ディーの日記 1583年3月26日 後編

ページ名:ディーの日記 1583年3月26日 後編

同日 昼5時半


 まず最初に、激しく大きな音響がした。2つの大軍がお互いに戦っているのが見え、両者に多くの血が流れていた。片方の隊長は赤い馬具を付け、もう片方は白と緑のものを付けていた。また曲がった木、あるいは、でこぼこの杖、こん棒のようなものが描かれた旗らも現れた。これらは赤い隊長の側にあった。彼とその兵士らは徐々に敗退していき、やがては逃げ去っていった。白と緑の隊長が戦場の勝者となり、その後は兵士らを集めていった。そして、この隊長は町へと向かい、その手には町、巨大な町を持つように見えた。それから激しい声が「21以上のものにより、かくあるべし」と言った。


ディー「この21とは何のことか?」
声「まだ汝は知らない。だが、これは太陽が2度その軌跡を通る前に起きるであろう*1
ケリー「今は、先の隊長が1人で馬具とともに立っています。彼は両手を天へ挙げ、それから消え去りました。私が言うのは、白と緑の隊長の事です。それから、椅子の前には赤い布が現れ、そして3人が来ました。彼ら全てが敬礼をし、それから2人が去りました」
ディー「余の望みは、昨日に我が小礼拝室にてエイドリアン ギルバート氏が余とケリー氏とともに研究するべく座っていた時に、部屋へと来て、彼の足に火の玉を投げた男は何者であるかを知る事です。これは幻覚なのか、それとも誘惑者(悪魔)の働きなのか?」
神の癒し「この場にはいかなる悪しき力も入れない。神の裁きと選択の火がある場所もだ。その光により、悪しき者は速やかに死に、神の御名の発言によって生き返り、今では生きよう。神は火を選び、彼らの心に灯を与え、彼らは即座にその栄光の輝きを理解し感じるであろう*2。汝は何を望むのか?」
ディー「神の栄光のために働き、その御名を高め、速やかにその永遠の目的に到達するようにです」
 この永遠のという言葉は、いささか闇がある。
神の癒し「この世界とともに、永遠はあろう」
 これは幾らかの光を与える。
ケリー「水晶玉はとても暗くなりました」
神の癒し「建物の基盤と終わりが3つの部分に分かれるように、この神秘も3人で実践をせねばならない。第4のものは書であり、見よ、それはここにある」
ディー「エイドリアン ギルバートも、これらの神秘に密かに参加させるべきという事か?」
神の癒し「汝が述べたようにである*3
ディー「汝の発言を、余らや他の者らと区別するための名前の特有の文字や音節を知る事が出来ようか?」
神の癒し「我はMedicina sum(癒す者)である」
ディー「では余は、以後はMedicinaあるいは、Medicus Deiの略として、Meを用いましょう」
神の癒し「見よ、神は、今や火により新たに清められた心の者に、その手でこれらの事柄を渡すであろう。地の隅と深みは、その深淵までも測られねばならない。新世界を彷徨う者らは未知である。昼と夜の違いとともに時は変わろう*4。万物はほとんどそれらの限界まで育っている。だが、プライドに気を付けよ。我らは務め、謙遜、服従を教える。速やかに、これらの事は起きるであろう」
ディー「では、このエイドリアン ギルバートは神の栄光のために、イエスの御名を(新大陸の)異教徒らの間にも伝え、これらの哀れな民が何百年も常に落ちていた地獄の口から救い出すでありましょう」
神の癒し「汝に預言をなす口を誰が造ったか? 汝が理解する目を誰が開いたか? 汝の顎に誰が油を塗ったり、未知の食物を汝に与えたか? 神こそがそうであり、これらの事柄を進めて、汝をその力ある栄光のための道具として用いるのである」
ディー「彼のより良き教授のために、この(新大陸の)地方の説明を得られるでしょうか?」
神の癒し「闇は汝の背後へと退き、彼の判断を誘惑しないようにせよ。それらの事柄は我が権能にあらず。汝はこれらを充分に知っていよう。短い時間で全ての教授に仕えよう。より重要なのは、汝が価値ある者にどのように、誰により得られるかを尋ねる事である。そして結果として、この天の薬を知り、持ち、用いる知識を持つ事である。
 ゆめゆめ忘れるな。
 我は汝ら両方とも、これらの聖なる文字(我はあえてこれらをそう呼ぶ)、これらの名前、その意図を記憶に留めるべく学ぶようにと前もって教え、語った。その意図について、指は頭を指し、頭はその命令を理解しよう」
ディー「余がこれらの文字とその名前を心から学ぶべく励むのを防ぐ、様々な用事が今あるのを汝は知っていよう。それゆえ、余がこれらを学ぶ事を一時中断するのを懇願しても、それは機嫌を損なわせないだろうと信じます」
神の癒し「平和を。汝は語ったが、それを理解していない。我らは汝を知り、その心も見ている。汝の用事のいずれもこれらを防ぐべきではない。これらの事を得るのに、時は短いからだ。生ける神は自らを生けるよう認める。美しきはその来る足跡であり、大いなるは悪しき者への復讐である。
 おお、書よ、書よ、書よ、良き者は生き、悪しき者には真の死を。大いなるは汝の内側に封印された驚異であり、大いなるは汝の印の名前である。
 我が薬の光は汝のためにある」
ケリー「彼は両手を上げると、幕を下ろしました」
ディー「栄光、誉れ、名誉は父と子と聖霊の神に。アーメン」


ディーの日記 1583年3月28日
↑ ディーの日記


*1 ディー注。2年が経つ前に。1585年3月26日の前である。
*2 ディー注。日曜日のウィットソンの使徒らの事である。
*3 ディー注。ギルバートは参加する事はできようが、実践は出来ない。
*4 ディー注。この預言を注記せよ。