オカルト哲学 3-17

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第17章 これら天使についての神学者らの意見について


 だが我々の神学者らは、(偽)ディオニュシオスの意見に従い、天使らを3つの序列に分けており、それぞれもまた3つの階級に分かれている。彼らはこれらを位階と呼び、これらについてはプロクロスもまた、9の数によって分割している。
 ゆえに、彼らは上位の位階には、熾天使セラフィム、智天使ケルビム、座天使スローンズを置いたが、これらは超越天にいる天使らで、そこで神の摂理の秩序について、その第1は神の善意について、第2は神の本質について、第3は神の知恵について熟考しているからである。
 中位の位階には、彼らは主天使ドミニオンズ、力天使ヴァーチュース、能天使パワーズを置いたが、これらはこの世の世界の天使らであり、世界の統治に向けられているからである。これらのうちの第1の者らが命令を発し、残りの者らが実行する。第2の者らは天の御使いであり、時には奇跡を働くよう助ける。第3の者らは神の法を妨害する可能性のあると思えるものらを追い払う。
 低位の位階には、彼らは権天使プリンシパリティーズ、大天使アークエンジェルズ、天使エンジェルズを置いたが、イアンブリコスも同様に考えており、これらは低位のものらの世話をするために地上に降りてくる御使いの霊である。これらのうちの第1の者らは、公共の事柄、君主や大臣、地方や王国、それらに属する全ての世話をする霊であり、ダニエル書においてペルシア王国の君が21日間立ち塞がったとある*1のがそれである。またシラの息子イエス*2もあらゆる国には支配する天使が割り当てられていると述べている。またモーセも申命記の彼の歌*3で、いと高き方は国々を分け、それぞれに神の天使らの数に従って配置したとある。第2の者らは聖なる任務に仕え、人々を神の信仰へと導き、人々の祈りと供犠を神の面前へと運ぶ。第3の者らはあらゆる小さな事柄を分配し、それらの事柄は、それぞれが保持者である。またこれらは、些細な植物や石、全ての低位のもの、神と共にある者ら、人々ともにある者らに徳質を与える。これらは仲介する御使いである。
 だがアタナシオス*4は、スローンズとセラフィムとケルビムの他にも、神の御前にて常に賛歌と賛美によりその栄光を褒め称え、我々の救いを祈る、別の位階を挙げており、それらの一般的な名前を彼は天の大軍と呼んでいる。
 これらの第1の者らは教義の位階で、彼によると、予言者ダニエルに対して、来たれ、私が世界の終末の日にあなたの民に何が来るかを教えようと述べた霊である*5
 それから、保護者の位階があり、これもまたダニエル記*6の中で、見よ、天使の君主らの一人のミカエルが私を助けに来た、とあるが、この君主らがそれである。そしてこの時、ミカエルは大君主となり、人の子らを守護する*7。また、若きトビアの旅を安全に保護していたラファエルもこの位階である*8
 この次にあるのが、代理者の位階で、これらについてはヨブ記での、天使が彼のために語り、主に懇願するなら、主は彼を哀れまれようとあるが、この天使の事である*9。また同じ位階について、シラ書の第16章の終わり辺りで、主の働きは始まりの時から割り当てた天使らによりなされ、これらの天使らは生まれた時から分配をし、永遠にその働きをなし、これらは飢えも疲れもせず、これらの働きを止める事も無く、そのどれもが、隣人を抑圧する事が一瞬たりとも無いと記されている。
 次に続くのが御使いの位階で、これについて使徒パウロはヘブライ人への手紙で、御使いたちは全て仕える霊であって、救いを受け継ぐべき人々に奉仕するために、遣わされたのではないか? と言っているが、この御使いがそれである*10
 その次は補助者の位階で、イザヤ書の中で、主の御使いが出て、アッシリア人の陣営で18万5000人を撃ち殺したとあるのがそれである*11
 それに続くのが、魂らを運ぶ位階で、これらについてはルカによる福音書で、ラザロの魂は天使らによりアブラハムの懐へと運ばれたとあるが、この天使らの事である*12。また、不正な富を用いてでも、友を作るがよい。そうすれば富が無くなっても、あなた方は永遠の幕屋に(これらの天使らにより)向かえてくれるだろうと我々は教えられている*13
 さらに補佐の位階もあり、それについてはザカリア書で、二人の油注がれた者らで、全地の主の傍らに立つ者とあるのがそれである*14
 だがヘブライ人の神学者らは、別の数の位階を考えており、彼らはこれらの順番で呼んでいる。
 最も高い位階には、ハイオト ハ=カドシュ חיות הקדש 聖なる生き物と呼ぶ者らがおり、これらにより神 אהיה エヘイエは賜物を与えた。
 第2の位階には、オファニム אופנים 諸形態あるいは輪がおり、これらにより神イェホヴァ יהוה は混沌を区分した。
 第3の位階には、アラリム אראלים 大いなる力ある天使らがおり、これらにより神イェホヴァ エロヒムと発音されるか、ヘーの文字と結びついたイェホヴァ היהוה は、液体に形を与えた。
 第4の位階には、ハシュマリム חשמלים がおり、これらにより神エル אל は、肉体の像を形作られた。
 第5の位階には、セラフィム שרפים がおり、これらにより神エロヒム ギボル אלהים גיבר は、エレメンツを動かした。
 第6の位階には、マラキム מלאכים 天使らがおり、これらにより神エロハー אליה は、金属を造った。
 第7の位階には、エロヒム אלהים 神々がおり、これらにより神イェホヴァ ツァバオト יהוה צבאות は、植物を造った。
 第8の位階には、ベニ エロヒム בני אלהים 神の子らがおり、これらにより神エロヒム ツァバオト אלהים צבאות は動物を造った。
 第9にして最底辺の位階には、ケルビム כרובים がおり、これらにより神シャダイ שדי は、人を造った。
 これらの下には、神人がおり、イシム אישים 高貴な者、強者、祝福された者と呼ばれ、これらにより神アドナイ אדני は、預言を授ける*15


オカルト哲学 3-18
↑ オカルト哲学 第三の書


*1 ダニエル書 第10章13節。
*2 シラ書 第17章17節。
*3 申命記 第32章8節。あるいは4章19節。
*4 アレクサンドリアのアタナシオス。297年頃 - 373年。キリスト教神学者、ギリシア教父、アレクサンドリア主教。ニケア公会議で三位一体論の基盤を作る。
*5 ダニエル記 第10章14節。
*6 ダニエル記 第10章13節。
*7 ダニエル記 第12章1節。
*8 トビト書 第5章4節。
*9 ヨブ記 第33章23節。
*10 ヘブライ人への手紙 第1章14節。
*11 イザヤ書 第37章36節。
*12 ルカによる福音書 第16章22節。
*13 ルカによる福音書 第16章9節。
*14 ザカリア書 第4章14節。
*15 神人が授ける預言については、士師記 第13章8節を参照。このイシムは、新プラトン主義での英雄、半神に近いもので、神と人との中間に位置する。