オカルト哲学 3-61

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第六十一章 神や低位の神々に対して、何を行うべきか


 それゆえ、あらゆる崇拝、寄進、供犠、禁欲、招聘は、神のみに捧げられたものか、天使や星々、英雄といった低位の神々に捧げられたかによって違い、それらの規則も行われねばならない。
 何らかの効果を得るために神のみに捧げられた祈りは、聖書のいずれかの部分から用いた作業、奇跡、秘蹟、約束とともに行う必要がある。例えば、敵の破滅を願う場合は、神が大洪水によって巨人族らを滅ぼした内容*1や、バベルの塔の建設者らの言葉を混乱させた話*2や、ソドムやゴモラを天からの火で燃やした話*3や、ファラオの軍勢を紅海で沈めた話*4などにちなんだ祈りの儀礼とする。加えて、詩篇の中から呪いに関した幾つか*5や聖書の他の箇所からのものを加える。
 同様に汝が海の危険に対して願う場合は、大洪水からノアが救われた話*6や、イスラエルの民が紅海を通った話*7や、キリストが海の上を乾いた土地のように歩いた話*8や、嵐の中で風と水に命じて船を救った話*9や、使徒ペトロが海の波の中に沈みそうだったのを引き上げた話*10などの儀礼とする。
 だが、神託や夢の啓示を求めての祈りでは、神や天使、英雄のいずれにせよ、旧約聖書の中に多くの例がある。そこでは神は人々と語り、多くの箇所で予兆や啓示が記されている。これらの他にも預言の夢は、旧約聖書ではヤコブ*11、ヨセフ*12、ファラオ*13、ダニエル*14、ネブカドネザル*15、新約聖書では黙示録のヨハネ*16やパウロ*17のものがあり、ヘレン、コンスタンティヌス大帝、シャルル*18のような聖なる魔術師らもおり、メソディウス、キュリリウス*19、ヨアキム、マーリン、ブリギット、メキティンディス、ヒルデガルドといった後の預言者らもいる。これらの神々を敬虔に招聘するならば、しばしば神的な啓示を与えるのである。
 さらに、我々は神の様々な御名を唱えるべきであるが、特に自らの望みと関連するものや、相応しいものにすべきである。敵の破滅のためには、我々は怒りの神、復讐の神、恐怖の神、正義の神、不屈の神の御名を招聘すべきである。だが、危険を避けるためなら、哀れみ、守護、救い、善意といったような御名を招聘すべきである。
 さらに、我々が望む事に関連した職能の天使、星、英雄に嘆願する必要があるが、これらへの招聘は数、重さ、計測に適したもので、それらの儀礼と関連する規則に則って行うようにせよ。これらの間には違いは無いが、呪文は我々の精神に大きく影響を与え、それらの情熱を動かす事で、確実に神々を楽しませるのだ。だが祈りは崇拝の方法によっていずれの神々にも示されるもので、その根源は聖別がなされる事と同じであるが、これについては私は次の章で述べるつもりである。


オカルト哲学 3-62
↑ オカルト哲学 第三の書


*1 創世記 第6章4-7節。
*2 創世記 第11章5-7節。
*3 創世記 第19章24-25節。
*4 出エジプト記 第14章28節。
*5 例えば、詩編 第109篇など。
*6 創世記 第8章1節。
*7 出エジプト記 第14章22節。
*8 マタイによる福音書 第14章25節。
*9 マタイによる福音書 第8章23-26節。
*10 マタイによる福音書 第14章31節。
*11 創世記 第28章12-15節。
*12 創世記 第37章5-10節。
*13 創世記 第41章17-24節。
*14 ダニエル書 第2章19節、7、8章。
*15 ダニエル書 第2章31-35節、4章10-17節。
*16 ヨハネの黙示録 第1章10節。
*17 コリント人への手紙第二 第12章1-4節。
*18 おそらくシャルルマーニュ大帝。帝にも多くの奇跡の伝説がある。
*19 おそらくエルサレムの聖キュリロス。313年 - 386年。368年5月7日にエルサレムで太陽よりも眩しい燃える十字架が何時間も見えたと記録している。