黄道12宮の神秘について

ページ名:黄道12宮の神秘について

パラケルスス著

黄道12宮の神秘について


人体の部分を司る黄道12宮に相応しい、病の磁気的、共感的な治癒を扱う


序文


 我がこの書が日の下へと出たのを見たら、多くの者らは歓喜とともに崇めるであろう事は疑いが無い。なぜなら、金属の中に見出せ称えられる効果と徳からであり、この手と術によりまず最初に正しく完全に準備されたからである。それらは多くの者らが迷信的で誤って自然に反した作業で行っており、それらは偶像崇拝的な作業であり、その完成のために悪魔の助けを用いているのである。彼らは、印章、文字、言葉を彫った金属にそのような力を持つのは、魔女術と悪魔の助けを通して準備しない限り、どのように可能だろうかと言う。彼らへ私は返答しよう。汝は悪魔らに信用を与え、これらは力と徳を持つと信じ、悪魔の助けにより準備され、悪魔を通じて作業すると述べるのを私は聞いたが、汝は自然の働き全ての創造主である神は、天でより多くの力を持ち、また金属、草、根、石、その他の物へのこれらの作業にも力と徳を与えるとは信じられないのか? だが汝の判断では、唯一の全能の主なる神より悪魔は賢く力があると見ているようだが、神こそがその大いなる憐れみにより、全ての金属、草、根、石、その他の地、水、風に生き動く全てを創造し、人の利益と使用のために様々な段階の性質を授けたのだ。また経験により確実であり証明されているが、時の変化は偉大で強力な働きを持ち、主に金属は長い時間をかけて造られているが、それらは多くの者に現され、様々な経験により我々にも良く知られているのである。そのうえ金属が死んだ形質であるとか、命を望むなどと汝らは教えている。油、塩、硫黄、第五精髄は、大いなる保存力があり、人の命を回復させ保つ大いなる力と徳を持つので、他の全ての単純なものの前に、それらと関連する全ての薬も私は教えるであろう。もしこれらに命が無いのならば、どのようにして病や人体の部分の腐敗を、命を与えその中にある植物の要素を刺激する事で、回復させるのを助けられようか? 痙縮、結石、小ほうそう、浮腫、癲癇、狂乱、痛風、その他の様々な病については、本書を簡潔にするために私は記述するのを除いている。そのため真に、金属、石、根、草、全ての他の果実には、創造と成長、さらに時の経過に応じて様々な種類ではあるが、それらの中に命がある。時はこれらの中で一つの力と徳だからである。それらは明白に現われ、様々な議論を呼ぶだろうが、ここでは述べない事にする。これらは良く知られているからである。かくも明白に知られている事を扱うのは、本書での我が意図では無く、それらと対照的に見える、より深く見分けにくい秘密の事柄についてを扱うのである。
 印章、文字、印などには、様々な性質や作用があり、また金属の性質、天の状態、惑星の影響とも共同して働く。また印章、文字、印の意味合いと性質は、時の観察とも一致し、共に同意する。ある者は頭の病がその作用する時には、別の者は視野には、また別の者は結石を砕くのには、これらの印章や印には性質や作用が無いと反論する者もいるが、これらの全ての部分は自らの適切な時に準備され、様々な病の助けとなり、飲んだものが他では無く体内へと入るように、他では無いのであり、全てはこの方法により、全ての医療の父、我らが主イエス キリスト、我らが唯一の救い主の助けによりなされるのである。
 だが、これらの言葉や印章には何の性質も無く、ただの印だとか裸の十字だなどと反論したり、このοποχωδοζのギリシア語には、ドイツ語のものよりも力が無く、単に蛇の死や似たようなものの意味しかないと言う者には、ヘルヴェティアやスワヴィア地方に住む蛇が、これらのギリシア語のOsii、Osija、Osiiを知ると、誰がそのような事を信じるのかと私に教えてもらいたい。ギリシア語はこれらの地方では一般的ではなく、この毒のある生き物はそれを理解したり、やがては学ぶのか? どのように蛇がこれらを学ぶのか? 何の大学でこれらは学んだのか? これらがこの言葉を聞くと、すぐに尻尾とともに動くのを止めて、再び動かないのは何ゆえか? 蛇がこの言葉を聞くと、すぐにその性質とは反対に止まって、人を噛んだり毒を与えたりはしなくなる。その後に、人が近づいてくる音を聞くと、蛇はすぐに自らのねぐらへと逃げ去るのだ。もし汝が自然がそうさせていると言うならば、汝がそう返答すると私は予想していたが、自然がこれらを蛇に働かせるならば、なぜ他の全ての生き物にも同じようにしないのか? また人の声の騒音が影響させ蛇を恐れさせたとか、人の中の何らかの力により行われたと汝が言うならば、人が大声を出したり銃を撃ったりして、遥かに大きな騒音を出したりしても、なぜ同じ効果が無いのか?
 これらと同様に印章や印には驚異的な性質があり、自然とは全く対立しておらず、迷信でも無い。また、これらの言葉には何の効果も無く、ただの人の声だと汝が言うならば、私は逆にこう言うだろう。汝がこれらの同じ言葉を羊皮紙や紙に書いて、定められた時に蛇に置いたならば、汝がこの言葉を喋ったように、それはなおも動かないであろう。
 人を手術しなくても、ある印を首から吊るすだけで、この医療は助けとなるのも、驚く事では無い。それは、膀胱へのカンタリスの作用と同様である。これは尿を血にするが、カンタリスは片手に持って、膀胱は尿を保っており、手は体から離されているのでカンタリスは体内を通過する事はできないにも関わらず、作用するのである。
 一部の生き物は、死後も同様の性質を保持している。私がカワセミと呼ばれる鳥で証明するが、この皮を死体から剥ぎ取り、乾燥させ、釘により吊るすと、そこから何年も羽根を飛ばして、新しい羽根も生えてくるのである。そしてそれは1、2年ではなく、長い年数起きる事である。
 だが汝がさらに私がどの著者からそれらの性質を学んだのか、あるいは自ら経験により得たのかと問いただすならば、神の賜物への詭弁家と侮辱者である汝に答えよう。自然そのものが汝の目の前で示すのであり、それらは世界全ての著者らを超えているのである。私は汝の好む著者が、熊が血が豊富で過剰になる事で視野が暗くなると、蜂の巣へと向かい、蜂が肌を刺して過剰な血を流すようにすると教えるかと問いただしたいと思う。医者が何によりディタニー草が雄ジカの治癒となると定めたか? また蛇にはブリオニアやドラゴンウートで行うと誰が教えたか? 犬の熱や便通にgraf草を取ると誰が教えたか? そして海水塩を浣腸に用いると何が定めたか? 汝がこの知識を彼らに教えたのか? あるいは彼らが汝に教えたか? 他にも自らの病を自然と癒す方法を知る無数の動物らを私は語れる。何たるかな! 野獣らが医術を教えているならば、汝はそれを自然の本能であり、自然がこれらに教えていると述べるならば、私はこう言うであろう。自然はこれらの野獣にこれだけの理性を吹き込んでいるのなら、人は万物の創造主、神の像として造られ、神からそのような物事を考えるための理性を授けられているゆえに、どれだけより多くを学べようか?
 また、外側に当てはめて、人体内へと入れていないものは、どの病も癒せないという意見は過ちである。例えば太陽は我々に光、熱、光輝を与え、万物の中の命に影響し、大地の最も深奥まで貫き、地の下にある、たとえその中央にあるものにすら、全てのものも活性化させ速めるのだ。特に春には、太陽は空でのみ輝いているというのに、大地の最も秘密の場所まで貫き、そこに熱と暖かさを与えると誰が否定できようか? これらにより、そこにある全ての植物の根は喜び、力、命を受け取るのではないか? それゆえ、自然の光輝と天、恒星、惑星、その他の我々が金属、植物、石といったものから取り出す他の方法の影響力が、それらの性質を人体内に与え、その秘められた部分にまで影響を与えないと言えるのか? それらは神経、血管、その他の内なる器官のように、人の肉と血の中へと入り込み、長い時をかけて成長していくのである。病や事故は様々であるように、その治癒法もそれらの性質、その特有の日や時間に応じて様々であり、金属はそれらの中でも最良であり、時と方法に応じて準備され用いられる。私が金を用いてらい病を癒そうとするならば、それらから造られた油を防ぐものがあろうか? また、水星(水銀)の油を小ほうそうに塗るならば、この水星で治癒できると汝は考えるか? それは疑い無い事である。特に、私がこのための適切な時間を測るならばであり、この最後の方法無しには、水星の油の風呂へと病人を入れても、全ての塗油は無駄になろう。だが、水星の医薬では十分でない病に対しては、私は他の医薬を用いなくてはなるまい。それらも、塗油のみならず、他の全ての働きにも、私が時間の観測を尊重しなければ、それらも無駄で結果を出さず、それどころか病人をさらに悪化させよう。なぜなら、人に病が来るのはほとんどの場合は星々の力と影響が人体に来るのが確実だからである。そして鞭打ちや癲癇のような、突然に受けるものもあるが、それらも宿命のように、あるいは油を水へと零したら蝋油を起こすように、少しずつプロセスを増大させていく。また人は自らの体の部分が縮んだり腐ったり、あるいは食欲が無くなったり、痛みなどで病を知覚する事もある。これらの病の状態と性質は、星々の働きによるものであり、事故は風によるもので、我々に対して準備され引き付けるのである。


第1章 頭への一般的な病について


 頭への一般的な病と痛みは様々である。あるものは、過剰な飲食から来る自らの適切な癇癪から起きる。他のものは、胃から頭へと登ってきた悪しき気によって起き、他にも様々な別の原因からも起きるが、ここではそれらは述べない事にする。以下の章では、頭のより重い病についてのみ述べよう。


第2章 癲癇について


 この病で最初に気づくのは、失神する徴である。これらが特定の均等な時、月、日、時間に何度となく起きるか、あるいは、不定期に様々な時間で起きる事もある。そして患者が失神する直前には、僅かに震えてよろめいたり、大地に思いがけなく突然に倒れたりする。これらが特有の時間に倒れるならば、この病は突然に起きる事もすぐに倒れる事も無い。だがこれが不定期の時間に起きるならば、逆の状態が起きるだろう。すなわち、思いがけなく倒れる。第1の種類、すなわち倒れる前に少し震えてよろめいたりするなら致死的である。だが、失神が起きる前に知覚するならば、この病はそれほど危険ではなく、より治癒可能と見るべきである。それは第1の種類のように自然から来たものでは無く、それらと共通するものでもなく、そのためより弱いものである。第1の種類は、妄想と狂気をもたらすが、他のものは失神する病である。それらの治癒は以下の通りである。
 まず最初に、最後に患者が倒れたのはいつの日、時間かを考慮し、書き記せ。そして、その時間に何の惑星が支配していたかも確認し、患者の(ホロスコープの)宮とその角度も知るべきである。
 それから、患者の年齢、性別を調べて、それらも書き記しておく。それから以下の薬を毎日の朝に飲むようにさせよ。


 硝酸のスピリット、アンチモンの第五精髄をそれぞれ5滴ずつ。真珠の第五精髄を4滴。


 これら全てを薔薇水の少量とともに患者に朝に飲ませて、その後の4時間は食事を取らせないようにする。これを29日間続けさせて、その間に以下のラメン(金属の護符)を以下の方法で準備するようにする。


 純粋な金を3fs用意し、月が巨蟹宮の12度を通過したら、土器に入れた金を火で温め、それから純粋な水に注ぐ。その後に、天で2つの惑星の合が起きようとする時にこの金を再び溶かして、合が起きた時に最も完全で公正な月(銀)3fsへと注ぎ、それにより太陽と月の均等な混合物となる。この物質を外に出して冷やしてから、一辺が4本の指の幅にある板状にする。それから以下の図にあるように三角形に切って、火によってこのラメンをとても熱く温める。それから月が最後に来た同じ宮と度になるまで置いておく。そして時が来たら、先と同じ時間に、これらの印と文字をこの金と銀のラメンに刻んで、一番上にある文字から始めるようにする。汝はこれを急がなくてはならない。これらの図形と印は同じ時間に全て作り完成させなくてはならないからだ。さもなければ、全ての汝の労働は無に帰するであろう。



 それからこの失神の病に適した時間の惑星の図を、先の図で汝が見るように、まず最初にラメンの中央に刻む。このラメンはザルツブルク司教のヤーメス セスツのために造ったもので、今は司教は健康を取り戻しているが、水星の時間に倒れたので、水星の印を中央に刻んでいるのである。残りは汝が図で見るように造るようにせよ。だが例外は女の患者の場合で、代わりに以下の印を置くようにせよ。



 その下には患者の年齢を書く。例では34とあるのを見るが、これは先に述べたヤーメス セスツの年齢である。そのため、ここに書く数字は患者の年齢に応じたものにする。
 その下の図形は、方向に応じて準備する。そして適切に行った後に、患者の頭頂の髪の毛を剃って、それはラメンの直径に応じるようにする。それから、患者が倒れて横たわったら、先に述べたこの術での秘密の物質を口に注ぎ、口を閉ざさせて胃に入るようにする。それからラメンを髪を剃った場所へと当てて、刻んだ部分が裸の肉に触れるようにさせる。そして落ちないように紐で縛る。それから患者を静かに眠れる場所へと運び休ませる。さすれば患者がこの病を30年以上あったとしても、この失神の後には、これ以上失神する事は無いであろう。だが患者に常にこのラメンを首から吊るすようにさせ、それから剃った頭の場所を毎月末に剃るようにさせよ。


第3章 視野を保つための他の幾つかの図形


 月が白羊宮にあり金星の時間に、良質な鉛に円形のラメンを造る。その後に、土星の時間に鉛と同じ形で銅のラメンも造る。そして月が処女宮にある時に、以下の図で汝が見る印章を彫る。それから金星と土星が合となる時まで両方とも保ち、その時には両方を合わせて、それぞれの彫った印が触れるようにさせる。それから、蝋によってこれらを固めて、これらが湿気を受けないようにする。そしてシルクの糸で結んで、水星の日(水曜日)と時間に患者の首から吊るす。これは目の視野を回復し、痛みや病から目を守るための最良の療法である。またこれは老眼も若い頃と同じほどに完全に保つ。


視野を保つ


第4章 脳の乾燥や他の頭の病に対して


 良く精練された以下の金属を用意する。


 金を3fs、銀を3ii、銅を3i、スズを3iii。


 新月にこれらを共に溶かして、混ぜ合わし、汝が望む直径の円形の金属板にする。その後、この溶かした金属には火をこれ以上は加えない。そして木星が自らのハウス、すなわち双児宮にある時に、板の前面にこれらの文字と印を彫り、背面には以下の図で汝が見る言葉を書き、前面の円の周囲の外側にも同様にする。それから純粋な金の指輪を造り、月が減少している(新月に近づいてる)時期に板と張りつける。これにより吊るすためである。指輪は太陽の時間でさえあれば、いつの日にも造れる。これらが造られたら、新月に患者の首から吊るす。これは全ての頭と脳の病に対して驚異的な働きをする。


脳の病のために


第5章 中風に対して、最も素晴らしい秘密


 中風に罹った者らの慰めのために、私はこの療法を書いた。これは我がarchidoxと呼ばれよう。もっとも一部の古人らは、この病は治癒不能であると(誤って)考えていたが。これは他の病の治癒にも良いようである。それゆえ、この病に罹った者は、以下のものを用意せよ。


 純粋な金を3ii、鉛を3ii。


 これら両方の金属は最も純粋に精錬されているようにせよ。そしてまず最初に、太陽が同じ時間で地平線の下へと降りていく時(汝はそれについてはこの年の時間に従って計算せよ*1)、この目的のために造った新しい土器の中で金を溶かせ。これらを行われたら、太陽が沈んですぐに鉛を金へと入れて、共に混ぜ合わせよ。鉛はすぐに金と混ざり合うだろうからだ。この物質を保ち、月が獅子宮の12度に入った時に、この太陽と土星の金属を再び溶かす。さすれば、これは鐘青銅のようになる。それから、金星(銅)を3ドラム加えるが、長く溶かしすぎないして取り出すと、これを保持する。そして、月が天蝎宮の12度に入ったら、この物質を再び溶かして、木星(スズ)を1ドラム加え、取り出してから板状にする。なぜなら、これはハンマーやハサミの不完全な金属を受け入れないからである。それから太陽が白羊宮に入る(通常は毎年3月10日頃に起きる)まで保持し、それから汝がこの図で見るような文字や印を前後に彫る。そして、これらを彫るのは太陽の時間にし、同じ時間に終わらせるようにする。これは先に述べたように太陽が白羊宮にあれば、どの日にも行える。この円形のラメンは保存しておき、誰かが中風が起きたならば、いつの時、日、時間に始まったかを熱心に尋ね、その日の同じ時間に、患者の首にこのラメンを吊るすようにする。これは大いなる神秘である。だが、効き目が出るまでの間は、患者に私が記したAurum Potabile(黄金の飲料)を与えるようにせよ。


中風に対して


第6章 腎臓の結石や砂に対して


 この結石に対しての円形のラメンは、4つの金属、すなわち金、銀、スズ、鉛により構成される。その量は以下の通りである。


 金を3iii、銀を3iii、スズを3i、鉛を3i.fs。


 それからこれら全ての金属を、月が増大している(満月に向かっている)時期の土曜日の正午前の10時に新しい器の中で溶かす。これらが溶けたら、タルタルと混ぜた硝石を入れる。これにより、より細工しやく、容易に溶けるようになり、働きやすくなるからである。その後、金星の日の火星の時間に、これらを取り出してからラメンの形にして、切ってから磨く。だが何もまだ彫らないようにする。また指輪はまだ造らず、溶けた後にも火に投げ込まないようにするが、この磨いている時に結び付け、ラメンが取り出されてから大きく広くなめし、指輪とラメンが一つに繋がるようにする。そして可能ならば、ラメンが溶けた後に取り出す際には、様々な金属、特に鉛とスズの混合によって、脆さは取り除かれ、この物質は堅固なままになるようにせよ。そうでなければ、ハンマーで叩いたりハサミで切るのに耐えられないであろう。これらが行われたら月を観察し、新月になった時に彫り始める。これは急いで行うようにせよ。ラメンの片面はこの時間のうちにAの文字で記した*2文字や印を彫り終わらなくてはならないからである。その後、このラメンは安全に保管し、木星の日、水星の時間、月が木星、金星、水星といった吉星と良きアスペクトにある時に、もう片方の面に汝が以下の図で見るように、Bの文字で示した方の文字や印を彫る。それからこのラメンを、月が減少している時期の月の日と時間に、結石のある患者の首から吊るす。ラメンを吊るすための指輪は鉄で造る必要がある。また患者には毎朝ワインを飲ませるようにし、このワインには夜の間中にラメンを浸しておく。そして、その後に患者の首に再びラメンを吊るす。これにより、結石や砂を腎臓から驚異的に取り除くであろう。またこのためには、ローマの硝酸のスピリットを飲むのも良い。


腎臓の結石のために


第7章 性器について


 性器の力と徳の喪失は、食べ過ぎの肥満から来る特定の共感によるもので、この特定の精子が性力を阻害させるのである。これは様々な事故により起き、ある場合では自然によるもので、別の場合は魔女術による非自然的なものである。この自然の情熱の療法のためには、私は以下のものを用いる。以下の図にある言葉と付属する文字を新しい羊皮紙に書き、それからその後に患者の性器辺りに結ぶ。



 羊皮紙に書いた言葉は、9日ごとに朝に太陽が昇る前に取り換えなくてはならず、これを縛り付けるか、包皮の周囲に逆向きに書いたものを丸めるかする。そして、昼夜留めておく。そして新しい羊皮紙に変えるごとに、古いものは燃やして灰にし、温めたワインと共に飲むようにする。これは疑いなく最も素晴らしい治癒となる。また別のものもあり、皮革を木星の時間に準備し、自らの穴に付ける。準備されたら、馬具職人により太陽の時間に革ひもへと切って、その後に、汝が好む時に馬勒を造る。この馬勒に対して、次の水星の時間に以下のスズで造ったラメンを革ひもの頭に付ける。


S.U.R.Q.K.R.E.


 この革ひもの額から鼻先までの距離の辺りに、月の時間に銅で造った以下の別のラメンを付ける。



 さらに別の木星の時間に銀で造ったラメンを、木製の時間に馬勒に結び付ける。



 最後に、A.K.R.X.X.X.X.X.の文字のあるものを金で造り、火星の時間に馬勒に結び付ける。そして、金星の時間にこの馬勒を家に結び付ける。汝はこれらの時を正確に行ったならば、これらの言葉と印によって何の力が自然に働くかを見るであろう。


第9章 傷のための素晴らしい軟膏*3


 共感や同情は人間存在に働く非常に大きな力がある。ゆえに死体の頭蓋骨や他の骨の上に育った苔を汝が取り、風へと置け。すなわち、


 この苔を3ii、人間の脂を3ii、人のミイラと血をそれぞれ3fs、亜麻油を3ii、薔薇油と辰砂をそれぞれ3i、用意する。


 これら全てを長い時間がけて、最も純粋で微細な軟膏となるまで、共に磨り潰す。それから箱の中にこれを保つ。そして、誰かが怪我したならば、木の棒に少し血を付けて、乾いたならば、先に述べた軟膏の中へと棒を深く突き入れ、そのままにしておく。そして傷口は新しいリネンの包帯で縛って、毎朝患者自身の小便でこれを洗う。これにより他の膏薬も痛みも無く、これ以上なく優れた形で癒されるであろう。この方法により、汝は患者が10マイル離れた場所にいたとしても、汝がその血を持っているならば、傷を癒す事が出来よう。
 またこれは、歯痛や他の痛みのような別の苦しみにも、木の棒に血を付けて、軟膏へと突き刺しておく事で助けともなる。また、馬の足が蹄鉄工や鍛冶屋の釘を踏むなどで痛めたら、その傷口の血を木の棒に付けて、箱に入った軟膏へと突き刺しておく事で癒すであろう。これらは人が用いて健康を保つための神の素晴らしい賜物である。


第10章 武器の軟膏


 また別の種類の軟膏もあり、(人が傷を負った原因となった)武器に塗る事で、その傷が痛みなく癒される。これは前に述べた軟膏とほぼ同じ成分であるが、3iの蜂蜜と、3iの雄牛の脂肪をそれらに加える。だが危害を加えた武器が常に傍にあるとは限らないので、先に述べた木の棒を用いる方が良い。


黄道12宮の神秘について 2
↑ パラケルスス


*1 これは昼と夜とが同じ時間である、春分と秋分を指しているようである。
*2 しかし原書の以下の図形にはAやBの文字は無いようである。
*3 なぜか第8章は無い。パラケルススは数え間違えたのだろう。