる富山大学の横山泰行教授が、収集した単行本計671冊を寄贈、図書館側も協力して実現した。収集家の間でも入手困難とされる初版初刷の単行本第1巻から第10巻を含む全45巻を所蔵している。書籍の内容は、雑誌に掲載されていた全作品を原寸大で複写し、フルカラー作品はすべてフルカラーで複写して、それを製本化して収めたものである。
いずれも小学館からの発行。
連載期間については米沢(2002年)による。なお、雑誌の号数による表記のため、実際の発売月とは1か月ずれるので注意が必要。また、「コロコロ創刊25周年記念 名作劇場ドラえもん」と題して『月刊コロコロコミック』2002年4月号から再掲載されている。ただし毎年1月号から3月号は映画原作が掲載されるため休載となる。
ドラえもん学の提唱者である横山泰行は、総数を1344としている。内訳は以下の通りである。
『ドラえもん誕生[13]』によれば、締め切りが迫る中、新連載の構想が浮かばないという切迫した状況にも関わらず、作者である藤子・F・不二雄は、アイディアがすぐに思い浮かぶような便利な機械があったらいいのに、などと考えながら空想にふけってしまう。さらに、過去にもアイディアが思い浮かばないまま、ドラネコのノミ取りを始めてしまったという経験があったことなどを回想しているうちに、ついに締め切りになってしまう。そして、「わしゃ、破滅じゃー!」と叫びながら階段を駆け下り、娘の起き上がりこぼしにつまずいた瞬間、「ドラネコと起き上がりこぼし」というアイデアが結びつき、ドラえもんが誕生したという。また、「ダメな人間を便利な機械で助ける」という内容も、自分に重ね合わせてこのときに思いついたのだという。
上記のように連載直前までキャラクターが決まっていなかったため、前月に掲載された予告[14]は、タイトルも、メインキャラクターであるドラえもんの姿も描かれていないという、異例のものであった。安孫子素雄(藤子不二雄Ⓐ)によれば、藤子・F・不二雄はドラえもんのキャラクターを作る際に、ネコのデッサンを漫画化したものを多数描いていたという[15]。
作品の連載開始は1969年12月発売の1970年1月号。
本作の主人公は、東京都[† 5]に住む小学生、野比のび太[† 6]。「ぼくの生まれた日」では(1995年に定められた藤子公認の新設定でも同様)、のび太は「10年前」の8月7日生まれ[16]。
詳細はドラえもんの登場人物一覧を参照
本作に登場する人物たちは、作者の少年時代に周りにいた友人や人々がモデルとなっているとの説がある。
藤子・F・不二雄の少年時代の友人の間では「ジャイアンのモデル」と目されている者もいるという[17]。作者の自叙伝である「まんが道」の少年時代編においても、番長格の少年が登場する。のび太については、自身の子供時代をモデルにしたと作者本人が語っている[† 7]。作者の少年時代は、運動能力が低く、いつも漫画を描いていたらしい[18]。さらに、源静香については作者の理想の女性を描いたものだとする説がある[19]。
作品の舞台となる、のび太の住む町は、東京都の練馬区にある「月見台」という町である[20][1]。「多奈川」という大きな川が流れている[21][1]。
地球上で絶滅した恐竜が地底では生き残っており、恐竜が進化した恐竜人も存在する。また、雲の上には天上人、海底には海底人、宇宙には地球外生命体も存在する。
のび太の家本作の主人公、野比のび太が住む家。のび太の部屋は、窓の下が玄関上の屋根に面しており、のび太は屋根の上で昼寝や日光浴などをすることもある[1]。詳細は野比のび太#のび太の家を参照
空き地のび太の家の近所にある空き地。土管が3本、ピラミッド状に積み上げられている。子供たちが集まっておしゃべりしたり、野球をしたりと、子供たちの憩いの場となっている。のび太の幼少時、またのび太の父の小学生時代には木材を多く置いていた。このことから単なる空き地ではなく、本来は材木を管理する企業が資材置き場として用いていた敷地の可能性がある[† 8]。ジャイアンのリサイタルは、ここで開かれることが多い。学校の裏山学校の裏にある山で、のび太の憩いのスポット。山の頂上には「千年杉」と呼ばれる木がそびえ立つ[22]。近辺のガケからは、新種の三葉虫[23]や大型肉食恐竜の化石[24]が発掘されている。団地の建設で一部掘り崩されたり[25]、宅地開発の対象になったり[26]、ゴルフ場建設が計画されたり[27]など、造成の対象にもされており、25年後には頂上にヒルトップマンションという名のマンションが建設され、千年杉は姿を消している[28]。22世紀ドラえもんが生まれた時代。未来の国。天気は気象庁で制御しており、農作物や経済の動向などをふまえた上で厳正に決めている[29][1]。台風は上陸する前に消してしまっている[30][1]。タイムマシンが普及しており、時間旅行をする際のルールとして「航時法」という法律が制定されている。航時法の違反を取り締まる「タイムパトロール」という組織がある[1]。作品の長期化にともない、初期と近作とではその時代風俗の描写にも適宜応じた変遷が見られる。
第25巻収録「竜宮城の八日間」での現在は1982年、第33巻収録「ハリーのしっぽ」での現在は1985年とされている。第16巻収録「りっぱなパパになるぞ!」では、のび太としずかが結婚してマンションに住み、息子のノビスケがのび太くらいの年齢となった近未来が2002年とされている。第3巻収録「白ゆりのような女の子」では、のび太の父親であるのび助についての戦時中における学童疎開の話がある(当時10歳前後であるとするとのび助はおよそ1930年代生まれ)。しかし、テレビアニメ第2作第1期「タイムマシンでお正月[31]」では1940年生まれという設定となっている。母親である玉子の少女時代は新設定テンプレート:要出典では1980年代であるが、実際の1980年代よりも街並みは古く描かれており、初期設定である1960年代に近い。
また、西新宿の副都心やサンシャインシティといった高層ビル街はほとんど描かれない。
藤子・F・不二雄自身の中にある設定として、他の作品との時代関係は固定していたと述べているテンプレート:要出典。たとえば、『ドラえもん』の数年前として『パーマン』[32]、ほぼ同時期の設定として『オバケのQ太郎』『エスパー魔美』『ウメ星デンカ[33]』など、数十年後として『21エモン[34]』など。
ドラえもんの道具にも時代の変化がみられる。初期においては白黒テレビをカラーテレビに変える道具等といった22世紀にはまず需要がないと思われる道具も登場した。
初版においては、作品中、名前が間違っていたり、現実の世界では成り立たない展開が少なからずあった。作者自身が勘違いしていたものや、単なる編集ミスなどが理由である。単行本の改訂版では、多くが訂正されている。ただ、訂正された結果、ストーリーが不自然になってしまったケースもある。
間違いではないが、連載後に台詞がふさわしくない表現となっている等の理由で、カットや台詞の修正が行われたケースもある。また、長年の連載のため、連載時点では真実とされてきたことが間違いであることがわかり、最新版では断りを入れるものもあった。
主な間違い・誤植とされている内容自他ともに認める作者の代表作であり、国際的に知られる作品であり、日本の「マンガ」を代表する作品である。本作を執筆中に藤子・F・不二雄が逝去した際、「代表作であり、同時にライフワークであった」とも関係者・読者に再認識させた。ただし一方で、爆発的なヒットにより、小学館の巨大産業となってしまった同作品のために作者自身が多忙となり、定期的に発表していた短編の仕事を引き受けることができなかったり、『エスパー魔美』の連載が不可能になるなどの弊害も生じた。
藤子・F・不二雄は「オバケのQ太郎」(合作)以降、「パーマン」「ウメ星デンカ」を小学館の学習雑誌および『週刊少年サンデー』に連載しており、本作はそれを引き継ぐ形で学習雑誌に連載された。しかし、「ウメ星デンカ」までは存在した『週刊少年サンデー』での連載はなかった。計6誌に連載されていたにもかかわらず、はじめはあまり注目される漫画ではなかったという[2]。実際、1973年に最初のアニメ化がなされたが、わずか半年で終了してしまう。その翌年には、最終回として「さようならドラえもん」が描かれたが、翌月「帰ってきたドラえもん」によって連載は続行された。
詳細は最終回、ドラえもんの最終回をそれぞれ参照
しかしその後、1974年の単行本(てんとう虫コミックス)発売、1977年の『コロコロコミック』創刊を経るにつれ、知名度も上昇し、単行本は1978年の時点で1500万部を売り上げた[35]。そして1979年に再びテレビアニメ化、その翌年には映画化され、それらのヒットにより人気は決定的なものとなった。1979年発行の単行本第18巻は、初版印刷部数が100万部を記録[36]。2000年度末時点で全世界で1億7000万部以上売られており[37]、小学館を代表する作品となっている。
『日経エンタテインメント!』2007年10月号「最後に読みたい本・マンガは何ですか?」というアンケートで第1位にランク入りした。また近年ではドラマの台詞や芸人のネタなどに使われることもある。
教育分野では、小学校の教科書に『ドラえもん』のキャラクターが登場したり、千葉大学の入試問題で「『ドラえもん』の道具を一つ選んでそれが実現可能かどうか検討せよ」という内容の小論文が課されたり、2002年のセンター試験総合理科で『ドラえもん』の道具が取り扱われたり、また、2006年の武蔵野美術大学の入学試験において、「『ドラえもん』を幾何図形を用いて再デザインせよ」といった問題が出るなど、日本では一般的な知識として扱われている。
2002年には、『タイム』アジア版の「アジアのヒーロー」25人の一人としてドラえもんが選出された[38]。
2005年、日本財団がニューヨークで行った展覧会「リトル・ボーイ:日本の爆発するサブカルチャー作品」は、本作を日本の文化にとって重要な作品として位置づけている。
小林よしのりは、『ドラえもん』は子供たちにとっての基礎であり、『コロコロ』にはずっと載っていなければならない漫画だと語っている[39]。
作家の瀬名秀明はエッセイ『おとぎの国の科学』において、「私は物語の基礎を『ドラえもん』と『コロコロコミック』から学んだ」と記述し、小説『八月の博物館』は、藤子・F・不二雄先生を真似ることで自分のルーツを探ろうと思って書いたと述べている。
また、辻村深月は『ドラえもん』を"私のオールタイムベストテン"の筆頭に挙げており[40]、『ドラえもん』をテーマの1つにした小説『凍りのくじら』を発表している。『ドラえもん』に関するコラムも雑誌等に執筆している[41]。
一方で江川達也は、「『ドラえもん』などという子供に有害なアニメを放送するテレビ局や漫画を載せる出版社の良識を疑う[42]」と、否定的な見解を示している。その理由として、のび太が成長しないことや、道具を使った悪事(タイムマシンを利用した金儲けなど)を読み手に働かせる漫画であることなどを挙げている。自作の『まじかる☆タルるートくん』は意識的に『ドラえもん』に似せ、「『ドラえもん』に充ち充ちている偽善を、構造的にはよく似た作品を突きつけることで暴きたかった」とし、「便利な道具に安易に頼りすぎて、しっぺ返しを喰らうのではなくて、本丸は未熟なアイテムに翻弄された上で、必ず最後にはトラブルを自分で解決しなくてはならない」点が、『ドラえもん』と一番大きく違うとしている[43]。もちろん、他からは支持されていない。
作品論としては、『ドラえもん』と童話の関連性を指摘したものがある[44]。例えば島田裕巳は、「特殊な能力を与えられた人間がそれを乱用し、最後にそのむくいを受けるというパターンは世界の伝統的なおとぎ話のパターンであり、それを取り入れることで長い間人気を保ってきた。」と分析している[45]。
1981年時点での親や教師の感想[46]には、『ドラえもん』は他のテレビ・漫画と異なり、刺激的・暴力的なシーンが少なく健全であるといった意見がある一方で、「(『鉄腕アトム』、『巨人の星』と比較して)のび太は何もせず、楽をして夢を叶えているのは問題」といった批判的な意見も存在している。そして、それらの意見を収集した坂田稔は、「人生に自分からぶつかっていかないで、ただいいこと、楽なことを何もしないで期待しているような世代が、これからしだいに社会を領してくるのではないかと思われるのである。」と結んでいる。
このような意見に対して作者の藤子・F・不二雄は、のび太は読者が目標とすべき理想像には描かれていない点、『ドラえもん』は珍道具が日常生活に及ぼす影響を描く漫画であり、道具の入手方法には重きを置いていない(ポケットから取り出すのは効率的手段である、効率的であることが悪いこととは思わない)点を挙げ、反論している[15]。
『ドラえもん』は漫画・アニメ・映画ともに翻訳され、特に東アジア・東南アジア諸国で人気作品となっている。1970年代にはすでに香港で、そして台湾で中国語の海賊版が出版されており、また日本文化が当時解放されていなかった韓国でも海賊版が横行した。テンプレート:See alsoテンプレート:See also
そのため韓国や中国などでは、日本の本家『ドラえもん』の方がコピーであると、過去に誤解されたこともあった[50]。海賊版は現在でも東南アジアで広く見られている。
また、木村純一プロデューサー(当時)によると、東南アジアにおいてのアニメ版は視聴率が70パーセントを超えることもあるという[51]。
漫画は1991年以降、東アジア、東南アジア、ヨーロッパを中心に翻訳がなされている。中国・台湾・マレーシアなどの中国語表記は長らく"テンプレート:Lang"、"テンプレート:Lang"などとなっていたが、原作者サイドより原音に近い発音に変えてほしいとの要請があり、1997年以降の正規出版物は"テンプレート:Lang"に統一されている(未だに「テンプレート:Lang」と書いてあるものはまず海賊版)。それと同じく韓国表記は"テンプレート:Lang"(読みは「トラエモン」または「ドラエモン」)、その他の国のほとんどは"Doraemon"となっている。
アニメーションは他に中南米(ブラジル、コロンビア、チリ、アルゼンチン、エクアドル、ボリビア、パラグアイ、ベネズエラ、パナマ、メキシコ、プエルトリコ、ドミニカ共和国、ニカラグア、コスタリカ)、ヨーロッパ(スペイン、イタリア、フランス)、アラビア語圏(アルジェリア、チュニジア、リビア、サウジアラビア、カタール、UAE、オマーン)、東アジア(韓国、香港、台湾)、東南アジア(インドネシア、マレーシア、タイ王国)、南アジア(インド)、ロシア連邦、イスラエルでも放送された。アメリカ合衆国に関しては、1985年にCNNのテッド・ターナーが50話分の放映権契約を結んだものの、未だに放映されていない(理由は不明)[52]。
本作が出版された主な国および地域は、香港、台湾、中国、韓国、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ王国、インドネシア、キプロス、イタリア、スペイン、フランスである。スペインではスペイン語(カスティーリャ語)、カタルーニャ語を含む5言語で出版された。東南アジア諸国では、ママがドラえもんの道具でやり込められると子供が大喜びする[2]という特徴が見られる。
ベトナムでは、海賊版が1000万部を売り上げていた。正規版を出版するにあたっては、それまでの原作者に支払われるべき印税をもとに、「ベトナムの子供たちのためのドラえもん教育基金」が設立された[15][53]。
また、各国のコミック雑誌(香港青文社「HAPPY DRAGON 快樂龍」など)にも連載されている[54]。
本節では『ドラえもん』の各単行本の概説を記載する。『大長編ドラえもん』については大長編ドラえもん#単行本を、各単行本の書誌情報については#書誌情報を参照。
本項では、単に未収録作品と示している場合、てんとう虫コミックス (TC)『ドラえもん』全45巻へ収録されていない作品を示す。下記以外に最初のアニメ化に合わせて虫プロ商事の虫コミックスにて初の単行本が刊行される予定があったが、発行の前に虫プロ商事が倒産したため幻になったといわれているテンプレート:要出典。
〈藤子・F・不二雄大全集〉を除き、全て選集。特記のない限り小学館からの発行。
〈てんとう虫コミックス〉全45巻計823話収録[55]。収録されている作品は、藤子・F・不二雄が自ら選抜した作品である。この為、全45巻へと収録されなかった作品、未収録作品が500話以上存在し、特に幼年誌「よいこ」「幼稚園」での掲載53作品は全て未収録である。『ドラえもん』開始時に学年誌の編集長していた井川浩によると、当初単行本化は予定されておらず、原稿料の値上要求に対する対案として提示された物であった。しかし小学館社長が売れ行きを怪しみ承認が得られなかったため、社員に採点をさせて高評価の話だけを収録する形で社長を説得、最終的に第6巻までという事で社長の承認を得る。このため、第6巻の最後には最終回のひとつである「さようなら、ドラえもん」が収録されている。しかし売れ行きが好調であったため、第7巻以降も続刊される事となった[56]。中編「ガラパ星から来た男」の連載終了後、同編を収録した第44.5巻が『月刊コロコロコミック』1994年9月号の別冊付録として発行されている。「ガラパ星から来た男」は後に第45巻にも収録された。『ドラえもん プラス』〈てんとう虫コミックス〉全5巻2005年 - 2006年てんとう虫コミックス『ドラえもん』に未収録の作品を集めた単行本。計103話収録(うち、計47話は藤子不二雄ランド掲載経歴あり)。連載初期作品も点在する。『ドラえもんカラー作品集』〈てんとう虫コミックススペシャル〉全6巻1999年 - 2006年てんとう虫コミックス『ドラえもん』に未収録(計119話。うち、計31話は藤子不二雄ランド掲載経歴あり)の作品を当時のカラー原稿で収録した単行本。カラー掲載の関係で、低学年向け作品ばかりである。『ドラえもん巻頭まんが作品集』〈てんとう虫コミックススペシャル〉既刊2巻2004年 - 刊行中てんとう虫コミックス『ドラえもん』の巻頭作品を収録。〈My First BIG〉既刊85巻2002年 -コンビニ向け廉価版。『ドラえもん傑作選』〈てんとう虫コミックスワイドスペシャル〉既刊1巻1999年 -〈小学館コロコロ文庫〉全18巻1994年 -文庫版。337話収録。基本的には『てんとう虫コミックス』収録の話をテーマごとに掲載している。ロボット編、スネ夫編、ドラミ編に未収録作品がある。〈小学館コロコロ文庫デラックス〉全10巻2000年 -文庫版。286話収録。小学館コロコロ文庫の「ドラえもん」収録作品ばかりである。〈藤子不二雄自選集〉全7巻1981年発行全10巻で発売された藤子不二雄自選集の第1巻から第7巻まで。計93作品収録で若干描き足しがされている話もある(てんとう虫コミックスではこの描き足し作品は未収録。藤子不二雄ランド、ぴっかぴかコミックスなどで読める作品もある。大全集では描き足しされた作品を完成形として掲載している)。現在絶版。『藤子・F・不二雄 自選集 ドラえもん』全2巻1998年〈藤子不二雄自選集〉の計7冊を全2冊にまとめたもの。収録作品は自選集と相違ない。〈カラーコミックス〉全6巻(および映画版全4巻)1979年 - 1982年発行小学館がコロコロコミック増刊号という位置付けで発行したB5サイズの4色刷。全22冊刊行のうち、ドラえもんの短編作品を収録したのは全6冊である。全部で102話収録されており、『てんとう虫コミックス』未収録話が多かった(発刊当時はほとんどの作品が未収録であった)が、計2作品[57]を除き、後に藤子不二雄ランド、カラー作品集などに掲載された。また、映画版ドラえもんとして、のび太の恐竜~のび太の海底鬼岩城までが発刊された。いずれも現在は絶版。中央公論社〈中公コミックス 藤子不二雄ランド〉全45巻1984年 - 1990年発行第35巻までは初出掲載を基準に『てんとう虫コミックス』収録(計10作品[58]を除く第37巻までのほぼ全話)と未収録話を拾遺しながら掲載。第36巻以降は『てんとう虫コミックス』から収録した新編集となっていた。計832話収録(うち130話はてんとう虫コミックス単行本未収録。そのうち、プラス、カラー作品集で計47話収録。尚、後述の『藤子・F・不二雄大全集』ではFFランド掲載分も単行本収録扱いである)。巻末には「ウルトラB」、「チンプイ」が掲載されているものが多い。現在絶版。『SHOGAKUKAN ENGLISH COMICS Doraemon』既刊10巻2002年 - 刊行中[59]『SHOGAKUKAN ENGLISH COMICS AUDIO版 DORAEMON』既刊2巻2009年 - 刊行中別売りとして、iTunesでネイティブスピーカーによる台詞の英語発音が有料配信されている。〈ぴっかぴかコミックス〉全18巻2004年 - 2008年発行 (刊行中だが一部は品薄状態)全18巻。低年齢向けの作品を集めた単行本。『てんとう虫コミックス』収録済みの作品を中心に207話収録。63話の未収録作品(うち、20話は藤子不二雄ランド収録経歴あり)を含む。また、単行本として初めて幼年誌掲載作品も載せられた。『ドラミちゃん』〈ぴっかぴかコミックス〉全1巻2007年ドラミちゃんが主役となる話を収録。計8作品。『カラー版 ドラえもん』〈ぴっかぴかコミックススペシャル〉全1巻2005年現在は品薄状態。幼年誌「よいこ」「幼稚園」連載作品が中心となっており、いずれも『てんとう虫コミックス』未収録。『デジタルカラーセレクションドラえもん』〈てんとう虫コミックススペシャル〉既刊6巻2004年 - 刊行中〈藤子・F・不二雄大全集〉全20巻の予定[60]、既刊10巻2009年7月 -未収録作品を含む全作品収録の完全版。学年繰り上がり収録によって連載時と同じ順番での収録。全20巻を予定。特記のない限り、著者は藤子・F・不二雄。〈中公コミックス 藤子不二雄ランド〉のみ中央公論社より、その他はすべて小学館より発行。『大長編ドラえもん』については、大長編ドラえもん#書誌情報を参照。
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出版物の節に記載されている書籍以外で、本項で主に参照した文献を挙げる。なお、ドラえもんに関する書籍はここで挙げたもの以外にも多数出版されている。
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てんとう虫コミックス・大長編第17巻『のび太のねじ巻き都市冒険記』(148頁)[説明]特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC BY-SAライセンスの下で利用可能です。...
ドラえもん短編第13巻第12話『ロケットそうじゅうくんれん機』(100頁)[解説]ドラえもん短編第14巻第17話『宇宙人の家?』(139頁)[解説]ドラえもんプラス第4巻第2話『「チャンスカメラ」で特...
てんとう虫コミックス・短編第13巻第12話『ロケットそうじゅうくんれん機』(98頁)[説明]特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC BY-SAライセンスの下で利用可能です。...
ドラえもん・ドラえもんプラス第3巻第9話『室内世界旅行セット』(91頁)[解説]特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC BY-SAライセンスの下で利用可能です。...
単行本未収録作品・小学三年生1970年3月号『無題(のび太が強くなる)』(226頁)[説明]ジャイアンやスネ夫に、のび太は「目をつぶって道を歩いてもあんしんなんだ」と自慢して、歩いていた。すると、危う...
てんとう虫コミックス・短編第20巻第8話『天の川鉄道の夜』(73頁)[説明]てんとう虫コミックス・未収録作品第24巻第3話『メンコプリンター・無敵メンコレータム』(21頁)[説明]のび太はひみつ道具で...
てんとう虫コミックス・短編第28巻第10話『なぜか劇がメチャクチャに』(97頁)[説明]特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC BY-SAライセンスの下で利用可能です。...
てんとう虫コミックス・短編第30巻第4話『フエール銀行』(35頁)[説明]てんとう虫コミックス・大長編第7巻『のび太と鉄人兵団』(83頁)[説明]特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC B...
ドラえもん短編第22巻第1話『メカ・メーカー』(9頁)[解説]特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC BY-SAライセンスの下で利用可能です。...
てんとう虫コミックス・短編第17巻第3話『週刊のび太』(33頁)[解説]てんとう虫コミックス・短編第22巻第8話『デビルカード』(81頁)[解説]てんとう虫コミックス・短編第25巻第8話『カンヅメカン...
ドラえもん・大長編第14巻『のび太と夢幻三剣士』(20頁)[解説]特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC BY-SAライセンスの下で利用可能です。...
てんとう虫コミックス・大長編第17巻『のび太のねじ巻き都市冒険記』(90頁)[説明]特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC BY-SAライセンスの下で利用可能です。...
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