明晰夢と幽体離脱のためのカバラ的ガイド

ページ名:明晰夢と幽体離脱のためのカバラ的ガイド

 本論文 A Kabbalistic Guide to Lucid Dreaming and Astral Projectionは、カバラを用いた体外離脱の技法についてのものである。
 本論文で主題となっている幽体(アストラル体)離脱について簡潔に説明すると、これは体外離脱(Out of Body Experience. OBE)とも呼ばれ、眠っていたり深く休んでいる肉体から「自己」が離脱して、自由に外を移動したり経験をしたりする現象である(やがて肉体に戻って普通の意識を取り戻す)。この時に経験するのはアストラル界と呼ばれている。
 また明晰夢とは、夢の中で自分が夢を見ているのに気づいている状態である。研究者の中には体外離脱は明晰夢の一種と考える者もいる程、密接に関連している。
 本論文で紹介される技法については、様々な体外離脱の技法の中でも簡単で分かり易く、他の一部の技法のような危険で乱暴な要素(不自然な睡眠の制限など)も無く、穏やかなものなので勧められる。
 読者にヨーガのチャクラ論(特に喉のヴィシュッダ チャクラ)についての予備知識もあると、なお分かり易いかと思う。



明晰夢と幽体離脱のためのカバラ的ガイド


マーク スタヴィッシュ修士著


All Rights Reserved. Copyright (c) Mark Stavish, M.A. 1997



序文


 中世のメルカヴァー(戦車)乗りと、不可視の世界の星々の宮殿(ヘケロット)への旅から、19世紀から20世紀の黄金の夜明け団の初期の達人らによる霊的幻視による旅まで、意識の投射はカバラの教えの統合的な部分であり続けた。これらの様々な学派の弟子らを助けるために作られた様々なアプローチがあるものの、これらの技法の多くは膨大な量の前行と、補助の儀式を必要としていた。10世紀から12世紀のメルカヴァー文献の伝統の知識を僅かか全く知らなかったり、黄金の夜明け団とその「スピンオフ」の諸技法の複雑で不可欠なサイン、象徴、招聘の言葉を学ぶ興味が無いが、それでも内なる世界へのヘルメス学的アプローチを望む人に対しては、一つの技法がある。またこれはシンプルで、直接的で、膨大な視覚化や創造的想像を必要としない。


 以下の実験は1996年12月から1997年の2月までの3ヶ月間で行われた。この間、この技法のみでの価値を測るために、個人においても集団においても、その他の儀式は何も行われなかった。実験の多くは夜に寝る前に行われ、ほぼ半分では、朝に目が覚めつつも、まだ境界の状態にある時に行われた。


 この技法は「体外離脱」を望むが、現在ある多くの技法で必要な視覚化のスキルが欠けている人や、肉体を離れる際に暴力的な経験があり、アストラル諸界へのより温和なアプローチを望む人のためにデザインされている。


 これは経験のある「旅人」も初心者も、同様に容易に、そしておそらくは同様の結果を得るだろう。


理論的背景


 この実験の理論的背景は厳密にカバラ的なものであり、伝統的な生命の樹(黄金の夜明け団)や、光のポータル団*1による逆生命の樹や、ゾーハルの書で記される諸宮殿のいずれにも適用できる。要するに、意識の様々な階層への象徴を具体的で容易に視覚化出来る限りにおいては、人間の内的世界の体系のいずれにも適用できる。


 作業仮説として、我々は意識的存在として、アイン ソフ アウル、神の限界無き心を起源としている。我々は増大する濃度と形質の様々な世界を転生してきて、最終的にこの物質世界にいる。これらの経験により「潜在性の存在」から自己実現あるいは自己創造の存在になるためである。この進歩の旅において、我々は様々な振動の特性と「体」を帯びており、我々が「帰還」する際には、これらの体を、より微細になっていく体と光の世界と取り換える為に脱ぎ捨てる。これらの諸世界は、グノーシス、カバラ、ヘルメス学、錬金術の文献では違った名前と数で表されているが、全体的には同じ本質的な性質と機能を共有している。すなわち、物質的な地球の最も濃度の濃い世界から、無限の最も微細な、我々の起源の点である、創造主の心へと向かう。


 我々の肉体の中には、サイキックの知覚の様々な器官があり、現在の西洋の秘教伝統の用語では、心理的・霊的センターと呼び、サンスクリット語ではチャクラと呼ぶ。これらのセンターは我々の生理学の様々なレベルと照応しており、その一つのレベルでは、我々の神経系と神経叢や、ホルモンの内分泌系である。他の照応も同様に存在するが、我々の目的においては、これらが最も一般的で効果的に用いられる。


 幽体(アストラル体)離脱は、太陽神経叢を通じて行うとしばしば提案されているが、多くの人にとってはこれは気力を失わせ不快な経験となり得る。他の提案としては、自らの体が霧のように立ち上がるとか、第二の「光の体」があなたの肉体のそばに立っているといったような、純粋に視覚化によるものである。上級の実践者は死の際には上位の諸センターから意識を離脱でき、よって「意識的に死ぬ」事が出来ると言われている。ここで示唆される諸センターは頭頂と額の「王冠」や「第三の眼」の諸センターで、松果腺と脳下垂体と照応している。ある者らは後頭部の延髄、脳幹すらも使う。


 インドの文献において、それぞれのチャクラには特定の超能力(シッディ)が当てはめられており、志望者の中で目覚めると、彼は自らの意識を複雑性と微細性が増大していく様々なセンターから離脱出来るようにし、最終的には頭頂のサハスラーラに到着する。


 だがカバラの実践では、そのようには諸センターはあまり使われず、代わりに累積して現実化されるまで、永遠の諸世界への強い視覚化が行われる。また、サイキック体のエネルギーをより概括的に強める儀式が、単独か諸世界の視覚化と組み合わされて使われる。この現代の派生の技法では、しばしばタロットカードの使用が含まれ、それらはパスワーキング(道行き)と呼ばれる。あるいはヘブライ文字が使われる事もある。キリスト教東方正教会の修道士らは小さな太陽に具象化を与えるための技法として、太陽神経叢への強い視覚化を用いてきた。ある宗派では、世俗性からの離脱の中心として心臓を用いてきた。だが先に述べた技法の方が一般的に使われている。


 錬金術師らは、意識の離脱の助けとなるチンキ、薬を用いてきた。もっとも、これらを幻覚剤や精神亢進剤と混同してはならない。錬金術の薬の効果は、一般的にリラックスしていたり、寝ていたり、瞑想状態の時に起き、これらの効果により意識の離脱を助ける。それらは直接的に引き起こしたりするというよりも、認識の拡大である。この錬金術の薬を取り、車の運転をスムーズに行うのも可能である。


 東洋での技法では、肉体に割り当てられているサイキックセンターの数は、学派によって様々である。だが一般的には、我々の中には少なくとも七つの主要な、そして五つの補助的なセンターがあると言われる。もっとも、場所、割り当てられている色、それらに関連するマントラ、母音はかなり多様である*2


 シュリー オーロビンド*3によると、喉のセンターは心の諸力の外在化と関連しており、高次と低次の精神圏を繋ぐとされる。カバラの色調の一部と似て、このセンターには灰色が割り当てられている*4。「火の蛇。クンダリニーの現代の観点」で、ダレル イルヴィングは、ヴィシュッダ チャクラはシャーキニー女神とシヴァ神の二神が司ると述べている。それぞれは五大エレメンツを表す五つの顔を持ち、その三つの目は物理的とサイキックの知覚あるいは知識を示す。シャーキニーは光そのものとして見られ、シヴァはヘルメス学の理想のように、両性具有者であり、半分が白く半分が黄金である。このセンターに関連しているものは、知性、サイキックの土台、エーテル(アカシャ)の浄化であり、ヒーリングである。このセンターの色は曇った紫色である。シュリー オーロビンドの色と同様に、紫は現在のカバラの作業でも喉に関連づけられる事がある*5


 さらに上の二つのセンターを含めて、これら三つのみが直接的なサイキックの知覚が可能となる諸センターと見做されている*6


 西洋においては、喉のセンターはそれ程良く定義されていないが、上記で述べてきた性質全てを共有している。「黄金の夜明け団のカバラ」で、パット ザレウスキーは、喉のセンターは甲状腺と関連し、呼吸作用を制御すると述べている。ヨーガと同様に、下のそれぞれの諸センターは一つのエレメントと関連しており、下から順に地、水、火、風に割り当てられている。明白には述べられていないものの、喉のセンターはヨーガと同様に、スピリット、第五エレメントの「精髄」と関連していると考えられる。


 だがここで我々はこの部位に割り当てられている属性に関しての問題に直面する。錬金術では、喉はメルクリウス、風、魔術、声、直観の神に支配されている。この体系は一般的に使われており(例えば黄金の夜明け団)、喉には惑星の属性は与えられていない。代わりに、この部位はダアトのセフィロトの領域とされる。


 ダアトとはヘブライ語で「知識」を表し、それは心、発言、魔術と関連しているこの部位には最良に割り当てられた属性だろう。だが多くのカバラ学者らには、ダアトはそのままにしておくのが良い場所で、いわゆるクリポト、悪魔の領域よりも恐れられている。ダアトはどのようにしてこうも畏れられるようになったのか? そのほとんどは、オカルティストらが自ら読んだ本を繰り返し自らも書いた又聞きの結果である。だがダアトが知識であるのを思えば、ある興味深い相関を描くことが出来る。


 イスラエル リガルディーはこう書いている。


「二つの対立する象徴的な柱の間の中心点、ここから対立する柱の働きは正しく見る事が出来るバランスの取れた力の場所は、DAAS(ダアト)とされている。これは、影のセフィラの名前である。ここは正しく影であり、対立物を避ける難しい術に慣れていない我々のほとんどには、この言葉は敵対的に使われ、この新しい原理の開発は、最大限にゆっくりと進められてきた。これは対立物の適用あるいは均衡の新しい要素である。特に、意識の二つの広大な分割の間――エゴがその一つであり、それは現代生活の洗練され非自然的な状態に当てはめようと望む。もう一方は、本能的な生の浅いレベルのもので、原始的な事柄、自己主張、あらゆる気まぐれの抑制のない満足と関連している*7


 そして、別の箇所でもこう述べる。


「DAAS(ダアト)、影のセフィラは、我々の精神的、感情的な傾向は首すじにあると学んできたように、進化の過程において開発されてきた。この場所は後頭部のすぐ下、咽喉部の1、2インチ上の脊柱にあり、その直径は4インチ(10センチ)ほどと想像できよう。ここは高次の天才と、エゴ、ティフェレトの周囲にばら撒かれた性質の集団として表される意識との間での象徴的な繋がり、自己誘発、自己導出と見做されている*8


 またリガルディーは、ダアトを高次の自己とエゴあるいは目覚めている脳との間の「リンク」として言及している。


 ガレス ナイトは、ダアトは「純粋な力が形作る」場所と述べている*9。それらは「形態の世界での至高の統一」*10であり、「ダアトは人間の魂の魂に関しての認識の至高の点」*11である。


「ダアトはバランスを保つ力であり、勿論、人々に宿命の使命や感受性を与える。彼は目的へのどんな障害も断ち切る決意を持ち、未来にどのような危険があるかも全く考えないだろう。それらは彼の諸力への信仰であり、彼の宿命への受容なのである」*12


 不幸にも、ダアトについて語ってきたほとんどは、他の諸圏と同様に、宇宙的な自然であり、我々の個人意識に当てはめるのは難しい。これに当てはめられている抽象的な諸概念に、さらに曖昧な警告と恐れも加えられているものは、我々の心(そして非常に現実のサイコ・スピリチュアル、半物理的なセンター!)を、肯定的で成長的な方法でアプローチする方法には向けられていない。


 ナイトが言った事はおそらくは、個人的レベルでは、ダアトと関連する心理物理的な圏が漸進的に開いたならば、人間意識の中に高次の認識を行わせる。これが起きた時、我々を今まで悩ましてきた多くの恐怖、障害、心理的な悪意は、存在が意識的に神性となる事による我々の真の力と臨在の強い認識の下に消え去っていく。


 要約としては、おそらくは〈ダアトと関連づけられている〉恐怖は現実のものだろう。我々がひとたび知識の橋を通り抜けたら、戻る事は出来ない。我々が理論面から実践面へと進んだら、再び無知にはなれない。無垢が失われたら、それは永遠に去るのだ。よって、我々はこの「橋」を何度も通り抜ける。物質世界からサイキックの世界へ。サイキックから、より抽象的なメンタルの諸領域へ。そしてそのメンタルから、高い霊的世界へ。そこからは、誰も帰ったとは言われない。ダアトについて述べられてきたもののほとんどは、この最後にして至高のリアリティとの関連であろう。


 本論文で紹介する技法の機能は、見える世界から不可視の世界へ、意識と記憶を保ったまま、個人的なサイキックの橋を通り抜ける願いを持つ者を助ける事にある。


メルクリウス、ヘルメス、死後の魂の導き手


 ナイトは、カドケウスの杖、メルクリウス神とサイコポンプ(死後の魂の導き手)のヘルメス神の象徴を、ダアトにアプローチする象徴として用いるのを提案している。喉のセンターとメルクリウス神との関連は見落とすべきではない。なぜなら、それは我々の中に確立したいと望む強固な関連だからである。それは我々の高次の天才と我々の人間知性の両方の助けとともにサイキックの領域に入り、それから日常の意識へと情報を持ち帰れるようにする。我々は実際、ヘルメスが行うように「二つの世界を行き来」し、我々のサイケの中でこれらを統合させたいと望む。


 メルクリウス神の象徴は、ルナ(月)、ソル(太陽)、テッラ(大地)の組み合わされた象徴であるカドケウスの杖で表されている。組み合わされたこれらは、我々のサイキック生理学のこの部分の機能を告げる。先が上に向いた月の象徴は、我々の脳、神経系、サイキック機能を表し、その下の太陽の象徴の上に座す。太陽は、我々の霊的な力、生命力、直観である。これは、物質の象徴、均等な長さの十字架の上に座す。四大エレメンツの十字架は、物質存在の象徴であり、それは我々の肉体と同様に我々が住む物質世界を表す。


 メルクリウス神の象徴の中に、地上のエネルギーあるいは形質は、太陽の力と魂により支配されているのを見る。だが、これらの霊的な諸力もまた、人の知性と物理的な脳により支配される。すなわち、学徒の霊的健康に応じて、脳はそれらを方向付けたり、抑圧したりする。


 また、これは心臓、太陽と脳、霊的覚醒の関係についてのユニークな点を描いている。


 メルクリウスは神々の使者として、知識を運ぶのを助け、その知識を作ったり解釈したりはしない。それらの機能は、脳とサイキックの心臓に委ねられる。この心臓は直観の座であり、魂の声、内なる師であり、この覚醒を通じてのみ、我々は意識的で自由な存在となれる。だが覚醒した心のエネルギーは、その愛の全てとともに、洞察と理解のために肉体の脳へと移される必要がある。そうするには、喉のセンターの助けが必要となる。ひとたび脳に来たら、このエネルギーはこのメルクリウスのセンターを通じて、心臓へと帰る事も可能となったり、霊的な事柄のために情報を送る事も出来る。


 一部の人々の間に、ここで混乱があるようである。心臓は直観の座であり、同時に肉体の脳の脳下垂体が、通常の意識で直観が現実化する場所とされる。サイキックの心臓の機能を使わずとも、脳下垂体を単純に覚醒させる事は出来ないのだろうか?


 答えはイエスである。心臓、脳下垂体、我々の霊的覚醒のどこか混乱した関係を理解するためには、これらの器官は秘教伝統ではどちらとも太陽の性質であり、物質と霊的な太陽の両方から影響されると気づく必要がある。脳下垂体が物理的な光に反応するように、覚醒した心臓――愛で満たされた心――による霊的な光の覚醒にも反応する。


 脳は一般的には月の性質であるが、その特定の相においては、その特別な機能のために他の惑星の影響もある。


 この心臓と脳の両方の覚醒は、サイキックの領域を旅するのに必要とされる事である。脳が無く覚醒した心臓は、実用性が極めて欠けているものである。そして心臓無く覚醒した脳は、物理的には機能するが、冷淡で無関心な方法によってのみである。この「考える心臓」と「感じる脳」は、メルクリウスが我々に確立する助けとなるものである。それにより、この二極性は合一を通じて乗り越えられ、我々の肉体にある物質と残っているサイキックの諸力は、調和した方法により働くようになる。


 青色や紫色の使用は、ダアトと高次の心(青/ヘセド)とイェソド(紫)の諸概念の間の関連性を示すと言われる。そのため、我々が瞑想を通じて接触しようとするダアト、知識の圏は我々の個人的なものであり、多くの危険性が記されている生命の樹にある超個人的、宇宙的なダアトではない。


 これは至高の三角形の要約でもあり、我々はそれにより容易に近づき理解できるだろう*13


 また、イェソド、アストラルの領域の主要な圏への門は、我々の英国の兄弟や姉妹が好んで言うように、ダアトの反映、「低位のアーク」である。そのため、我々の中の「ダアト」の圏を瞑想するのは、イェソドの性的創造力を昇華するのみならず、アストラルの意識へ我々がより完全に入る事も可能とする。


その他の東洋からの考え


 中国とモンゴルの気功では、喉のセンターへの瞑想は以下の目的のために用いられる。(1)性力の昇華*14と、(2)意識の投射を助け、明晰夢を喚起させる。ここは心臓と脳の間を繋げるセンターである。


「夢のヨーガを実践する道士は、起きている意識から夢の状態へと意識的に通る橋として、喉の点に集中しながら眠る。明晰夢を行えるようになると、自らの気(内的エネルギー)を大いに制御する助けとなる。また、生と死の間の深淵に意識的に橋をかける事も出来るようになる」*15


 意識的な夢は、やがては日常の物質世界へも転移させるための準備として「72の魔術的な能力」を目覚めさせるために用いられてきた*16。この数は興味深い。これは神の「大いなる御名」の置換の数、シェム ハ=メフォラシュと一致するからだ。神学的には、これらの御名、サイン、印、照応*17のそれぞれは、この論文で記した技法により目覚めさせられるだろう。


 インドや西洋の技法と同様に、道教の実践でも喉は風、霊的エネルギー、意識と関連づけられている。


技法


 自然哲学者集団(PON)*18は意識の投射には三つの技法を提唱している。すなわち、メンタル、アストラル、エーテル投射である。


 第一の技法は、投射のための喉のセンターを使うのを提案する。そして、肉体とサイキック体との分離は、首の地点で起きると述べる。これは以下の実験が基礎としている基本的な考えである。


 潜在意識に諸象徴を首尾一貫して意味のある方法により与えるために、ヒンドゥー教のタットワ、錬金術のエレメンツ、ケルブのサインのいずれかが最初に用いられよう。その後には、七大惑星の印がここで使われる。同じ象徴を累積して使う事により、潜在意識にこれらの象徴は意味があり、意識の一つのレベルから別のものへの転換の公式な方法だと理解させられる。


 これが繰り返し行われたら、象徴はしばらくすると必要無くなるだろう。そして熱心に実践されたなら、この技法により引き起こされた夢の一つの中で、それらの「内なるレベル」を潜在的に気づくだろう。


 完全な幽体離脱は即座には起きないだろうが、ある程度の明晰夢、夢の記憶、さらには「魔術の声」が部分的に増大するのを経験するだろう。これらの「体外離脱」の夢の状態を作り出し、その濃度のレベルを高めていき、やがては意識の完全にして制御された離脱を現実化するのは、個々の志望者にかかっている。


 投射の他の諸技法と違い、ここで記す技法を繰り返し続ける事により、多くの場合は温和で累積的に起きるだろう。つまり、まず夢見が増大し、それから明晰夢を経験し、最終的に幽体離脱を経験する。それにより、意識をこれらの新しい状態に順応できるようにする。


 ステップ 1――四大エレメンツと第五のスピリットの象徴と七大惑星のサインの集まりを手に入れる。まず地から始めて、水、風、火、スピリットと毎日進ませる。基本的な進行は変わらず、投射を得るための象徴のみが変わる。そのため、あなたが容易に視覚化できる象徴を用いるのがベストである。それらは金色か燐光性の白色か、それらに関連する色にする。




 ステップ 2――眠る前に、あるいは数分のリラックスをしている時でも、あなたの注意を、あなたの「アダムのリンゴ」(喉仏)の部分に向け、そこに輝く濃い藍色(あるいはインディゴ/ウルトラヴァイオレット色)のテニスボールくらいの大きさの球を想像する。これは半透明で、甲状腺辺りの中心点から、内側を照らし輝くようにする。また背中の首筋にも触れるほどの充分な大きさにする。もしもより大きくするならば(リガルディーが提案するように)*19、その端が上は鼻先にまで、下は胸腺か心臓まで届くだろう。ここで重要な事は、この想像は三次元のものにし、あなたの前のただの平面にはしない事である。よって球はあなたの首と頭の一部を取り囲む。あなたの想像力は内側に向けられる。好むなら、先に述べた器官(チャクラ)を視覚化の助けとして想像しても問題ない。そうでないならば、輝く、半透明の色に集中し、これらが全てだと想像し、自己をその中に失わせる。その中心に自己を置いて、わずかに違った影と色合いのある単独の色の無限の周囲を見渡す。


 ステップ 3――この最初のステップに慣れてきて、いつでもインディゴ色の球に入れるようになり、そこで心地よく留まれるようになったら、あなたが選んだ地の象徴が目の前にあると想像する。その目の前の輝きと、地の性質、その重さや濃度を見よ。そして単純にしばらく、あるいは寝るまで、この象徴とともに留まる。これを5日から7日の間続けてから、次の象徴に移る。スピリットも含めた全てのエレメンツを終わらせたら、惑星の象徴らへと進む。


 ステップ 4――惑星の象徴らの用いる順番については、幾つかのアプローチの方法から選ぶ。第一のものは、単純にそれらを通り抜けていく。月から始めて、生命の樹を上昇していく(月→水→金→太→火→木→土)。第二のものは、土星から始めて、降下していく。第三のものは、一週間の惑星の日に合わせて単純に変えていく(太→月→火→水→木→金→土)。それぞれの象徴で何度かの周回を費やすのが好ましいので、第三の方法がこれらの作業の中でも最も容易で退屈にしない。さらに、途中で中断したら最初からやり直しになると恐れる事も無い。


 あなたの経験を日記に書き記し、毎週ごとに、それぞれの惑星の象徴の間で、何らかの繋がりがあるかを観察せよ。


 それぞれの惑星の象徴を、少なくとも5回から7回は周回させるか、あなたがそれらと眠りに陥るとして、6から7週間は続けるのが望ましい。これに、エレメンツとの作業での4から5週間を加えて、合計で10から12週間の夜の作業となる。朝に目覚めた時、1、2分はその日の象徴を視覚化するのも良い。あなたが再び眠りに戻らないとしたら!


 ORAプロジェクトのこれらの実験についての補充の情報を求めている方は、実践を完了させた後に記録日記を、Mark Stavish, M.A., ORA Project, Philosophers of Nature, P.O. Box 2920, Wilkes-Barre, Pennsylvania 18703-2920へと送って頂きたい。送って頂いた日記は返送できず、PONの研究ファイルの中に後の引用のために保管されるのをご了承願いたい。またあなたの秘教的なバックグラウンド、特にカバラ、錬金術、儀式魔術についても、良ければ含めてください。


 ORAは、Occult Research and Application Project(オカルト研究・応用プロジェクト)の略で、現存するヘルメス学の知識の新しい応用を見つけるのと、伝統的な知識と技法を現在の世界で使うための再創造と検証をするのを意図としている。



マーク スタヴィッシュ
トップページ


*1 原注。1996年5月20-24日の第五回自然哲学者年次学会でジャン デビウスによる発表による。
*2 原注。これらのサイキックセンターの覚醒のための非常に効果的でシンプルなアプローチについては、Joseph WeedのWisdom of the Mystic Mastersを参照せよ。
*3 オーロビンド ゴーシュ。1872年 - 1950年。ヨーガのグル、神秘家、哲学者。インテグラル ヨーガの創始者。
*4 原注。Kundalini, Evolution and Enlightenment(John White 編)83ページ。
*5 原注。The Magical Philosophy(Melita DenningとOsborne Phillips著)のThe Sword and the Serpent vol.2 188と189ページ。
*6 原注。The Restored New Testament(J.M. Pryse著)432ページ。
*7 原注。The Middle Pillar(Isreal Regardie著) 113ページ。
*8 原注。同書 116ページ。
*9 原注。 A Practical Guide to Qabalistic Symbolism (Gareth Knight著) 102ページ。
*10 原注。同書。
*11 原注。同書。
*12 原注。同書 105ページ。
*13 原注。同書 111ページ。
*14 原注。甲状腺は第二の性器と呼ばれる。
*15 原注。Awaken Healing Light of the Tao (Mantak & Maneewan Chia著)223-34ページ
*16 「西洋でも中国の民俗小説『西遊記』はよく知られているが、これは猿王の孫悟空の冒険の物語である。孫悟空は72の魔術的な力を持ち、これらの諸力は身体内の72,000の微細なエネルギーの管と関連している。道士らは孫悟空の72の魔術能力を夢を見ている間に複製すべく夢のヨーガを実践している。これらの能力の中には、空中飛行、不可視となる、自らの像を複製する、姿形を変えるなどがある。これらの能力を夢の間で実践できるのは、道士を同じ魔術能力を起きている間にも実践するための準備となる。これらの力はそれ自身のために求めてはならず、真の道士は知恵と世界との調和を求め、よりエゴイスティックな力のためではない。これらの力は道士が自らのエネルギー体のより微細な制御を得たのを示すためだけにある。」同書 238ページより。
*17 原注。Kabbalah of the Golden Dawn(Pat Zalewski著)の187-223ページ参照。
*18 原注。 Qabalah Lesson Number 65, PON。Copyright 1989。
*19 原注。The True Art of Healing(Israel Regardie著) 32ページ。