オカルト哲学 3-9

ページ名:オカルト哲学 3-9

第9章 神と最も聖なる三位一体について、何が真にして最も正統な信仰か


 カトリックの教会博士らや、神の信仰深い者らが宣言するに、世界には唯一の真の神、創造されず、無限、全能、永遠にあり、父と子と聖霊の3つのペルソナが永遠に共に働く、最もシンプルな本質、形質、自然の一つがあると我々は信じ、告白しなくてはならない。カトリックの信仰であり、正統な宗教であり、キリスト教徒の真理であるのは、三位一体の中にある一つの神、統一の中にある三位一体を我々は崇拝し、そのいずれもその形質が不和となる事も分割されることもないのである。
 御父は御子を全ての永遠から生み出し、その形質を与え、それと同時に自らへと保持する。御子も御父から生まれた者として、その形質を受けてはいるが、御父の適切なペルソナとは考えてはならない。御父は御子にはそれを与えていないからである。両者は一つであり同じ形質であるが、ペルソナは違うのである。この御子は御父と永遠に共にあり、世界が創造される前に御父の形質より産まれたが、にもかかわらず、乙女(マリア)の形質からこの世界へと生まれ、その名はイエスと呼ばれ、理性魂と人間の肉からなる完全な神にして完全な人であり、その全てが人であるが、原罪を抱いてはいない。
 そのため、我らが主イエス キリスト、神の御子は、神と人であり、1つのペルソナに2つの性質を持つと我々は信じる必要がある。神としては世界の創造の前に母無しで生まれ、人としては父無しに、彼が産まれる前も後も純粋な乙女(マリア)より世界に生まれた。イエスは十字架の受難に遭い亡くなるが、この十字架により命を蘇らせ、自らの死により死を滅ぼした。イエスの遺体は埋められ、(イエスの魂は)地獄へと降りるが、そこで地獄から父祖らの魂を救い、自らの力により蘇り、3日目にイエスは天へと昇り*1、彼の霊、聖霊を地上へと送り、やがては生者と死者を裁くために再び来るであろう。そしてイエスが再降臨する時には、全ての死者は再び肉とともに蘇り、彼らの働きに応じた報いを受けよう。
 これが真の信仰であり、疑いや堅固に信じない者は、永遠の命と救いの望みからは遥かに遠いであろう。


オカルト哲学 3-10
↑ オカルト哲学 第三の書


*1 ここでアグリッパは時間軸を少々混乱しているようである。イエスは死後3日目の復活後、しばらく地上にいて弟子に今後の事について教えてから40日後に天へ昇ったのが正統な信仰である。