ディーの日記 1582年11月19日

ページ名:ディーの日記 1582年11月19日

1582年11月19日 月曜日 昼の1時頃


 余らが水晶玉の部屋へ来てからしばらく(7分ほど)経っても、沈黙の幕は降ろされたままで、何も起きなかった。だがその間、エドワード ケリーは非常に心地よい音楽を聴いていた。
 Carmara王は、幕を手で取り除いたように見えた。だがその後(6分ほど)には、通常は後に現れるような家具が立っている他には、何も変わったり示されたりはしなかった。


ケリー「今、7人の楽器を持った男らが来ました。そして彼らの前には、ビロードの外衣を着て帽子をかぶり、片側に剣を、片方の肩からマントあるいはケープを着けた者がいます。帽子には黒い羽根が付いています。その後には、さらに42人の者らが来て、最初の7人からは非常に離れているように見えます。彼らの始めから奏でる曲は非常に甘く心地よいものです。彼らの楽器は以下のような形をしています」



ケリー「これらの奏者らはお互いにふざけた風に演奏していて、それからお互いにお辞儀して、それから再び演奏しています。遠くに見える42人は少しずつ近づいてきて、その手には円の図に似た丸いものを持っています。7人のパイプ奏者らは去っていき、片方の肩にケープを着けた男(貴族のような者)は留まっています。それから円の図を持った42人が傍まで近づいてきました。彼らは2つの種類に分かれているように見えました。彼らの内の最後の7人は、前面が女性のようで、大きく膨らませたフープスカートを着けています。もっとも、彼らの顔は女特有の装いはしていません。42人は円(あるいは丸い図)を彼らの頭上に垂直に掲げています。それから彼らは円を降ろして、その上に立ちました」
 H(Carmara王)は「悪しき者も良き者も御身を賛美する。神よ、神よ、我らが神よ」と述べた。
 それから、文字がエドワード ケリーの前に現れ、彼は余にそれを語り、余はそれを書き始めた。それらは、LEENARBであった。


Carmara王「汝は無駄に書いている。汝は既にこれらを書いているではないか」
ディー「それは正しいです。余はこれらを書き記す前に見ています」
Carmara王「(49の)諸図から8番目の名前を見よ」
ディー「この8番目はBobogelです」
Carmara王「大いなる円から、その印章を見よ。7人の天使らの図にて、第2の名前を見よ」
ディー「そこでは、余はBornogoを見つけました」
ケリー「ケープを片方の肩に付けている者が、「余の名はBobogelである。そして、我が配下は7人の天使らのうちの第2の統治者である」と言いました*1
Bobogel「余はこれらのローブを余自身のためではなく、我が統治のために身に着けている。余は君主にして首領である」
ケリー「彼は跪いて、何かを唱えましたが、私には理解できませんでした」
Bobogel「然り。知恵と学の唯一の分配者、与え手、授け手である。余はこれらの衣服を着ているが、それは余が領地と爵位の助言者の君主だからである。余やその配下の助言を受けていない全ての爵位や政府は、堅固な基盤が無く、失敗し、無に帰して終わっている。
 汝が見てきた者(パイプ奏者)らは、異常で通常でない楽器を用いる愚者を意味する。これらは常に演奏するように見えるが、実際には余自らと配下の者ら(然り。彼らの全てではなく、少数のみである)のみが演奏できる。だが余は真の哲学者であり、真の理解者である。だが、余は統治する神より降りてきた者であり、神は天使らすらも理解できないし、余自らもである。だが、余が考えるものは完全であり、測るものは余なのである。
 (それから王は言った)無限の力の政府を起き上がらせよ」


ケリー「それから、42人の中から3人が来て、その指を最初の3文字へと置いて、
 第1の者は「自然と神における一致よ」と言い、
 第2の者は「自然と神の均等よ。神の中の神。神からと自らからの自然。」と言い、
 第3の者は「その調和には数は無い。にも関わらず、自然の源にして頭である神は我らとともにある。」と言いました。
 彼らは共に混ざっていき、1人の完全な人間、見た目が最も美しい者となりました。それらの頭から胸までは、天に近いように見えました。その胸と腹部は風の中にあり、その足は地に立っているように見えました。その頭頂からは火のようなものが来て、天へと入り、見えなくなりました。この非常に高く、火のようなものは「我らは追い求める真理なり」と言いました。この者の頭頂から足元までの見た目は2つに分けられます。片方の側は最も新鮮に咲き誇る草のように見え、もう片方の側は様々な金属のように見えます。そして彼の右足は鉛に見えます。



 この者は「祝福は我が頭の光に。さらに」と途中まで言って止めました。
 残りの者らは全員震え、彼はさらに「頭において一つ、心臓において一つ、足において一つ」と言いました。
 それから42人のうちの9人の者らが同時に前に出てきました。
 そして大きな者は戻っていくか、あるいは先の3人の者らに再び回復しました。そして彼ら3人は肩にケープを着けた高貴な者BOBOGELにもたれました。BOBOGELは言いました」
Bobogel「ディーよ、ディーよ、ディーよ。ようやくだが、遅すぎるのではない*2
ケリー「先に3人がいた場所には、L E Eの文字が現れました。
 前へ進んだ9人の者らのうち、最初の3つ組*3が、それぞれ順番にこう述べました」
第1の者「我らは望む」
第2の者「我らは行える」
第3の者「何が出来ないのか?」
 この3つ組は「彼らが行った事を我らは行おう。我ら3人は、関連によりアダムだからである」と述べた。


ケリー「彼らは先の者のように1人の人間となりましたが、より痩せて弱く、背も第1の者のように高くはありません。常に真っすぐに立とうと努めていますが、なおも疲労で倒れそうなように、曲がったまま下に向いています。この複合された人間の体は、金で輝いているように見えます。彼らが再び分離された体へと戻ると、彼らは裸で哀れで悲しんでいるように見えました。そしてBobogelは自らの剣、鞘、その他の側面に吊るされているものに彼らを置きました。彼らの文字は、N A Rでした。
 それから、次の(第3の)3つ組――B L Nが来て、以下の様に順番に言いました」
第1の者「神より」
第2の者「神を通じて」
第3の者「神とともに」
Bobogel「誰がこれら3つに欠けていよう」
ケリー「王は、学者らの最初の3人と全ての者に、囁いています。そして私を見ると、話の途中で止めました」
Bobogel「否、否、(ケリーを指して)汝は知るべきではない。
 神の教会にて、彼は空しく働くであろう」
ケリー「この3つ組の者らは、1つのみの頭と3つの体となり、この頭は良い比率にあります。
 凸面の球の側面が開いて、この変身した3つ組はそこにある群衆へと振りむき、人々はその胸を裸にして泣いている*4ように見え、彼らが胸を拭うと、そこは火となりました。
 この3つ組は、三角錐の石の上に立っているように見え、(風車小屋で車軸1つ分ほど行うように)常に回転していて、それにより球の穴は開いています。そしてこの3人の体それぞれが、球の開いた場所へと向いています。彼らは両手を群衆へと伸ばしました。第1の者の手には、小さいものの、とても白く燃えている球があります。第2の者の手には、火で燃えた小さな剣があります。第3の者の手には、多彩な色の薄い布の頭につけるバンドのようなものがあります。この者は開いた穴へと向き続け、人々へ向かって投げ、それによって人々は彼に向かって引き寄せられているように見えます。
 彼らの3つの体は、常に変化しているようですが、この複合された者の顔は安定し、不動であり、先に述べた球の穴へと向けられています」
Carmara王「天を見るならば、これよりも遥かに驚異的である」
ケリー「今では、3人組はそれぞれ分離し、球の穴も閉じられました。これらの3人組はBobogelの傍で座りました」
Carmara王「彼らは常にあり、その食べ物は一つである」


 注意せよ。第1の3つ組は立ったまま、Bobogelにもたれかかっているように見える。第3の3つ組は、順番にBobogelの足元に座っており、これら1人は、第1の者らの2人の間にいる。それらは常に第1の3つ組の1人と、第3の3つ組の1人の順となっている。


ケリー「それから、(第4の)A N Aの3つ組が来ました。彼らは順番にこう言いました」
第1の者「神からのみ」
第2の者「神とのみ」


 それから余はケリーに彼らの見た目について尋ねると、ケリーは彼らは先の3つ組らよりも勇敢そうだと述べた。それからBobogelは、「ある者らは価値があり、他の者らはそう価値が無い」と述べ、彼らを指さした。それから第3の者が述べた。


第3の者「神を通じて、神を通じて、神を通じて」そう言いながら手で押さえて顔を顰めていた。
ケリー「彼らは1つの頭と3つの体へと組み合わさりました。今や、球の穴はとても大きく開いています。この1つの頭と3つの体を持つ者の複合された頭には多くの目、鼻、口があり、まるで混沌とした顔です。これらの体の1つは、先の者らのようにその手に小さな球を持ち、それはとても白いですが、その中から瞬くような輝きがあります。他の2体の手には何もありません。
 彼らは順に球の穴へと向きましたが、中の人々は彼らに向きません。ですが、球を持つ者の手が近づくと、彼らは少しだけそれを見ました」
Bobogel「彼らは輝く炎に欠けていたからだ」
ケリー「前の状態へと戻った彼らは、BOBOGELの後ろに(ある椅子に)向かい座っていきました。彼らの衣服はシンプルに見えます。彼らの良き見た目は去りました」


 ここで、第1の注記で余が書いた事に、ある間違いがあるのを見つけた。そのため、ここで訂正する。だが、この間違いは余を悩ませたが、霊的な生き物はこれらの言葉を述べた。


Bobogel「この間違いは、エドワード ケリーの記憶によるもので、その意志によるものではない。これらを書き記せ。
 LEEは、我のそばに立っている3人らである。
 NARは、我が拒絶した3人である。
 BLNは、我がそばにいる3人である。
 ANAは、拒絶された3人である。
 万物は自然へと向かい、神にではない」
ケリー「残りの30人*5が近づいてきて、Bobogelと拒絶された者らの間に座りました。そしてこの30人から、7人のみが円へと再び来ました。これらの7人のそれぞれが、円の中の特定の文字の上に足を置き、それらの文字は AOIDIABです。
 彼らは、「(正しく)用いる場合、我らは完全である。誤って用いたら、我らは怪物である。我らは自然と神を知る者の7つの門である」と言いました。
 これらの7人は風あるいは白い煙の中へと消え去り、球の中へと落ちていったように見えます。そして、6人は拒絶して黒い煙へと入り、30人の残りの者らも黒い煙に変わって、球の中へと落ちて行きました」
Bobogel「万物は6番目と7番目の中にある」
ケリー「Bobogelのそばにいた6人は激しく泣いており、この王に近づいてきました」
Bobogel「見よ」
ケリー「彼らは1つの体へと合体し、太陽のような、球の形になりました。そして上昇したり、小さな軌跡で回転したりして、椅子よりも高い位置に留まり、透明な球の頂点へと進んでいきました。そして、先に述べたように、この高貴な君主と、6人のそばに居た者ら(LEE:BLN)は、視野から消えました」
Carmara王「これらをなした者は、七王国の2番目の者*6である。
 彼らは先の者らと同様に、1週間のうちのある日に分割される。だが、他の者らは主に汝らが呼ぶ月曜日であるが、彼らはサバオトの日にのみ用いられる。
 よって彼らは、(先の順に従って)床に置かれた円のみを用いる*7。最初の6人と彼らの王と、彼らの君主の印は、この日の全体を表す。他の6掛ける6の者*8らは、先のように、この日を分割する。彼らが立つ場所の文字は、彼らの名前と印である。天が見たり、地が含むものは、彼らにより服従したり、形成されたり、造られたりはしないであろう。彼らが発現できない、自然の卓越とともに知、知恵に基づくものがあろうか? 
 天にあるものを彼らは知る。
 人にある全てのものを彼らは知る。
 知にある全てのものを彼らは知る。
 ある部分により(我が意味合いは、これら少数の者らにより)天を測るのだ。神に栄光を帰せよ。その御名を称えよ。その創造*9は良く取られ、その創造物はよく用いられる」


 余はこれらを用いるための幾らかの教授を必要とした。するとCarmara王は答えた。


Carmara王「見よ。汝の目はかくも盲目なるや? 汝は見つつも気付かないのか? 汝の心は汝に語ろう。汝はさらに理解し、その判断は確立させよう。汝が3つの場所で3つの構成により1つの体を見るようにである。もっとも2つのみが形を取っている*10。そのように、この作業も以下のような関係がある。1:現在の時と現在の使用。2:それを遥かに超えた諸神秘。3:最後に目的と意図である。これらにより、神の御名と威厳、さらにその力は、いまだ聞かぬ、その驚異と不思議な現れとともに現れよう*11。我はかく語りき」


 それから、すぐに王は再び現れて、以下の様に述べた。


Carmara王「来たれ、真にここに来たれ。来たれ。王よ、王よ、王よ、水の王よ。来たれ。真に来たれ。汝は偉大な者であるが、余の力はさらに偉大である。我らの神は堅固に立ち、統治し、過去にも今にもある」
ケリー「すると、ある者が来て言いました」
水の王「我らが創造主より、その御名を与えられた。この御名を称えるためにである。今や(文書は空白にある)と生きる方の真の御名をである。これらは闇の心の持ち主には闇で曖昧であるが、真に完全な心の持ち主には真理にして明白である。見よ、彼らはここにある」
ケリー「これを述べた者は、王であるかのように、その頭に王冠をかぶっています。その衣服は白くて長いローブですが、その左腕はとても白く、その右腕は黒いです。
 この王の背後には42人の仲間らが続き、そのいずれもが額に文字を持っていて、7人ずつの6列で並んでいます。
 王はその額にBABALELの文字が書かれています。
 最初の7人(ケリーの左側から右側へと向かって)、さらに第2、第3列と以下のような文字を持っています」


E I L O M F O
N E O T P T A
S A G A C I Y
O N E D P O N
N O O N M A N
E T E V L G L


Carmara王「次の時には、さらに汝に示すであろう」
ディー「万物が三位一体である神を常に称えんことを。アーメン」
ケリー「幕が降ろされました」


ディーの日記 1582年11月20日
↑ ディーの日記


*1 ディー注。七芒星で、Bobogelは王で、Bornogoは君主である。
*2 ディー注。Bobogel王が言うのは、彼が示すこの諸神秘を余が得る事である。
*3 ディー注。NARである。
*4 ディー注。懺悔である。
*5 ディー注。3つ組が10である。
*6 ディー注。Bornogoの事である。
*7 ディー注。先のものを注意せよ。それゆえに、また床には円がある。3葉(両ページ)前に、我が足が図の上にあった内容を参照せよ。それゆえ、彼らは床にあるように見える。
*8 ディー注。6による実践である。
*9 ディー注。この書は時には、「創造の書」と、時には「創造の諸図」と呼ばれる。
*10 神の三位一体の事を指しているようである。
*11 ディー注。この教義の3重の使用である。