ディーの日記 1583年6月15日

ページ名:ディーの日記 1583年6月15日

1583年6月15日 土曜日 午後6時


 高貴なアルベルト ラスキが余らのもとへと訪れ、今はロンドンへと向かった後、余は神への祈りの中で対話をし、その後にガルアーに昨日答えずにいた特定の問題の返答を今日尋ねる事について抗議した。だが、30分ほどしても何も現れず、水晶玉の中には黄金の幕しか無かった。
 やがて、様々な生き物の混乱した形が現れ、一つ一つ消えていった。
 全ての混乱が余らとその行動から消え去るように、そして永遠にして唯一の方より光と真理を余らに送るようにと神に祈った。すると、先に余らがイル(Il)と呼んだ者が現れ、エドワード ケリーを嘲ったように見えた。
ケリー「イルがここに現れ、私を嘲っているように見えます」
イル「ケリー殿、これは汝の釣りのための嘲りですぞ」


 エドワード ケリーは正午のほとんどで釣りをしており、余はその時には、彼の仲間を持ち、この活動に助けの手を得たいと望んでいた*1
 この後にすぐに、ガルアーが現れて、この周囲の縁は閉ざされた。
ガルアー「ここでは誰も出られません」
イル「我は汝のために何かをなそう。知恵が縁を通じては見つけられないのは奇妙な事だ」
ケリー「このイルは縁を引き倒しています」
ガルアー「行きなさい。あなたは任務を果たしました」
イル「さらばだ、ディー殿、ケリー殿」
ケリー「彼は去っていきました」
ガルアー「永遠のパンを味わった者よ、さようなら。そして他も味わうように望みます」
ケリー「次に彼女は大きな城門にたどり着きました。門は全てが石造りで、その前には吊り橋があります。門の上には彫ったか石を切って造ったグレーハウンド犬のようなものがあります」
ガルアー「とても遅くなったので、私はここに我が楽しみがあるかを見て見ましょう*2
ケリー「彼女は中に入りました」


 しばらくすると、彼女は再び出てきた。
ガルアー「このように語られました。
 この場所は呪われ、見下され、地獄へ落ちるべし*3
 なぜなら、彼らはその肉を膨れさせ、自らの想像に従い、その悪意の中で豚のように転げまわるからです。それは私を震えさせました」
ケリー「次に彼女は一般的な公道のような大道を歩いています。そして彼女の周囲の空間の光は、夜明けか夕暮れのような暗いものになっています」
ガルアー「まことに貴方がたは多くの光を持ちますが、私は僅かしか持ちません。
 そのため貴方がたが私を見ない時にも、私はふと聞いたりしていました」
 注記。余が彼女との会合を始めた時、余の研究室の西の窓から、水晶玉が置いてあるテーブルへと多くの光が来ていると先に述べており、彼女はそれについて述べている。


ケリー「彼女自身の衣から光を発しています。
 次に、彼女は白い毛皮の外套を着た男らとともに来ました。これらの一部はビロードの帽子をかぶり、また別の一部は鍔付きの帽子をかぶっています。彼らの1人が彼女は何者かと尋ねています」
ガルアー「私は今は私自身ではありません。私の持ついずれかの宝石を買ってくれますか?」
ケリー「彼女は胸から多くの宝石を取り出しました。それらはまだ切られたり磨かれたりはしていません。男たちはそれらを見ています」
ガルアー「真にこれらは純粋で良いものです」
ケリー「彼らもまた、確かにこれは良いものだと思えると述べ、それぞれに一つずつ渡しています。
 それから2人の太った男が現れ、このような些細な物を買う前に、我らはまず金を得ようと述べました。彼らの他の者らは、完全な姿ではありません」
ガルアー「私のこれらの1つを買ってくれませんか? どれも買わないのですか?」
ケリー「彼女は最初に宝石を称えた者に向かって述べました」
男「けっ。汝はさっさと行くのだな。これらが傷物だと我らが気付かなかったと思うのか?」
ガルアー「ふん、これらはあなた方の好むようには切っていないわ。
 それから、声がこう述べました」
声「彼らの感覚は、束の間の虚栄で満たされている*4
ガルアー「そのため、虚栄を消し去りなさい。それらは一時的なものだからです」


ケリー「次に彼女は登らないといけない壁の前に来ました*5。そこにはギザギザの石の階段があります。その背後には美しい建物があります。多くの者らが階段を登っており、彼らがほとんど頂上に来ると、別の者らが手で彼らを掴み、この場所を乗り越える助けをしています。そして、壁の頂上で人を上げる助けをしている者ら(彼らは毛皮のガウンを着ています)の1人が彼女に向かって、女よ去るのだ。汝は登ってくるのか? と尋ねました。
 彼女は返答をせずに立ったままで、この者から視線を逸らしました。
 するとこの男は再び、去れ、登ってくるのか? と言いました」
ガルアー「貴方がたが助ける者たちは不幸です。私にとって貴方がたに近づくのは、その息は多くの者を感染させ、あなたの手は血で汚れすぎています」
ケリー「次には、壁に美しい女たちが来て、その一部が、良き妹よ、去ってくれませんかと言いました」
ガルアー「貴方たちの肉欲に耽る父は、私を知りません。その娘たちよ、私はあなた達を拒否します」
ケリー「次に、2、3人の勇敢そうな者らが来ました。彼らはレイピアを腰に差し、帯なしの帽子をかぶり、そのタイツはピンで留めてあり、ガーターを履いていません。彼らは壁に来る者を助けていて、その中の1人が言いました。小娘さん、そこにいたなら俺がすぐに助けてやろう」
ガルアー「去りなさい。あなたの衣服はあなたの部屋の憎悪で満たされています。私はここに留まるでしょう」


ケリー「次には、大きな頑強な者とその隣に王冠を被った若者が、壁の頂上に現れました。この若者は18歳くらいに見えます」
頑強な男「ついに来たか。陛下、この道を破壊させてくだされ」
ケリー「彼は若い王に述べ、彼らは何度か対話していますが、私は聞き取れません」
声「それはなされた*6
ケリー「壁は震えて崩れ落ちました。そして、先に壁の上にいた陽気な者らの一部は落ちていき、別の者らは来て、大きな穴を掘ったり、壁を壊したりしています」
ガルアー「神に感謝。今では、ここは入り口には充分な広さとなりました」
ケリー「彼女は中へと進んでいきました。
 王冠をかぶった若者あるいはstriplinと、その隣の大男は彼女を抱擁しました。この若い王の王冠は三重冠、あるいは3つの王冠が重なり合っています。彼は手に小さな物を持っていますが、密接に掴んでいるので、何かは良く見えません」
若い王「汝は女として旅してきたが、今では汝は男として知られるべし」
ケリー「彼はガルヴァーにこう言いました。それからお互いに抱擁し、彼らは彼女の衣を全てはぎ取ってから、廷臣のガウンとして黒い男物のガウンを着せました。
 彼女は頭も残りの全ても男のような仕草で跪きました。
 それから若い王は彼女に向かって、こう言いました」
若い王「このロッドがなす事は働くであろう」
ケリー「王は、このロッドを性転換した男に渡しました。このロッドの半分は血の色をし、残りの半分は白く、これら2つの仕切りは長さの方向にあります」
声「これは我が力の義の行いと測りとなろう」
転換した男「それが割り当てられるまで、私は求めないでしょう。
 まず宮廷を清め、大衆を調べましょう。過ちは常に多数によって行われるからです」
声「呪われりしは、大衆により判断されたものである」
ケリー「壁から落ちた者らや、彼女を助けようとしていた者らは皆、手足を縛られて連れてこられました」
転換した男「王よ、これらを根絶やしにしましょう。このような者らに情けは無用です。これらは自身では慈悲は決してもたない者らだからです」


ケリー「次に、ある女が来ました。彼女は頭に王冠をかぶって、長い顔を持っています」
大男「否、彼女が受けるに値するものを飲ませよ」
ケリー「転換した男が、彼の前でロッドを降ろして、泣き始めました。そして言いました。そう言わないでください。私は油塗られた者(王)を哀れに思います」
大男「彼女に死を与えよ。彼女は死に値するからだ」
ケリー「別の男たちが、彼女を捕らえて、その頭から王冠を取り除きました。
 転換した男が、彼のロッドを取り上げ、この女の頭頂へと触れさせました。
 若い王が彼女に何を望むか? と言いました」
女「貴方様が望まれるならば、我が命と威厳を許したまえ」
ケリー「大男と若い王は共に話し合っていて、女はその手を広げて、胸を叩いていました。それから、彼女の多くの仲間らが、武装した懲罰人らによってバラバラに切り殺されました*7
水晶玉からの声「私は助けるであろう」
ケリー「王と大男が再び来ました。王は転換した男に言いました。汝の意志のように、汝ら2人は共にあれ。汝ら両方とも良くあるのが余の望みだからだ。
 女はお辞儀として頭を下げて、彼らに感謝しました。
 大男が王の手を取ると、転換した男は女の手を取りました。そして彼女の手を王の手に合わせて、大男とともに、彼らはお互いに手を取って、彼女に接吻しました。


 それから突然に全てが消え去って、転換した男は再び女の姿へと戻り、彼女は言いました」
ガルアー「次にはあなたの旅に、私は共に行く事にします」
ケリー「彼女はディー殿に向かって言っています」
ガルアー(ディーに向かって)「貴方さまが私に従うならば、私は導きます。
 ですがその前に、貴方さまは罪を破ってなくてはなりません」
ディー「神の恵みと助けにより、余は汝に従うであろう。そして我が罪を破る事で、その悲しみは喜びへと変わるであろう」
ガルアー「そして貴方さま(ケリー)も、真理へ向かって狩り、釣りをするのが最良だったでしょう」
 彼女はエドワード ケリーに向かって述べた。なぜなら、彼は多くの時間を釣りに用いていたからである。
ガルアー「貴方がたは、ここで21の王国を統治する者らを見るでしょう」
ディー「この発言に神秘が無いならば、征服は大いなるもので、困難も大きく奇妙であろう」
ケリー「彼女は小道に従って進んでいます」
ディー「先に示された王が誰であるかを余らは知らない」
ガルアー「確実に貴方さまの要望は叶えられましょう。
 そして何を貴方さまが探しているか、
 誰を貴方さまが探しているか、
 誰が助けとなるかを考えなさい。
 それから、何が宣言されたかを見なさい。
 私は我が権能に従うでしょう。それらの中で、貴方がたの問いかけに対して、私はその終わりを示すからです」
ディー「真にこの機会に、余は幾つかの質問をしたい。かの高貴なポーランド人について起きた事で、余らに悪しきなのは誰かを昨日と同様に今日も訊ねたい」
ガルアー「虚しき事柄は私の肘に吊るされていません。
 貴方さまが既に語られた事を信じないのですか? 彼について(真に)語られた事を?」
ディー「まことに、余はそれを信じている」
ガルアー「私は貴方さまに言いましょう。彼の名は命の書*8に記されており、太陽は彼が王*9となる前に、その軌跡を通過しないでしょう。彼の助言はこの国、それだけでなく世界全体に変化をもたらすでしょう。
 貴方さまは彼について何を知っていますか?」
ディー「彼の王国はポーランドなのか他のどこかなのか?」
ガルアー「2つの王国です」
ディー「どの国なのか教えてくれまいか?」
ガルアー「1つは貴方さまが繰り返し述べていた所で、もう1つは彼が権利があるとして求めているものです」
ディー「神は彼の呼びかけにおいて、いと高き方の望むように、彼に全ての事柄をなすための充分な導きを与えている」
ガルアー「彼は望む事の何であれ導きを求めないでしょう」
ディー「次の質問は、次の8月への困難と危険についてであるが、彼がなすのに最良の行いは何か? 家に帰る前に、あるいはここに留まるべきか?」
ガルアー「神が武装させた者には、誰もそれに対して勝つことは出来ません」
ディー「この君主の余自身の領地についてであるが、彼が余を口説くためにどれだけ多くを支払うべきか? 余の札は何か? 余はどのように自らを動かすべきか?」
ガルアー「私はそれら全てを今でも語っており、貴方さまがこれらの今語られた事柄を見るならば、それらは今なされました*10
ディー「次はチャールズ スレッドについてであるが、昨夜に彼の鼻は2度も血が出て、今朝には余は美徳と信心についての慈善的な教授を彼になした」
ガルアー「私はこの方を知らず、私達と関連して彼が持つ名前も知りません」
ディー「それは彼が余らに良く向かっているという意味か?」
ガルアー「悪しき者のどの悪意も良く働きません。でずかその意味では、彼が良くあるように要求されています。
 彼に憑依している悪霊は、貴方さまの前にいた事で、その鼻からすらも追い払われました」
ディー「(何も記されておらず)」
ガルアー「彼の名前を我らは知らないと信じてください。彼についてこれ以上私を悩ませないでください」
ディー「主よ、人々は道徳的に弱く、過ち、悪しき者らだ。だが、主の憐れみはその全ての行いにおいて(全ての世代にて)最も称えられるべきものだ」
ガルアー「平和を保ちなさい。私達は神の義を今行います」
ディー「余は神の憐れみとその義について大いに語り、この祝福された状態へと余らを呼びかけ選んだ事に感謝する」
ガルアー「私はこの夜のための宿を取るための準備に入りましょう」
ディー「神はこのような神の霊と語る価値を余に許した。神は汝と共に、その御名が常に称え、栄光を与えられ、聖なるものとする場所に住む事を許した。神に全ての生き物が感謝、誉れ、栄光を与えるように。アーメン」
声「アーメン」


 この声は水晶玉から来たが、それは神の声で、神自身がその意志と布告の印としたのを意味すると余らは受け取った。全ての生き物が、正しくも義をなす神に感謝と栄光を与えるべきであると。アーメン。


ディーの日記 1583年6月18日
↑ ディーの日記


*1 つまり、霊との会合をディーが望んでいた時に、ケリーは趣味の釣りをしに遊びに行って、約束をすっぽかしたのである。
*2 その後に、1583と書かれているが意味は不明。
*3 ディー注。この声は水晶玉の中から聴こえた。
*4 ディー注。この声は水晶玉から聴こえた。
*5 ディー注。これはイングランドの後の苦難についての語る比喩あるいは預言である。
*6 ディー注。水晶玉から声が聞こえた。
*7 さらに、1582が書かれている。これらはメアリー スチュアートの処刑と関連しているかもしれない。
*8 キリスト教で信じられている、天国へ入れる資格を持った魂の名簿。
*9 ディー注。アルベルト ラスキ公の事である。
*10 ディー注。この約束は、この質問への返答である。