ディーの日記 1583年3月26日

ページ名:ディーの日記 1583年3月26日

1583年3月26日 火曜日 朝10時


 まず最初に(水晶玉に)雲が現れ、それから消え去った。そして3人が来て、彼らは椅子へと敬礼をすると、そのうちの2人は去っていった。第3の者は留まり、昨日のように床へと横たわった。それから羊の頭のようなものが来て、彼を舐めた。それから「我が先に述べた事は偉大なり」と彼は言ってから起き上がり、椅子へと敬礼をした。先のように激しい音がした。しばらくしてから、彼は述べた。


神の癒し「神の王国は永遠に確立されている。その御手は不可視であり、どの人間もその憐れみを見分けられない。我は汝の望みを聞こう」
ディー「(先の書の中にあった)諸印章と(宝を)示す10の場所について、余らはBnaspolか、その配下の余のこの問題を解決できる誰かに、今(教えるように)要求できるかどうかを知りたいと望みます」
神の癒し「(エルサレムの)神殿が飾られる前には、その建築家は豊かであった。知恵と共に、人が世俗の事に用いる教授は来る。神は愛する者らに光を隠したりはせず、求める者に幕屋を閉じたりもしない。ある者が大きいならば、他はどれだけ小さい事か? それゆえ、心はなんと小さく、これらの些細なことを望むのは、どれだけ弱いことか? だが最小の事柄は最小の使用のために適しているように、光の事柄の考えは、光ある者らとこの世界の虚栄には必要である。(にも関わらず)部分は全体を美しくし、小さなものが大きな病を癒したりする事もあろう。我が汝らに先に述べたように、我が足はそのような脆く砕けた砂の場所に置かれておらず、我が唇は無の虚栄を占めたりもしていない。我は汝が望むようなものを現実化させたりはせず、それらは我が権能にも無い。
 我はこの難行の中の理性を支配し、その判断に到達できるようにするための、汝の教師であり、監督者である。これまで語られた全ての事は、汝の呼びかけに属する。何時であろうとも、この乗り物は、大いに受け入れる。だが、それらには時と季節があり、自然の秩序に反するならば、その試みは無益となる*1。これら全ては、目的のためにある。常に友情とともに、汝はこれらを見て、汝が望むものを知るであろう。
 だが終わりと始まりは違っている。これは唯一、El(神)、ロッド、測りであり、それにより準備された全ては配られる。それらを叩く事で、万物は終わりに向かって、それらの段階に応じて、7人(7人のそれぞれの威厳)が、それ自身を広げる限りにおいて、もたらされる。
 (簡潔に言うならば)万物には常に時と季節があり、汝にいずれへもの方向を示す。だが、汝はあらゆる実践で、決定と完全な終わりのためには、これらを用いる事は出来ない。片方が影響を与えると、もう片方は結果となる。汝が見たものは真実であり、さらに有用なものである。これらにより、自然にある万物は助けとなるからである」
ディー「――(判別不能)」
神の癒し「我が今、最後に宣言したものを読め。それから汝が答えられていないならば見よ」
ディー「――」
神の癒し「それゆえ、汝はこれが何であるかを知るであろう。もっとも汝はまだ知らないが、それを運ぶ権限がある者により、実践へともたらされよう」
ディー「汝が大いに称えていた液体について、余はさらに理解したいと思います」
神の癒し「最も甘く快い泉より流れる、真理の滴以上の何の液体がより生けるものであろうか? 汝の口が説教してきた真理すら(それらには及ばない)。我らが天の言語*2の知識以上の、何の水がより再創造したり、無知を深く静めたりしよう? 汝の声は偽り、神の種のあらゆる形質を深遠に含む、言葉と声の影に過ぎぬ。汝らは物事を見定めようとするが、それは汝はこれらを良く見ないからであり、また汝らはこれら(物事の真の名前)を誤って名付けている。その悪しき呼び方により汝らは困惑し、その罰として(様々な言語に)散らされているのである*3。だが我ら(天使)は全て1つ(の言語)であり、完全に理解している。我らは朝の子より、夜の子まで、耳を開き、その言葉を聞く。我らには距離は無い。距離とは悪しき者を神の慈悲から分離するものだ。また、秘密も無く、それらは人の魂の影の中に埋められているものだ。
 我らは万物を見、我らから隠されたものは何も無く、その創造を称える。海はそこで自らを語られるならば立つであろう。天はその自らの稲妻を知る時に動かされ、自らを示すであろう。冥府はそれらについて語られる事を知るならば震えよう*4。最初の者*5を例外として、いかなる人間も、過去、現在、未来(我が例外とした者を除いて)において、これらについてのごく僅かな部分(かくも理解できない)すらも理解し、持ち、知る事も無い。彼(アダム)は(それを知る)万物を名付け、これらは確実にそうであり、永遠にそうあろう。
 汝は我らと(この言語で)語るなら*6、我らは汝と語るであろう。汝ら人間から攫われた3人を例外として*7、我らと語る者は無く、それらはかの怪物を滅ぼすべく定められた3つの法において与えられている。これらの天の群衆により養われ、彼らは全てを理解して語り、述べている。これがそうであり、我は神(我を創造した唯一の者)に誓って記そう。これは定められた。さもなければ、我は語れなかったであろう。そして汝が神の律法を破るならば、これらは定められなかったであろう。
 水晶玉にて万物を映し出し、天が雲に対して行うように、神の下でそれらを保持する。神よ、御身は何と偉大であり、人を御身の神秘を知るべく準備させる、その憐れみの滴は何と力強い事か。汝の視野の1イオータ(極小)といえどもこれを犯すならば、自らへの病が汝に降りかかるであろう。
 汝の望みは叶えられ、汝が神を愛するならば、汝は永遠に耐えるであろう。我は風に震える雲では無く、古くなりすれ切れた衣服でも無く、我は永遠であり(なぜなら我がメッセージはそうだからだ)、我が真理は永遠に耐えられよう。
 見よ、見よ、真に天と地において見よ。これにより万物は造られ、これは神の声と発言であり、最初の者から発され、最初の者だからだ。その栄光の御名は自らの名誉のホルンにて高められた。見よ、これがそうである」
ケリー「彼は昨日に見せたように、黄金の書を示しました」
神の癒し「そして、これは真理である。これらの真理は永遠に耐えられよう」
ケリー「この書のページには、全てが線で描かれ、正方形で満たされていて、それらの正方形には、それぞれ文字があり、一部は他よりも多くあります。そして、これら全ては乾燥していない血のような色で書かれています。それぞれが49の正方形がある全ての(49)ページを合わせると、2401の正方形の場所があります。この者は自らの指でテーブルの上を拭くと、それらはテーブルの上にて特有の文字*8として現れました。それらは線では取り囲まれておらず、自らで立ち、それらの間には点があります」


 天使はこれらを順に指し示し、我が見霊者にそれぞれを見るようにさせた。


神の癒し「これらについて書き記せ」



 これらは、このように書き記した。


ケリー「この者はテーブルの下から大きな球のようなものを取り出して、椅子の上に置きました。そして、この球の上に書を置きました。この者はこれらの文字を指して、指で数えていくと21あり、右側から始めて、左側へと向かって行きました。この者は頭にかぶっていた金の王冠を取ると、それをテーブルに置きました。ここでの彼は黄色に見えます。この者は敬礼をすると、テーブルの下から3つの部分に分かれた黄金のロッドを手に取りました*9。この者はロッドの尖端を文字の最初のものに付けて「パ」と言いました。そして、英語あるいはラテン文字のPaが現れました。それからヴェーと言い、Vehの文字が現れました。そして、ゲドと言い、文字Gedが現れました。それから彼は『御身は唯一、唯一、唯一、偉大なるかな、偉大なるかな、偉大なるかな』などと言いました。それから彼は別の文字を指して、ガルと言い、Galの文字が現れました。それからオルor(この発音はOrhに思える)、それからウンun(この音はundに思える)、それからグラフGraph(この音は喉のGrakphaのようである)、それからタルTal(この音は、stallやxtallに似ている)、それからゴンgon、そしてナna(だが、鼻のNachの音のようである)、それからウルur(ourやourhの音で)、それからマルスmals(machlsの音で)、それからゲルGer(gierhの音で)、それからドルクスdrux(drovxの音で)、それからパルPal、このpは弱めに発音します。それからメドmedと続きました。彼は『神の栄光は偉大』と言いました。それから、ケフCeph、Kephのような音で。最もその前にはダンDanがあります。それからヴァンvan、ファムFam、そしてギスグGisgと続きました」



 それから、この者は先のように横たわり、2本の線が現れ、21文字は、それぞれが7文字からなる3つの部分へと分割された。この者は「この数は、最も完全なもので、1000と1である。栄光は神に。アーメン」と述べた。



 それから、この者は王冠を頭にかぶり、椅子の前の全てに黒い幕が降ろされた。それからこの者は「書が無くても、これらの名前を学び、良く知るようにせよ」と述べた。
 ゆえに、余はこれらを2、3日後に、このように解読した。






ディーの日記 1583年3月26日 後編
↑ ディーの日記


*1 ディー注。全ての時に用いれるものと、特別な時に用いるものがあるのに注意せよ。
*2 ディー注。天使の言語と声である。 訳注。これから有名なエノク語の説明となる。しかし、このエノク語という呼び名は後世の研究者らが便宜的に名付けたもので、ディー自身はこれを単に、天の言葉、天使の言語と呼んでいた。
*3 これは創世記でのバベルの塔の伝説を思わせる。
*4 ディー注。原初の神あるいは天使の言語の力である。
*5 ディー注。アダムである。
*6 ディー注。天使との対話。
*7 ディー注。天使の仲間とすべく天へと攫われた3人がいる。おそらく、父祖エノクと預言者エリヤと使徒ヨハネであろう。
*8 ディー注。21の文字である。
*9 ディー注。彼がテーブルの下からしばしば取り出したものは、我がテーブルでも同様に作るべきであろう。