西洋秘教伝統における光体について

ページ名:西洋秘教伝統における光体について

西洋秘教伝統における光体について


マーク スタヴィッシュ修士著


序文


 「光の体」の教義は、西洋秘教の諸文献に満ちている。残念ながら、その概念については多くの引用があるが、その起源(あるいは基盤)、成長の段階、応用については僅かな情報しか与えられていない。この論文の目的は、しばしば曖昧とされるこの主題の、扱いやすい秘教理論と実践的な技法を、カバラと錬金術の学徒に与える事である。


理論的、歴史的背景


 この「光の体」の起源について、西洋で現存する中で最初に現れたのは1世紀のグノーシス文書においてである。だがそれ以前にも、この詳細な文書と理論が、中国、モンゴル、チベット、インドの諸経典の中にあり、また実践が存在していた。気功、すなわち中国の内的な錬金術*1での一般的なヒーリングの下で、微細なアストラル、エーテルのエネルギーにより、肉体の意識から独立した存在である光体を造り、成長させるようデザインされた実践があった*2。またこの体は、充分なエネルギーにより肉体をより微細で「エーテル的」にする能力があると考えられていた。この「エーテル化」により、師の指導の下で肉体が死ぬ際に非物質化させる事が出来ると言われている。父祖エノク、預言者エゼキエル、イエスの帰天、その母マリア、家にいる時のムハンマドすらも、西洋の霊的文献でのこの非物質化の例をしばしば与えている。


 東洋の体系はこの理論の作業技術の伝統と、この目的を達成するために必要な応用を保持してきたが、残念ながら西洋ではごく僅かな情報のみが残っている。simulacrum(似姿)の概念が西洋では最も近いものであり、このような試みの開始点として良いであろう。西洋で入手可能な東洋の文献の中で、この「光の体」、しばしば「虹の体」や「金剛の体」と呼ばれるものは、物質的リアリティーを超えた意識の外延化(投射)や継続の乗り物として、最も適しているように思える。この論文では、現存するカバラの諸実践を通じて、この体をどのように開発するかと、その完全な実体化までの成長の諸段階と、月(イェツィラー界)、太陽(ブリアー界)、土星(ダート)の意識の諸界との関連について示すよう試みるであろう。


 だが、これらの「諸界」とは何を意味するのかを知る事は重要である。これらは秘教の教えに接した初心者がよく混乱するからである。


 創造者が宇宙、人類、「人間の種」を造った時、神の実体化へと育っていく意識の相は、原初の統一から降りていった。この統一はアツィルトの神的な界として象徴され、生命の樹では最上位の3つのセフィロトの三角形である。


 物質が造られ、二元性が形成され、物質世界が形作られるにつれ、意識は増大する濃度を経験していった。この統一から二元性への最初の降下は、いわゆる「没落」と呼ばれ、この場所に障壁が置かれ、全ての創造が完成する前の統一への早すぎる帰還を防いでいる。この障壁はカバラの文献では「深淵(The Abyss)」と呼ばれる。これは(聖書でいう)「創造の第1日目」であり、時空の出現である。


 降下が続くにつれ、人間の種は性の両極の増大を経験するとともに、神の意識の記憶を更に失っていった。また創造での神的な調和、ティフェレト、人間の自己意識のセンターに到達した後、ヴェール、ヘブライ語でパロケトと呼ばれる別の障壁も造られた。ここで神の火花からの個人性の自由が現れた。


 最後に、第3のヴェールの障壁が(マルクトとイェソドの間に)造られ、それは物質世界をサイキック、霊的な諸世界から分離させた。ここで人類はその神的な起源についての記憶を完全に失い、望む事を求める自由意志を完成させた。


 ドロレス アシュクロフト=ノーウィッキ夫人*3は「The Ritual Magic Workbook」の153ページでこう述べている。「この道(パスワーキング)で作業する際に、あなたはアストラル体を用います。そしてあなたは既に、毎月の作業で静かに力を増大させてきた自らの魔術の人格*4については知っている事でしょう。ですが一部の魔術師らは、光体と呼ばれる別の形も用いています。一部の人達は、これはアストラル体と同じものだと考えていますが、実際には大きく違っています。アストラル体は誰もが持つエーテル的な形ですが、魔術の人格は実践と集中を通じて得られます。光体はある目的のために意図的に造られるもので、これは別名を「cowan」とも呼ばれます。これは容易には造る事は出来ず、一部の人々は生涯かけても行えず、少なくとも完全には出来ません。そして、ひとたび形成されたなら、問題を引き起こす事もあり、堅固に扱うことが要求されます。」


 アシュクロフト=ノーウィッキ夫人は、さらに光体は開発を進めていると「自己意識」の類を持てると述べている。この考えはチベットと中国の諸経典でも述べられている。この小さな「光の子供」は、実践者のオーラ、神殿のアストラルの子宮の中の胎児として、よく言い現わされている。この胎児は問題を引き起こしたり、さらに危険な事になったりすらせずに魔術師の助けとなるように、成熟させ、養い、教育し、適切な力を持つように育てなくてはならない。だが全てのオカルト作業と同様に、健康で自然なペースで行わずに急ぐ事の方が、実践そのものよりも心理的に危険となり得る。夫人はまた、西洋の魔術師らのうち、ごく僅かのみがこの技術に完全に熟達していると述べているが、その理由については語っていない。


 秘教の諸実践を行い、原初の統一へと帰還しようとする際には、まず最初にヴェール、すなわち生と死の門を通り抜ける必要がある。これがそう呼ばれる理由は、臨死体験(Near death experiences, NDEs)、体外離脱体験(Out of Body experiences, OOBEs)、あるいは死そのものの間を除いて、ごく僅かな者のみが通過しているからである。


 まずアストラル体は意識の3つのレベルを通り抜け、それから次の3つのレベルへのヴェール、パロケトを通るために、「第2の死」と出会わなくてはならない。だが第2の死が避けられるならば、アストラル体の破壊は避けるように慎重にする必要がある。さもなければ、新たな誕生から再創造する羽目となるだろう。


 太陽の界より上では、再生した体が確立され、これは統一への再統合のために用いられる「体」あるいは意識の表現である*5


 一部の学徒らの間には、この光体とアストラル体との間に混同があり、その実際の目的についても、意識の拡張なのか「第2の死を生き残る」ためかの混乱があるが、それらを明かすのは可能であり、本論文で示そうとするものである。この機能が明白に理解されるならば、その潜在性を実体化させるための、より大きな試みもなされるであろう。


ミードと微細体


 G.R.S.ミード*6は、19世紀末に「西洋伝統での微細体の教義」という題名の小著を書いている。この主題を専門に扱った、こく僅かな書の1つであり、微細体についての理論と信念への学術的な研究に満ちているものの、それを経験するための技法の説明は全て欠けている。ここで引用される内容は、ほとんど全てがキリスト教グノーシスを起源とするものである。


 ミードはこの微細体の教義はインドでその至高の表現に到達していると述べている。もっとも、彼は東洋の他の技法については知らなかったであろう。また錬金術や占星術でも微細体の観念が発展してきており、これは東西いずれでも真実であり、その技法は学徒によって用いるようによく勧められていた。この占星術は「世俗のホロスコープ読みとは関係なく、この哲学的なアストラルの理論は地上から光の世界への梯子を立てていた。」(9ページ)ミードはまたこうも述べている。


「だが、より深く重要な占星術の側面もあり、星々の宗教の至高のテーマと密接に結びついた、より微細な面もあった。同様に錬金術でも超物理的、生命的、サイキックの側面のものもあり、この上昇の秤は最終的に人を霊的なリアリティーで完成させるよう導く。」(13ページ)


 またミードはゾシムス*7が無条件で述べた事として、ミトラの儀礼は錬金術の実践の目的と同じものであり、このミトラのカルトの唯一の完全な儀式は現在まで生き残っていて、そのテウルギアの実践はインドのヨーガと似たものだったと伝えている(30ページ)。またこの儀式の中で、この技法により霊的な完成を得て、微細体の誕生を得られると明白に述べている。


 セフェル イェツィラーと、ゴーレムの伝説でも、光体はしばしば示唆されている。


光の3つのレベル


 微細体を取り巻く3つの基礎的な概念は、諸圏のレベルを通りながら進歩し、力と純粋性を増大させ、光か火(あるいはその両方)から造られているというものである。これらは純粋性の濃度に応じて、霊体(spirit body)、輝体(radiant body)、復活体(resurrection body)として記されている。


 ミードは古代の文献を読むと、そこで霊体についての説明で使われている用語について極端に混乱する事もあると述べている。一見して反対に見えつつも、ミードは霊体は本質的には1つであり、この星々の体は今日(1919年)使われているアストラル体とは何の関係も無いと主張する。


 この霊体あるいはsoma pheumatikonは、肉体と密接に関連する力である。これはユダヤ教カバラでのネフェシュ、植物・動物魂と似ている。


 この輝体は、現代のカバラ諸学派が引用する美の勝利の幻視を経験させる。


「ティフェレトは美と訳され、(中央の)均衡の柱の中に位置する。これは意識の柱でもあり、地上に生まれた人、すなわち「肉と血のある」人の中でも至高の状態と関連すると言われる。だがこれは、より高いセフィロト(生命の樹において、より高い位置)の影響を受け取れず、それらの性質と活動を知覚したり生きたりできないという意味ではない。これはティフェレトに留まれる人はその形質を「霊化」させ、栄光の体を形成し、(この地上への)転生を超えた場所へ行く力を得ているのを意味するのである。」*8


「我々がこの美を、その全ての輝きとともに見れる時、祝福された残りの仲間ら――我々(哲学者ら)がゼウスの軌跡、神々の軌跡の他の魂ら――と共にある時がある。美しき外観と神の幻視の両方を見て、その密儀へと秘儀参入され、全てで最も聖なるものと呼ばれ、そこでは我々は神秘的エクスタシーの喜びに浸るのである。」(前掲書 58ページ)


 また、プロクロスはこう述べている。「さらに、輝く乗り物(augoeides ochema)は天と照応し、この死すべき定め(の体)は現世と照応している」


 キリスト教での肉の復活の教義は、その発展段階において激しく議論されてきた。そして「肉を愛する者」と呼ばれた派が、純粋に霊的な復活と信じる派に対して最終的に勝利した。ミードは、物理的な復活の信念は、イエスの時代のユダヤ人からは一般的に受け入れられておらず、個人が自らを純粋にすることで、天への上昇と復活が起きるという強い聖書的、ミドラーシュ(聖書の隠された意味の解釈)的な伝統もあったと述べている。


 預言者エリヤやイエスが天に昇っていく描写では、彼らが用いていた諸体は同じ(場所にある)が同じでは無いと示唆している。これらは形はあるが、イエスが閉められた扉を通り抜けたように、その物質的な限界を超えていた。だがエリヤはイエスの例とは違い、死んだわけでは無く、生きたまま火のチャリオットにより天へと連れ去られていた。


 これらの「諸体」は実際には分離された諸体では無く、人格性、個人性、我々が内に秘めている神の特有の表現が徐々に純粋にされた表現である。1つの「体」あるいは表現が純化され「死ぬ」と、別の体がその場を占めるようになる。この復活体が他と違う点は、これは物質世界に存在する事ができ、存在していると同時に、物質的制約から自由である事である。この完全な体は本質的には第5精髄である。これは微細でシンプルなエレメンツにより構成され、一方で肉体は粗雑なエレメンツにより構成される。古代のミトラの秘儀参入儀礼の中では、このような祈りがあった。


「我が起源の原初の起源よ、我が形質の原初の形質よ、我の中の息、息の最初の息よ、我を混ぜるために神が与えた最初の火よ、我が内の火の最初の火よ、我が水の最初の水よ、我が内の地の形質の原初の地の形質よ、汝、我が完全な体よ!」(「A Mithriac Ritual」1907年, 102ページより)


技法


 アシュクロフト=ノーウィッキが提案する技法は、最もシンプルで直接的なものである。この技法では特有の儀式を用いないものだが、彷徨う霊らの攻撃からsimulacrum(似姿)を守るために、聖別された神殿で何らかの守護儀式を行うのが勧められている。また彼女はB.O.L.(光体)が充分に開発されたら自己意思を持つようになるので、堅固に躾を与える必要があると述べている。


「(実践者の)意識を継続的に、たとえ僅かな部分を用いるにせよ、与える事により、cowan(光体)はやがては自らの半意識を得る事になります。実際、あなたは部分的にこれに魂を与えています。この時点で、これはほとんど常に自由を求めてきます。時には(光体を)乗っ取って、あなたや関係者に対して用いようとする闇の諸力に対して、これに守護が無いので許すことが出来ない事もあります。これら(闇の諸力)はこれがあなたであると考え、その見た目を信じます。そのためcowanはそれ自身より上の立場にあるかのように感じさせ、精神を震えさせて、誰がボスであるかを忘れさせる事もあります。」


 それから彼女は、自己創造し、自己の放出された様相である光体に何の共感を持たないようにするために、月齢1周の間は光体との全ての接触を避けるのを勧めている。さもなければ災いが起きる可能性もあると彼女は警告している。これは実際、我々自身の個人的な小宇宙での「没落」と同等である。


 だがこれらの警告、問題にも関わらず、光体の創造は、たとえ部分的なものであっても、非常に価値のあるサイキック、霊的な試みとなり得る。後に述べるように、光体は多くの精神的な浄化とサイキックの拡張の道を与える。


 これらの4つの指示、ゆっくりと行う事、聖なる場所や室内で行う事、彷徨う悪霊を防ぐ事、光体に誰がボスであるかを忘れさせない事は、光体創造の東洋と西洋での技法で共通している。


 現代のこれらの内容で欠けていて、それでいて東洋の文献では明白に述べられている事は、光体は物理世界よりも上位の存在であり、望むならば肉体へ影響を与えられる事である。これらの効果には、肉体のエーテル化、健康の増大、長寿、さらに子孫代々へとサイキック活動の増大が続くようにする「サイキック突然変異」の類の可能性すらある。西洋の秘教の諸学院は、ヘルメースの格言「微細なものが粗雑なものを支配する」が何と関連するか、ここでどのように光体を応用できるかについて沈黙している。


 放出した像であり、似姿は正当に「他者」と感じ、しばしば無意識、暴力的な像としてネフェシュ(潜在意識)から起き上がり、ルアフ(精神、霊的な機能)の制御下に入るのを望まないにも関わらず、光体はなおも我々の一部である。光体を躾け、その機能と目的を与え、堅固な手で導くならば、事実上これらのものに自らを与える。だが、これらの似姿はその諸力と考えが我々の内にあり変化しない確実性を示したりはせず、機会が与えられたならば、発現し、自己意識を持つのを求めるであろう。


 光体創造の魔術作業において、我々はこれを明白に見るだろう。心理学においては、神経的、統合失調的な行動を、さらに精神病の分裂症すらもである。


 秘教の作業では、これらの自己の様々な相を統合させ、それによって他の場合には現代の用語でいう精神病としての精神の分裂の発現を防ぐ。


 以下の技法は、経験のレベルに関係なく誰でも行うことが出来る。だが理想的には、カバラ学習の3、4年目の間に行うのが最良であろう。この理由は単純である。あなたにサイキック、オカルトの事柄の経験があればある程、認識可能な成功に到達するのは容易となるからだ。加えて、長期の訓練によって、集中、視覚イメージ、サイキック活動のために強固な作業環境の作成といったような、必要な技量は第2の天性となっているだろう。先に述べた事に関連して、3、4年目のカバラ学習により、大志のあるカバラ魔術師は小五芒星や六芒星の儀式を通じて見て経験してきた、様々なより明らかな心理学的な諸問題を解決してきたであろう。惑星の招聘に関する事前の経験は、以下の教授の一部の実践を容易にするであろう。


 黄金の夜明けヘルメス団では、最初の3年から3年半の学徒は、非常の基礎的な魔術の手順を学び、さらに膨大なカバラ、錬金術、占星学の知識の記憶と知的な理解に費やされていた。リガルディーの「黄金の夜明け団」の書で述べている、五芒星や六芒星の大儀式といったような諸技法は、5=6位階、小達人の位階まで一般的に教えられていなかった。やがては彼らはポータル(入り口)の位階として知られる準備の部を与えられた。それから第2団、小達人の位階に入ってから、全ての魔術武器の作成がなされた。その後になって初めて、リガルディーの本に書かれている惑星の儀式、タリズマン、関連した技法が教えられていたのである*9


 これらの正式な結社に入っていない志望者には、実践の1年目にはエレメンタルと五芒星の作業について学ぶのに用いて、2年目には惑星の作業を行い、3年目にはこれら2つを統合するのに費やし、4年目にはしばしば黄道12宮の魔術と何らかのパスワーキングの完成に焦点を当てるよう、一般的には勧められている。パスワーキングは1年目からいつでも始められ、1年半ほどかけて生命の樹の32全ての小路を行う。各小路はしばしば1回以上行われているので、魔術訓練のこの追加の内容には2、3年を当てるのが最良である。パスワーキングの第32から24へと向かう道は、精神の健康にとって重要であり、小路の第2の集まり、つまり第23から19への道の前に2、3回は行うべきである*10。勿論、作業にどれだけ時間を費やすかは問題では無い。そして作業を手当たり次第に急いで行うよりも、ゆっくりとコツコツと行い、真の進歩をするようにした方が良い。


 光体の作成のために可能な最も完全な技法は、メリタ デニングとオズボーン フィリップス著の魔術哲学シリーズの第3巻「密儀魔術(Misteria Magica)」の中に書かれている、(タロットカードの)「魔術師」の儀式と呼ばれるものである*11。この内容は、魔術結社「黄金の太陽(Aurlem Solis)」聖なる御言葉のカリキュラムに属する。


 この儀式は5つの主な部に分割されており、トータルでは14の部分で構成される。この題名についてる注記が示唆するのは、この儀式は日の出、すなわちそれぞの日の第1の惑星時間に行うのが最も効果的であると考えられている。


 グノーシスとプラトン学派の文献の中で最も重要とされた点は、微細体をその浄化のために肉体から分離する必要である。最初は想像により、やがては真に分離するのは、この技法のコアである。サイキックの自己を世俗の生活の制約から解放する事によってのみ、我々は自らの心理の善と悪を完全に経験できるのである。我々の精神の技巧的、闘争的な浄化と、その様々な様相の統合は、知られている限りのサイキック・霊的な諸実践の中でも、最も困難なものであり、価値があるものである。


準備


 神殿は通常通りに配置し、祭壇は中央かその少し東側に置く。可能ならば、聖別された薔薇十字を身に着け、地の五芒星を祭壇の上に置く*12


神殿の確立


 小か大の五芒星の追放の儀式を行う*13


高次の自己


 あなたの左手、慈悲の手を地の五芒星の上に置き、自らの高次の自己ハイアーセルフを招聘する。燃える球あるいはヨドの文字の輝く燐光を想像し、それがあなたの頭頂に触れ、あなたと宇宙が合一すると想像する。小達人の姿勢(タウ十字。両腕を左右に伸ばす)で立つ。


 両腕を降ろして、あなたの高次の自己、自らの中にある創造の炎、この宇宙の種の意味について瞑想する。


 中央の柱の実践を行う。


 この実践を行う意図について確言(アファメーション)をし、この認識を開発し助ける意識と機会を感謝する。この光、命、愛が、自己のあらゆる細胞、思考、行動で表現されるように求める。


低位の自己


 時計回りに回転して、神殿の西を向く。立ち止まり、大きなエネルギーの流れが自らの肉体とサイキック体の周囲を回っていると想像する。心臓のセンターがエネルギーに満ちて、エネルギーの流れが頭頂から心臓、足へと降りていき、また戻っていくのを感じる。


 低位の自己、肉体に対する自らの権威の立場を、愛をもって、ただし断固とした態度により確言する。これらが自らに仕える事に感謝するが、それらを独立した存在ではなく、自己の開発のために仕えるものとして考える。


 小達人の姿勢を取り、自らが巨大に広がっていくと想像する。あなたの燃える頭頂のセンターを保持するか再形成する。あなたの意識のほとんどの部分が、この中から働くと感じる。


 至福、愛、良き健康、良き状態の考えを、自らの低位の自己へと送り、流れ行く。


 巨大な姿である感覚が消えていき、神殿の中の通常の意識へと戻る。


 東へと向いて、高次の自己の諸力に、この作業と以後常に臨在して完全に助けを与えるよう尋ねる。


 神殿の東側へと歩き、西へと再び向く。


 必要ならば、2度目の中央の柱を行う。


 太陽神経叢、腹の上部の辺りから、似姿を放出する。それを東にか、実践者の方へと向かせて、似姿と実践者の腹部、太陽神経叢とが青っぽい銀色のコードで繋がっているのを見る。


勧告と教授


 自らの高次の自己の名において、あなたの前に立つ像に対して、愛と断固とした態度とともに、大いなる作業の完全な助けを与えるように求める。特定の教授、助けを求める、追加の作業が必要ならば、ここでそれらを加える。


 あなたのネフェシュへ、いと高き神の御名において祝福を与え、この儀式への参加へ感謝する。


 似姿がエネルギーに満ちて、高次の統合を得たと想像する。


儀式の完成


 似姿とシルバーコードを肉体へと再吸収し、これらが青っぽい灰色に輝く霧あるいは雲、あるいは銀色のサイキックの原形質となったと想像する。コードに従って、これはあなたの肉体へと放出した場所から入っていき、全て入ってから入口は堅固に閉じられる。


 あなたの肉体を通じて、このエネルギーが動き、筋肉、骨、髄などへと深く入ると感じて、肌の表面のごく下にある光体にあなたが包まれていると想像する。


 それから作業の成功を喜ぶ。


似姿の教育


 似姿の放出と再吸収に成功してから2、3週間してから、あなたはこの中に特別な考えを放出するのを始められる。これはあなたの個人的好みに応じて幾つかの方法がある。


 まず第1の方法は、似姿に諸惑星の一般的な概念と関連づけるもので、似姿の脊柱に沿って、土星が会陰にあり、最後の頭には月、太陽があるように並ばせる。これらが輝く白い光あるいは王妃の色調にあると想像する。


 また諸惑星の特定の色、象徴、音を用いる事で、似姿は特定の性質、美徳で染められる。


 あるいは似姿の内部に肉体の器官の対称物を想像し、惑星の対称物の色や音をそれらに持たせて、イメージ全体に惑星の光と性質で満たすようにする。


 まず最初に月、あるいは似姿のアストラルの浄化が行われ、それは銀の体と正当に呼べるだろう。これは月とアストラルの諸世界に全体的に影響されるからである。やがては、あなたは似姿をさらに教育し、太陽あるいは黄金の輝体へとなり、ブリアーの諸界に影響される。それらを超えると、似姿はダイヤモンド、復活体として完成され、土星の圏の影響下に入る。


 また、似姿を放出した後に、中央の柱をこの中で行うのも良い。


 常にエネルギーを再吸収するようにする。霧か影の像として、肉体へと吸収させる。


 4大エレメンツの領域へと赴く際に、この似姿を用いて、あなたが探索しようとするエレメントへと調整し、地水火風の体へと変える。一般的に放出する際には、これは4大エレメンツの全ての体のバランスのある潜在性を持つ動的な電磁気の性質のある、第5精髄あるいは霊の体と考えるようにする。


 この似姿はまた、神像、神姿として放出したり修正したりできる。この効果は、神姿の就任の通常の方法とは違っている。この場合、創造した後は通常よりもより大きく想像する助けとなる。これらのどの作業でも、あなたの意識は堅固に似姿へと投射され、作業が終わったらエネルギーを完全に再吸収するのは重要である。


 この似姿はヘブライ文字によって充填する事もできる。「セフェル イェツィラー」に記されている肉体の臓器と関連するヘブライ文字を同じ場所に刻む。これは投射する前に肉体にも同様に行えて、この似姿の創造と投射の助けとなる*14。この文字を描く色は輝く白、あるいは王妃の色調に従って行える。また似姿はテトラグラマトンにより充填する事もでき、一般的にはヨド(頭)、ヘー(両肩)、ヴァウ(脊柱)、ヘー(尻と足)と想像する。文字は姿の内側にあり、育っていて強くあるように見えるようにし、表面を削ったり、別の場所から投射されたようにはしない。


 この似姿の目的は、アストラル(イェツィラー界)とメンタル(ブリアー界)の諸エネルギーを浄化し、表現する乗り物を造る事である。またこれは、単に我々の客観的、主観的な諸世界の間のみならず、感情的、物理的な諸現実の間に橋として働く。これらが働くとともに、我々の肉体の見た目や健康は、我々のアストラル複合体の適切で愛の浄化を通じて変わるようになる。我々がこの作業で洗練させてきた「自己」の集まりで構成されるネフェシュは、物質の諸世界(錬金術でいう我々の塩で形成される)と心の諸世界(我々の水銀で構成される)に跨り、繋げているものである。我々がこれをケテルの観点から扱う時、我々は第3の本質、心と霊を覆うもの(我々の硫黄で構成される)を加える。


 これらの4つのカバラの諸世界と、それらを覆う3つの本質は、内側と外側の錬金術の基礎を形成する。


 また第27の小路はある種のクンダリニー ヨーガの実践である。ここでは第24の小路はクンダリニーへの刺激であり、第27の小路はこの自然のエネルギーを知性界へと繋げ、第24の小路では太陽(魂)のエネルギーを自然(サイキック)のエネルギーへと転換する。そして両方とも火星、意志の影響下にある。これらはメジアの流れを逆流させ、帰還への道のサイキックの障害を取り除くからである。


 ここで紹介した実践は、第24の小路にも2次的な影響を与え、我々のサイキックの諸センター(チャクラ)を流れるサイキックのエネルギーを支配する小路、第28の小路にもいくらかは影響するだろう。またイェツィラー界の全ての小路はこの実践によって、いくらかの影響を受けるだろう。我々は誤った考え、情熱、欲望とともに上昇する事は出来ない。これらはゲブラーの剣、啓明された意志により除去され、規律を与えられ、再方向付けされなくてはならない。


 タロットの塔のカードに描かれる稲妻は、時には神の家(Deu)あるいは火(Feu)とも呼ばれ、この常に流れるメジアの稲妻は、近づいて来る不完全な者ら全てを破壊するだろうと我々に示している。


マーク スタヴィッシュ
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*1 宋時代以降の錬丹術、正確には内丹のこと。道士は唐時代以前のように鉱物の薬、外丹によってではなく、内的な気を練る事で不老不死を目指した。
*2 内丹での聖胎あるいは陽神と呼ばれるプロセスのこと。数年かけてこの陽神を体内で育ててから、頭頂より出していき、やがては虚空へと帰す。
*3 1929年 - 。W.E.バトラーの後を継いで魔術結社「光の僕達(Servants of the Light)」を主宰する女性。
*4 原注。この魔術の人格(The Magical Personality)は自らから自己創造した像であり、秘教の作業をなす際に、より大きな力と存在を持てるようにすると定義される。
*5 原注。自然哲学者団(PON)の「秘教知識の基礎 第1-3講義」を参照。
*6 1863年 - 1933年。英国の歴史家、著者、神智学協会の主要メンバー。
*7 ? - 418年。第41代ローマ教皇。
*8 原注。自然哲学者団(PON) カバラ講座 第17講義を参照。
*9 原注。Chic, Sandra Tabatha Cicero著「Self-Initiation into the Golden Dawn Tradition」を参照。
*10 原注。パスワーキングについての更なる詳細については、PONのカバラ講座、Dolores Ashcroft-Nowicki著「Highways of the Mind」、Melita Denning、Osborne Phillips著「Magical States of Consciousness」を参照。
*11 原注。359 - 362ページ。
*12 原注。先に述べたように、リガルディーの黄金の夜明け団の書では、ヘルメス的薔薇十字と地の五芒星は、「達人レベル」の道具である。PON カバラ講座では、これらは6年の講座の最後まで造られない。だが、六芒星と五芒星の大儀式は2年目に与えられる。
*13 原注。実践者の説明にある「初級の位階の諸サイン」か「ヴェールを取り去るサイン」を用いる。
*14 原注。これを行ったある学徒は、似姿がより活発で、制御が難しくなったと述べている。また眠る際に肉体にヘブライ文字を想像していた学徒らは、アストラル体離脱が速やかに起き、しばしば5つ目か6つ目に入る前に起きたと述べている。