名前 | キロバイト便 |
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概要
キロバイト便は、1990年代後半から2000年代初頭にかけて人気を博した、無料のファイル転送サービスです。主にインターネット黎明期に、メール添付では送れない大容量ファイルを共有するためのツールとして利用されました。サービス名は、データ容量の単位「キロバイト (KB)」と、当時流行っていた宅配便のパロディを組み合わせたもので、ファイルのアップロードとダウンロードを「便」で送るようなイメージを強調しています。最大容量は数MB程度に制限されていましたが、当時のインターネット環境では画期的なサービスとして、多くのユーザーから支持を集めました。現在はサービス終了しており、類似サービスとしてギガファイル便などが後継的に存在しますが、キロバイト便はレトロなインターネット文化の象徴として語り継がれています。
来歴
キロバイト便は、1998年頃に日本国内のインターネットサービスプロバイダーや個人運営者によって開始されました。当時のインターネットはダイヤルアップ接続が主流で、ファイルサイズが数MBを超えるとメール送信が困難だったため、こうした共有サービスが急増しました。サービスはシンプルなウェブインターフェースで、ファイルをアップロードすると一時的なURLが発行され、ダウンロード期限(通常数日)を設ける形式でした。2000年代中盤には、より大容量対応のサービス(例: ギガファイル便、2006年開始)が登場し、キロバイト便の利用者は減少。2010年代初頭までに正式にサービス終了となりました。一部では、偽の昭和風広告動画やパロディコンテンツとして再現され、YouTubeなどで懐かしがられています。
特徴
容量制限: 1ファイルあたり数MB(キロバイト単位の小容量中心)。
利用方法: ユーザー登録不要で、ブラウザから簡単にアップロード・共有可能。ダウンロードリンクの有効期限を設定。
セキュリティ: 当時の標準的なアンチウイルスチェックはなく、匿名利用が主。プライバシー保護の観点から一時保存が基本。
文化的影響: インターネットスラングやパロディの元ネタとなり、現代のファイル共有サービス(ギガファイル便など)と比較されることが多い。