| 名前 | コックリさん |
|---|---|
| 種類 | 降霊術・占い遊び(心霊現象を模したもの) |
概要
コックリさん(狐狗狸さん)は、西洋のテーブル・ターニング(Table-turning)に起源を持つ日本独自の占い・降霊術の一種です。机や紙の上に文字を書いたシートを置き、硬貨(主に10円玉や5円玉)に参加者全員の人差し指を軽く乗せ、「コックリさん、コックリさん、おいでください」と呼びかけると、硬貨がひとりでに動き、質問に対する答えを示すとされています。
日本では狐(きつね)の霊や動物霊(狐・狗・狸の合成霊)が憑依すると信じられ、「狐狗狸」の当て字が使われますが、これは後付けの解釈です。科学的にはイデオモーター現象(無意識の筋肉運動)と潜在意識(予期意向)の影響によるものと説明されます。
遊びとして学校などで流行しましたが、精神的な影響を懸念して禁止された事例も多く、都市伝説や怪談の題材になっています。
典型的な遊び方の紙の例(鳥居・はい/いいえ・五十音・数字を配置):
来歴
起源(西洋):15世紀頃のヨーロッパですでに類似現象が記録されており(レオナルド・ダ・ヴィンチも言及)、19世紀にテーブル・ターニングとして大流行。霊媒を通じて霊と会話する心霊術として知られました。
日本への伝来(明治時代)
1884年頃、伊豆半島下田沖に漂着したアメリカ船員がテーブル・ターニングを紹介したのがきっかけとされます。当時テーブルが珍しかった日本では、お櫃(ひつ)を3本の竹で支えた不安定な台を使い、「こっくりこっくり」と傾く様子から「こっくりさん」と命名。後に「狐狗狸」の字を当てました。港町から花街、都市部へ広がりました。
大正・昭和:芸者たちの酒宴余興や、戦時中の主婦たちの不安解消として利用。硬貨を使う現在の形式が定着。
1970年代ブーム
つのだじろうの漫画『うしろの百太郎』などで紹介され、学校の子供たちの間で大流行。オカルトブームと重なり、教師や親から禁止されるケースが増えました。
現代
都市伝説として残り、エンジェルさん・キューピットさんなどのバリエーションも存在。韓国(分身娑婆)、台湾(碟仙)など海外にも類似遊びが伝わっています。
遊び方(詳細)
1.白い紙に鳥居(入口の目印)、はい・いいえ、五十音(ひらがな)、0〜9の数字、男・女などを書く。
2.紙の上に硬貨を置き、全員の人差し指を軽く乗せる(力を抜く)。
3.「コックリさん、コックリさん、おいでください」と繰り返し唱える。
4. 硬貨が動き始めたら質問をする。
5. 終了時は必ず「コックリさん、ありがとうございました。お離れください」と言う。
終了後の処理(伝承上)
遊びを終えた後の硬貨と紙の扱いは非常に重要とされ、守らないと「コックリさんが憑いたままになる」「災いが起きる」といった言い伝えがあります。
一般的な手順
1. 必ず終了の言葉を言う 「コックリさん、ありがとうございました。お離れください」を全員で3回繰り返す。2. 紙の処理
- 鳥居の部分から上に向かって縦に破る(またはハサミで切る)
- 破った紙は塩を振ってから丸めて燃やす(灰になるまで)
- 燃やせない場合は塩水に浸してビニール袋に入れ、十字路や川(ゴミ捨て場ではない)に捨てる
3.硬貨の処理
- 使用した硬貨は塩水(または塩)で洗う
- その後、神社でお賽銭として使うか、地面に埋める、または海や川に流す
- 絶対にそのまま財布に戻したり、再利用しない*特に注意されること
- 一人でやった場合や、終了の挨拶を忘れた場合は特に危険とされる
- 紙を破らずに捨てたり、硬貨を普通に使ったりすると「狐狗狸さんがついてくる」と言われる
- 学校で流行った時代は、先生が「紙と10円玉を全部没収して燃やした」という話も多い。
注意(伝承上)
一人でやらない、途中で手を離さない、終了の挨拶を忘れない、など。守らないと憑依されるとの言い伝えがあります。
科学的解釈
- 井上円了(東洋大学創設者・妖怪博士)が明治時代に研究し、『妖怪玄談』などで不覚筋動(無意識の筋肉運動)と予期意向(潜在意識の期待)で説明。
- マイケル・ファラデーなどの科学者も同様の現象を検証。
- 参加者の視線が文字を先読みし、無意識に指が動く実験結果も報告されています。
