オカルト哲学 4-5

ページ名:オカルト哲学 4-5

ペンタクルと印について


 ここで私は聖なる印章ペンタクル*1と印シジルについて語ろう。これらのペンタクルは、我々を悪運や不幸な出来事から防ぎ、悪霊らを縛り、根絶やしにし、追い払い、また善霊らを魅了し、我々と和解させる聖なる印である。そして、これらのペンタクルは(呼び出す霊の)上位の階級にある善霊の印章や、聖なる文字や啓示の絵が含まれ、適切な短詩が伴い、それらの使用目的に応じた幾何学模様や神の聖なる御名により構成される。あるいは、これら全てによるものや、多くのものが混ざり合ったものもある。そしてペンタクルを造るのに有用な印章は、善霊のものであり、特に第1、2階級の、時には第3階級の善霊らの主要な者のものである*2。この種の印章は、私が先に聖なるものと呼んだ印章のものと同様に、特に聖なるものとされる。そしてこの種の印章はどのようなものにせよ、その周囲に二重の円を描き、その中には神の天使の名前を書かなくてはならない。加えて天使の霊と権能に一致する幾つかの神名も書くならば、より大きな力と効果を持つであろう。また霊の数に応じた角のある図形を描くのも、正当に行われよう。そして、ペンタクルを造るための聖なる絵は、全て旧約と新約の預言者らと聖書から我らに与えられたものにする。十字架に吊るされた蛇といったようなものすらもである。これらについては、イザヤ、ダニエル、エズラ、その他の預言者らの幻視から、また「ヨハネの黙示録」から見つけられるであろう。そしてこれらの聖なる物については、私はオカルト哲学 第3の書(の62章)で述べている。そのため、これらの聖なる像の絵を置かれたら、その周囲には円を描いて、またその絵に適している何らかの神名もそこに書くか、望んだ効果を確証したり反対したりする、聖書から取られた短詩を書いていく。例えば、勝利を得るためや、敵に復讐するため、可視や不可視のためにペンタクルを造る場合、その絵は第2マカバイ記の、黄金の剣を抜いた姿から取られるであろう。さらにそこに含む短詩として、Accipe sanctum gladium munus a Deo quo deicies adversarios populi mei Israhel(この聖なる剣、神の贈物を取れ。これにより汝は我がイスラエルの民の敵らを殺すであろう)と書く。あるいは詩篇 第5篇の「これぞ、その腕の力、その顔の前には死がある」*3や、その他の似たような短詩を用いる。だが汝がこの絵に対して神名を書くつもりなら、それらは神の畏れ、剣、怒り、復讐を表すものや、望んだ結果に一致して同意する似たようなものにする。そして角のある図形を描くつもりならば、私がオカルト哲学 第2の書で数とその働きについて教えたように、数の理由と規則に合ったものにする。そして、この種において、深遠な性質と偉大な力を持ち、試みや霊の聖別に用いるのに有用で不可欠の、2つのペンタクルがある。その1つは、「ヨハネの黙示録」の第1章での、御座に座る王なる神の姿で、その口には諸刃の剣を持ち、「我はアルファでありオメガである。始まりであり終わりであり、全能者である。我は始めの者であり終わりの者であり、生きており、死んだが、世々限りなく生きる者である。そして我は死と冥府の鍵を持っている」と書かれているように書く。それから、以下の3つの短詩を書くようにする。


 Manda Deus virtuti tuaeなど(詩篇 第68篇28節)


 神よ、あなたの大能を奮い起してください。我らのために事をなされた神よ、あなたの力をお示しください。


 (詩篇 第35篇5-6節)彼らを風の前のもみがらのようにし、主の使に彼らを追いやらせてください。彼らの道を暗く、なめらかにし、主の使に彼らを追い行かせてください。


 さらに、そこに10の(神の)普遍的な御名、El、Elohim、Elohe、Zebaoth、Elion、Escerchie、Adonay、Jah、Tetragrammaton、Sadayも書く。


 さらに別のペンタクルの例としては、「ヨハネの黙示録」の第5章にある、その足下には7つの封印がされた巻物があり、7つの目、7つの角を持つ屠られた子羊を描く。そしてそこへの短詩は「見よ、ユダ族の獅子、ダビデの若枝である方が勝利を得たので、その巻物を開き7つの封印を解くことができる」(黙示録 第5章5節)と書く。また別の短詩として、「私はサタンが電光のように天から落ちるのを見た。私はあなたがたに、蛇や蠍を踏みつけ、敵のあらゆる力に打ち勝つ権威を授けた。だから、あなたがたに害をおよぼす者はまったく無いであろう。」(ルカによる福音書 第10章18節)と書く。それから先に述べた10の普遍的な御名も書く。


 そして図形や名前により造られたペンタクルは、この順序で保つようにせよ。図形が置かれる時には、それらがどの数とも適応し、特定の効果や徳を生み出すためには、そこには望む事への力と効果がある均等な角度全てで、幾つかの神名も書き、そしてそれらの名前は、図形が適している数と同じような数の文字で構成させたり、それらの名前の文字全てを合わせたら図形の数を造ったり、余分や減少する事無く分割できる数にする。次に、そのような名前を見つけたら、1つだけにせよ複数あるにせよ様々な名前にせよ、図の中の均等な角度全てで書かなくてはならない。だが図形の中心にも、全体の名前を循環させて書き、全てを置くか、少なくとも主要なものを置くようにする。


 また、しばしば正方形の図の中である種の名前を循環させ、その周囲に1つか2重の円を描いたペンタクルを造る事もある。さらに、その名前に適していたり、そこから名前が取られた幾つかの聖なる短詩も書く。そして、これが様々な方法や流儀に従ったペンタクルを作るやり方である。そして、効果をより強くしたり、その力と徳を拡張するために、これらペンタクルを増やしたり、共にこれらを組み合わせたりする事もあるだろう。


 敵どもを覆し、破滅させるために、反対(のペンタクル)を造る場合には、神が大洪水によってどのように地の種族全体を滅ぼしたかや、天からの火によりソドムとゴモラの町を滅ぼした事や、紅海で神がファラオとその軍勢を溺れさせた事や、聖書にあるその他の呪いについてを思い起こす必要がある。そして似たようなもの(ペンタクル)を造る。同様に、海の危険に反対して祈るには、ノアが大洪水から救われた事や、イスラエルの子らが紅海を渡った事や、キリストがどのように水の上を歩き、嵐での船を救ったか、風と波にどう命令し、これらが服従したか、またキリストがペトロを自ら引き上げて、溺れる危険を救った事も思い出すべきである。最後に、望みを達成するための、神の特定の聖なる御名のいずれを呼びべきかであるが、敵らに打ち勝つには、神の怒り、復讐、畏れ、正義、不屈の御名を呼ぶべきである。そして不幸や危険から逃れるためには、神の慈悲、守護、救い、不屈、善意に関連する御名を呼ぶであろう。また、我が望みを叶えるよう神に祈る時には、神名に加えて、我が望みに合った権能を持つ単独か複数の善霊の名前も混ぜるであろう。また時には、悪霊を抑圧したり強制したりする必要があれば、それらの名前も同様に混ぜ合わせる。そして、復讐、懲罰、破滅といったような何らかの悪しき作業を行う時は、特にこれらを行う必要がある。


 さらに、詩篇や聖書の他の部分で我らが望みと合っていて同意する短詩を用いるならば、それらは我らが祈りとも混ぜ合わせるべきである。そして神への祈りがなされたら、その後には先の神の祈りでの我らが望みを実行する者への短い祈りをするのも有用である。それらは単独だったり複数だったり、天使、星(の霊)、魂、その他の高貴な天使(英雄)だったりしよう。だがこの種の祈りは、オカルト哲学 第2の書で呪文の作り方について扱った章で述べたような規則に従って作るべきである。


オカルト哲学 4-6
↑ オカルト哲学 第四の書


*1 ペンタグラム、五芒星と混同しないように注意。ペンタクルには六芒星や他の様々な形もある。
*2 第1、2階級とは、天使の9階級のうちの上位の6階級、第3階級はその下の権天使、大天使、天使のこと。
*3 詩篇 第5篇には、このような文は無い。