ディーの日記 1582年5月4日

ページ名:ディーの日記 1582年5月4日

1582年5月4日 金曜日 昼の2時30分


 エドワード タルボットは今では、先の天使らと会いたくなくなり、大いに好まず、信用しなくなっていた。なぜなら、彼らはタルボットに結婚するように望んだからである。さらに、これらとの働きのために、神に祈る事もしなくなった。そのため、余は我が小礼拝室へと向かい、神にその助けと、神が被造物らの間とその中に確立した法と徳について理解できるように、人類の利益のために、神に仕え、その栄光のためなどを祈った。そして水晶玉へと来ると、エドワード タルボットはそこに2人の天使の姿を見て、余はそれらがミカエルとウリエルであると伝えられた。


タルボット「ミカエルとウリエルの両者は跪き、その手を持ち上げています。そしてミカエルは赤や血のような甘い水を豊富に流しているように見えます。また天から7つの束のようなものが降りてきました。そしてミカエルは跪いたまま、それらを取りました。そしてウリエルは携帯祭壇のようなものを取り、それをテーブルの上に置きました。それから、テーブルの四隅で香炉のようなものが、甘い香りを作りました。煙は上昇していき、やがてはテーブルの上に置かれた香炉は落ちたように見えます。
 ウリエルは長くて全てが白いローブを着ていて、その衣服には多くのひだがあり、今は翼があるように見えます(これまでの所、これらの種の活動の始まりから、彼には無かった)。そして頭には美しい王冠をかぶっていて、この王冠の上には白い十字架があります。ウリエルはミカエルから7つの束を受け取り、先に述べた祭壇の前に恭しく置きました。
 それから、全身を輝く金で覆った人物が来ました。この者は時には1つ目で、時には3つ目に見えます。テーブルの下から大きな煙が湧いてきて、この場所は震えているように見えます。
 今やウリエルはその顔を伏せて、ミカエルは常に汗を流して祈っています。
 この栄光の者は、7つの束の覆い(様々な色のシルクである)を開いて、これらの中には全ての生き物の一部が入っているように見えました。最も栄光に満ちた眺めです。この栄光の者は燃える炎の小さな丘に立っているように見えました。彼は束の1つから、小鳥のようなものを取り、それは命があるように彼の前を飛び、それから祭壇のようなものの上に休みました。
 この栄光の者が服の前を開くと、その胸には血の斑点がありました。彼はブラウン色の髭を持ち、その頭から長い髪を肩まで垂らしています。ですがその顔は、美しく輝き、説明する事が出来ません。その髪は、風が運んだように震えています。この者は鳥を祝福し、その前に十字を切り、それを3回行いました。彼は天を見上げています。今や鳥は、前はスズメのような大きさでしたが、白鳥のような大きさに見えます。非常に美しいですが、多くの色があります。
 今、この栄光の者はミカエルを見て、その手を天へと挙げて言いました」


栄光の者「然り、然り、然り、我らが神よ」
ウリエル「神はその祝福により、万物を増やすであろう」


タルボット「先の美しい男は鳥を手に取ると、元の場所の束へと戻しました。そして、鳥が前に立っていた場所も、鳥のような大きさの(よって広げられている比率の)蝋のようになってます。この者は別の鳥を手に取り、第1の鳥の背後に(つがいを作るように)置きました。
 彼が最初に取った時の第2の鳥は、第1の鳥が(拡大した)ような大きさで、こちらも非常に美しかったです。
 突然に全ては闇となり、椅子もその他のものも見えなくなりました。
 声が聞こえてきました。ミカエルのような声で、こう言いました」
声「信じるのだ。この世界は必要である。神の必要性は、超自然的な知恵で動かされている。必要性から汝らは没落し、必要性から再び起き上がるであろう。我に従え。我を愛せ。我を抱擁せよ。見よ、我は在り」


タルボット「今や全ての闇は消え去り、先の者も去っています。ウリエルがテーブルのそばで立っていて、ミカエルは今はその椅子に座って、言いました」
ミカエル「これは汝が理解するための神の働きである。争うのは虚しい。全ての支配は神の手にある。汝に他に何があるのか、汝に他に何があるのか?」
ディー「神の誉れと栄光のために、美徳と真理を発展させ増大させる事です」
ミカエル「これは全ての我らの問いかけに答えている」
ディー「何が全ての我らの問いかけに答えているのですか?」
ミカエル「汝は既にそれを書いている。劣った者への説得のために、さらに汝が見るべきものもある」
タルボット「先ほどの視野から消え去った2匹の鳥は、再び見えるようになりました。ですが束はもう現れません。この2匹の鳥は山のように大きく育ったように見えます。とても大きく、これらは空へと浮かんでいるように見え、その翼により天へ向かって飛んで行き、空に触れています。そして、これらの1匹が、その嘴で星を咥えたように見えます。また他の鳥がこの鳥から受け取り、再び空へと戻しています。そしてこれらを、天の様々な場所で敏速に、何度も何度も行っています。
 この後、これらは街や都市の上を飛んで行き、雲を通り過ぎるとともに引き裂いています。そしてこれら2匹の鳥が飛ぶとともに、街路からは司教、王、大公といったような様々な勇敢な者らが従っていこうとしますが、2匹の鳥は翼によって、彼らを叩き落としています。ですが、乞食、足が不自由な者、子供、老人、女といった単純な見た目の者らは、静かに通過する事ができ、これらの2匹の鳥からは触れられ、投げ飛ばされずにいます。
 それから、鳥らはある場所に到達し、そこで翼の末端によって(地面から)頭に王冠をつけた人々の死体を持ち上げています。そのうちに1人は子供のように見えます。最初の4人は、屈んだ死者のように見えます。それから彼らは生き返り、良い見た目となりました。そして彼らは起き上がり、お互いに分かれて、様々な4方向の道、つまり東、西、北、南へと向かいました。
 次に、これら2匹の鳥は、共に翼を合わせて、大きな丘に灯りを点けました。そして、第1の鳥は力強く土を掴むと、そこでは様々な鉱物が現れました。そして鳥はこれらを蹴って散らしました。
 それから、1人の髪の毛や全身がとても白い老人が現われました。鳥らはお互いに老人を足で蹴り飛ばし合い、壊しました。そしてその頭からは、(脳の代わりに)テニスボールほどの大きさで、白、黒、赤、緑の4色の丸い石が現れました。
 鳥らの1匹(頭蓋骨を破壊した者)が、この丸い石を、もう片方の口あるいは嘴の中へと入れました。もう片方は、これを食べるか少しかじって、もう片方も同様にしました。
 それから、この2匹の鳥は、人の姿へと変わりました。それぞれは、紙の王冠のようなものをかぶっています。それらは白く輝いていますが、銀ではないように見えます。彼らの歯は金色で、その手、足首、舌、目、耳も同様に全て金色です。
 この2人の男のそれぞれは、右肩に26個の金の王冠を乗せ、それらは他よりも大きくなっています。彼らは側面には、バルマー*1の鞄のような鞄を持っており、そこには金が満ちていて、彼らは鞄から取り出すと、種のように撒いていき、農民のように前へと進んでいきました。
 それからミカエルに『これが最後である』と言いました。2人の男は消え去りました」


ミカエル「これらの神秘を学ぶのだ」
ディー「我らに教えたまえ(霊的な生き物よ)」すると、ミカエルは言った。
ミカエル「(心の)豊かな者に喜びと健康は与えられる。
 強き錠を開け。
 悪しき者に慈悲深くあれ。
 貧しき者を奮い起こせ。
 無知な者を導け。
 我は汝に満足している。理解せよ。
 彼らを導け。神は汝に彼らの中の幾らかの光を与えるであろう。
 我は汝に満足している。


 汝ら2人よ、どのように喜ぶべきか。


 神により、
 その意図と目的により。
 神において、汝は何者であるか。
 汝は何者であったのか。
 汝はこれから何者であるべきか。


 この神秘を求めよ。
 我らの助言に無いものは忘れよ。
 神よ、万物を開いた者よ。世々限りなく、秘密はその神秘であり、聖なるものはその御名である。その臨在の徳は、ここでは去り、汝と共にある」
ディー「アーメン。
 余は、蝋、図、指輪、ラメンなどで何をなすべきでしょうか?」
ミカエル「これらが準備された時、汝はどのように用いるかを知るであろう」
ディー「指輪を彫るにはどのようにすべきでしょうか? エドワード タルボットが彫れないならば、他の者に任せられるでしょうか?」
ミカエル「どのような正直な者によっても、(我が教授に従って)造る事が出来よう」
ディー「我らが実践のために、部屋について汝は何を述べられましょうや? 我が最も小さな部屋も、ベッドを取り除いたならば仕えられましょうか?」
ミカエル「部屋についての我が次の呼びかけで、汝は何をなすべきかを知るであろう*2


 神の賜物に祝福を。その働き全ては聖なるかな。アーメン。
 この会合は4時半に終わった*3


ディーの日記 1582年11月15日
↑ ディーの日記


*1 バルマーとは聖地イスラエルへの巡礼者で、パルム(シュロ)の枝を記念として持って帰っている。
*2 とミカエルは言っているが、次では述べていない。これは次の日記との間に失われた別の書があった可能性がある。
*3 この5月4日の日記と、次の第4の書の11月15日の日記の間には大きな間があり、その間にエドワード タルボットはケリーと改姓している。編者アシュモールは、この2人は別人ではないかと疑っているが、ディーの他の(世俗の)日記を見る限りは同一人物である。