ディーの日記 1583年3月23日

ページ名:ディーの日記 1583年3月23日

第五の神秘の書

1583年3月23日


イエス ♰



1583年3月23日 土曜日 昼


 エドワード ケリーは、(3月22日に)ブロックリー地方のジョン ハッセー氏と共に余の元へと来た。ケリーは我らの霊的な友人らについて、彼とハッセー氏にとって奇妙な振る舞いから堕天使ではないかと心配し、より理解したいと望んでいた。このような霊的な生き物らの導きによって、彼らはノースウックヒルで(3月12日に)書と巻物を見つけ、巻物を読むべくそれらの術により努力した。そこには奇妙な印章らが書かれていて、彼らは余にそれを修正して、返答するなどを望んだ。そのため彼らは今、ここに来たのである*1
 そのため、余らが友らの教授を受けるべく準備をすると、水晶玉の中に、ある者*2が現れた。foles(仔馬?)のコートを着て、雲の周囲を進み、初めて見る者であった。余はこの者に、汝が神の敵ならば去れと命じた。この者は衣服を全て脱ぐと、その下は毛むくじゃらの姿であった。そして、「汝は我が悪しき力を貫いた」と述べた。


ディー「神に栄光を帰し、退け」
この者は言った。「我は去り、終わろう」


 そして、この者は羽根のブラシで掃くように消え去った。雲はより大きくなり、全て右側へと向かって行った。やがては、テーブルが現れたが、椅子はかつてのものとは別で、より豪華なものになっていた。そして3人の者が現れ、2人は去っていき、1人はテーブルの背後に留まっていた*3
 神の癒しは「やあ諸君。これ(椅子)は真理であり、優れたものである」と言った。
 この者は椅子に向かって跪き、何か喋ったが、その言葉ははっきりとは聞き取れなかった。


神の癒し「道、真理、美徳は唯一の方にあり、その偉大さは無数にして素晴らしきものである。そして、御身の口からの息(と命)により、その命令と光により、万物は生きる。御言葉(イエス)に栄光あれ。万物の創造主と、その過去、現在、未来の計測に栄光あれ。御身は注意と警告により、生き物らの目を啓明させる。良き者には命を、悪しき者には死を、御身の考えからこれらは投げられる。御身の賜物はなんと偉大にして数えきれないことか。O remiges varpax*4。主は哀れみを持つ」


 この者は椅子へと跪きつつ、これら全て述べると立ち上がった。そして余は言った。


ディー「祝福された3者よ、その光と真理を放ちたまえ、聖なる山(シオン)とその幕屋へと余を導きたまえ」
神の癒し「何処へだ、不信心者よ?」
ディー「余らは不信心の徒にあらず。余らの望みは生ける永遠にして力ある真理、命の泉であります」
神の癒し「我は同じ流れより水をもたらした。これは汝の不完全さと必要のための真の薬である。我と我が崇める者の両者を今理解せよ。飲み、汝の骨(また、その形も――その最奥は魂である)への豊穣を受け取れ。死すべき定めの者らの不完全さは多いからである。我は持ち、汝も持つであろう。我はもたらし、(汝は)神を見るであろう。御言葉は全ての不完全さを取り除く光である。信仰深き者はその至福へと入るであろう。この中には永遠の薬がある。汝は正しく考えていた(先の脚注を見よ)。我は汝が信じるように確信している。真理と義により、神の言葉と教えは真にして完全だからである。何を汝は望むのか?」
ディー「正確に受け取る事です」
神の癒し「汝はそれを持つであろう」


 余は今までに無きものを受け取った。それは余が信じるに、いと高き方の布告であろう。
 彼は木を見せ、その根あるいは底には、多くの水があった。そして彼は言った。


神の癒し「今見せたこの木には、実はあるか?」
ディー「何も見ません。ですが、余の見霊者は何か言えるでしょう」
ケリー「水が木へと昇っていきます。それは増水し、そこには火のような赤い実があります」
神の癒し「見よ、我はこれを食べ、それは選ばれた者の心を照らす(彼は食べたように見えた)。ゆえに、これは汝にも与える」
ディー「主の僕を見よ。余にかつて宣言されたように、その余への布告を(その慈悲のように)させたまえ」
神の癒し「行け、そして汝は受けとるであろう。留まれ、そして汝は眠りを受け取り、汝は見るであろう。だが、よく見るのだ。汝の目は完全に開いてなくてはならない。汝の望みの基盤にして要素であるものは、既に完成している。
 汝はそれを信じていないようだが、神が述べ、その御言葉は永遠に保たれるように、我は述べた。7人(の大天使)のうちの1人*5から汝は低位の部分の最も完全な教授を受けている。残りは、我が器により汝へともたらした。この薬は、敵を絶滅させ黙らせるのや、我らの幸福のためには充分である。これを述べるなかれ。もっとも我は汝らに述べているが、我ら全てはこの液体を味わい生きるためである。その頭は大理石であり*6、その心臓は竜の血である。その足は北の山々の頂点であり、その目は輝き、その顔には多くの色がある。その永遠の形質は無の混乱と苦難とともにある。ゆえに、これらは無だからである。これらの量と秘密の質に従って、その見た目と必要な形を持っている。天はこの2つの目*7により照らされ、片方の目はもう片方よりも明るい。彼自身からでありそれ以外の者ではない、彼の上と中にあるものは、この偉大にして徳の高い泉である。自然の知性体において、彼は彼女の美の植物に水をやり、彼女の豊穣の衣を耕す。彼女の闇の者らは、この知恵を与える薬を味わうべく入り、受け取ると、過去、現在、未来の万物を思い出し、これらの生ける高貴な完成へと至る。我が言葉は文であり、我が文は知恵であり、我が知恵は万物への我がメッセージの終わりである。力と栄光は、この美徳であり、その泉は耐え、永遠に清澄である。その御名は祝福される」
ディー「アーメン。余はこの時に敬意を持つであろう。神が汝と共にあらん事を」


ディーの日記 1583年3月24日
↑ ディーの日記


*1 この書はDunstanの書という錬金術書で、また賢者の石である赤い粉末もケリーは手に入れている。ケリーはこの粉で後に卑金属を金へと変えた話が残されている。また、この巻物は、4月11日の日記でも示されている。これには、10の隠れた宝の有りかが示されていた。
*2 ディー注。毛むくじゃらの者である。
*3 これはMedicina Dei(神の癒し)で、ラファエルのこと。
*4 これはエノク語によるもので、翻訳は不可能である。
*5 ディーは、これをラファエルと考えている。
*6 ここから謎の人物の説明がある。おそらく自然を表すのだろう。
*7 おそらく太陽と月。