シヴァ サンヒター

ページ名:シヴァ サンヒター


 シヴァ神は、ヒンドゥー教で宇宙創造のブラフマー神、維持のヴィシュヌ神と並ぶ破壊神として知られ、多くの信者を持つが、同時にヨーガの創始者とも信じられている。そのシヴァの名を関するヨーガ経典が、シヴァ サンヒターである。
 このサンヒターは概論を意味し、シヴァ神が述べるヨーガの概論といった設定の経典である。勿論、実際にシヴァ神が書いたわけはなく、17世紀頃のベナレス地方のタントラ行者が実際の著者のようである*1
 ヨーガ経典ではパタンジャリの「ヨーガスートラ」と並び重要な書とされ、特にハタ ヨーガでは、「ゲーランダ サンヒター」「ハタ ヨーガ プラディーピカー」と並ぶ三大経典とされている。


 内容は、まず第1章でヴェーダンダの不二一元哲学の簡略な説明をし、次の章からはヨーガの戒律、グル(師)を持つ重要性、7つのチャクラの開発のための諸行法と、それによって得られるシッディ(超能力)の説明が続く。パタンジャリが瞑想の個々の側面を重視するのに対して、後期のこの経典では特別な行による覚醒に重点を置いている。
 また世帯主のように出家隠遁できない者が特殊な行法によって解脱を得るのも可能だと述べているのも、古代には無い特徴であり、この時代のヨーガ(タントラ)の流れを感じさせる。
 本訳書は1914年にチャンドラ ヴァスにより英訳された版を基にした。もっとも、第4章のヴァジロリ ムドラー(性ヨーガ)に関する部分は(性モラルに厳しかった当時の明らかな理由から)原書では省かれていたので、他の版から付け足しておいた。



シヴァ サンヒター 1
シヴァ サンヒター 2
シヴァ サンヒター 3
シヴァ サンヒター 4
シヴァ サンヒター 5
シヴァ サンヒター 5 後編


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*1 しかし別の説では13世紀から15世紀にまでテキストは遡れるという。いずれにせよ中世の経典である。