SCP-1048

ページ名:SCP-1048

登録日:2014/06/26 (木) 16:01:35
更新日:2023/12/18 Mon 13:48:42NEW!
所要時間:本編は約 6 分で読めます。オマケは約 12 分で読めます。



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クマさんにはお友達いっぱい。君もお友達になろう?



SCP-1048は怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」にて創作されたSCP。
項目名は「ビルダー・ベア(Builder Bear)」。


外見は体高33cmのどこにでもあるような可愛らしいテディベア。「ビルダー」の名が表す通り手先が器用で物づくりが大好きなくまさんで、
材料を渡すとビルダー・ベアそっくりなテディベアを作ってくれる。


自発的に歩き回る能力があり、足に抱きついたりダンスしたり、その場でジャンプしたりなど可愛らしい仕草をすることがあり、
使い捨て部品のような扱いをされるDクラス職員にさえ可愛らしい仕草を見せる。


また過去2度、清掃スタッフの為に子供のような絵を書いてみせたことがあるが意思疎通は難しく、首を振ることでイエスノーの応答はできるが、意味を成していないことが殆ど。
また上記の絵もビルダー・ベアからの愛情表現以外で描かれることはなく、頼んでも描いてはくれない。


危険度を表す指標であるオブジェクトクラスは、危険性が認められない・或いは無力化などの対抗策が確立されたSafeクラス。
現在SCP財団管理下の研究所の一角、サイト24にて保護されており、サイト24に限定されるが自由に歩き回る事を許可されており、
各所で散歩をしている姿が目撃されている。




















Safeのままなら

良かったのにね…








これはジョークではない。SCP-1048が持つ力の全容が解明されたわけではないのだ。いまいましいアレがこれまでどれだけ生み出されたのか、だれがわかるんだ?- Carver博士










以下、随所にグロテスクな表現を含みます

耐性のない方・食事中の方は閲覧を控えることを強くオススメします





上記の紹介文の一部は嘘である。材料を持ち寄っても、ビルダー・ベアは可愛らしいテディベアを作ってはくれない。
奴は自分が選んだ素材でテディベアを作り出す。創りだしたテディベアは意思を持っており"基本的に"温厚で無害なビルダー・ベアに反して人間に対して凶暴。






こいつはSafeクラスだった。




だがある事件の後、Safeの一つ上に当たるEuclidをすっ飛ばして「放っておくと世界滅亡の危険性がある」「あまりにも危険過ぎる」SCPに設定されている、危険度最上位のKeter(ケテル)に格上げされた。


現在ビルダー・ベアはサイト24内にはいるらしいが行方不明となっており、発見次第確保命令が出ていると同時に創り出されたモノには破壊措置命令が出ている。
更に誤認・混乱防止策としてサイト24にテディベアの持ち込みが全面的に禁止されているなど、サイト24所属職員にとっては最大最悪のトラウマとなっている。


最初こそビルダー・ベアはサイト24を歩き回り可愛い素振りを見せるだけの、殺伐としたSCP財団における清涼剤のような存在だった。



ビルダー・ベアによる3つの事件が確認されるまでは…





Case.1 SCP-1048-A



ビルダー・ベアの収容から約7ヶ月後のある日。
ビルダー・ベアが、自分で作った自分にそっくりなテディベアと一緒にサイト24内を歩きまわっている様子が目撃された。



そのテディベア―SCP-1048-A(以下1048A)はどこかが決定的におかしかった。



その違和感の元は、1048Aの全身を構成している「モノ」だった。



1048Aは布や綿で出来ていなかった。



それはあまりにも肉々しく、歪で、到底その可愛さの塊から作られた「モノ」とは思えない、尋常ではない悍ましさの「肉塊」だった。




それは、人の耳で作られていた。




外見も、中身も、何もかもが「ヒトの耳」で構成されていた。





ビルダー・ベアは耳で出来た1048Aにサイト24の見学をさせていたようで、その異常事態にCarver博士とセキュリティチームが招集され、
先に到着したセキュリティチームが1048Aを収容しようとした時1048Aが甲高い金切り声を上げた。
半径10m以内にいた者は目と耳に強烈な痛みを訴え、5m以内にいた者は耳のような腫瘍が現れ20秒足らずで全身を覆い、3分以内に死亡
これによりセキュリティチームの全員を含んだ多数の職員が死亡(詳細な人数は情報削除されている為不明)。
検死の結果、死因は口と食道が腫瘍に塞がれたことによる窒息死であり、文字通り腫瘍が全身を覆い尽くしたことが原因だった。


博士の到着までの間にビルダー・ベアと1048Aは逃走、以降ビルダー・ベアは姿を晦ましてしまい未だ収容されていないが複数の目撃情報があり、
事件直後片耳を失った研究員が発見され、曰く「寝ている間に耳を切り取られた」。
だが、その研究員以外に耳を失った職員は確認されておらず「素材を複製する能力があるのでは」という推察を呼んだ。





Case.2 SCP-1048-B



ビルダー・ベアが1048Aと共に逃走を開始して暫く経った後。


1048Aが、SCP-1048-B(以下1048B)と共にサイト24のカフェテリアにいるところを複数の財団研究員が目撃した。
1048Bはギクシャクした不自然な動き方をしており「1048Bの中で何かが蠢いていた」と目撃者は語り、1048Bは空を掴むように、体の繋ぎ目から幼児の腕や手のようなそれを伸ばした。





幼児の体で出来たテディベアが其処に立っていたのだ。





それを見たある女性研究者が悲鳴を上げると1048Bは幼児の声に似た甲高い鳴き声を上げてその研究員に何かをしようとし、内部に大きな損傷を与えた。
その後女性研究者と1048Bは、駆けつけたセキュリティチームに「処分」されたと思われる。なお、何をしようとしたかは情報削除されている為不明である。



それから約3時間後、ある女性博士がオフィスで血まみれで意識不明の状態で発見された。


その女性博士は妊娠していたのだが…―お腹の中にいたはずの8ヶ月の赤ちゃんは綺麗に「消えて」いた。
女性博士は帝王切開を施された痕跡があり、状況等から「ビルダーベアが中絶手術を行い、1048Bの素材に使った」という仮説がたっている。



博士の意識が戻るまでの間に処置が行われ、赤ちゃんが「いなくなっていた」事はセラピーを受けている生存者達には回復への悪影響を考慮して明かされていない。





Case.3 SCP-1048-C



日時不明だが、ビルダー・ベアの最初の事件で遅れて駆けつけたCarver博士が最初に目撃した。
ある日、1048Bの報告書を博士がオフィスで書いていた時、SCP-1048-C(以下1048C)はオフィスの中に侵入していた。
今度は錆びた金属のスクラップで出来ていたが、そのスクラップの出自は不明(人間等の血中の鉄分説あり)。


博士が見ていることに気付くと1048Cは逃走。当然1048Cの追跡が開始されたが、追跡に参加した財団スタッフが複数死亡、もしくは後遺症が残るレベルで被害に遭っているのをCarver博士が目撃している。


その後1048Cは姿をくらまし、遭遇例も確認されていない。ビルダー・ベアと1048A同様サイト24内部にいるらしいが、場所の特定には至っていない。



繰り返すが、ビルダー・ベアと1048A及び1048Cは現在も行方不明であり、Keter認定に奴らが行方不明である事、ビルダー・ベアがテディベアを作る際ほぼ確実に大多数の人間が犠牲になる事、そしてその可愛さの裏にある底知れない残虐性が関わっていると思われる。


狂気の世界とも形容されるSCP財団の一角、サイト24を恐怖の底へと叩き落とし、トラウマの権化と化したそのテディベアは、今もなお友達のテディベアを作る「素材」を探してサイト24を彷徨っている…



+ 少女の日記-

本家サイトで発表される、SCPを題材にした二次創作的小話、Taleの一つ。
日記の書き手はとある7歳の少女。
もうすぐ生まれる赤ちゃん、Tommyのために引っ越した先で、不思議な動くテディベアを見つける。


Bennyと名づけたテディベアは、動いたりハグしたり絵を描いたりと仲良くなるが、ママに見つかってしまい大騒ぎ。
ママはBennyをどこかに連れて行ってしまうけど、Bennyはあとで帰ってきた。


ママは入院し、生まれるはずだったTommyもどこかに行ってしまう。


でも、テディベアと一緒にいるTommyを見つけた。まるでBennyそっくりのそれがTommyだってすぐにわかった。


だけど、パパはそんなTommyやわたしが嫌いだって言いました。


そんなパパはどこかに行ってしまって、だけど新しい友達をパパが作ってくれました。名前はDavey。


BennyはわたしとTommyが食べるものと、愛のある家族をくれました。これからもずっとBennyといっしょ。




追記・修正は、可愛らしいテディベアを目撃してから。





…SCP-1048の報告は以上である。以下はオマケ。


クマッシュブラザーズ for SCP


SCP財団が収容しているオブジェクトには、上で語られている悪名高い「キチクマ(某ポケットなゲームにでてくる奴に似ているから「ケテルグマ」とも)」の他にも、クマ型のオブジェクトが結構たくさん存在するのである。
このオマケでは財団が収容する熊ブラザーズたちをかいつまんで紹介していく。


ちなみにオマケ作成時点(2017/04/17)では当wikiに彼らの個別ページはいずれも作成されていない(はず)。
今後作成していただけるとオマケ執筆者は喜びます。


オブジェクトクラスはKeter
SCP-1055は情報災害であるため、報告書を読めるのは収容担当職員のみ。


SCP-1055は自閉症スペクトラム症候群とダウン症候群とを患っている白人男性である。
彼はランダムな物体に執着しそれを常にきつく抱きしめているが、現在は「バグジー」という名のクマのぬいぐるみを抱いている。
現在はサイト-77から地下モノレールで行ける場所に住んでおり、担当職員2名の介助により、不自由なく生活できる環境が整えられている。
上記のぬいぐるみを掴む行為は常に許可され、かつ推奨されなければならない。またぬいぐるみに対するあらゆる要求は受理されなければならない。
SCP-1055が収容違反した時は全職員を退避させ、居住区を亜酸化窒素で満たす。決して直接的に身体的危害を加えてはならない、とされている。


+ 追加情報にアクセスする(クラス5の認証が必要です)-

読了後は必ず禁制情報を破棄または削除すること。


実は、上記の報告書はカバーストーリーである。
上記の報告書でSCP-1055とされている人物は財団のDクラス職員*1であるD-1055であり、彼が手に持っている「ぬいぐるみ」こそが真のSCP-1055なのだ。


真のSCP-1055はハイイログマに似た生命体である。
そのサイズは、「SCP-1055を認識している人間の数および距離」に応じて増大する。
さらに、SCP-1055に対して敵対心や恐怖心を向けている人が多ければ多いほど、それはより巨大に、かつ狂暴になるのだ。
大規模に人々に認識されてしまった場合、SCP-1055は異常に膨張し、その身体から大量の手足や感覚器官を発生させ、周囲の人々を攻撃する。もし地下や収容下にいた場合はその巨躯で地震を起こす。
攻撃を加えれば一応ダメージは与えられるのだが、与えたダメージ以上の再生力を持っているので効果は薄い。
過去にSCP-1055のサイズの縮小に成功した例では、SCP-1055を認識した人の8割以上が死亡して、ようやく事態が収まるという大惨事になった。


認識するだけでこの有様なので、財団もこのクマには非常に手を焼いており、収容違反も何度も起こった。
しかし12回目の収容違反のあと、爆撃によって壊滅した収容サイトで唯一生き残っていた人間が、SCP-1055の残骸の一部を大事に抱え込んでいるのが発見されたのである。この人間こそがD-1055だ。
D-1055は精神病を患っているため、健常人ならSCP-1055に対して持つであろう認識を持つことができなかった。また彼は「ぬいぐるみ」に対して病的な愛情および過保護な性質を示していたためか、SCP-1055はD-1055に対して抵抗できない(orする気がない)状態となっていた。
財団はこれを利用。現在のカバーストーリーの報告書を策定し、SCP-1055とはD-1055のことである、と職員たちに信じ込ませることでどうにか収容が安定したのだった。


日本支部の記事を知っている方なら、某緋色の鳥の同類だと思っていただければ理解しやすいかもしれない。
要は「正体を知ったらアウト」なクマなのである。


オブジェクトクラスはEuclid。
SCP-1145は19██年に日本の長崎で回収された、熊のなめし革で作られているクマのぬいぐるみである。鼻はあるが目や口はない。あとサイズの割にすごく重い。
こいつの第一の問題点は凄まじい放射線を発していることにあり、その強度たるや悠に2.7ペタベクレル(ペタ=10の15乗)を超える!
そしてこいつは強い光が当たっている状態を保たないと活性化し、その線量をさらに増強させながら半径100km以内で最も近い人間の元へと秒速45メートルで突っ込んでいく。そのうえあらゆる障害物をすり抜けながら、強い放射能汚染を引き起こす。
標的のそばまで来るとその足元で静止し、ますます線量が増えていくが、標的がぬいぐるみを拾い上げ、その素肌に接触している間は線量は定常に戻る。
当然だが標的になった人間は強烈な放射線被曝により死亡してしまう。その後SCP-1145は一旦非活性状態に戻るが、すぐさま再活性して次の標的へと突っ込んでいく。


現在は水で満たされたホウケイ酸ガラス容器に収容されており、SCP-1145が発している莫大な線量が水に吸収されて発生するチェレンコフ光を利用して活性化を防いでいる。


…「ナガサキ」の怨みなのかもしれないが、正直言って非常に迷惑かつ危険なオブジェクトである。


オブジェクトクラスはKeter
SCP史上稀に見るぶっ飛んだ性質を持つオブジェクトである。


SCP-1313は、1頭の雌のヒグマを解に持つ数学方程式である。
方程式そのものは初等代数学の知識で解けるものであるのだが、この問題について最初から解を求めるまでの全プロセスを解き終えると、解となったヒグマが顕現してしまう。
出現したヒグマはしばしば激怒しており、ヒグマとしての真っ当な破壊力を持ち合わせているだけでなく、場合によっては解答者の体内から顕現して対象を物理的に木っ端微塵にしてしまうことも。
現在のところ動物に数学的演算を施す方法が創出されていないため、生まれたクマをもとの方程式に戻してやることはできていない。


そしてSCP-1313は数学方程式であるため、さまざまな演算の対象にすることが可能である。
こうして派生した異常な方程式を解くことで、ヒグマの平方根だのヒグマの2乗だのといったいよいよもって訳の分からない怪物を顕現させてしまうことができるのだ。
これらの「数学的なクマ複合体」は不安定であり現実に顕現していられる時間は短いが、それだけ危険性も高い。
財団はこれの軍事研究を検討しているらしい。


また、ヒグマの平方根は素数であり、「偶数でも奇数でもない、動物の構成要素を含む数」であるらしい。
ヒグマの平方根が整数であるということは、ヒグマ自体が普通の数列のどこかにひっそりと紛れている、ということを意味するのだが…。


とまあご覧の通り、最初から最後まで「お前は何をいっているんだ」感しかないオブジェクト。
財団の対応は至極まともなはずなのだが、あまりにも前提が狂いすぎているせいで徹頭徹尾意味不明な報告書に仕上がっている。


上記のオブジェクトとは一転してこちらはSafeクラス。


SCP-2091-1は粘土で作られたハイイログマの彫像である。
胴体の一部分は草に、足指のうち2本は腕時計の部品に置き換わっている。生体組織はないが、本来のクマの臓器がある場所は空洞が存在する。


SCP-2091-2はアビゲイル・ハーロウという名の少女である。
熊の彫像はアビゲイルが15メートル以内にいるときのみ生きているクマのごとく動き出し、彼女に寄り添い、彼女に危害を加えると見なした相手は攻撃する。
アビゲイルはこの熊の彫像を「自分の祖父」だと主張し、また熊の彫像と心を通じて会話をできると言う。


財団がSCP-2091を発見したのは、この熊の彫像が家に入ってきた強盗を半殺しにしたせいである。
SCP-2091-1・2が発見されたジョージア州ウッドバインの家屋には、アビゲイルの祖父だと推定されているデイヴィッド・レノックスという老人(この発見の10年前に死去している)のメモ・日誌、そしてアトリエがあった。
日誌によると、末期の病気になっていた彼は友人のジョナソン・ハーマン(今のアビゲイルの法定後見人)から「主の御業に基いて」機能する魔術を教えてもらったという情報を得、その方法を実行したのだという。
またアビゲイルによると、10年前、祖父が自分に「一旦いなくなるが、すぐに熊になって帰ってくる」と言い聞かせていたという。
彼は身体を捨て、自らの作品に自分の魂を移すことで、孫娘のそばにい続けることを選択したのだろうか。


収容下でも、アビゲイルと熊の彫像は1日90分の対話を行うことが認められている。
彼女たちが今後も幸せに生きることを祈らずにはいられない。


オブジェクトクラスがSafeなクマのぬいぐるみ。
…なんか嫌な予感がした人がいるだろうがこっちは本当にSafeだぞ!安心していいぞ!


SCP-2295は様々な色の生地で作られたパッチワークのクマのぬいぐるみ。胸には解剖学的に正確な心臓型のピンが刺してある。


SCP-2295の異常性は、臓器に損傷を負った人間が近くにいるときに発現する。
このクマのぬいぐるみは口からハサミ・糸・縫い針などの裁縫用具を出し、近くにある布や綿を縫い合わせて、パッチワークでできた臓器(SCP-2295-1)を作成するのである。
その後この「臓器」は消失し、対象の人間の臓器と入れ替わってしまう。元の臓器がどこに消えたかは不明。
しかし、パッチワークなのにもかかわらず人体に入ったSCP-2295-1は正常に機能しており、人間はこれにより完全に元気を取り戻す。
つまりこのクマは、人間の損失した臓器をパッチワークで作り、人間を助けてくれるのだ。なるほど確かに本当にSafeである。どこぞのキチクマとは大違いだ!


このクマは実験において、タバコで汚染された肺、アテローム性動脈硬化症を起こした血管、広範囲の火傷で失われた皮膚、をそれぞれ布や糸で補修することが可能なことを示した。
ところが脳出血で倒れた人間で実験すると反応が一変。
クマは苦しんだ様子で材料を掻き集め、どういうわけかチョコレートキャンディバーを作り出して、倒れている人間に渡したのだ。そして実験終了まで、倒れた人間の足に縋り付き、異常生成された「涙」を流したのだった。


なおSCP-2295は大破した輸送車両の中で発見され、その際に一緒についていた赤いお見舞いカードも回収された。お見舞いカードの表紙には「クマのカイロスくん」と書いてあり、本文は以下の通りであった。


トミーへ


全ての傷を癒す事が出来るのは、時間だけだから


愛をこめて
おばあちゃんより


…このクマが治せる傷は、「時間」によって治せる傷だけ、ということなのだろうか。*2


オーケイ聞いてくれ、この町には今クマが多すぎる。


SCP-2875のオブジェクトクラスはKeterだぜ。
これはウィスコンシン州のある町で発生してる現象なんだ。
3日おきの正午ごとにグリズリーが何十頭もヌッと湧いて出てきやがる。
このグリズリーはさほどの異常性はない普通のグリズリーなんだが、これが3日ごとにドンドコ増え続けるんだからたまったもんじゃない。
しかも銃撃や爆弾で殺すとなぜか2頭に増えちまう。殺すなら鎮静させてからドタマをかち割らなきゃダメだ。あーめんどくせえ。


…笑い事じゃねえぞ!?
クマが町の中で増えまくったらどうなるかなんて考えないでもわかるだろ!?
町の人間はみーんなクマに食われちまいかけてるんだよ!それに周辺の生態系もヤバい!
どうすりゃいいんだこんなの!


…自己紹介が遅れたな。俺は市役所のトム・ミラーだ。
SCP-2875の報告書には俺が残したボイスメールが英語の音声記録で付属してるぜ。
興味ある奴はぜひ聴いてみてくれよな。


オーケイありがと、俺の番号は875-7112だ。クマの解決策が見つかったら電話をかけてくれ。じゃあな。


オブジェクトクラスはSafe。


SCP-106-JPは普通の見た目をした手斧である。
ところがこれを手に持った人間は瞬間的に消えてしまい、不明な場所にある林へとワープしてしまう。
林はどの方向に進んでも最終的に土俵のある広場にたどり着き、そこにいる熊(SCP-106-JP-1)に相撲で勝負を挑まれる。
熊に相撲で勝利すると熊は従順になるが、負けたor勝負を断った場合は「弟子入りさせる」と称して林の奥深くへ連れ去られてしまう。


このオブジェクトの調査の中心人物は、元・関取であるエージェント・浜寺であった。
エージェント・浜寺は熊の挑戦を受け、相撲を開始する。
周辺にはヒグマやらパンダやらホッキョクグマやらのいろいろな熊が観客としてやって来て、日本語で色々喋っている。
そして浜寺は叩き込みで見事に熊に勝利。
すると観客の熊たちは「あいつが帰ってきた!」「宴の準備だ!」「まさかり担いでよ!」といった歓声を上げ始めた。
SCP-106-JP-1は今や俺たちはお前の親友だ、何でも頼んでくれ、と浜寺に言ったので、浜寺は自分とこれまで「弟子入り」させた人間たちを元の場所に戻せと命令。


こうして無事に浜寺は帰還したのだが、ついてきたのはマレーグマ14頭だった。
ああ、「弟子入り」ってそういう…「元の姿に戻せ」とはお願いしなかったからなー…。


言わずもがな元ネタは「金太郎」である。


オブジェクトクラスはSafeだが結構危ない。


SCP-456-JPは一般的な材質でできたテディベアである。
これを直接見た人間は心臓発作で即死する。何だそれは。
ただし一部の人間のみは耐性を持っており、この人間はSCP-456-JP-1として分類されている。
判別するにはこのテディベアを見せないといけない(=違ったら死ぬ)ので新たなSCP-456-JP-1を探す試みは推奨されていないが、見つかった場合はクリアランスレベル3/456-JPが付与される。
現在収容されているSCP-456-JP-1は█人で、全員がSCP-456-JP研究室に所属している。


SCP-456-JPはサイト-81██の虹彩認証式電子錠ロッカー内に保管されているが、クリアランスレベル3/456-JPを持っていない職員が開けた場合は収容違反とみなす。見たら死ぬんだから当然である。


テディベアの作成者は不明だが、「ザ・ファクトリー」などの要注意団体の強い関わりがあると疑われている。


※SCP-456-JPについての情報を必要とする職員は岡村研究助手にお問い合わせください。



+ SCP-456-JP研究室/クリアランスレベル3/456-JPが必要です。-

おかえりなさい、岡村主任研究員。


実は、上記の報告書はカバーストーリーである。
…またぁ?とか思わないでいただきたい、さっき紹介したSCP-1055とは真逆なのである。


SCP-456-JPが保管されているとされるロッカーに入っているのは、異常性のないただのテディベア(岡村研究員の私物)とミーム殺害エージェント*3である。
真のSCP-456-JPは、他でもない岡村研究員である。人型実体なのでオブジェクトクラスはEuclid。
岡村研究員は情報災害的殺害作用を有しており、「岡村研究員は財団に収容されなければならない(orされている)」という意味のことを頭に浮かべた人は心臓発作で即死する。
ただし人工心臓を使用している人は死なない。そして、岡村研究員は人工心臓を利用しているのである。
本人の意思でこの特性を制御することは不可能。
例を挙げると、財団の基本的な活動を知っているDクラス職員に対して岡村研究員が「実はSCP-456-JPは私のことなんだ」と言うとそれだけでDクラス職員は死ぬ。


岡村研究員はある要注意団体の施設への立ち入り調査の際に[削除済]でこの異常性を発現。
そのせいで同行していた職員は全滅してしまったものの、岡村研究員は自らをSCPに指定し、収容することに成功したのだった。
この時[削除済]の原因になった機械は破壊されたため、オブジェクト分類は見送られた。
なおこの要注意団体では以前に岡村研究員と同様の特性を得た人間がいたようだが、人工心臓ではなかったために自身が異常性で即死したらしい。


SCP-456-JPの円滑な収容に当たって岡村研究員を手助けし、カバーストーリーの製作を手伝った人物に、人工心臓使用者だった故O5-█*4がいた。
彼(彼女)は岡村研究員の唯一の理解者でもあったのだ。
現在、クリアランスレベル3/456-JPを所持しているのは岡村研究員ただ一人であり、新たな人工心臓使用者の雇用が急がれている。



さて、この研究室にはメッセージシステムがあるのだが、岡村研究員はどうせ自分しか使わない、ということで日誌として使っていた。

+ そこには…-

人型SCiPとして生き、その性質上誰にもそのことを明かせない自分の境遇を嘆き、重圧に押し潰されながらも、しかし財団職員としての理念を全うしようとする彼女の苦悶がありありと刻まれていた。
唯一の理解者だったO5-█が亡くなり、もはや彼女を支えるものは誰もおらず。
そして最後(20██/07/18)には送信されることのなかった「もう嫌」の一言が。




サイト-81██事務局からのおしらせ (未読1)

  • 20██/08/02にSCP-456-JP研究室の設備点検が予定されています。ご迷惑をおかけします。


………おそらく、SCP-456-JPはすでにNeutralizedされている。誰にも知られることなく、気づかれることもなく………


オブジェクトクラスはEuclid。
しかし、これは自己終了の危険があるからで人間に危害を加える能力・意志は全くない。


キチクマやパッチワークのハートがあるクマと同じくなぜか動けるヌイグルミだが、
その性格は厭世的であり、重度の鬱病と思われる症状を発している。


元は「子供達を笑顔にする」が役割であり、「ある街」の孤児院で働いていたが、自分探しがしたくてこの世界に現れる。しかしここでは、ある女児に拾われる→彼女が思春期になり捨てられるを繰り返し、次第に自分の存在意義に疑問を感じるようになる。


その後「マナによる慈善財団」の人間の要請でアフリカの難民キャンプに送られるが、彼はそこで自分が心の傷を癒やし笑顔にしてきた子供達が、キャンプを襲ったゲリラの大人たちに家族を殺すことを強要され、絶望に淀んだ眼で拉致される場面に直面。誰一人幸せにできなかったことへの自責の念に駆られ、オークション会場でもうどうにでもなれと自暴自棄になっていところを突入した財団に確保された。


上記の苦渋に満ちた半生から、彼は「ある街」に帰りたがっているが、ある時彼の収容サイトに「ある街」から手紙が届く。それは、数々の苦難に傷ついている彼を助けてほしいという内容だった。



常冬の街、忘却の街より、お伝えします。
あの子は元気にしているでしょうか? 自分を探し、子供達を笑顔にする事を誓って街を出たあの子は。
あの子は忘却の定めを否定して、永劫不変のこの街を出て、千変万化する貴方達の世界に戻りました。そこでどんな苦難が待ち受けているか、容易に想像がつきます。
願わくば、貴方達があの子の受けた傷を労り、癒やしてくださることを望むばかりです――いえ、貴方達の目的はそこにないにせよ、それは貴方達にとってもメリットがあるはずです。
どうかあの子を、よろしくお願いいたします。子供を笑顔にする事を純真に望んでいた頃には永遠に帰れないにせよ、せめて、自責の念を取り払っていただければ、それに過ぎたる幸いはありません。


――酩酊街より 愛を込めて


ここで紹介する熊ブラザーズの大トリを務めるのは、本ページの主である元祖キチクマと同じナンバーを冠する日本支部のオブジェクト。
言うなればジャパニーズキチクマだ。


SCP-1048-JPは紆余曲折あってすでに死亡しているため、現在のオブジェクトクラスはNeutralizedである。生前はEuclidだった。
SCP-1048-JPは推定12歳のオスのエゾヒグマであり、眠らないこと以外は肉体的な異常はない。
こいつの異常特性は5mm以上の隙間があればそこに潜り込めることである。
SCP-1048-JPのそばに人間がいる場合、このクマは対象の人間の口から体内へと潜り込む。そして1分ほど体内をガサゴソ探し回ったのち、また口から出てくる。
一部例外を除き、侵入した人間に危害を加えることはない。また、一度侵入したことのある人間に再度侵入することはない。


この「例外」は、SCP-1048-JPの収容前に1件、収容後に2件確認されている。
「例外」が発生した場合、SCP-1048-JPが人間の口から出てくる際、一緒に肉塊のような生命体が出てくる。
この際対象となった人間は極めて強い苦痛を訴え、さらに再出現後のSCP-1048-JPに執拗に攻撃され、バラバラにされて殺されてしまう。クマこわい。
出てきた肉塊ことSCP-1048-JP-1は、クマの後をついていくようにして転がって移動する。
この肉塊をクマから引き離すことは容易だが、その場合クマは即座に攻撃的になり、肉塊を奪還するまで奪った相手を攻撃し続ける。


収容前に起こった1件の「例外」の犠牲者は、北海道のとある村に住む立花という男であった。
ついでにこのクマは同じ村の住人にも無差別に侵入→脱出を繰り返していたという。


以下の記事には本家キチクマ並のグロテスクな表現があるので閲覧注意。


+ 立花氏とクマの関係性は…?-

恐ろしいことに、この立花氏は「カニバリズム愛好会」に所属していた。
立花氏がクマに殺害される4日前、立花氏は愛好会の他のメンバー2名とともに同じ村に住んでいた山家という名の若者を拉致。3人で山家氏を少しのかけらも残さず食べ尽くしていたのであった。
ちなみに生前の山家氏の写真を「そういう嗜好」がある人たちに見せると、皆して「理想的な食材である」と評価した。


SCP-1048-JPとなったクマは、子熊だったころにこの山家氏に犬と間違えて拾われて育てられていた時期があった。
山家氏は生まれつき野生動物に嫌われる体質で、ちょくちょく襲撃も受けていたのだが、この「犬」が家に来てからは襲われることはなくなったという。
SCP-1048-JPは密かに山家氏のことを守っていたのだろう。
その後、「犬」は成長したことで熊であると判明し、再び山へと戻されるが、その後も山家氏は月に2度のペースで山奥のクマに会いに行っていたそうだ。相当仲よかったんだろうな。




さてここからはSCP-1048-JP収容後の話。
財団は立花氏とともに山家氏を襲撃した会員2名の身柄を確保し、Dクラス職員として雇用していた。
おそらくこの2名に対してもSCP-1048-JPは「例外」を起こすだろうと判断した財団により、実験が計画された。
クマが再出現し肉塊が出現したあと、対象の人がクマに殺害される前に人を回収し、インタビューを試みようとしたのである。
しかし、一人目の実験では失敗。クマが対象のDクラスの髪の毛にしがみついたせいでDクラスの回収ができず、あえなくクマに殺されてしまったのだ。そこで二人目の実験時はあらかじめ体毛を剃って行うことにした。
二人目のDクラス(佐川という苗字である)を用いた実験は見事に成功。
Dクラスは熊の侵入後に大いに苦しんだものの、熊の再出現後、うまく殺される前にDクラスを回収できたのである。


この時SCP-1048-JPはDクラスを襲うことに対してあまり興味がないようであった。クマの注意は、奪い取った肉塊の方に向いていたからだ。
3人の体内から出てきた3つのSCP-1048-JP-1は、一箇所に集められると、徐々に融合を始め、元の形を取り戻していきーー。
ついには、生前の山家氏の姿になったのである。
ここに山家氏は復活した。彼は生前、および殺害時の記憶を持っているかのように見えた。そして山家氏はクマに対して自分を助け出してくれたお礼を言いつづけていたのだった。


財団はこの後山家氏を回収し、インタビューを試みることを計画していた。


+ これで終わっていれば美談だったのだが、そこは''「ジャパニーズキチクマ」''、残念ながらこんな綺麗な話で終わるわけがない。-

その直後、SCP-1048-JPはたった今自分が救出したはずの山家氏をぶん殴って収容室の壁に叩きつけた。
そして、ああ、哀れな山家氏は今度はSCP-1048-JPによって食べられ始めたのである。


当然ながら財団は大慌てでクマの鎮圧に乗り出したが、いかなる非殺傷武器、さらには殺傷武器を用いても、ダメージは与えているにもかかわらずクマの捕食行動をやめさせることはできなかった。
さらには山家氏にライフルをぶち込むという凶行に出るも、山家氏もまた死ななかった。
山家氏の生命活動は、SCP-1048-JPによって血の一滴、骨の一欠片まで全て食い尽くされるまで、決して終わらなかったのだ。


結局、山家氏はクマによって完食された。
そしてしばらくして、今度はクマが突然にして倒れ伏した。
SCP-1048-JPは、ここに至ってついにNeutralizedされたのである。


ところがおかしなことはその後もちょっとだけ続いた。
死んでしまったSCP-1048-JPを解剖しようとしたところ、どういうわけか解剖の担当職員がこぞってクマを食べ始めてしまった。
クマはあっさり完食されて解剖調査は失敗。
「なんで食べようとしちゃったのかわからない」「クマ肉は美味かった」「クマの胃袋は空っぽだった」という証言のみが得られた。


一方、先ほど救出されたDクラス(佐川)に対する三毛博士のインタビューでは、Dクラスが「クマが俺たちに怒っていたのは俺たちがあいつの獲物を横取りしていたせいだ」という推論を述べた。
その上で彼はこう締めくくった。

おいあんた、今回でもう十分身に染みたかもしれないが、生きていく上でこれだけは覚えておいた方がいいぞ。
食い物の恨みは本当に恐ろしいからな。


…このクマは、自らの獲物を奪った人間から獲物を取り返し、そして自らがそれを喰らうことのみを目的として今まで生きていたのである。
クマってホントこわい。ジャパニーズキチクマの称号も納得である。



ちなみにこの記事に出てくる「立花」「佐川」「三毛」は、いずれも現実で起きたある事件が由来である。
現実でもクマってこわい。あと人間もこわい。


SCP-CN-2801/尛熋-CN⚠2801(リンク先の記事に飛びます)
中国支部から、このキチクマにさえ匹敵する恐怖のSCPが登場。しかしその真の役割とは…?



追記・修正はクマのぬいぐるみに対するトラウマを克服してからお願いします。




SCP-1048 - Builder Bear
by Researcher Dios
http://www.scp-wiki.net/scp-1048
http://ja.scp-wiki.net/scp-1048


Diary of a Young Girl
by Roget
http://www.scp-wiki.net/diary-of-a-young-girl
http://ja.scp-wiki.net/diary-of-a-young-girl


熊ブラザーズの方々


SCP-1055 - Bugsy
by Sorts
http://www.scp-wiki.net/scp-1055
http://ja.scp-wiki.net/scp-1055


SCP-1145 - Nagasaki Teddy
by Lucavex Ayanami
http://www.scp-wiki.net/scp-1145
http://ja.scp-wiki.net/scp-1145


SCP-1313 - Solve For Bear
by MaliceAforethought
http://www.scp-wiki.net/scp-1313
http://ja.scp-wiki.net/scp-1313


SCP-2091 - A Bear and His Granddaughter
by Decibelles
http://www.scp-wiki.net/scp-2091
http://ja.scp-wiki.net/scp-2091


SCP-2295 - The Bear with a Heart of Patchwork
by K Mota
http://www.scp-wiki.net/scp-2295
http://ja.scp-wiki.net/scp-2295


SCP-2875 - The Town That Got Fucked By Bears
by djkaktus
http://www.scp-wiki.net/scp-2875
http://ja.scp-wiki.net/scp-2875


SCP-106-JP - 金太郎の再来
by darumaboy
http://ja.scp-wiki.net/scp-106-jp


SCP-456-JP - 死のテディベア
by cannorin
http://ja.scp-wiki.net/scp-456-jp


SCP-1327-JP -憂鬱なテディベア
by
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1327-jp


SCP-1048-JP - 恨み募る熊
by HURUMOTO65
http://ja.scp-wiki.net/scp-1048-jp


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*1 「Disposable」クラス。主に死刑囚などを秘密裏に雇った財団職員であり、しばしば危険なオブジェクトの取り扱いに用いられている。
*2 脳などの神経組織は時間が経っても再生しない。
*3 大雑把に言うと「見たら死ぬ画像」。財団ではセキュリティシステムとしてこれを採用している場面がいくつかある。SCP-001エントランスに配置されているものが特に有名。
*4 O5とは財団の最高意思決定機関のこと。13名のメンバーがおり、個人は「O5-12」のようにナンバーで呼ばれている。基本的にSCPとの直接接触は禁じられているので、このO5-█は自らの立場を超えて岡村研究員を支援していたことになる。

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