
本書クンダリニータントラ(Kundalini Tantra)の著者のスワミ サテャナンダ サラスワティ(Swami Satyananda Saraswati。1923年 - 2009年)は、20世紀前半を生きた偉大なヨーギ、シヴァナンダ サラスワティの弟子で、ビハール ヨーガスクールを設立したヨーギ、グルである。
本書はヨーガにおいて身体内にあるとされる霊的なクンダリニーとチャクラについて、伝統的なタントラの観点から説明したものであり、その中でも最良にして最も分かり易い内容であるので、読者のこの分野への総合的な理解の助けとして今回訳する事にした(なお、部分訳としては、著者とも親交があった本山 博氏による「密教ヨーガ」(宗教心理出版)がある)。
ただ、タントラ伝統でのクンダリニーやチャクラの説明は流派ごとに細かい部分は違っており、彼の解説が唯一の正解とは思わない方がいい。本書においても、一般的な七つのチャクラと違い、第七のサハスラーラはチャクラではないとされ、代わりにビンドゥ ヴィサルガを説明している。
なお、第三部よりクンダリニー ヨーガの実践の説明が続くが、これらは経験のあるグル(師)無しで本のみによる独習は危険な部分があるので、本書を読んでヨーガ行に興味が湧いた読者は、ビハール ヨーガスクールなどの正統な団体*1へ入門して適切な指導の下に実践するようにすべきだろう。
クンダリニー タントラ 序文
第一部 クンダリニー
クンダリニー タントラ 1-1 第一章 人よ、クンダリニーを制御せよ
クンダリニー タントラ 1-2 第二章 クンダリニーとは何か?
クンダリニー タントラ 1-3 第三章 クンダリニー生理学
クンダリニー タントラ 1-4 第四章 クンダリニーと脳
クンダリニー タントラ 1-5 第五章 覚醒の方法
クンダリニー タントラ 1-6 第六章 覚醒のための準備
クンダリニー タントラ 1-7 第七章 クンダリニー覚醒のための食事
クンダリニー タントラ 1-8 第八章 リスクと事前の注意
クンダリニー タントラ 1-9 第九章 クンダリニーと狂気
クンダリニー タントラ 1-10 第十章 覚醒の四つの形態
クンダリニー タントラ 1-11 第十一章 クンダリニーの下降
クンダリニー タントラ 1-12 第十二章 覚醒の経験
クンダリニー タントラ 1-13 第十三章 クリヤー ヨーガの道
クンダリニー タントラ 1-14 第十四章 ヴァーマ マルガ(左道)とクンダリニー覚醒
第二部 チャクラ
クンダリニー タントラ 2-1 第一章 チャクラ入門
クンダリニー タントラ 2-2 第二章 チャクラを通じての進化
クンダリニー タントラ 2-3 第三章 アージュニャー チャクラ
クンダリニー タントラ 2-4 第四章 ムーラーダーラ チャクラ
クンダリニー タントラ 2-5 第五章 スワーディシュターナ チャクラ
クンダリニー タントラ 2-6 第六章 マニプーラ チャクラ
クンダリニー タントラ 2-7 第七章 アナーハタ チャクラ
クンダリニー タントラ 2-8 第八章 ヴィシュッディ チャクラ
クンダリニー タントラ 2-9 第九章 ビンドゥ ヴィサルガ
クンダリニー タントラ 2-10 第十章 サハスラーラとサマーディ
第三部 クンダリニー ヨーガの行法
クンダリニー タントラ 3-1 第一章 規則と準備
クンダリニー タントラ 3-2 第二章 姿勢
クンダリニー タントラ 3-3 第三章 チャクラ サーダナ コース
クンダリニー タントラ 3-4 第四章 アージュニャー チャクラの行法
クンダリニー タントラ 3-5 第五章 ムーラーダーラ チャクラの行法
クンダリニー タントラ 3-6 第六章 スワーディシュターナ チャクラの行法
クンダリニー タントラ 3-7 第七章 マニプーラ チャクラの行法
クンダリニー タントラ 3-8 第八章 アナーハタ チャクラの行法
クンダリニー タントラ 3-9 第九章 ヴィシュッディ チャクラの行法
クンダリニー タントラ 3-10 第十章 ビンドゥ ヴィサルガの行法
クンダリニー タントラ 3-11 第十一章 統合されたチャクラ覚醒の行法
クンダリニー タントラ 3-12 第十二章 あなたのサーダナの諸行法
クンダリニー タントラ 3-13 第十三章 クリヤー ヨーガのクンダリニー クリヤー
クンダリニー タントラ 3-14 第十四章 クリヤー ヨーガの行法
第四部 クンダリニーの科学的研究
クンダリニー タントラ 4-1 第一章 序文
クンダリニー タントラ 4-2 第二章 フィクションではなく事実であるクンダリニー
クンダリニー タントラ 4-3 第三章 ナーディを定義する
クンダリニー タントラ 4-4 第四章 ナーディと脳を制御する
クンダリニー タントラ 4-5 第五章 ナーディの実在の証拠
クンダリニー タントラ 4-6 第六章 チャクラの神経生理学
クンダリニー タントラ 4-7 第七章 チャクラの実在の証拠
クンダリニー タントラ 4-8 第八章 宇宙的な引き金
クンダリニー タントラ 4-9 第九章 様々な文化でのクンダリニーの痕跡
クンダリニー タントラ 4-10 第十章 精神心理学的観点からのチャクラの分析
クンダリニー タントラ 4-10 後編
*1 覚醒に大金を要求する自称グルの詐欺師ら(インドにも多くいて、外国人を食い物にしている)や、カルト的な集団には、間違っても近づいてはいけない。