召喚魔術の実践 1-10

ページ名:召喚魔術の実践 1-10

魔術の王冠、帽子、魔術師のバンド


 儀式魔術を行う際には、それが召喚であろうと招聘であろうと、他の作業であろうとも、魔術師は常に何かを頭にかぶる必要がある。この目的のために、彼は魔術の象徴が刻まれた黄金の王冠や、帽子や、他のヘッドギアを身に着け、それらには魔術師が繋がっていたり、自らが取ろうとする神の姿の大宇宙と小宇宙の諸象徴が刻まれているだろう。これらの象徴は良い色で描かれたり、刻まれたり、シルクの布で結び付けられる必要がある。そのような大宇宙と小宇宙の例としては、2つの円の真ん中に描かれた六芒星と、その内側にある人の小宇宙の象徴、五芒星がある。魔術師が自らしたり、他の者に頼んで、帽子に刻む場合は、無限の象徴である円には黄金色に、創造された宇宙の象徴の六芒星は銀色に、中央の五芒星は白かスミレ色にする。ヘッドギアとして帽子やターバンを用いる代わりに、シルクのバンド、いわゆる魔術師のバンドでも充分だろう。


 このバンドは、色は白、スミレ色、黒のいずれかにして、魔術師の頭に巻く。彼の額に当たる部分には、先に述べた大宇宙・小宇宙の象徴の飾りがあるべきである。この象徴は刺繍するか紙に描き、その際には先に述べた色にする。大宇宙の象徴を用いる代わりに、魔術師と繋がっている神を表す他の象徴を用いる事もできよう。例えば十字架は、肯定と否定性を象徴し、その4本の尖端は4大エレメンツの象徴である。また薔薇十字の象徴を用いる事も出来るだろう。それには十字架の中心に7輪の薔薇があり、これも4大エレメンツと肯定性、否定性、さらにその上にある7つの惑星も象徴する。魔術師の選択は、ここまで見てきたように、特定の象徴に縛られていない。自らの霊的開発、目的、成熟、宇宙的関連性を、自らが好む様々な象徴により表現でき、それらを帽子や魔術師のバンドの上に身に着けられるだろう。


 既に述べたように、王冠、帽子、魔術師のバンドは魔術師の権威、尊厳の象徴である。その霊の完全性の象徴であり、小宇宙と大宇宙との自らの関連性の象徴であり、その魔力の至高の表現であり、自らの頭に王冠を与え仕えさせる。全ての魔術書において、帽子、王冠、魔術のバンドのどれにせよ、最良の物質から造り、儀式魔術の作業以外の用途には使ってはならないと書かれている。帽子、王冠、魔術師のバンドの作製が終わったらすぐに、瞑想と聖なる誓約により聖別されなくてはならない。それにより、自らが神との統一の概念を完全に受け入れた時に、魔術師がこれらを頭にかぶる。そしてこの種の象徴を必要とする作業にのみ帽子を用いるだろう。魔術師が誓約を述べる時、右手を帽子に触れさせ、この帽子をかぶった時に、自らの神と、あるいは帽子に繋がれた象徴と合一するという概念に想像力により集中する。そしてヘッドギアを他の魔術道具と同じように安全な場所に保管する。


 魔術師が召喚のために準備されたら、この目的のために瞑想した後に、ヘッドギアを頭に被せ、それにより神と再び統一し、自らのみならず、その空間全体において聖なる神殿の雰囲気を感じるだろう。そのため、魔術師は自らのヘッドギアもまた、魔術道具の本質的な部分であり、最大限の注意を払う必要があると同意するだろう。


 妖術師らもまた悪魔の象徴を飾った帽子を用いるが、ごく僅かな者のみがその正当な意味合いと正しい使用法を知っており、これらの実際の象徴主義については記さないでいる。


 だが全てを意識的に行う魔術師は、決してただの妖術師へと落ちぶれる事はなく、自らが理解しない事を決して行わないだろう。魔術師が行う全ての行為は、特別な目的のために行うのである。


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