ディーの日記 1582年3月20日

ページ名:ディーの日記 1582年3月20日

1582年3月20日 火曜日 朝の10時頃


ディー「汝はウリエルか?」
ウリエル「そうである。我らは汝に、その良き行い*1に感謝する。我らは今は汝らを訪れる事は出来ない。12時には、汝は我らを用いられよう」
ディー「神の望むままに」




同日 正午の2時頃


 12時には我がパートナーは他の問題で忙しくて、昼の2時までかかった。そして、余らは水晶玉へと近づき、そこにミカエルとウリエルを見つけた。ミカエルはすぐに立ち上がり去っていったが、また戻ってきた。その時に、ミカエルは右肩に黄金で出来たように見える7つの小さなバスケットを運んできた。


ミカエル「汝の扉を閉じよ」


 余は、我が研究室の外側の扉を開けたままにしていたが、その入り口の扉を閉じた。
 ミカエルは、金箔の7つのバスケットを取ると、それらをキャノピーの境界に沿って円形に吊るしていった。


ミカエル「見よ、この神秘を。主、イスラエルの神に祝福あれ」


 それからミカエルはキャノピーを広げ、あるいは伸ばしていき、それは世界全てを包んでいるかのようであった(これは水晶玉の中に見えた。また天と地もである)。そのため、見霊者は今では天を見る事が出来ずにいた。そして、バスケットらは、全て均等な距離で、地平線の境界で吊るされているように見えた。


ミカエル「汝は何を持ちたいのか?」
ディー「知恵であります」
ミカエル「汝は(印に)書かれた名前を読むのだ」


 先に与えられ余が理解した規則に従って、ここにこれらの名前を書いた。


 Thaaoth
 Gal(a)as
 Gethog
 Horlωn
 Innon
 A^aoth
 Galetsog


ミカエル「最後の名前を見よ」


 余は、数を間違って、(一見して)Galetsogと書いたが、それはsではなくhであるGalethogであるべきであった。


ミカエル「さもなければ、汝は過ちを犯したままであったろう。これらは全て正しいが、順番はそうではない。この2番目は1番目であるべきで(その御名は永遠に称えられるべきである)、ここでの1番目は我らの3番目で、ここでの3番目は、我らが2番目であるべきだ。よって、以下の様にすべきである」


 1.Galas
 2.Gethog
 3.Thaoth
 4.Horlωn
 5.Innon
 6.Aaoth
 7.Galethog


ミカエル「円周を最初の角度から次へと、右から左へと向けて働くべきである。


 ミカエルは、この文字を示した。


ミカエル「右手側(すなわち、その前に)に5の数を、十分な距離で置くのだ。よって、

5となる」


 そののち、ミカエルは第2の文字、ローマ字の大文字のAを示した。よって、A+ 24となった。



 それからミカエルは、円と十字架のついた複合の文字を示した。



 ミカエルは、円のこれらの区分のそれぞれの端に小さな十字架を書いていたので、余もそうした。
 これらの7文字を示した後に、ミカエルはこれらを全て見える範囲で自らの胸へと集めた。これらの文字を示した板は、円の形をしていた。また、純粋な金で出来ているように見えた。7文字が置かれると、ミカエルは述べた。



ミカエル「全ては1つである」


 それから、ミカエルは胸から7枚の板を取り出して、ウリエルは彼の前で跪いた。それから板らは2枚の翼が広がったように見え、キャノピーの下の天へと飛んで行った。
 それから、7つのバスケットのうちの1つ(それは東にあるものである)が、ミカエルの元へと来て、ミカエルは述べた。


ミカエル「これを確証せよ。これは、過去、現在にて永遠にあるからである」


 それからミカエルは再び立ち上がり、その足は真鍮の柱のようになった。そして言った。


ミカエル「天を統治する神の御名はいかに強きことか。神に信仰深くあれ、その統治は永遠に続くゆえに」


 ミカエルはこのバスケットを開くと、そこから大きな炎が現れた。


ミカエル「汝がなした印の次の円を7つの部分に分割せよ。あらゆるものは7つある」


 注記。(時の長さにて)7つは7つに休み、7つは7つで生き、7つは7つを支配し、全ての支配者は7つである。神に祝福あれ、真に、主に祝福あれ。我らが神を称えよ。その御名は大いなるものである。全ての誉れと栄光は、今も永遠に神のもとに。アーメン。


 1. それからミカエルは、バスケットの中の火から、鳩のような白い鳥を取り出した。この鳥は胸の7枚の羽根の最初のものに、Zの文字があった。この最初の羽根は左側にあった。


ミカエル「書き記せ。これは7つの神秘であり、地を統治する7つの統治者をさらに支配する7つの支配者である。ハレルヤ。これらの文字を書き記せ」


 次に第2の羽根には小文字のlがあった。ミカエルはこれら最初の2文字を他の羽根で覆った。第3のものは他のようにlである。ミカエルはこれも覆った。その次はRで、これも覆った。第5のものはローマ字の大文字のHで、これも覆った。第6の羽根には小文字のiがあり、ミカエルはこの羽根も隠した。最後の羽根には小文字のaがあった。


ミカエル「神を称えよ」


 それからミカエルはこの鳥をバスケットの中に入れて、下に降ろした。それからミカエルはこのバスケットを空へと吊り上げた。ミカエルは剣を抜くと余らの上へと掲げて、祈るようにと命じた。余らは祈った。


 2. それからミカエルは手を伸ばすと、別のバスケットを引き寄せた。そこから白い鳥を取り出したが、それは他のものよりも、はるかに大きく、白鳥くらいに大きかった。その胸には7枚の羽根があった。


ミカエル「神は語り、それらがなされた。書き記せ」


 その第1の羽根には、小文字のaが表面にあり、それは去っていった。次の羽根には大文字のZが第1のもののようにあり、その次は大文字のC、その次は小文字のa、それからまた小文字のa、それから小文字のcがある羽根があり、次には小文字のbのものがあった。それからミカエルはこれらを全て覆った。


ミカエル「汝は真理を得ている」


 それからミカエルは、この鳥をバスケットに入れて、他のように空へと吊り上げた。
 そして、第3のバスケットがミカエルのもとへと来て、その形が大きさが孔雀のような、全てが草のように緑色をした鳥を取り出した。


ミカエル「そして汝は神と共に生き、汝の王国はそれらとともにある」


 この鳥の胸には7枚の羽根があり、それらは黄金で火のようであった。


ミカエル「書き記せ」


 その第1の羽根には小文字のpがあった。次には小文字のaが、その次は小文字のuが、その次は小文字のpが、その次は小文字のnが、それから小文字のhが、それから小文字のrがあり、ミカエルはこの鳥をバスケットへと入れて、空へと吊り上げた。


 それから別のバスケットがミカエルの手へと来た。


ミカエル「神は天のこれらの者に力を与えた。その力は偉大なり。祈れ」


 余らは祈った。


 4. それからミカエルはバスケットから鳥を取り出した。それは他のものよりも大きく、(一般的に知られている形をした)グリフォンのようであり、その全ては火のように赤く、真鍮のような羽根もあった。それから、この7つの羽根の上に文字が現れた。


ミカエル「書き記せ」


 第1には、小文字のhが、次には小文字のdが、次には小文字のmが、それから小文字のhが、それから小文字のiが、それから小文字のaが、それから小文字のiがあった。それからミカエルはこの鳥をバスケットに戻して、このバスケットを空へと吊り上げた。


 それから別のバスケットがミカエルのもとへと来た。注記。これら全てにおいて、天空は見えずにいた。


ミカエル「力あるは天使らとともにある神であり、偉大さは天のその力である。祈るのだ」


 余らは祈った。


 5. それからミカエルは別の鳥を取り出したが、それは鷲のようであり、その体全ては黄金のようで、その胸には羽根による小さな円があった。そして、その中では、4本の平行した線の間に、12の正方形があった。また、その上の真ん中にも、他の12のものに似た正方形もあった。以下のようにである。



 それから、ミカエルは鷲をバスケットへと戻すと、空へと吊り上げた。
 そして、別のバスケットが来た。


ミカエル「御身の御使い*2は天で偉大な者である。祈るのだ」


 ミカエルは開かれたバスケットを閉じて脇に置いて、その全ては消え去ったように見えた。そして残っているバスケットらは、なおもキャノピーの境界に吊るされていた。それから、ミカエルは再び来て、去った。それから、ウリエルが来て、バスケットを持っていた。ウリエルの足は、先にミカエルがそうであったように、非常に高い真鍮の柱のように見えた。


ウリエル「これは神秘である。ミカエルはここにあり、先にいた、ここにはいない*3


 6. ウリエルはバスケットを開いて、白鳥のように大きなフェニックス(あるいはペリカン)を取り出した。その全ては火のように輝いていた。その嘴は胸元へと曲げられ、血を流していた。その胸は自らの羽根によって作られた四角形をしており、その形は以下のようなものである。ウリエルはこれをバスケットに戻すと、他のバスケットのように空へと吊り上げた。



 それから、最後のバスケットが来て、ウリエルはなおも立ったまま述べた。


ウリエル「天の輝ける神は、その力を自らの天使らに与えた。祈るのだ」


 余らは祈った。


 7. それからミカエルが来て、ウリエルからバスケットを受け取ると、先のように大いなる真鍮の足で立った。ミカエルはバスケットから、多くの翼を持つ奇妙な鳥を取り出した。この鳥は額に、以下のような形の図を持っていた。



ミカエル「そして神は彼らと一つへと加わった」


 全てのバスケットは飛び去り、またキャノピーも消え去り、天は現れた。
 今やミカエルは来て、その椅子に座った。それからウリエルに向かって、「これらの神秘を明らかにするのは、汝の部分である。我らが神の御名において向かうのだ」と言った。
 ウリエルが来てミカエルの前に立つと、言った。


ウリエル「汝は何を望むか? 我らが仲間にして、神の僕よ。汝は何を望むか?」
ディー「我らに必要なものといった、完全な知識と理解です*4
ウリエル「汝が理解できないならば、求めて見よ。我らは少しの期間だけ帰る事にするが、再び汝と出会うであろう」


 そういうと彼らは去って、水晶玉には火のみしか見えなくなり、椅子もテーブルも見る事が出来ずにいた。
 15分ほどしてから、ミカエルとウリエルの両者とも再び来た。


ミカエル「円の最上部の次の、この7人の天使らを見よ」


 ウリエルは来て、ミカエルの前に立った。


ウリエル「これらの7つの文字は、唯一にして永遠なる神の7つの封印である*5。神の7人の秘密の天使らがあらゆる文字から導かれ、十字架が形成される。その形質は御父を、その形は御子を、その内側は聖霊を表している。これらを見よ。それは汝が先に持っていた名前の1つである。あらゆる文字は輝きの天使、神の7つの内なる諸力を含んでおり、それらは誰も知らず、神のみが知る。この世界の全ての生き物を生や死、あるいはその他のいずれをも駆り立てる充分な絆である。また、邪悪な者を消滅させ、悪霊らを追い払い、海を鎮め、義人を力付け、正しき者を高め、邪悪な者を破滅させる。神は7つの中の1つであり、2つの3つ組と1つである。神は全体の中の7つである。神は全能にして、その御名は永遠であり、その真理は廃れる事が無く、その栄光は無限である。その御名に祝福あれ。御身、我らの神に永遠に祝福あれ。
 汝は円の上部に含まれる、この数を挙げなくてはならない。これらから、その内側の部分の万物は含まれているからである。汝がそれを理解するならば見よ」
ディー「余はそれがGALETHOGの文字だと見つけました」
ウリエル「まさに、そうである」
ディー「神と汝によって、余は今、(また)それらに含まれた数も理解しました」



ウリエル「神の霊により、この中の闇が照らされるように、我も照らし出し、それによって数えきれない最も聖なる語られざられし諸神秘を見るように、主は汝の不完全さを照らし、汝の精神に栄光を与えるであろう。
 では、次の部分であるが」


 ミカエルはなおも、自らの剣を手に持って座ったままである。


ウリエル「汝が先に働いていたこの部分には、7人の天使らが含まれている。汝はそれを理解しているか?」
ディー「まだ知りません」
ウリエル「なんと、天の諸力の裁きから人はいかに遠いことか? 邪悪な者から隠された、これらの秘密はいかに遠いことか? 永遠に見る神に栄光あれ」
ディー「アーメン、アーメン、アーメン」
ウリエル「汝はこれらの文字を7つずつに分割し、別の紙に書き記せ*6。よって、以下のようにせよ。これは、1つめ(左上)から読み、下へ向かって読んでいけ*7



ディー「余はこれらから、Zaphkiel、Zadkiel、Cumael、Raphael、Haniel、Michael、Gabrielを読みました*8
ウリエル「汝は正しく読んでいる」
ディー「神に栄光あれ」
ウリエル「汝が見るように、いかに慈悲深き神は、その僕を扱うことか。ここにある、あらゆる文字は、72の徳の数を含んでいる*9。これらの名前を、汝は知らねばならぬ。これらは世界にはほとんど知られていないが、明らかにされる」


 ウリエルとミカエルは共に、余らに向かってこのように祝福を与えた。


ウリエル・ミカエル「我らは汝らの魂、心、体、全ての行いを祝福する」


 ミカエルは剣を掲げると、我らの頭に向かって炎が流れ込んできた。



ミカエル「また我は汝に、慰めの他にも、多くのものを示すであろう。汝は何を見たいか?」


 ミカエルは見霊者に向かって述べた。そして、彼はこの部屋、あるいは研究室の余らの周囲に数えきれない数の天使らを見た。それらはいずれも、火の翼を持つ非常に美しいものだった。それからミカエルは言った。


ミカエル「これらを邪悪な者から汝らは隠さねばならぬ。これらの図を秘密に保て。神は永遠に生きる秘密である。人は儚いものだ。ではさらばだ。彼は諸書を得るために行かねばならない。さもなければ、それらは失われるであろう」


 ミカエルの言葉の意味は、我がパートナー、エドワード タルボットが先に述べたモンティーグル卿の書がある*10ランカスター(か、その近く)へ行く必要があるというものである。


 この会合は1582年3月20日 火曜日の正午5時に終わった。


ディーの日記 1582年3月21日
↑ ディーの日記


*1 ディー注。余は彼らへの特別な祈りを作り、書き、修正していた。
*2 この御使いと訳するNuncius(Nuntius)は中世ラテン語ではガブリエルを指す事が多い。
*3 ディー注。ミカエルは第6の名前である。以下を参照せよ。
*4 ディー注。これは余の古くから常に行ってきた祈りである。
*5 ディー注。これらの多くの大いなる神秘と印において、これらの7つの様々な十字架とこれらの7文字があるのに注意せよ。
*6 1番目の鳥にある文字「ZllRHia」を1行目に置き、2番目の鳥にある文字「aZCaacb」をその下の2行目に置き、と繰り返していき、7行を合わせて作ると、以下の図のようになる。
*7 ディー注。48文字がここにあり、1つは十字架によって記されていて、これは49番目となる。この十字架と天使らについては、1584年6月25日(の日記)を参照せよ。
*8 これらの7天使は、アグリッパのオカルト哲学の第2の書の10章で、神の御前に立つ7天使として記されている。ミカエルとウリエルは7大天使を示すのに、単にオカルト哲学を読めと言えば済む事を、かなり回りくどい方法を使っている。
*9 ディー注。72の徳を48で掛けると、3456を与える。
*10 第3代モンティーグル男爵ウィリアム スタンリーは1581年に亡くなっており、その資産売却の機会に遺品の書をディーは購入しようとしていたようである。