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人工言語とは、個人または集団によって意識的に作られた言語のことである。様々な理由により、世界中で多様な言語が作られてきた。それらをどのように分類するかについては、国内の人工言語作者のあいだでも種々の議論があった。
人工言語界隈において、セレン・アルバザード氏の説明によるSe分類と呼ばれるものが長らく一般的である。
目的別このように、Se分類は人工言語の目的をそれぞれ単一のカテゴリに分類しようとするものである。これは、言語を概括して呼称するためには有用だが、一方で、複数の性質を合わせもつ言語をうまく分類できなかったり、人工言語作者それぞれで、分類の呼称の意図が大きく異なっていることも往々にしてある。
日本の人工言語コミュニティではあまり話題には登らないが、(歴史的経緯は明らかでないが)Se分類の離散的な分類をややアナログにしたものとして、Gnoliの三角形というものがある。
Maxwell gnoli.jpgこれは、Se分類でいうところの芸術言語(artlang)、国際補助語 (auxlang)、工学言語(engelang)の主要3分類を三角形の頂点に置き、その三角形内を指示することで、その3要素の中間部分でのラベリングを可能にしたもの。たとえば、ある人工言語作者は、自作言語について「70%芸術言語、20%工学言語、10%国際補助語」というように言い、三角形上のある一点を指すことができる。
Gnoliの三角形は、複数の特徴を合わせもつ言語の分類を可能にしてはいるが、目盛りが細かすぎるがゆえに各作者によって数値の基準が異なりすぎ、絶対値による比較が難しいという側面が出てくる(もしあなたが人工言語作者なら、Gnoli の三角形上にあなたの言語を置いてみると良いだろう)。
そのような流れのなかで、最近新しく提案があったのが、もやし氏とおかゆ氏とデネブ氏によるモユネ分類(草案をデネブ氏が拡張したもの)である。これによって、作者の意図する用途や趣旨によって人工言語をタグ付けすることができる。例えばエスペラントは INT/CDE/GEN/SER/SON/LIT/REA/PPO のように分類されるだろう。ネーミング用言語など細かな目的に特化したものは、きりがないため、一括して SPE に分類され、それ以降は各言語特有の性質として扱われる。表音・表意文字なども同様である。屈折語、膠着語といった自然言語の類型などは NAT の下位分類として扱われるだろう。
複数の側面をもった言語というものも可能なため、一見相反する分類が両立することがある。たとえば、冗談としての完成度を高めたいという場合にはSER/JOKが立つだろうし、文化非依存的な運用と文化依存的な運用の両方を想定する言語の場合にはCIN/CDEが立つだろう。
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