ゴエティア 準備の招聘

ページ名:ゴエティア 準備の招聘

 この呪文「生まれ無き者の招聘」はマサース&クロウリー版ゴエティアの本文の前に含まれていた内容で、ゴエティア本文とは何の関係も無いので、こちらに置いておく。なぜクロウリーがこれを含めたかは謎*1だが、昔から力ある呪文として魔術師の間では知られていた。クロウリーはこれを聖守護天使の知遇と対話を得るために用いていた。
 この呪文は、元は古代ギリシア / エジプト時代のエクソシズムを扱った魔術文書から来ているが、クロウリーの訳はあまり良くない。例えば、「生まれ無き者(bornless one)」は、実際には「頭無き者(Headless one)」と訳する方が正確など。またクロウリーがエジプトの神々の名などを意味の無い蛮名へと意図的に変えている箇所も多々あり、クロウリーのオリジナルと考えた方がいい。
 クロウリーは後に、これを拡張してサメクの書を書いている。


準備の招聘


 我は汝、生まれ無き者を招聘する。
 天と地を創りし者よ。
 夜と昼を創りし者よ。
 闇と光を創りし者よ。
 オソロノフィリスよ。
 何時たりとも誰も見ない者よ。
 ヤバス(物質の真理)よ、ヤポース(動きの真理)よ。
 公正と不正を分かつ者よ。
 女と男を創りし者よ。
 種と果実を生み出した者よ。
 人々をお互いに愛させ、憎ませた者よ。


 我はモーシェ、汝が密儀、イスラエルの儀礼を明かした汝の預言者である。
 汝は湿地と渇いた地を創り、全ての命で満たした。
 我が言葉を聞け。我はファフロー オソロノフィリスの天使ゆえに。これは汝の真名であり、イスラエルの預言者らに伝えたものである。


 我が声を聞け。
 アル、ティアオ、ルヘイベト、アセレベルセト。
 アー、ブラタ、アベウ、エベウ、フィー。
 ティタソエ、イブ、ティタオ。
 我が声を聞き、全ての霊を我に服従させよ。それにより、天空とエーテルの、地と地下の、乾いた地と海の、渦巻く風と燃える炎にある全ての霊、さらに神のあらゆる呪文と懲罰は我に服従せん。


 我は汝、霊の虚無に住まう、恐るべき不可視の神を招聘する。
 アロゴゴロゴブラオー、ソトウ、モドリオー、ファラルタオー、ドオオ、アフェー、生まれ無き者よ。
 我が声を聞き、全ての霊を我に服従させよ。それにより、天空とエーテルの、地と地下の、乾いた地と海の、渦巻く風と燃える炎にある全ての霊、さらに神のあらゆる呪文と懲罰は我に服従せん。


 我が声を聞け。ロウブリアオー、マリオーダム、バルブナバオト、アッサロナイ、アファニアオー、イー、ソテト、アブラサル、アエオオーウ、イシュウレ、力ある生まれ無き者よ!
 我が声を聞き、全ての霊を我に服従させよ。それにより、天空とエーテルの、地と地下の、乾いた地と海の、渦巻く風と燃える炎にある全ての霊、さらに神のあらゆる呪文と懲罰は我に服従せん。


 我は汝を招聘する。マー、バッライオー、ヨーエール、コタ、アトレーバロー、アブラオト。
 我が声を聞き、全ての霊を我に服従させよ。それにより、天空とエーテルの、地と地下の、乾いた地と海の、渦巻く風と燃える炎にある全ての霊、さらに神のあらゆる呪文と懲罰は我に服従せん。


 我が声を聞け!
 アオート、アバオート、バスム、イサク、サバオト、イアオ。


 汝は神々の主である。
 汝は宇宙の主である。
 汝は風らが畏れる者である。
 汝はその命により声を創りし、万物の主である。王にして支配者、救い手である。
 我が声を聞き、全ての霊を我に服従させよ。それにより、天空とエーテルの、地と地下の、乾いた地と海の、渦巻く風と燃える炎にある全ての霊、さらに神のあらゆる呪文と懲罰は我に服従せん。


 我が声を聞け。
 イエオウ、フゥール、イオウ、フゥール、イアオート、イアエオー、イオオウ、アブラサル、サブリアム、ドー、ウウ、アドナイエ、エデ、エドゥ、アンゲロス トン テオン、アニアイア ライ、ガイア、アペ、ディアタンナ トルン。


 我は汝! 生まれ無き霊なり! 足を視る者、強き不滅の炎なり!
 我は汝! 真理なり!
 我は汝! 悪が世界に働くのを憎む者なり!
 我は汝、稲妻と雷鳴なり。
 我は汝、地に命を注いだ者なり。
 我は汝、その口が常に燃える者なり。
 我は汝、輝く光を発現させる者なり。
 我は汝、世界の恩恵なり。


「蛇が巻き付く心臓」が我が名なり!


 汝よ、来たりて我に従え。そして全ての霊を我に服従させよ。それにより、天空とエーテルの、地と地下の、乾いた地と海の、渦巻く風と燃える炎にある全ての霊、さらに神のあらゆる呪文と懲罰は我に服従せん。


 イアオ、サバオ。
 これらが言葉なり!


アレイスター クロウリー


*1 おそらく、これを唱えて神の意識状態となって、呼び出す72の霊らに服従させるようにする為だろう。グリモア魔術の伝統的には、数週間前から魔術師は聖書を読み祈る事で、意識を神に近づかせていた。