番長の王国

ページ名:番長の王国

登録日:2011/02/08(火) 20:14:18
更新日:2023/11/20 Mon 13:42:10NEW!
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スパイラル 外伝 小説版 番長 カオス 作中作 ノンフィクション スパイラル~推理の絆~ 推理の絆 腹筋崩壊←リアルでは 涙腺崩壊←作中では 城平京の本気 家庭不和 アニメでやってほしかった 漢の義務教育←作中では 番長の王国



【あらすじ】
時は45年前。
全国を支配した抜刀番長の死後、どの高校も暴力が渦巻き人心が荒れ果てた無秩序の暗黒時代に突入していた。
その大混乱を収めるべく二人の英雄が立ち上がる。
一人がピストル番長。もう一人が魔法番長。
西でピストル番長が腐敗を撃てば、東で魔法番長が悪を成敗する。
しかし、そうして悪を一掃した後に待ち受けていたのは全国を二分する勢力争いだった。
二大番長は総力戦を避け、且つ自分達の卒業後も抜刀番長登場以前の平和な時代に落ち着くよう慎重に調整しつつ冷戦状態へ。
そんな中、綺羅星の如く出現した鋼鉄番長が事態を一変させる。
やがて三つ巴の軍勢は、多くの死傷者が避けられない壊滅的な大決戦へ突入する事を余儀なくされた。
そして決戦の日、待ち受けていた衝撃の結末とは………



【主な登場人物】
◆抜刀番長(永森新吾)
全ての始まりにして諸悪の根源。世に言う『番長暗黒時代』を生みだした男である。
本人は多少喧嘩が強い程度の凡庸な男だが、日本政界を牛耳る父親の威光を振りかざして自治体や警察さえ押さえ込み、全国の高校を恐怖政治で支配した暴君。
父の後ろ盾に基づく不良軍団による問答無用の強襲と、命知らずの抜刀突撃が主な戦術。
実は高校入学前から不治の白血病に冒されており、やがて父に看取られながら永眠する。
末期の言葉は「いい夢だった。お父さん、ありがとう」だった。


◆ピストル番長(相沢竜馬)
抜刀番長の死後に起きた混乱の時代、『番長群雄割拠時代』を二分した英雄の1人。
成績優秀で勤勉な美少年で、六連発リボルバー『ハヤブサ』を片手にローキックで敵をなぎ倒す知将。
抜刀番長の死後、自分の通う高校が荒れに荒れたのを見かねて決起した。
不良「あんなうらなりを番長と呼べるかよ」

       ↓

不良「ちくしょう、奴こそほんとの男だぜ。見かけで判断しちゃいけねぇ」
彼自身は自分の高校が平和を取り戻し、勉強さえできればいいと思っていた非常にマトモな感性の持ち主である。
不良のリーダーになる気も全国統一する気もなかったが、孤児の身の上故に助けを求める各学校の一般生徒を見捨てられずに助けていく事で各校の不良たちが傘下に治まり、
思わぬ規模に拡大してしまった自らの組織に手を焼く事に。


◆魔法番長(京谷淑子)
漆黒のマントを羽織り、2メートル近い『鷹の杖』を持ったクールな美少女。
ピストル番長に匹敵する戦術家で、薙刀の腕前は免許皆伝。
むさい男共の行く末には無関心を決め込むつもりだったが、番長達の横暴で最も虐げられてきた女子たちの為に決起。
その事によって騎士(武士)道精神に目覚めた不良やモテたいチャラ不良が傘下に。
不良「女を番長と呼べるかよ」

       ↓

不良「魔法番長は俺が守ってやるぜ」
彼女もまた家庭に問題があり、父の愛を受けず母は父に虐げられ死んでいた境遇から、救いを求める他校の女子たちの声を無視できずに魔法番長として活動していった結果、
組織が肥大化していってしまい、ピストル番長の勢力と(番長同士の思惑とは裏腹に)抜き差しならない緊張状態に突入していく。


◆鋼鉄番長(荒木三郎太)
二大派閥がにらみ合う時代に突如現れた大柄な快男児。
「組織ではなく仲間の連帯」を重んじる真の番長を目指し、ピストル番長と魔法番長のどちらの陣営にも属さず、第三勢力として相棒の軍師・稲葉弘志と共に全国統一に乗り出す。
仲間の為には颯爽と駆けつけ、武器もなく無数の敵を蹴散らす無敵の漢。
その強さは、養父グレゴリー・マクドナルド元中佐に教わったアメリカ陸軍流格闘術に基づくものだった。
近所の工場の協力を得て制作した鋼鉄バッチがトレードマーク。


◆稲葉弘志
鋼鉄番長と運命的な出会いで結ばれた、右腕であり親友。
二大番長時代の「味方でなければ敵」という当時一般的であった価値観に否定的であり二大番長が築き上げた組織論を真っ向から批判する。
空手で黒帯を持つ武闘派であるのと同時に、人心を読むのに長けた頭脳派。
しかしカリスマ性にはやや欠けていたため、『真の番長』の到来を待ち望んでいた。
三大番長が去った後に鋼鉄番長の側近であった事を評価され、三大番長より事後を託される。
いつしか「星影番長」と呼ばれるようになり、番長時代の終焉に貢献した。




【簡潔な歴史の流れ】


●番長暗黒時代
抜刀番長、左右田工業高校へ入学。当時の番長を倒し1年にして番長に。
父である宗光の威光を用い、日本全国の高校へ支配の手を伸ばす。
宗光の息のかかった大人、抜刀番長にへつらう不良たちによる支配体制により、全国の高校はスラム化すると同時に旧来の身内的な番長制が崩壊。



●番長群雄割拠時代
抜刀番長病死。宗光も『小日向紋十郎の乱』により失脚するが、抜刀番長時代の残党と旧来の番長勢力による衝突によって時勢は更なる混乱へ。
しかし旧来の番長像とは異なるイメージの『二大番長』の台頭により、やがて全国は東西に二分される形で平定される。



●番長冷戦時代
肥大した組織と抜刀番長による『全国統一』のイメージにより、ついに二大勢力の衝突が始まる。
しかし、全面衝突も全国統一も望まない両番長の努力により、小競り合いこそ起こりながら、最終決戦は回避され続けた。



●番長三国志時代
抜刀番長の死後、空白地帯となっていた左右田工業高校で鋼鉄番長が台頭。
旧来の番長像から離れた二大番長と組織だったその勢力に不満を抱く、旧来の番長像を打ち出す彼を慕う人々により、ピストル・魔法両番長の二大勢力に並ぶ第三勢力が形成。



●番長黄昏時代
ピストル・魔法番長の卒業が迫り(鋼鉄番長は年下)、両番長引退後の鋼鉄番長による全国統一を危惧する声が両陣営から上がり、事態は悪化の一途を辿っていく。
やがて最終決戦は回避できないと覚悟を固めたピストル・魔法両番長が「決戦の日は2月1日」と発表し、最終決戦はついに現実のものになると思われた。


しかし、その2月1日を前に、鋼鉄番長が謎の死を遂げる。
両番長の下に、「無用な犠牲を出す最終決戦を止めるべく自死を選ぶ」という旨の鋼鉄番長直筆の遺書が届き、彼の遺志を受けて両番長は最終決戦の中止を決定。
こうして、一人の偉大な番長の尊い死と引き換えに、未曽有の決戦は回避されることとなった。


その後、卒業する二大番長より後を託された稲葉率いる『鋼鉄部隊』が、二大番長の後釜を狙おうと各地に次々と現れた野心を持つ番長たちを悉く潰すと共に、
各学校がかつての二大番長勢力の如き巨大な組織に頼らず自立できるように支援などを行うことで、抜刀番長以降続いた全国的な混乱は終結を迎えた。
稲葉にはそんなつもりはなかったものの、結果的には彼の勢力が三大番長も成し得なかった全国統一を果たしたことから、
稲葉は「綺羅星の如く現れた三大番長の後に現れた」番長として、いつしか『星影番長』の名で呼ばれるようになった。


しかしこれ以降、『番長』という存在は急速に衰退していくこととなるのであった。












以下ネタバレを含む




『番長の王国』とは、『小説版スパイラル~推理の絆~“鋼鉄番長の密室”』に登場する架空の著書。
著者は(作中世界における)有名大学の教授であり、上述したような熱い番長たちの物語はノンフィクション
つまり、そのぶっ飛んだ内容は全て作中における史実。ぜひ読んでみたいものだ。
まるで青春漫画のように暑苦しい登場人物たちや展開が目白押しだが、一方で番長達の家庭環境や闘争の結末など、妙に重苦しい部分もある。


残念ながら本編ではその全文は読めず、歩が(ものすごく精神を擦り減らしながら)読んだ一部の内容しか読者には分からないが、
それでも、原作者で(一応)本格推理小説家の城平京がノリノリで書いた事が文章から伺える。
“鋼鉄番長の密室”』自体は、45年も前に起きた番長戦争の結末を左右した「鋼鉄番長の死」の真相を、
とあるめんどくさいツンデレ先輩(ヒロイン)と関わったことで解明する羽目になった鳴海歩が探っていくという内容。


既に45年前ということで資料が「番長の王国」くらいしかなく、証拠もないという事情から、歩は「それらしい真相」を数パターン導き出し、
そのうえで、どの真相を真実と考えるかはヒロイン(と読者)自身に委ねるという、推理小説としては珍しい展開になる。


また、常識人である歩にとって、「番長の王国」に記された暑苦しいにも程がある高校生たちの青春ストーリー(と荒唐無稽に思える全国統一云々)と、
それが劇中世界におけるれっきとした史実であるという事実は非常に受け入れがたいものらしく、
読み進めては「これ以上は俺の精神がもたない」とばかりに放り出したり、非常に冷めたツッコミをしてはひよの達に怒られたりしている。


歩「鋼鉄番長が真の番長なんか目指さなかったら、全国はすごく平和なままじゃなかったのか?」





「クソ項目を立てていきがるな、wiki籠り!我が燃える魂の追記・修正をくらえ!」
「おお、勝負だ!だが心は萌えても内容が薄ければ意味がないぞ!」


歩はそこまで読んで本を閉じた。
話の流れからして、wiki籠りは自治厨を見事に倒すのだろう。倒すに違いない。
もう勝手にしてくれと言うしかない。


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  • この時点でヤイバは生まれてるんだよなぁ -- 名無しさん (2013-09-20 12:30:21)
  • ↑くるみの祖父も台頭してきたのも、番長がいた頃なんだよな -- 名無しさん (2013-10-14 11:22:23)
  • 作中の現実にもさりげなく、見事に絡んでいる。歩の心境察するに余りある。 -- 名無し (2014-04-04 01:38:38)
  • なんでこれ、記事あんだよwww 小日向紋十郎(くるみ爺)の乱の詳細が知りたかった -- 名無しさん (2014-08-06 05:41:49)
  • というか『番長の王国』を書籍化してほしい割とマジで。小説版面白いよね、これとかソードマスターの犯罪とか -- 名無しさん (2014-08-06 06:43:13)
  • ↑原作者本人がノベライズしてるからこの手の話に有りがちな本編との矛盾がほとんどないのも強み。ソードマスターも良かった。エリアスザウエルは話としては微妙だったかな。ゲストヒロイン、可愛かったけど。清隆刑事時代の過去編は話は面白いんだけど、くるみのキャラが最後まで好きになれなかった。 -- 名無しさん (2014-08-06 12:28:38)
  • 正直、アニメオリジナル展開よりノベライズをアニメ化して、本編の尺を稼いだ方が安全だったような気がする・・・ やっぱり、特に番長がすごいからね -- 名無しさん (2018-12-03 01:01:16)
  • ダンゲロスの世界観かと思った -- 名無しさん (2019-09-09 00:01:11)
  • ちゃんと当時の番長達が「歩の生きるまともな現実」で真っ当な(更にそれなりに著名な)人物として存命しているところがミソ。 -- 名無しさん (2019-11-02 23:38:46)
  • 虚構推理のアニメの解決編見てたら鋼鉄番長連想しちゃった。エリアス・ザウエルのほうがやってることは近いけど。 -- 名無しさん (2020-03-18 03:02:33)

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