召喚魔術の実践 1-8

ページ名:召喚魔術の実践 1-8

魔術の杖


 古より現在まで儀式魔術において最も重要な補助は、魔術の杖である。そのため古代の魔術師と妖術師らは魔術の杖を持った姿で描かれていた。詐欺師や手品師は今なお用いていて、あらゆる種類のトリックで観客らの目を欺こうと努める。魔術の杖さえあれば充分に奇跡を行えると考える者は、錯誤の道へと導かれよう。私はここでは魔術の杖の理論面のみならず実践的応用の魔術的観点から、象徴的な意味合いと説明を与えるつもりである。


 なによりも魔術の杖は意志、力の象徴であり、それらにより魔術師は自らが作り出し充填した環境に自らの影響力を保持する。魔術師は単に1本の杖を持つのみならず、何本もの杖を彼が行う事や得たいと願う意図に応じて作る。魔術の杖の実際の目的は、魔術師がその意志をあらゆる圏や世界へと投射するための助けをする事である。魔術の杖は主に以下のために使われる。


 1. あらゆる存在、人間であろうと動物であろうとに、影響を与える。


 2. 人々の病を癒し、悪しき良くない影響を払う。


 3. 高い知性体を招聘し、悪魔らや霊らを召喚する。


 魔術の杖は魔術師の絶対的な力を象徴すると正しく言えよう。魔術の杖の密儀を完全に理解した者は、決して杖無しに儀式魔術の彼の作業を行おうとはしなくなるだろう。


 私が魔術の杖の全ての可能性についてここで記すには紙面が足りない。知的な学徒にとって、以下のこれらのヒントは充分であり、指導原則として仕えられよう。その知識は、深い瞑想によって拡張させられるだろう。


 魔術の杖はどのような物質でどのように作られようとも、コンデンサーである。魔術師の意思により充填されることにより、これは特定の力を表現するようになる。それは単純なもの(杖の通常の種類)から複雑なものまで様々にある。木彫りの杖全ては単純な杖と見做される。だが目的に適した特別な種類の木材のみが用いられるだろう。例えばハゼルやヤナギは願いの杖として用いられる。願いの杖は魔術の杖の修正である。トネリコの杖は全ての魔術の作業で魔術の杖として用いられ、魔術師が儀式魔術の作業で用いる際には、人々を癒すためにのみこれを充填するだろう。


 エルダーウッドの杖は、土星の類似で示されるように、エレメンツの霊らや悪魔らを召喚する際に特に効果がある。


 魔術の杖を作る際には、ヤナギの枝はあらゆる目的のために用いられよう。ヤナギは非常に良い流体コンデンサーだからである。注意深い読者は、ヤナギはよく雷に打たれるのを思い出すだろう。それはこの樹には水を多く含んでおり、また吸収する能力からである。また雷鳴の嵐の中で老人らが「ヤナギからは逃げて、ブナの木を探せ」と言っていたのも思い起こすだろう。オークやアカシアの樹も、魔術の杖を作るためには素晴らしい物質である。


 ここで記した種類の樹から魔術の杖を作るのは、無論とても簡単である。枝を刈り取り、ほぼ3/8から3/4インチ(1から2センチメートル)の直径で、12から20インチ(30から50センチメートル)の長さにし、表皮を削り取り、滑らかにする。しばしば、魔術の杖を刈り取るのは、特定の占星術の時間に行われ、その知識のある魔術師は杖を作る際に用いるのは自由である。だが、それらは不可欠ではない。魔術師は星々は特定の影響力があるのをよく知っているが、これらは賢者に何物をも行わせるよう強制できず、実際には賢者がこれらを支配しているからである。よって賢者が望むならば、上で記した物質から魔術の杖を自ら作るだろう。魔術の杖が儀式の目的に仕えるためならば、あなたは枝を刈る時には新しいナイフを使うべきである。このナイフは後に他の儀式の目的や魔術の作業でも用いられよう。この場合、このナイフは決して日常の目的のために用いてはならない。もしも魔術師が魔術の杖のための枝を刈って滑らかにした後にナイフを再び使わないならば、彼はそれを他人の手に渡るのを防ぐために大地に埋めるべきである。


 魔術の杖の他の種類は、絶縁体の握り手のある磁石鋼である。円柱形の鋼鉄のロッドを手に入れる。最良の鋼鉄は電気鋼(つまり磁石鋼)で、ほぼ12から20インチ(30から50センチ)の長さで3/8インチ(1センチ)の直径のものである。これを磨いて、錆を防ぐためにニッケルメッキをする。その後、魔術師は馬蹄型や電磁モーターの磁石の磁気化と似た方法で、電磁コイルによって磁気化させられよう。磁力が強ければ強いほど、良く働くようになる。これは、このような作業をするだけではなく、多くの魔術的、磁気的実験のための素晴らしい魔術の杖として仕える強い磁石鋼を得る方法である。まず最初に学徒は魔術電磁ロッドの北と南の極を調べ、注記する。北極側はプラスで南極側はマイナスである。この杖の絶縁のために、真ん中に手のひらの幅、つまり3から4インチ(7.6から10センチ)のシルクのリボンで覆っておく。同じ長さのゴムホースや木製の握り手もまた使えるだろう。このような杖は魔術師に多くの磁気的、魔術的現象を引き起こす力を与えるが、ここでは、それらのうちのごく僅かのみを扱っている。


 魔術師が宇宙の電磁流体と作業し、それを物理世界で強化するのを意図としていたら、右手の手のひらの真ん中を杖のプラスの極に、左手の手のひらをマイナスの極へと触れさせるようにすべきである。


 この後、宇宙からの電流は想像力を用いる事で、杖の右側を通じて魔術師の体の中に伝わる。この杖のプラスの放出(オド極の放出)は同じ振動を持つので強く増強しており、魔術師が自らの体に電流を蓄積するのを容易にする。南極側の磁気流についても同じように行う。魔術師は次には自らの体に蓄積した電流を再び強化し、今回は杖のプラス側の極へと強く集中し、それにより彼は直接的に物理世界へ彼の影響を与える事が出来る。同様に磁気流でも、左側の否定的な極の放出に彼は蓄積させられるだろう。杖の絶縁体で覆われている中央は中立のままであろう。次に魔術師が想像力により、自らの意図をこの磁石鋼の蓄積された電磁流の中に集中したら、この杖は勿論、魔術の杖となる。


 杖から輝く光として放出するこの電磁流により、物理世界でどのような現実化も可能となるだろう。秘儀参入者は通常この杖を病んだ人々を癒すためや、全ての磁気現象のために用いる。この魔術的電磁気流の杖は、普遍的な法則により、宇宙と同じであるが最も微細な方法による振動を持つ、素晴らしいコンデンサーである。例えば、魔術師は流体を宇宙からアンテナのように集めて自らの肉体の中に蓄積したり、それを想像力により近くや遠くの他の人々へ転換したり出来る。この杖はすぐに魔術師には必要不可欠な道具となるだろう。この中に集中された肯定的、否定的な諸力は自らの電磁気流体の中に必要な振動を作る助けとなるからである。


 これらの他にも、固体の流体や複合型のコンデンサーとして蓄積された魔術の杖がある。このような杖を作る方法や使い方については多くの事が述べられるだろうが、私はここでは魔術師が作業に仕えるのに最もふさわしいもののみを記す事にしよう。


 12から20インチ(30から50センチ)の長さで3/8から3/4インチ(1から2センチ)の直径のエルダーブッシュの枝を手に入れ、樹皮を取ってサンドペーパーで磨く。それから樹心を取り除き、エルダーパイプにする。パイプの一方の尖端にコルクの栓で蓋をして、封蝋で封印する。もう一方の尖端からコンデンサー(あなたが望むならば、流体コンデンサー)を入れて、それからこの先端も封印する。これで杖は使用可能となる。あなたが望むならば、違った種類の樹、例えばトネリコ、ヤナギ、オークの枝や、ハゼルの柴を用いても良い。だが樹心の無いものは、良いドリルにより慎重に貫通させパイプ化させる必要がある。流体コンデンサーの代わりに、固体コンデンサーも使えよう。これらのコンデンサーの種類については、「Initiation into Hermetics」の中で説明している。また、固体コンデンサーの代わりに吸い取り紙に浸した液体コンデンサーを使うことも可能である。これらは良く乾かして、充填した後に、共に丸めてから杖の中空の中へと入れていく。木製の欠点として、時間が経つとカビが生えたり、流体コンデンサーに影響されたりして穴が開く原因となる。そのため、金属製のパイプを代わりに用いても良いだろう。熱や電気の良い導体となる金属によるものが最良である。


 勿論、これらの中で最良のものは、直径3/8から1/2インチ(1から1.25センチ)の銅製のパイプである。金属の表面のどのような酸化も避けるためには、パイプはコンデンサーを入れる前に、ニッケル、クロム合金、スズなどでメッキをする。開口部の片方は即座に封をして、もう片方もパイプの中がコンデンサーで満たされた後はすぐに封をする。これにより、あなたはあらゆる目的に相応しい最良の魔術の杖を得る。電磁気流を扱うのに長けた魔術師は、自らのために磁気流の作業のためには薄い鉄や鋼鉄のパイプを、電流の作業のためには銅のパイプから杖を作れるだろう。普遍的な杖は同じ方法により作られるが、例外として鉄や銅ではなく、ニッケルのメッキをした真鍮のパイプが使われなくてはならない。


 経済的に豊かな魔術師は、流体コンデンサーの代わりに、準宝石から作ったコンデンサーを用いる事も出来る。電流のためには、銅のパイプの内側にこの種の流体の中では最良である砕いた琥珀を用いられるだろう。磁気流の作業のためには、鋼鉄のパイプの内側に、固体コンデンサーの代わりに砕いた水晶で満たすべきである。水晶は磁気流のためには非常に良い流体コンデンサーである。だが2本の小さなパイプを繋げて、1つの杖とするのも可能である。この場合、半分の管には、砕いた琥珀で満たして、もう片方には、砕いた水晶で満たす。これらが行われたら、中央で分離された単独の杖は、両方の種類の流体コンデンサーを含むだろう。だがこのような場合、2本の半分は、銅――あるいは鉄――の薄いワイヤーで両方の中央を通じて繋げる必要がある。このような杖の外側はニッケルでメッキする。この理想的な杖は、特別な流体の能力があり、あらゆる魔術の作業で仕えるだろう。


 なおも別の可能性もある。木製の杖に惑星の金属から作られた7つのリングで飾られるものである。リングは杖にカバラによる順序で固定されなくてはならない。すなわち、黄金のリング(太陽のため)は杖の中央に置かれて、その前後の両方の側に3つの金属リングがある。以下の金属はこのリングとして使われよう。


鉛は土星と照応する。
スズは木星と照応する。
鉄は火星と照応する。
金は太陽と照応する。
銅は金星と照応する。
真鍮は水星と照応する。
銀は月と照応する。


 これらの他にも、このリングらには上記の惑星らの知性体を彫る事も出来よう。このような杖の使い方は、通常は7つの惑星の知性体の召喚に限定される。他の目的に用いられたら、他の種類の杖よりも良い結果は出せないだろう。


 これが魔術師が知るべき全てである。上記の例から、彼は自らにより他の派生物を作りだせるだろう。杖の形や大きさはたいして問題ではない。魔術の杖にとって最も重要なことは、実践的な使用のための充填であり、その説明は以下に述べる。


 魔術の杖の充填は、特別な目的のための流体コンデンサーと魔術の鏡を充填するのと非常に似た方法を用いる。杖を充填するには多くの方法がある。これらは魔術師が何の意図あるいは目的で用いるかに全て依拠している。


 何より重要なことは、魔術師の杖は魔術師の意志、力の象徴だと常に気づいていなくてはならない。これは力、特質などの流体コンデンサーのようなコンテナとして表されている。魔術師はこれらを転換させられるだけではなく、この力を望むだけ非常に高い濃度で蓄積する事も出来る。そのような杖はシンプルな枝を刈って用いたものであろうとも、流体コンデンサーで満たされた複雑な杖であろうとも問題ではない。


 魔術の杖は以下のものを充填する事が出来よう。


 1. 魔術師の意志力
 2. 特別な特質、能力など
 3. 磁気、生体磁気など
 4. エレメンツ
 5. アカシャ
 6. 光の流体の助け


 ここでは、実践的使用のために幾つかの例を挙げよう。


 ポイント1の意志力の充填について。あなたの手を準備した杖に当てて、あなたの意志を杖の上に、というより中に向けて集中する。つまり、あなたが杖そのものになったかのように、意識全体を杖の中に転換する。全ての自らの意志力、力が杖の中に埋め込まれるという考えに集中する。この種の集中は少なくとも5分間は雑念無く続ける。あなたの意志が杖に埋め込まれると、あなたは杖を取ったらいつであろうとも、意志力は活動に入り、望むことが起きると考えるようにする。あなたが激しく強い想像力により意志全体を杖へと転換したら、杖を純粋なシルクの布で包み、あなたの他の魔術道具と同じ場所に保管する事で充填を終わらせる。


 しばらくしたら、杖を再び同じ方法により充填する。そして儀式を繰り返すごとに、あなたは想像力の激しさを増大させなくてはならない。あなたの霊性全体が杖の中に埋め込まれるだろうことを決して忘れない。あなたは制限時間を作るのと、また可能ならば、杖の中に集中された力の空間に限界を作るのは重要である。つまり、あなたの意志力を杖に集中させる際に、これが存在する限り、全てのあなたの意志、力を表し、なおも効果的であると考える。この方法で充填された杖は、あなたが死ぬまで効果を保持する。あるいはあなたが特別に願うならば、あなたが死んだ後も、これは魔術の杖であり続けるだろう。これは何世紀も力を保持する事すらあり、あなたが日々力は増大するように願いつつ作っていたら、その影響力はさらに増大する。杖の効果はまずメンタル圏で働き、それからしばらくして、何度か充填したら、アストラル圏で働き、最後に物理世界で働く。杖がメンタル世界で効果を出してから、物理世界で効果的になるまでの時間は、魔術師の成熟、想像力の訓練と力、何を彼が望むかの内容に拠る。カバラに熟達した魔術師は、メンタル圏から物理世界へ現実化をもたらすには、通常は462回の繰り返しが必要となる。それにより、メンタル界からの影響が物理界で蓄積される。だが、これは魔術師がそれよりも早く同じ種類の成功をもたらす事が出来ないのを意味するのではない。既に述べたように、魔術の杖の現実化の力は、それが作られ充填された意図と目的に拠る。魔術師の意思で充分な場合には、杖が充填される必要があるかすら検討できよう。だが魔術師は自らの意志を転換するために、精神の行使を拡張する立場に常にあるとは限らない。ある状況では、最良の魔術師でもへとへとに疲れる事もあり、彼の最大限の力の拡張に集中できない事もあろう。


 さらに技巧的に充填された魔術の杖は、魔術師が自らの意志力を使わずに、ただ望みの現実化と、魔術の杖をその目的のために使おうと考える際に効果を発揮するだろう。だがここでは勿論、冒涜者が自らの欲望を満たすために魔術の杖を得ようとするわずかな危険がある。それが起きたら、魔術師とその充填された杖は代価を支払う羽目となろう。


 そのため、魔術師は常にどんな人物にも、それが彼の親友であっても、何の目的で、どのようにして、自らの魔術の杖を充填したかは秘密にする。この魔術の杖を意志力で充填する方法は、一般的に、物理世界であろうとも、メンタル、アストラル界であろうとも、霊的存在、霊、人間、動物を魔術師の絶対的な意志に従わせ、魔術師の魔力に服従させる。


 魔術師の影響は生きているものに限らない。それは充填された時に考慮していたならば、死んだものにも働く。


 ポイント2の特質、能力などでの充填について。杖に充填する特定の普遍的な特質とは、魔術師がメンタル、アストラル、物理世界で現実化させるのに必要な全能性や他の特別なものの特質の事である。そして杖に対して上記と同じ方法で充填される。(魔術師の意思を充填したのと似て)杖に特定の特質を充填するとき、魔術師の意識をこの中に入れ、その力を蓄積するのみならず、宇宙から想像力と集中力により特質を取り出して、杖の中にそれを蓄積させるのも可能である。特定の特質を継続的に杖に充填して、それが直接的な物理的力を杖に集中していたら、関連する霊的な力も作り出すだろう。これは杖により、電気の強力に充填されたバッテリーと同等の蓄積機を魔術師が保有するのを意味する。善のためにも悪のためにも使える同じ一つの力であるのは真実であるが、個々の修業を積んだ魔術師は決して悪の動機を考えず、行動に出ようとしないだろう。彼はこの状態では、神の摂理の真の誠実な従者であろうと努めるからである。


 ポイント3の磁気、生体磁気、プラーナによる杖の充填について。先に述べてきたのと同じ方法により行われる。だが、杖には魔術師の意識を転換する事無く力を蓄積するのを勧める。これは魔術師の肉体や宇宙から、純粋に想像力によって効果を出せる。この場合でも、魔術師は杖に転換された力に限界を作るのを忘れるべきではない。彼はまた、想像力により、杖が用いたいと願う目的についても集中すべきである。杖への何度もの充填は、メンタルとアストラル界のみならず物理世界にも効果をだすようになるだろう。経験を積んだ魔術師には、杖の中に入れた力は最遠の距離にも放出される事を再び語る必要はないだろう。アカシャ原理を自らと目的物へと導入した者は、時間と空間に架け橋を作る事ができ、杖を用いる事で力は即座に送られ、目の前にいる場合と同じだけの影響、濃度、成功を得られるだろう。生命力や磁気を充填し、それらに限界や条件(つまり、杖に入れた生命力や磁気は特定の日に自動的に消滅する)の正しい考えを加えるなら、魔術師は容易に生命力によって起こされるあらゆる現象を呼び寄せる事が出来るだろう。この方法により充填された杖により、たとえ経験の無い一般人でも、適切な使い方を教えたなら、奇跡を働かせられるだろう。そのため、魔術師は彼の魔術の杖の秘密をよく保全するように努める。また彼は杖に自動的に、魔術師の意志力のいずれも使わずに、宇宙から生命力の断片を彼にもたらすよう充填できる。それらは杖から放出されよう。この杖に磁気――生体磁気――を充填させたものは、治療の作業で好まれる。医療で働く魔術師はこの方法を用いるのを好み、上記の方法で充填させた彼の杖の力で、遠く離れた人々も治療する。この方法で充填され、離れた場所にいる人々を奇跡的に治癒できる杖を持つ魔術師は、疑いなく病者には祝福である。


 魔術の杖への電気、磁気、電磁気流体の充填は常に同じであり、唯一の例外は、魔術師の意識の転換は行われない事である。1本の杖のみを充填するなら、手順は少し複雑になる。この杖は一つの流体、電気か磁気のみを充填されるからである。この流体は宇宙から想像力によりもたらして、杖の中へと注ぎ、最後に魔術師は彼が魔術の杖が、たとえそれが可能な最遠の圏やアカシャ原理へ向けられたものであろうとも、現実化させるよう望むことを集中する。あなたが杖に蓄積された流体が宇宙から自動的に自らを強めるように、言い方を変えると、自ら生体電気的、生体磁気的に作業するよう作成を終えたら、この杖は非常に強力なバッテリーに育つだろう。魔術師は杖に蓄積した力と同じ流体を、作業の前に肉体に蓄積して強めるのを勧められる。彼がこれをしなかったら、少なくとも作業の前に自らを絶縁するために純粋なシルクの手袋、最良なのは自らで作ったものを身に着けるべきである。杖を手に取る前に絶縁はしておく。魔術師は通常、両方の流体で作業するので、彼は右手で電流に蓄積された杖を取り、左手で磁気流のものを取る。2本の杖に一方は電流を、もう一方は磁気流を蓄積するのは常に望ましい。特に、流体コンデンサーが含まれていない単純な枝や木製の杖を使う場合にはである。これは絶対的に不可欠ではないが、作業を容易にするだろう。流体コンデンサーに満ちて、中間に絶縁体を付けなかった杖を持つ魔術師は、杖には一つの流体のみを入れる方が、彼には作業が容易になり、利点があるだろう。もしも杖には電磁気流が充填されていたら、つまり杖の中の両方の流体が等しく優勢ならば、魔術師は杖の真ん中に穴の無い杖を使わねばならない。代わりに杖の両端に穴を開けるか、それぞれの半分に流体コンデンサーが与えられるようにする。だが魔術師はそれぞれの両端に印を描いて、どちらが電流でどちらが磁気流だったか忘れないようにする。魔術師により良い観点を与えるために、電流の側は通常は赤色で塗られ、磁気流の方は通常は青色で塗られる。そして杖は流体の最も強い部分が尖端に来て、中央はシルクにより絶縁され中立となるように充填されなくてはならない。それぞれの半分は個別に充填される。つまり、最初に宇宙から電流を杖の半分に引き寄せ、末端が充分に蓄積されたら、即座に磁気流を同様に充填する。魔術師は決して、電流を何度か充填してから磁気流を何度か充填するよう試みてはならない。杖の内部の流体の均衡は、維持されなくてはならない。そのため魔術師は電流をある日に蓄積したら、次の日には磁気流を行う。再び杖を充填するには、彼は別の日で試みなくてはならない。


 魔術師は近くや遠くにある対象物への、電流か磁気流か電磁気流の流体の助けにより影響を与える作業を望むならば、杖をこれらで充填するだろう。対象物がアカシャに属するものか、メンタル、アストラル、物理世界に存在するかは問題ではない。病の人に生命力を与えたり癒したり、特定の想像力を生み出すなどの特別な作業については、ここでは扱わないだろう。なぜなら、このレベルまで慎重に学んできた者は、今では自らの作業の方法によって行う事が出来るだろうからだ。


 ポイント4のエレメンツの充填について。この種の充填は2つの違った方法により行える。


 第1の方法は、魔術師は想像力の助けにより杖――それが単純な木の枝であろうとも、流体コンデンサーが与えられた者であろうとも問題ではない――に、どの圏に属するエレメンツも服従するようにと望みつつ充填する。魔術師がエレメンツに及ばす力が充分に杖に充填されたら、そのエレメンツの霊的存在により望む結果はもたらされるだろう。魔術師はその力を単独のエレメントに限定される事無く、地水火風の全てのエレメンツに拡張させられる。召喚する時には、魔術師は魔術の円にエレメンツの頭領を1体ずつ呼び出し、魔術の杖に向かって、魔術師にいかなる時も絶対的な忠誠を与えると誓わせる。その後に魔術師は望むならば、その杖にエレメンツのそれぞれの頭領らの関連する象徴や印章を刻む事も出来よう。だがこれは絶対的に不可欠ではない。魔術師が持つ杖は、それぞれのエレメンツに及ばす魔術師の絶対的な意志と力を象徴するからである。エレメンツのそれぞれの頭領の印章の形は、魔術師が魔術の鏡を用いたり、直接メンタル体をエレメンツ界へと向かわせる事で知る事が出来よう。魔術師が個人的経験と開発とともに、エレメントと関連する象徴を作り出し、全てのエレメントの頭領にそれに向かって、この魔術師が杖に刻んだ象徴のみならず、杖全体に対しても常に忠誠をもつよう誓わせられる。


 エレメンツを杖に充填させる第2の方法は、以下の様にである。魔術師は作業に用いたいエレメントを宇宙から直接的に引き寄せる。つまり、特定の存在を想像力を用いて動的に杖の中に蓄積する。この種の蓄積された杖を用いて作業する際には、望む結果はエレメンツの霊的存在によって起こされるのではなく、魔術師自身から直接によってである。この方法の杖の蓄積の利点としては、魔術師に強い満足感を与える事である。なぜなら、自らが魔術の効果の直接的な原因だからである。


 だが、杖はそれぞれのエレメンツで別個に用意し、別個に離して保管する必要がある。魔術師がこれらをごちゃ混ぜにするのを防ぐために、杖の外観で容易に見分けがつくように作る必要がある。この目的のために、個々の杖はエレメントに関連する色で塗られる。最初は、結果はメンタル界でのみ起きるだろうが、長い間使い、繰り返し充填していると、アストラル界でも働くようになり、やがては物理界でも働くようになる。この種の杖は持ち主に霊、人間、動物、動かない物質にすら影響を与えるだろう。良き魔術師はこのような杖により、奇跡的な現象を引き起こすことが出来る。例えば、天候を変えたり、植物の育成を早めたり、自然の多くの他の事もである。


 ポイント5のアカシャ原理の充填について。この原理を当てはめると、魔術の杖への充填は可能であるが、どのような種類の蓄積も不可能である。なぜならアカシャ原理は強めたりは出来ないからである。だが魔術の杖の中にあるアカシャ原理の全ての様相の特質についての繰り返しの瞑想により、最終的に魔術師はアカシャ原理によってメンタル、アストラル、物理界で現実化する原因を作り出せるだろう。このような方法で充填した杖を用いて、魔術師は想像力により杖を通じてアカシャを動かす事ができ、電磁流体によって作られた稲妻にように、上から三次元世界に直接影響を与えられるだろう。そのような杖は肯定的な知性体らに畏敬され、否定的な霊的存在らに恐れられるだろう。この方法により充填された杖は、通常は所謂悪魔と呼ばれる否定的な存在との作業で、これらを柔順にするために魔術師に好まれて使われる。この主題に対するさらなる詳細については、降霊術を扱う章を参照せよ。


 ポイント6の光の流体の充填について。万物がこれから作られた普遍的な光は、想像力の助けとこの光の特質に対しての熟考を通じて杖へと蓄積される。それにより杖は太陽(普遍的な光の集中)のように輝く。この方法により蓄積された杖は、通常は神動術、つまり光と知性体の高い霊的存在の召喚の目的で用いられる。これは素晴らしい磁石のような効果があり、関連する光の存在を魔術師の意思と願望に注意を向けさせるからである。それらに加えて、全ての他の処置、例えばシルクの布で包んで絶縁し、安全な場所へ保管するなど、も取られなくてはならない。


 魔術師が杖の助けで物理世界で作業が出来るのみならず、またメンタルやアストラルのいずれか、あるいは両方の手を用いて、杖のメンタルやアストラル圏を関連する界へと転換させ、これらの界へ影響を与える作業を、肉体が物理的な杖を持たなくても行える。魔術師が自らのメンタル体全体を放出する場合、全ての特質がメンタル圏にもある彼の魔術の杖のメンタルの形のみならず、他の全ての魔術の道具や補助品のメンタルの形も用いる事が出来る。そして彼は物質界での作業で肉体で用いていたように、ここでもそれらで作業する事が出来る。杖は魔術師の真の意志とその完全性、絶対性、力を表すと決して忘れてはならない。それらは魔術的誓約と比べられよう。そのため、多くの魔術師らはこれらの魔術師の杖を自らの意志力のみならず、魔術的誓約、ヘルメース的観点からは決して壊れないものも象徴させる。多くの魔術師らは杖に自らの意志力に相応しい象徴を刻み、杖を充填する。知性体の普遍的な象徴、印、印章や神名などは、それらが魔術師の真の意志を表しているならば、この目的のために用いられよう。この特定の方法についての詳細は、個々の魔術師に完全に委ねられている。魔術師はこれらの教授によって、自らの目的に到達する方法について知るだろう。彼が望むならば、杖に彼の意志力を表す秘密の名前も刻むだろう。また実践魔術師には、そのような名前は秘密にすべきで、どんな環境であろうとも決して喋ってはならないのも明らかである。


召喚魔術の実践 1-9
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