二口女

ページ名:二口女
名前二口女

概要

二口女は、日本の江戸時代に登場する妖怪で、後頭部(後ろの頭や首のあたり)に別の口を持つ女性の姿をした妖怪です。
前方の普通の口はほとんど物を食べず、後頭部の大きな口が髪の毛を触手のように操って大量の食べ物を貪るという特徴があります。この口は唇・歯・舌を持ち、独立して動き、痛みや声を発することもあります。
正体や由来は地域・伝承によって異なり、主に以下のものが挙げられます:

因果応報の悪病

継母が先妻の子を餓死させた報いとして後頭部に口ができる(『絵本百物語』版)。
山姥(やまうば)や蜘蛛の化身:東日本では山姥、西日本では蜘蛛が化けたものとする話が多い。
他のバリエーションは夫のケチで食事を我慢した女性が変異、または子供の怨念が取り憑くなど。
外見は美しい女性ですが、後頭部の口を長い髪で隠しています。
夜間や一人きりの時に髪が蛇のように動き、食料を後口に運びます。
家計を圧迫するほどの食欲が特徴で、妖怪の中でも「食わず女房(飯食わぬ嫁)」の民話と結びつきやすいです。

来歴

主な出典は1841年(天保12年)の奇談集『絵本百物語』(桃山人著、竹原春泉斎画)です。
『絵本百物語』版の詳細
下総国(現在の千葉県)の家に後妻が嫁ぐ。
夫には先妻との間に娘がいたが、後妻は自分の子だけを可愛がり、先妻の子に食事を与えず餓死させる。
49日後、夫が薪を割っている最中に斧が誤って後妻の後頭部を割る。
傷口が唇のような形になり、歯や舌ができ、痛み出す。食べ物を入れると痛みが和らぐ。
やがて傷口から声が聞こえ、「心得違いから先妻の子を殺してしまった…」と後悔の言葉を吐く。
同書では、これを人面瘡(人間の顔のような傷口が現れる奇病)の一種とし、悪行の報いとして説明。道徳的な教訓(人道)を説く内容となっている。
この話は作者の創作要素が強いとされ、実際の下総国に伝わる民話ではないと指摘されています。挿絵では髪が蛇のように描かれていますが、本文には明記されていません。

他の民話・地域伝承

飯食わぬ女房はケチな男が「飯を食わない女房が欲しい」と言い、理想の妻を得るが、家中の米が減る。
覗くと後頭部の口が髪を使って大量に食べる。正体は山姥など。
東日本:山姥が化け、端午の節句の菖蒲避けの由来とする話あり。
西日本:蜘蛛の化身とするバージョンが多く、除夕の火を絶やさない風習の由来にも。
富山県五箇山など:継子の怨念が後頭部に口を作る。
二口女はろくろ首、口裂け女、山姥など、女性が呪いや病で妖怪化する系統の妖怪群に属します。現代では小説(京極夏彦『二口女』)やゲーム、アニメなどに登場します。

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