| 名前 | 函館市 |
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概要
函館市(はこだてし)は、北海道の南部、渡島半島南東部に位置する中核市です。渡島総合振興局の所在地で、札幌市・旭川市に次ぐ北海道第3位の人口(2025年10月末現在約23万3千人)を擁しています。面積は677.87km²で、三方を太平洋・津軽海峡に囲まれ、天然の良港である函館港を有する港湾都市です。世界三大夜景の一つに数えられる函館山からの夜景、新鮮な海産物、異国情緒あふれる元町の街並み、歴史的な五稜郭などで知られ、北海道を代表する観光都市として国内外から多くの訪問者を迎えています。気候は比較的温暖で夏は涼しく、冬の積雪も少ないのが特徴です。
歴史
函館市の歴史は古く、室町時代享徳3年(1454年)、津軽の豪族・河野政通が「宇須岸(ウスケシ)」に館を築いたのが始まりとされ、これが箱のような形から「箱館」と呼ばれるようになりました。江戸時代には松前藩の領地で、和人地と蝦夷地の境界に位置していました。1854年の日米和親条約により下田・函館が開港し、1859年に横浜・長崎とともに国際貿易港として正式開港。西洋文化が早くから流入し、洋館や教会が建ち並ぶ異国情緒の街並みが形成されました。
明治時代に入り、1868-1869年の箱館戦争(戊辰戦争の最後の戦い)では旧幕府軍が五稜郭を拠点に新政府軍と戦い、榎本武揚らが降伏。1872年に箱館から「函館」と改称されました。明治・大正期には火災が相次ぎましたが、そのたびに耐火建築として赤レンガ倉庫などが建てられました。1922年に市制施行。戦後、漁業や観光が発展し、2004年に周辺町村を編入して現在の市域となりました。2016年には北海道新幹線が新函館北斗駅まで開業し、交通の要衝としてさらに注目されています。
地理
函館市は渡島半島南東部に位置し、東・南・北を海に囲まれ、西側は北斗市・七飯町・鹿部町と接しています。市域中央に標高334mの函館山があり、陸繋島から陸繋砂州(トンボロ)でつながった独特の地形です。北部は山岳地帯、南西部は平野部で、市街地は函館山周辺と亀田川扇状地に広がっています。気候は海洋性で、夏は涼しく冬は温暖。湯の川温泉などの温泉地も多く、自然豊かな環境です。
人口
2025年10月末現在の住民基本台帳人口は233,364人(男106,324人、女127,040人)、世帯数137,866世帯です。高齢化が進み、人口減少傾向にありますが、観光や移住促進で対策を講じています。
経済・産業
主な産業は観光業、水産業、食品加工業です。スルメイカの水揚げ日本一を誇り、「イカの街」として有名。新鮮な海産物を活かした水産加工品が全国に出荷されています。農業は馬鈴薯や野菜が中心ですが規模は小さく、商業・サービス業が経済の中心。函館港は国際貿易港として機能し、製造業も工業団地で発展。近年はITやスタートアップ支援も積極的です。
観光
函館市は北海道有数の観光地で、年間約500万人の観光客が訪れます。世界三大夜景の函館山夜景、五稜郭、函館朝市、金森赤レンガ倉庫、元町の教会群・洋館、湯の川温泉などが人気です。イベントとして函館港まつり、はこだてクリスマスファンタジー、函館マラソンなど多数開催。市電やロープウェイが観光の足として便利です。
主要観光スポット
- 函館山夜景: 標高334mの山頂から見る宝石のような夜景は必見。ロープウェイでアクセス。
- 五稜郭: 日本初の西洋式城郭。星形の堀が美しい公園で、タワーから俯瞰可能。
- 函館朝市: 新鮮な海産物が並ぶ市場。海鮮丼が名物。
- 金森赤レンガ倉庫: ベイエリアのショッピング・グルメスポット。イルミネーションが美しい。
- 元町地区: ハリストス正教会、旧イギリス領事館、八幡坂など異国情緒たっぷり。
- 湯の川温泉: 北海道三大温泉郷の一つ。トラピスチヌ修道院も近く。
- その他: 立待岬、函館公園、縄文文化交流センター(世界遺産関連)など。
交通
函館空港から市内中心部まで車で約20分。北海道新幹線新函館北斗駅から在来線でアクセス。市内は市電(路面電車)が観光に便利。函館港は青函フェリーの拠点です。
文化・教育
大学として函館大学、北海道教育大学函館校など。博物館や文学館が多く、文化施設が充実。GLAYの出身地としても知られています。
関連項目
- 函館山
- 五稜郭
- 函館朝市
- 金森赤レンガ倉庫
- 湯の川温泉
- 箱館戦争
