ディーの日記 1582年11月16日

ページ名:ディーの日記 1582年11月16日

1582年11月16日 金曜日 昼の5時


 その頭に三重の冠をかぶり、長い紫のローブを着た者*1が、今では片手に透明な赤い部分の杖を持ち、残りの2つの部分は消え去っていた。王はその杖を振るうと、その下にある球は震えた。それから王は「真に御身は神である。来たれ」と述べた。すると、7人の君主ら全ては王の言葉に対して敬礼した。王は旗を掲げると、そこには女の絵が描かれており、さらに(先に気づいたように)その右側には逆向きのCBの文字があった。



 そして旗のもう片方の面は、イングランドの軍旗であった。王は旗を大いに振るい、それから戦争の行軍のように、球の最上部を行けるだけ歩き回っていた。王は旗を指さして、「さらに2人が来る。それ以上は来ない」と述べた。球の中にいる全ての民は喜んでいるように見えた。次に王は旗を降ろして、「来たれ、来たれ、来たれ」と述べた。そして7人の君主らは王の御前へと集まってきた。彼らは共に結び付いて、銅製*2で出来ていると思える、Heptagonon Stellare(七芒星。余が名付けた)となった。



 1. 最初の保持者*3が「汝は我を知る」と述べ、その手を七芒星から引き抜いた。


 2. 7人のうちの第2の者は、その手を引き抜き、裏側にして述べた「我は自然を腐敗させないよう変える力を持つ者なり。我が印により、我は自然を封印し、完全なものとする。我は金属の知識において勝る。我は多くに力を持つが、実際には僅かである。我は12人のうちに最初の者にして、7人のうちの第2の者である。汝は我が名を知りたいか?」
ディー「喜んで」
第2の者「我はBORNOGOである。これが我が印である。これは我が真の印章である。汝が望む事は満たされるであろう。神に栄光を」
 彼は跪くと、その手を七芒星へ向けて伸ばした。


 3. 次の(あるいは第3の)者が述べた。「我は海の君主である。我が力は水に及ぶ。我はファラオを溺死させ、悪しき者らを破滅させた*4。我は海に命を授け、我により海は動くのだ。我が名はモーセに知られていた。我はイスラエルに住んでいた。神の天罰の時を見よ。我は計測し、それは「8」である*5。これは神秘である。神はその民に哀れみ深い。見よ、見よ、見よ、我が強き力はこれに存する。我が言葉から知恵を学ぶがよい。これは汝の博識のために働く。神から汝へと我が教えるものだ。汝の受けたものを真に見よ。汝はまだ死んではいない。汝は再生しよう。だが、神を真に祝福せよ。神が我に与えた祝福により、我は汝に(神の)許可により授けるであろう。
 水の上を歩いた我が神*6はいかに強き者か。神は我をその御名とともに封印し、その栄光は終わり無い。汝は我について記しているが、我をまだ知らない。神の御名により我を用いよ。我はいつでも準備が取れている。我は海の働きを発現させ、深淵の諸奇跡は知られるであろう。我は神により栄光を帰せられた。我は世界を波打った。おぅ、おぅ、おぅ、彼らはどのように悔悛したか。彼らの終わりは惨めなもので、彼らが出会うのは惨禍である。永遠に記された我が名を見よ。それを見よ」
 彼は胸を開くと、それは曲がっていて、そのローブの下には羽毛があるように見えた*7。この者は黄金のベルトを身に着けていて、そこにはBEFAFESと書かれていた。それからこの者は「神よ、神よ、神よ、永遠に祝福あれ。我はかく語りき」と述べた。
 それから、この者は七芒星から手を引き抜いた。


 黒い幕が水晶玉に降ろされて、これらから余らは今や隠された。余らは今は去る必要があった。


 神のみに全ての誉れと栄光を帰せよ。アーメン。




同日 金曜日 夜8時頃に飲んだ後


 椅子に座っているH*8の左側には、まだ3人が現れ、七芒星の下の他の側面を保持していた。彼は座り、その顔はエドワード ケリーから余へと向けられた。余は立ち、その顔は南へと向いていた。エドワード ケリーは同じテーブルに座っていて、その顔は北へと向いていた。


 4. (下より支えている)第4の者(君主Butmono)が「地よ、地よ、地よ」と叫んだ。
ケリー「この者はこもった声で述べていて、私は何を言っているのかわかりませんでした」
 それから、この者は答えた。「これらは我が創造の言葉であり、汝らは理解する価値が無い。我が力は地に及び、我は死者の体を保っている。彼らの数は我が書に記されている。我は死滅の鍵を持っている。見よ、見よ、万物、然り、万物は我と共に働いている。我は作業の終わりだからである」
ケリー「この君主はひれ伏し、何か述べましたが私にはわかりませんでした」
 それから、この者は述べた。「我は神の怒りの光を持ち、我はそれを破壊するであろう。見よ、それは底なしの穴の中に残された光である。それは終わりで最後である。その御名に祝福を、その御名に永久の祝福を。見よ、これが我が印である」



Butmono「見よ、地の奥は我が通路である」
 それから、我が負債を全て払うのと、必要なものを買うなどのために、余は幾つかの隠された宝の位置を教えてくれるよう助けを求めた。すると、君主は答えた。
Butmono「この世界の富とともに、汝の世俗の欲望は満たされるであろう。見よ、見よ、見よ、我は膨大に見よと言う。我は破滅の子*9のため、その滅びの最初の道具のために宝を保持している。見よ、これらの洞窟を」
 この者はエドワード ケリーに地下の洞窟と、その秘密の場所を幾つか見せた。その後に述べた。
Butmono「これらを記せ。全ての霊ら、地の中に住む者ら、その場所、その力、その意志に非ざるもの(例外は我が知らぬ自身の中にあるものである)はここにある力に服従する」


 この者は自らの印*10を指し示して、


Botmono「この印とともに、汝は支配し、この印とともに汝は解放しよう。この印(支配するその御名において)とともに、汝は地の内部を見つけるであろう。今や汝はなにを述べられよう? 汝は行えようか? 汝の魔術師らは我と知遇を結べようか? これは悪しき者の骨を記すように我を促す。彼Butmonoを称えよ。彼Butmonoを称えよ。彼を称えよ」
ディー「それは汝の名であろう。余は汝に語るように祈る」
Botmono「然り。これは我が名である。これは万物の終わりである」
ケリー「この者は今、座りました」


 5. 次に、第5の者がその顔をケリーへと向けて(ケリーは余の前に座っており、余と対面している)、前へと進むと述べた。
第5の者「我は生けるものらの命にして息である。唯一者の像*11を除いて、万物は我により生きる。地の面を見よ」
ケリー「全ての種類の野獣、鳥、竜などが現れました」
 この者が両手を叩くと、これら全ては瞬時に消え去った。それから再び来て、さらに去り、もはや戻らなかった。だが球の中にいる人々は、始まりからそうであるように、立っているままだった。この者は獣らがまだ視野にある時に述べた。
第5の者「見よ、これら全てに我は命を授けた。我が印は、我を聖別した神の栄光である。我は楽しむ。これらの生、終わり、始まり*12は、我が知るところである。そして、寛容により、我がビオールが走るまでは、これらを采配する」
ケリー「この者は胸からビオールの小さなグラスを取り出しました。その中には、油がスプーン5、6杯ほどあるように見えます」
 この者は返答し述べた。
第5の者「これがそうである。そして、これは神秘である」
 余はこの油について聞いてみると、この者は答えて述べた。
第5の者「汝は真実を語った。神の力と栄光の徴として、BLISDONと書き記せ」
ケリー「この者は七芒星から手を取り出しました」


 6. 第6の者が自らの服を開くと、赤い肌が現れ、その側面から強い火が噴き出した*13。この火の眺めはとても強く、輝き、恐ろしく、人の目にはほとんど見えないものだった。やがてはこの者は再び外衣を身に着け、エドワード ケリーに述べた。
第6の者「我は汝に示すつもりだが、肉と血(のある生き物)は見る事は出来ない。我は死の門を知っている、と簡潔に書き記せ(それで充分である)」
 それから続けて述べた。
第6の者「熱心に我を黙想せよ。黙想しない者よ、我が言葉(あるいは世界)は闇であるが、見る者には充分に光がある。そして神の栄光は悪しき者の壁を叩いている。我はかく語りき」
 その激しく燃える炎の中に、BRORGESの文字が現れ、恐るべき炎から出たり入ったりしていた。その炎の流れは多く、世界全ては火で燃やされたかのようであった。そのためエドワード ケリーはこれらを見る事が(彼の目を大いに悩ませない限りは)出来なかった。そして最後にこの者が「汝らの魂に、これらの神秘を刻め」と述べると、炎は消え去った。


 7. ケリー「水晶玉に見えるものは全て風に吹かれて、今では七芒星のみが見えます。残りの全ての者は降りて、今では彼らは両手をお互いに伸ばして、遊ぶかのように、彼らの作業から離れています」
 そして、最後の者がその手を七芒星に置いて、その顔をエドワード ケリーに向けてからディーに向けて述べた。
第7の者「我が領域*14に住まう生き物らは、我が力に属する。見よ、我はBRALGES*15。我が持つ諸力は不可視である。これらを見よ」
ケリー「世界全ては輝いて、あるいは白い炎のように見えます。その中には、炎無しの小さな煙のような、様々な小さなものが見えます」
 この者は述べた。
Bralges「これが我が統治の印である。見よ、我は来た。我は数無き名前を教えるであろう。我に従う生き物らは、汝を知るであろう」


H「我らへの信仰を揺らいだり疑ったりするのに気を付けよ。我らは神の生き物であり、過去、現在、未来に統治するからである。全ての我らの神秘を汝は知るであろう」
ケリー「7人全てが消え去りました。H(Carmara王?)のみが残っています」
 この者は立ち上がり、その椅子によりかかると、その視線をケリーへと向けて、
H「これらの事柄を見よ。そして、これらの神秘は汝が知るところとなろう。永遠に統治する神の諸秘密*16を保て」
ケリー「大勢の声が答えて『その御名は永久に偉大』と歌っています」
H「汝の目を開け。さすれば汝はいと高きところから低きところまで見るであろう*17。神の平和は汝と共にある」
ディー「アーメン」
ケリー「水晶玉に含まれた全てのものの前に黒い幕が降ろされました」
 これは、今は(この会合を)終わる徴として取るべきであろう。


 聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、主よ、我らが主よ。



ディーの日記 1582年11月17日
↑ ディーの日記


*1 前回に出てきた、群衆が中にいる球の上の玉座に座っているCARMARA王のこと。
*2 ディー注。銅は金星と対応する。
*3 ディー注。力あるBagenol / Hagonelである。HがBを表すならば、BagonelがBagenolを含む事になる。
*4 出エジプト記 第14章27-28節の、有名なモーセが紅海を分けてイスラエル人を通過させた後、海を戻して追ってきたファラオとその軍勢を溺れさせた話である。
*5 ディー注。8は神の天罰であり、それは8年である。おそらく、今(1582年)から8年を足した1590年の11月16日であろう。あるいは、1588年の、余はまだ知らない日であろう。
*6 マルコによる福音書 第6章48節のイエスの水上歩行の奇跡のこと。
*7 ディー注。ローブの下に羽毛があるのは、君主Befafesである。
*8 このHが王冠を意味するならば、Carmara王のことだろう。だが、Hagonelの可能性もある。
*9 ディー注。アンチキリストである。
*10 ディー注。霊的生物の中心をどう想像できようか? 余は解せない。この者が言う意味は、地の中心、神の命の中心であろう。
*11 ディー注。人のことである。
*12 ディー注。この者の権能の力である。
*13 ディー注。これら7人のうちの最初の者の衣服は他よりも短い事に注意せよ。
*14 ディー注。風の領域である。
*15 ディー注。もっとも、Baligonすなわち、Carmaraは、本書の終わりで、これは彼の権能だと述べている。良く考えて見よ。君主Bralgesはその王としてBlumazaを持つ。
*16 ディー注。神の諸秘密は人々には明かされない。
*17 ディー注。この高き所から低き所までとは、おそらくTubula Collectaにおいて理解すべきだろう。