ディーの日記 1582年3月15日

ページ名:ディーの日記 1582年3月15日

1582年3月15日 木曜日 正午の1時15分


 エドワード タルボットが水晶玉に呼んだ後に、輝く金の非常に高価な王錫を持つ背の高い男が現れた。その体は全て赤く、その頭からは太陽光線のように光線が放たれていた。彼は誰で、何という名であるのを知りたく余は熱心に尋ねたが、彼は以下の様に答えた。


天使「主の御名を呼び、認めよ」


 それから、余は詩篇67篇1節の「神が我らにあわれみと祝福を与え……」と祈った。その後、彼は述べた。


力ある者「我は、力ある者マイティ(Mighty)」


 この天使は名前を宣言するのを拒否したので、見霊者エドワード タルボットは、父なる神、その御子なるイエス キリスト、聖霊の御名によって、自らの名前を述べるように求めた。すると、天使は以下に述べるように答えた。


力ある者「我はやがて述べよう」


 それから、この天使は小さなロウソクのようなものに、その頭から小さな輝く火花を取ったように見えた。そして、それらを椅子の周囲に置いていき、椅子の周囲を回ってから、以下の様に述べた。


力ある者「我は力ある者、そして驚異を働く者。我が名は、サラミアン(SALAMIAN)*1。我は天を支配し、永遠に祝福された神の御名により地を統治する。汝らは我になせ。我は神の従者にして、その光の下に仕える。まさに我は神に畏れと崇敬を持って仕える。我が名はサラミアン。太陽の力ある者、内にも外にも世俗の活動の働き手、神に知られる者、我は神の御名を知り、永遠に祝福する」


 それから、空中にこの天使から大きな炎が現れた。


サラミアン「汝らが知らぬか、知るつもりが無いのかはともかく、マモン*2とその従者らが汝の周囲にいるのだ。これらの存在は、我らに来る主アドナイの徳の臨在を防いでいる。いと高き神に祝福あれ。アーメン」


 天使は先に述べた炎を取ると、天へ向けて投げ上げた。


サラミアン「マモンは神が憎む魔王の一人であり、それらの徒党は、主や聖油を塗られた者に対して、常に誘惑し邪悪な考えを刺激している。だが今この悪魔は見つかった。神に永遠に祝福あれ。マモンを追い払うのだ」
ディー「汝が行うほうが、比較にならないほど容易でありましょう。そして我が徒党に関しては、肉体にも魂にも、これらの存在や働きをいずれも感じませぬ」


 すると、天使は(余らがいる)部屋全体を非常に明白に水晶玉に映し出した。そして、そこに悪霊らの大きな集団も示した。それらの中に1体、最も恐ろしく、陰惨に脅威を与える者が、我らの頭へ向かって近づこうとして、嘲り歯を軋らせていた。


サラミアン「神はその神秘を、術と徳により決定する」


 それから天使は余に、これらを追い払うことを強く望んだ。そして余は熱心に祈った。すると、ある非常に腕の長い者が水晶玉に来た。彼は勇敢にこれらを追い払っていった。その後には全身が白い者が水晶玉に来た。サラミアンはこの白い者に杯を与え、白い者は杯を掲げて以下の様に言った。


神の癒し「見よ、これが我が名なり。汝に神の祝福あれ。恐れるな。汝の信仰が、我の名を語るように刺激させ、これがそうである(再び杯を出した)。我はMedicina Dei*3と呼ばれるからである。我は汝に、オク*4と呼ばれる汝の進む道を示す天使を示すであろう」


 この名を彼が語るとともに、その文字も(彼の前の)テーブルに書く事で示した。


神の癒し「彼は太陽光線の強さがあり、以後は汝に利益を与えるだろう」


 それから別の者が来て、椅子に座ると、以下の様に述べた。


神の力「生ける神の力。神は永遠に統治する。我はFortitudo Dei*5である」
ディー「では、あなたはガブリエルでしょうか。余は汝をこれまで(神の力を)ミカエルとして記してきました。では、余はこれまでミカエルとして書いてきた我が書を汝の名にどう書き直すことが出来ましょうや?」
神の力「汝が書いてきた事は、そのままにしておけ。それは真実である。この名、POLIPOS*6を書き記すのだ。汝はこれを理解したか?」
ディー「いいえ、ですが神が知るでしょう」
神の力「その日が来るならば、我は汝に語るであろう。だが汝は我が命じた事をなせ*7。さすればソロモン王の時のように、我は汝にも真実とともにあろう」


 それから別の者も来たが、余らはそれをウリエルと受け取った。なぜなら、前のように彼はテーブルにもたれかかっていたからだ。


神の力「知恵を求め、学ぶのだ。さすれば主は汝に授けるであろう」
ディー「余は汝の言葉や行動を記述するのに、汝の名か、余が用いる特有の文字を真に知るように神に懇願する」
神の力「我には名は無く、これは我が職能である。ここに来たサラミアンもそうで、我によるものである。彼は力ある君主であり、我が力の下に天を支配する。これは汝の教授のためには充分である。我はソロモン王と、その全ての働きと驚異とともにある。また同様に、神が定めた者にもである。神はその御名を知り、地の面からそれを隠したりはしない。その御名は窓に置かれた書の中に書かれている」
ディー「それはアグリッパの書の事を意味するのか? そこに、サラミアンの御名により表現されているのか?*8
神の力「我が述べた通りである」
ディー「我ら2人に、共に働くべく何の命令を汝は定めるのか? ここにいる我が友(ケリー)は自らの関連する他の意図や目的があり、これらの行動の中でそれらの助けとなるなら余に仕えるであろう」
神の力「共に祈るのだ。神は汝らを祝福しているからだ。これらを疑うなかれ。これらの神秘について考えるのだ」


 それから水晶玉の中にいる天使らはお互いに対話をしていたが、エドワード タルボットの耳には良く聞こえなかった。
 最終的には神の力はエドワード タルボットに多くの事を素早く語り、意図する活動のための全ての実践の方法と環境について、その黄金のラメン、指輪、印章などとともに明らかとした(これは水晶玉のあるこの場所で彼が余に述べたのではなく、後の説明である)。そして余にもその方法を、語られた全ての事柄を意図的に準備する事について示すように望むと、彼は述べた。


神の力「全ての事柄において、神の御名において我を用いよ*9。全ての神秘などを明らかとする神に祝福あれ*10。我は必要ある力である。そして見よ、ここに傷への薬がある。我らは主を祝福し、ガブリエルの共同体により大地を支配する。それらの力は我らとともにあるが、彼はここには居ない。忍耐を用いるのだ」
ウリエル「我はエズラとともに生きた。我は彼と生き、永遠に生ける主とともにあった」
神の癒し「我はトビアとともに生きた。若いトビアとだ」


 これらを語るのは白き生き物であった。


神の力「我らは永遠に称えられる主とともに生きる」


 余はこれらの間、沈黙したままにあった。


神の力「汝のものは何か?」
ディー「余は汝が言うであろうものに付き従っております」
神の力「我は既に述べた」
ディー「余は今汝と対処するのに長くかかっています。余は信用をし、汝に背く事はありません。我が郎党において、余は心から日夜、行うべきこれらの方法に従い、我が肉体に、諦める前に疲労に倒れるまで働かせるよう命ずる事すらしましょう。ですが、余はここでの我が友(ケリー)に弱さをもたらすのではないかと恐れています」
神の力「この試みには怖れる事は無い」


 次に天使は椅子から立ち上がり、彼と周囲の他の天使ら全てが、両手を我らに伸ばして十字にし、共に我らに祝福を送った。それから彼らは立ち去った。テーブルと椅子は(水晶玉に)残ったままにあり、輝く火花、小さな光の流れが椅子から即座にあった。


 栄光、感謝、誉れは全能の三位一体に。アーメン。


ディーの日記 1582年3月16日
↑ ディーの日記


*1 ディー注。このサラミアンについて、汝はアバノのピエトロの魔術の要素の主日(日曜日)の召喚文の中にサラミアとあるのを読む事が出来よう。
*2 マンモンとも。もとは富を意味するアラム語だったが、中世には富や貪欲を司る悪魔と考えられるようになった。イエスも「神とマモンの両方に仕える事は出来ない」と述べている。
*3 神の癒し。ラファエルのこと。
*4 ディー注。オクはアルバテルの書の太陽の霊である。
*5 神の力。ガブリエルのこと。
*6 アグリッパのオカルト哲学の第3の書の34章を参照。使徒の一人フィリポのこと。
*7 ディー注。おそらくはアナエルの助言を彼は意味するだろう。特別に述べられた前のものならば。
*8 ディー注。これはアグリッパの鍵(訳注 オカルト哲学 第四の書のこと)と共にあるアバノのピエトロの「魔術の要素」で、この書は我が小礼拝堂の窓の下にほとんど常に置かれていた。
*9 このページの上1/3は失われている。
*10 余白のディーの言葉。神はサウルに復讐しよう。彼はその御名を被造物に対して悪用したからだ。彼はこの種への罪がある。彼の懲罰は大きなものとなり、そのため余との関係も終わった。