オカルト哲学 3-27

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第27章 カバラ学者の伝統による、これらの名前を計算する方法について


 この種の名前に対する別の術もあり、彼らはそれを計算術と呼び、以下の図の文字が降順に並ぶ列から、神名や天使の御名のそれぞれの文字の行を見つけ、それから知りたいと望む惑星や宮の列にある文字が見つけられ、それによって(その惑星、宮の下にある)善霊の御名が作られる。だが、昇順に並ぶ文字の列を用いたら、悪霊の名前が作られる。
 そして、どの位階、天の権能にあろうとも、善であれ悪であれ、汝が上記の方法により9つの位階の名前を増やしたら、善であれ悪であれ上位の位階の別の霊の名前を導きだすことが出来るだろう。
 また、この計算の始まりは神名に拠っている。すべての言葉には神の御言葉に拠る限りは魔術の性質があり、それが枠組みとなっているからである。そのため、あらゆる天使の御名は何らかの根本の神名から導かれねばならないと知る必要がある。天使らは神の御名を抱えていると言われるが、それは聖書に我が名は彼の中にあると書かれているからである*1
 そのため、良き天使らの御名は、悪しき霊の名と見分けることが出来よう。しばしば善霊の御名の最後には、エル אל やオン*2 ון やヤー יה やヨド י といった全能の神名が付け加えられ、共に発音されるからである。ただ、ヤーは慈善の名であり、ヨドは神的な名なので、これらの2つの名前は善霊にのみ付けられるが、エルは力や性質の意味があるので、そのため善霊のみならず悪霊にも加えられる*3。悪霊といえども、エル、神の性質無しには存在できず、何一つ行えないからである。
 だが、天使の御名は、先の章で述べた天の配置より様々な星の調和の下で作られた守護神の名前のように混ぜられた名前からでない限り、同じ星、宮から取られねばならないと知る必要がある。これらの御名と図が関連する限りは、天使の御名はその関連する星や宮から取られねばならないからである。
 さらに、一部の者らは図を拡張し、星の権能、効果による天使の御名を入れたり引き出したり出来るならば、善にせよ悪にせよその権能や効果に仕えているダイモンも、そこから導かれるだろうと考えた。同様に彼らは、人物の適切な名前もこの図に入れて、そこから観相術や気質や職業や運勢などで、彼が火星的、土星的、太陽的、その他の惑星といったような、その人物に相応しい星の下での守護神の名前を引き出せると考えた。
 その種の根本の名前には、それらの意味合いからは何も力が無いか少しの力しか無いが、そこから引き出され、導かれた名前には大いなる効果がある。太陽の光線を空胴ガラスに集めるならば、太陽そのものは僅かにしか温めないものでも燃やすことが出来るようにである。
 次に、占星術師らが述べるような、10、11、12の星々と宮の下での文字が並ぶ図もある。この計算術について、ラテン文字でのアルフォンソの図というものもある。私は他にこのようなものがあるかは知らず、またラテン文字が適切かも知らない。だが、第1の書で私が示したように、あらゆる言語文字には数、序列、天や神的な起源の形があるので、この霊の名について計算する術は、ヘブライ文字のみならず、カルデア、アラビア、エジプト、ギリシア、ラテン、その他の言語の文字でも、元の図を正確に複製するならば容易に当てはめられると私は保証する。
 だが、この図には多くの者らからの反論もある。これらの図では、同じ名前での違った性質や運命の人々が、その同じ名前から同じ守護神の名前を得るのは矛盾している、と。だが同じダイモンが魂を分離させたり、同じダイモンがそれ以上多く居たりするというのは、これは馬鹿げた考えではないと知る必要がある。加えて、様々な人々が幾つも同じ名前を持つように、様々な権能や性質を持つ霊らも同じ名前、印章により記されており、それでいて様々な様相があるのである。蛇が時にはキリストを表していたり*4、時には悪魔だったりするように、同じ名前や印章が、時には良きダイモンに、時には悪しきダイモンに当てはめられよう。最後に、召喚者の燃える意図により、我々の知性は違った知性体と加わり、同じ名前で呼び我々に従うようにしつつも、時にはある霊を、時には別の霊を呼ぶ原因となるのである。
 以下において、7惑星と12宮の主導の下での善霊や悪霊の計算の図を載せておく。




オカルト哲学 3-28
↑ オカルト哲学 第三の書


*1 出エジプト記 第23章20-21節。また第3の書 25章参照。
*2 メタトロンなど。
*3 例えば、サマエルやアザゼルなど。
*4 ヨハネによる福音書 第3章14節。