| 名前 | ランサムウェア |
|---|---|
| 読み | らんさむうぇあ |
| 種類 | マルウェア |
| ジャンル | サイバー攻撃、コンピュータセキュリティ |
概要
ランサムウェアとは、感染した端末やサーバ上のファイルを暗号化したり、システムをロックしたりしたうえで、復旧と引き換えに金銭(身代金)を要求するマルウェアの総称である。英語の ransom(身代金)と software を組み合わせた語。
主な挙動は次のとおり。
- ファイルの暗号化(復号鍵を持たない限り原則として復元できない)
- 画面ロックや起動妨害
- 窃取したデータの公開をちらつかせる脅迫(二重恐喝)
- 仮想通貨などによる支払い要求
個人のPCだけでなく、企業・医療機関・自治体・学校などのネットワークが標的になることも多い。感染経路は、メールの添付ファイルやリンク、脆弱性を突いた侵入、不正なダウンロード、リモートデスクトップの弱い認証情報などが代表的である。バックアップの有無、ネットワークの分離、パッチ適用、多要素認証などが被害の大きさを左右する。
支払いをしても復号されない、またはデータがすでに流出している事例があり、セキュリティ機関は原則として身代金の支払いに否定的な立場を取ることが多い。
来歴
概念そのものは1980年代末には存在した。1989年、生物学者ジョセフ・ポップが配布した「AIDSトロイの木馬」(PC Cyborg)は、フロッピーディスク経由で感染し、一定回数の起動後にファイル名を隠し、復旧用の送金を求めるものだった。当時は暗号が弱く、広くは広まらなかった。
2000年代半ば以降、画面をロックして解除コードの購入を促す「ロッカー型」が散見されるようになった。2013年のCryptoLocker前後から、強い暗号でファイルを暗号化し、仮想通貨で身代金を要求する「クリプト型」が主流になった。以降、標的を絞った侵入、窃取データの公開脅迫、サービスとしてのランサムウェア(Ransomware as a Service)といった形態が広がった。
2017年のWannaCryは、Windowsの脆弱性を悪用して短期間に多数の組織へ波及し、ランサムウェアが社会インフラにも影響し得ることを広く知らしめた。同年のNotPetyaは、身代金要求を装いつつ破壊的な影響を与えた事例としてしばしば挙げられる。
2020年代に入ると、ファイル暗号化にデータ窃取を組み合わせた二重恐喝が一般的になり、医療機関や公的機関、製造業への被害報告が続いている。
