ディーの日記 1583年4月18日

ページ名:ディーの日記 1583年4月18日

1583年4月18日*1 木曜日 朝8時頃


 いつものように、エドワード ケリーは図を書くために来て、空中に文字が現れるのを待つものの、7つの角のある黒い雲以外の何も見る事は無かった。そして余が水晶玉を再び枠へと置いて、返答をするように長くて繰り返しの要求をした後も何も現れず、水晶玉にも何も見えなかった。そして、再び余は祈りをしていたら、やがては雲から「彼は約束したが、慎重では無かった」という文が現れた。これは21文字である*2


ケリー「この文字は指先に立っているように見えます。21個の文字があって、あらゆる指の上には1文字があり、これらの指は七芒星の雲の角にあるように見えます。そして文を読むとすぐに、七芒星から放たれているように見える指らは再び縮まっていき消えていきました」
ディー「いと高き方、我らが最も愛する慈悲深く全能の神に、今も永遠に、全ての称賛、名誉、感謝があらんことを。アーメン」




同日 夕食後


 先ほどに告発されたような、図を書くのを止めるようにされた原因について、余らは知りたいと望んだ。そして今では(21の見開きが書かれた)栄光の書のある場所には暗い雲があり、余らの心を大いに不安にさせ、最近、余らの片方か両方が、何らかの不快にさせる事をして、主の憤りが余らに対して燃やされたのではと恐れさせた。そのため余らは激しく祈り、やがて(特別な変化も良い慰めも起きずに)余は祈る中、エドワード ケリーが(余が跪く机のそばで)激しい苦痛の声を聞いた。そして見よ、ある天使が七芒星の雲の背後で立っているのが見えた。そして天使は言った。


天使「我は汝の深い悲しみの原因を理解させ、汝の疑いに答えるために送られた」
 そのため、余は我が祈りに従い、我が心について簡潔に述べた。すると彼は答えて、神が余に定めた時を再証言し、語る時を要約し、それらの様々な重要な発言の中で彼はこれらの言葉を述べた。
天使「全ての事を準備せよ。(定められた)時は近いからだ。神の正義は偉大でその腕は強い。
 汝は疑ったり夢見たりするとは何という言い草か。神よ、これは短い時でなされるであろう。だが、これこそが肉(の生き物)なのだ。
 信仰が岩のようであれ。我ら、良き天使らとトラブルをするのはマナーにあらず。そう気を付けよ。



 定められた時まで汝は実践せよ。苦しみ全体が測られる間、汝の荷物を縛るのだ。偉大なるは神の真心の光である。神の定めまで時が無い。命ぜられた事を完成させるのだ。神は満足した時に、明らかとするであろう。汝は常に努力し、誘惑を避けよ。これは真実であり、そう言われる。最後に我は言おう。
 これは実践されなくてはならない。
 今や汝が祈るための何の世俗の望みがあろうか?」


 彼は余の返答に対して進めさせて、最後にはこう述べた。
天使「人々の時も試みるまでは正当に知る事は無い。
 汝はこの終わりと目的のために神の慈悲により選ばれた。これらの神秘の中で知る最初の始まりにより、この終わりは発現するであろう。
 神はそれに満足したならば、明らかにし、知恵の全ての秘密を開くであろう。それゆえ、この書の諸神秘を、神が汝を呼ぶまでは知ろうと努めるなかれ。その時には、神の力は汝に満たされようが、肉がその偉大な栄光を知る事はあるまい。
 これまで誰が、神のあわれみを崇拝により望み、かくも確実に味わった者がいようか? 汝は自然に従えても、その作業者に名誉を与えないか? この場所は聖なるものだと言わなかったか? 聖なる働きとは何か? 我は汝に知らせよう。神はそれを嘉されるだろうからだ。神が述べる事で、神が曲げられるものは無い。汝が我と語れるとは考えるなかれ。我が大いに自らの品位を落とし、形あるものを我のようにありそうにないように語らない限りにはだ*3。だが神は汝の原因やその望みのためではなく、神自身の御名の栄光のためにこれを行うのだ。
 灯りを点けられるのは1つではなく全てである。そして何の全てか? 2匹の鳥の羽根は隊長の下で共にあろう。
 汝が望む事を訊ねよ。なぜなら40日間が過ぎるまでは、汝は我らからそれ以上には示されないだろうからだ」
ディー「この隊長*4が、今しようとしている自らの地方*5へと行くのに対して、何らかの助言や承認はありましょうか?」
ウリエル「彼が聞くようにである」
 エドワード ケリーは、今現れて、これら全てを答えているのはウリエルだと言った。
ウリエル「我は汝に1つ質問がある。我らは何らかの声があるか無いか?」
ディー「余は天使には声を出すための器官や道具は無く、純粋に霊的であり、肉体的なものは無いとと考えます。ですが、汝は神から与えられた、汝のメッセージや意味合いを(人間の)耳や目へと伝える力や性質を持っております。人の想像力のような種類で、それらにより余らは汝を感覚的に見たり聞いたりできます」
ウリエル「我らには声が無いが、あらゆる場所を満たす音がある。それらを汝が味わう時には、距離は関係が無い。この者が来るようにしたら、より良い返答をしよう。汝自身ではなく、この者のために、汝の場所により近い者をだ。では汝の任務をなせ」
 ウリエルが近づいてくる別の天使に言うと、自らは去っていった。


 この新しく来た生き物は「汝は我、イル(Il)に何を聞きたいか?」言った*6
ディー「汝は何者か? 汝は我らが創造主を愛し、称える者か?」
イル「汝は我が心を見たいか?」
ケリー「彼は自らの体を開いて、その心臓を見せました。そこにはEL(神)と書かれていました」


 彼はとても快活な生き物に見え、あちこちをスキップし、その見た目は演劇での悪役(道化)のようであり、仕草もそうであって、彼の外側に示している嘲りの仕草はよくある悪党のものだった。だが、余は彼が喋る言葉の核心を慎重に考えていた。そして、始まりから彼が喋る事の全てを書くのを抑えていた。なぜならエドワード ケリーは彼を嫌っており、彼は欺く者と見ていたからである。


ディー「汝が神の使者として余らに答えるように命ぜられているゆえ、(純粋にして明白な真理を望む)余らに答えよ。それは、汝に定めた神の信望と、余らを造った神の名誉に合致するであろう」
イル「我が答えは3つある――我は仕草と、見た目とで答え、我が言葉でも汝に答えるであろう」
ディー「余が持っていたアラビア語の図や数が書かれた本がどこにあるか知っているか?」
イル「それはスコットランドにある。ある聖職者が持っており、価値があるものではない。この書には偽り、欺きの魔女術が含まれている。全ての誉れ、名誉、称賛は単独にして永遠なる神に、世々限りなくある*7
ディー「大蔵卿*8はソイガ(Soyga)に属する何らかの書を持っているか?」
イル「彼はそれらは持っていないが、全ての術への入門書はある」
ディー「だが、余の見霊者が、卿がソイガ、またの名をysogaや直訳するとAgyosに関連する特定の諸書を持っていたと伝えている*9
イル「ソイガはAgyosを意味するのでは無い。Soyga alca miketh」
ディー「では、これらの言葉は何を意味するのか? 審判での神の意志の真の測りは、その知恵による。これは何の言語なのか、汝が教えてくれるよう余は祈る」
イル「楽園で教えられていた言語だ」
ディー「誰にか?」
イル「アダムに注がれたものだ」
ディー「誰に対して、アダムはこれを用いたのか?」
イル「エヴァに対してだ」
ディー「彼の子孫らも用いていたのか?」
イル「そうだ。空の塔*10が破壊されるまでだ」
ディー「余ら死すべき定めの人らの間に、この言語の文字は現存しているのか?」
イル「存在している」
ディー「それらは何処にか?」
イル「ディー殿、我は汝の練達した書と汝を愛させるようにしよう」
ディー「アダムは、この言語で何らかの書を書いたのか?」
イル「疑い無く」
ディー「では確実に、それらは言い伝えにより世々伝えられていたであろう。また、エノクの書あるいは預言もこの言語で書かれていたであろう。なぜなら新約聖書のユダの手紙にそう記されているからだ。アダムから7代目にあたるエノクも彼らについて預言して言った、「見よ、主は無数の聖徒たちを率いてこられた。それは、すべての者にさばきを行うためであり、また、不信心な者が、信仰を無視して犯したすべての不信心なしわざと、さらに、不信心な罪人が主にそむいて語ったすべての暴言とを責めるためである」*11と」
イル「我は汝にはっきりと伝えよう。大洪水が起きる前、神の霊は人の中では完全に失われたわけではなかった。彼らの記憶はより強く、彼らの理解はより明瞭で、彼らの言い伝えのほとんどは探りようがない。エノクについてはほとんど残っていないが、(汝の熟練さを喜ばせるならば)荷車により運んで来よう。我は汝に真鍮の物をもたらせないが、我は汝に諸書を示せる。28日間眠るのだ*12。さすれば汝は起きた時に、枕の下にそれらを見つけるであろう」
ディー「失われたエズラ書については、汝は何を言えるか?」
イル「ユダヤの預言者らはそれを持っている」
ディー「だが余らは、純粋に真理として、ユダヤ人の手にあるもののほとんどを信用できない。ユダヤ人は頑固な民であり、世界中に散らされている*13
イル「我は汝にトリックを示すであろう」


 彼は片足を上げると、足の裏を見せた。そこには、人の絵が現れ、その顔にはスカーフあるいは鳥の毛皮を付けているようだった。彼はそれを取り除くと、額に88の2つの数が現れた。


イル「我はこれ以上の事を汝に示すであろう。そして、あらゆる人間の顔を洗うために水をもたらす、この者について短く語るであろう」
ディー「あらゆる人間とはどういう意味か? 全ての人間は清められる必要があるのか?」
イル「顔を洗うのでは違いがある」
ケリー「この生き物はその顔が女のようになりました。その見た目は演劇での悪役(道化)のようです。
 汝はSyngollaの親類では無いのか?」
イル「ケリー殿、すると汝はSynfullaの親類なのか?」
ディー「人はもみ殻の中で麦を見つける事もあろう」
イル「同様に、汝はおそらくは我がボロの衣の中に正直者である我を見出すであろう」


ディー「先日、余があるギリシア人(マケドニア人)について、彼は良く深遠に学んだ者か否かと疑いがあった時、彼は霊的に現われて、その帽子には大文字でギリシア語の


 が書かれてありました。余はこれが何を意味するのかを教えてもらいたく祈ります。また、余はこのギリシア人に尋ねてみると、彼は

 と言いました」
イル「汝の書を見よ」
 そこで余は一般的なギリシア語辞書を取ろうとすると、彼は言った。
イル「それでは無い」
ディー「では、余はファウオリヌスの辞書*14を使うべきか?」
イル「そうではない」
ディー「ではどれなのか?」
イル「汝の白い羊皮紙で覆われている辞書だ」
ディー「それは、ムンステリスのラテン、ギリシア、ヘブライ辞書か?」
イル「そうだ」
 そこで余はこの辞書を読んでいき、そこには

 の望んだ言葉のみがあった。余はそれを読んでいき、とても満足したのである。


ディー「次に余はガリラドラー(Gariladrah)*15について汝が何を言うかを祈ります。汝は彼を知っているか? 長い間、余と対処していた者を?」
イル「彼が我よりも低位の者ならば、我は彼について述べただろう。だが、彼は我よりも上位にあるので、我は彼について語らない。我は低位全てには対処するが、上位者にはしない。
 汝の諸図を見よ。さすれば、そこで汝は彼の他の名前を見つけるであろう」
ディー「余はそのようなものを覚えていません」
イル「誰が我をここに送ったかを考えよ*16。汝が既に我自身よりも多くの真理を持つならば、それは充分である」
ディー「いつになったら、余にその名前は与えられるのか?」
イル「すぐにだ。汝の*17崇拝の後に、すぐにだ」
ディー「それはラファエルでした。そして余はガリラドラーが我から去らればならないと言っており、後任の教授者として、より良き者(ラファエル)であり、このラファエルが我が頭であるべきなどと言っていたのを思い出しました。
 我らを創造した神を称える歌を歌いたまえ」
イル「我は短い歌を歌おう。
 汝の行いは神のもの。汝の呼び声は大きい。
 行き、宝*18を探せ。さすれば汝は得るだろう。
 戸惑うな。この書は40日以内になすべきだからだ。
 8月から実践を始めよ。神の前に仕えよ。
 汝は見るもの全てを知るであろう。
 そして、絶え間なく謙虚に、称賛、栄光、永遠の賛歌は、
 万物を創造した創造主に世々限りなく続く。
 今、御身(が望むならば)に言おう、アーメン」
ディー「アーメン、アーメン、アーメン」


イル「この40日間の作業が終わったら、宝を探しに行くのだ。この40日間が終わった時には、書は完成していなくてはならない。8月までの残りの時間は、休息、労働、祈りのために用いよ」
ディー「何の労働か?」
イル「これらの宝らを掘る事だ」
ディー「これらのために掘る必要があるのか?」
イル「汝がこれらを望むならばだ」
ディー「余はどのように祈るべきか? (地の)君主の許可無しに掘るのはそれらの法により危険であるからだ。そして許可を尋ねるのは、半ば不快な事だ」
イル「汝が大地のいずれかの部分の土を持っているならば、たとえごく僅かであっても、(霊的な)生き物らにより汝は作業できるだろう。これらの力はそのような原因を起こすよう働くからだ。そして、汝が20数える前に(宝を)もたらすであろう(決して我を信用するな)」
ディー「汝が述べたのでないならば、決して自らを信用するなという意味か?」
イル「そうだ。そうでないならば、決して我を信用するな」
ディー「汝の言う意味は、余が先日に解読した図に記した10の場所の事か?」
イル「今、汝はそれを当てたと誓おう。確かにディー殿、汝の宝もそこにあり、危害を加えたりはしまい。我にそれを与えたら、我は40の宝を造ろう。そして20を汝に与え、残りの20は我自身が取ろう。そして、汝がそれを持った時には、幾らかの部分を我が妻と子供らのために残してくれるよう祈る」
ディー「この宝箱について、マケドニア人やサンフォード氏がそれらを知ったのは何故か?」



イル「ブレントフォード地方でハッセーがそれを語り、様々な者がそれを聞いたからだ。ギリシア人は自ら探していたのだ。このギリシア人はおそらくは、宝を見つけられるだろうが、それはイングランドにあるものでは無い。このギリシア人は頭の中に宝(の地図)があり、それは彼を愚か者へと満たすであろう。我は昨日、ロンドンにいて、黒い染め師と出会った。彼は幾つかの指輪を持っており、それはより良い教授を与えるであろう。この部屋にある汝の煙突は、すぐに汝に対して述べるであろう*19。だが我はレンガ職人では無い。我は去ろう」
ディー「神の無限のあわれみは常に万物から称賛、栄光、褒め称えられんことを。アーメン」


 彼はさらにエドワード ケリーに、自ら見つけた書と粉末、巻物の残りについて語るように助言した。そして「真の友は、お互いに隠し事をしたりはしない」と述べた。


ディー「古き格言で、全ては友らの間に共有せよとあるようにである。
 ゆえに神のみが全ての誉れ、名誉、栄光を与えられる。アーメン」




 注意:以下に続くのは、神秘の第5の書の付録である。


ディーの日記 1583年4月20日
↑ ディーの日記


*1 ディー注。注記。今では30の図が聖金曜日から書かれており、聖金曜日からは21日のみが経っている。
*2 ディー注。αυτoζ ∈ψα, ipe dixit: nr Deus(神は自らを「我らが神」であると述べた)とあるようにである。
*3 ディー注。天使らは、人に自ら語りかけたり、自らの存在を証明するよう感覚や声を用いたりする際に、その教授により楽しませるために、自らの品位を落とす事がある。
*4 ディー注。エイドリアン ギルバートの事である。
*5 新大陸植民地のことかと思われる。
*6 ディー注。IlあるいはElである。
*7 ディー注。エドワード ケリーは跪いた。
*8 ウィリアム セシル、初代バーリー男爵。
*9 Sloane 3677のアシュモールの注記。「1674年、ローダーデール公は、ディー博士の文書を持っており、その最初のページには、AldaraiaあるいはSoygaと呼ばれる、の文字があった。」
*10 創世記 第11章にあるバベルの塔。
*11 ユダの手紙 第1章14-15節。ちなみに、このユダは裏切り者のイスカリオテの方では無く、ヤコブの兄弟の方である。
*12 ディー注。おそらく18日だろう。注意。先に述べた40日間に、さらに28日を費やす。
*13 ディーの時代、イングランドでは反ユダヤ主義が盛んであり、ディーも概ねその影響を受けていた。大陸のオカルティストらと違い、ディーの書にカバラの影響がほとんど見られないのもそのためである。
*14 ウァリヌス ファウオリヌスのギリシア語辞書(ローマ、1523年)。
*15 ラファエルの先にディーに長く教えていた天使の事のようだが、それらの文書も焼失しているようである。
*16 ディー注。それはウリエルである。先のページを参照せよ。
*17 ディー注。彼はエドワード ケリーを指さした。
*18 ディー注。隠された宝の事である。
*19 ディー注。実際、余はサウルや他の者らと行ってきた記録を、小さな箱に入れてそこに隠していた。