| 名前 | Qilin |
|---|---|
| 読み | キリン/キーリン |
| 別名 | Agenda、チーリン |
| 種類 | ランサムウェア集団(RaaS型) |
| ジャンル | サイバー犯罪 |
概要
Qilin(キリン、キーリン)は、2022年ごろから活動が確認されているランサムウェア集団。名称は中国神話の瑞獣「麒麟」に由来するとされる。旧称はAgenda。ロシア語圏を拠点とするとみられ、ランサムウェア本体とインフラを管理する側と、実際の侵入を行うアフィリエイト(加盟者)に役割を分けるRaaS(Ransomware-as-a-Service)型で運営されている。
手口は、侵入先のデータを抜き取ったうえで暗号化し、復号の対価として身代金を要求するだけでなく、支払わなければ盗んだ情報を公開すると脅す二重脅迫型が中心。リークサイトを独自に運用している。2025年には被害掲載件数が突出し、欧州のサイバーセキュリティ機関からも活動が活発な集団の一つと指摘されている。ロイター通信の2026年8月の報道では、2022年10月以降の被害は100カ国超・約2400件とされる。日本の警察庁によると、2025年に国内で確認されたランサムウェア関連149件のうち、Qilinの関与が疑われるものは32件だった。
来歴
2022年7〜8月ごろ、ロシア語圏のハッキングフォーラムで「Agenda」として確認される。同年9月にQilinへ改称。
2023年2月ごろからRaaSとして本格稼働し、独自のリークサイトを立ち上げた。
2024年6月、英国の病理検査事業者Synnovisが攻撃を受け、ロンドンの複数病院で検査や予約に大きな混乱が生じた。報道では患者死亡との関連も指摘されている。
2024年9月、ドイツの物流会社を攻撃し、約16万5000ドル相当の暗号資産を脅し取った疑いが、のちに捜査対象となる。
2025年9月29日、アサヒグループホールディングスがサイバー攻撃を受け、受発注停止や工場の生産停止に追い込まれた。10月7〜8日、Qilinがダークウェブ上で犯行声明を出し、9300超のファイル(約27GB)を盗んだと主張した。同社は個人情報の漏えい可能性も公表している。
- 2025年、リークサイトへの被害者掲載が急増。製造業・サービス業への攻撃が多いとEU機関ENISAが分析した。
2026年5月下旬、中心メンバーとみられるロシア国籍の男(28)が、大阪市内で旅行中に日本の捜査当局に拘束される。ドイツ側からの請求に基づく措置で、東京高裁の許可を得ていた。
2026年10月2日、同男はドイツ側へ引き渡された。ドイツでは2024年の物流会社への攻撃をめぐる容疑が問題となっている。
