占星術入門 10

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第10章 水星とその意味合い


 水星は全ての惑星で最も小さく、太陽から28度を超えて離れる事は無い。その理由から、この星は肉眼ではほとんど見る事が出来ない。


 色と動き――水星は汚れた銀色をしている。その平均速度は59分8秒だが、時には素早くなり、1日で1度40分動く。水星は1日留まり、24日逆行する。水星は87日23時間で黄道を一周する。


 緯度――水星の最大の南緯は3度35分で、最大の北緯は3度33分である。


 自然――私はこの星を男性とも女性ともいえない。この星は他の惑星と繋がったりしないからだ。男性原理の惑星と☌コンジャンクションしたら、水星は男性原理となり*1、それが女性原理の星なら、水星自身も女性原理となる。だが水星自身の自然は冷たく乾いており、それゆえメランコリーである。吉星と関わったら、水星も吉星となり、凶星と関わったら凶星となる。水星は鋭敏さ、策略、工夫、偽りなどの創造者である。


 良い品位にある時の態度――良い品位にある水星が表すのは、敏感で政治的な頭脳と知性の人、優れた議論家と論理学者、学問と分別を持って議論する、そして議論に巧みである、神秘と学問のあらゆる種類の探求家、鋭く巧み、教師無しにほとんど何でも学ぶ、あらゆる学に熟達する野望、外国を旅して見て回りたい欲望、不屈の空想力の人、あらゆるオカルト知識の好奇心ある探求家、自らの才能で驚異を引き起こせる、神託やより秘密の知識を与える、彼が商人になるなら、交易で誰も彼にはかなわず、新しい方法の投資法で富を得る。


 悪い品位にある時の態度――問題を起こす奸智、精神錯乱ぎみの人、あらゆる人に対しての舌とペン、愚者に対して甘言を弄して無価値なものに良き結論を出すようにさせる、大嘘つき、自慢、お喋り、出しゃばり、偽り、噂好き、降霊術や神無き知識のような邪悪な術に耽溺する、軽信、馬鹿やかなりの愚者、居場所も意見も無い、どこでも騙して盗む、事件を探し求める、全てを知っていると装う、だが真実を知らず堅固に学ばない、軽薄な人、ただの狂人、神を証明すると述べても、それは口先だけ、内容が無く、判断も無く、容易に誤り、無駄な言葉と自慢しかしない。


 体現――一般的に水星が意味するのは、高い身長でまっすぐで痩せて貧弱な体、高い額、少し狭く長い顔、長い鼻、完全に黒でも灰でもない整った目、薄い唇と鼻、あごには少しの髭だが、頭には黒っぽいブラウンの多くの髪がある、長い腕、指、手、顔色はオリーブやチェスナット色をする。あなたは☿水星を他の惑星よりも多く観察すべきである。他の星とのアスペクトでは、水星は他よりも大きな影響を与える。♄土星とともにあるなら重くなり、♃木星となら温和となり、♂火星ならより激しくなり、☉太陽となら上品となり、♀金星とならより冗談好きとなり、☽月となら、より変化しやすくなる。


 東にある場合――水星が東にあると、彼の顔色は蜂蜜色や太陽に焼けた色となる、背はとても高くはないが、良い均整がある、小さな目、多くの髪は無く、背の高さから考えて良い均整の体があるが、顔色には問題がある、浅黒いブラウンの髪、舌に彼の全ての関心はある。


 西にある場合――黄褐色の顔だち、痩せ体型、小さな細い手足、虚ろな目、赤か火色に煌く、体全体は乾燥ぎみ。


 人物の特質と職業――水星が一般的に意味するのは、全ての学者、哲学者、数学者、天文学者*2、商人、秘書、著作者、彫刻家、詩人、演説者、弁護士、教師、文房具商、画家、両替商、代理人、大使、委員、店員、熟練工、計理士、事務弁護士、時には盗賊、お喋りな公使、忙しく無学な秘書、文法学者、仕立屋、運搬人、使者、従僕、高利貸し。


 病気――頭の全ての眩暈と無気力、狂気、軽いものか脳の病気、結核、舌の全てのつっかえか不完全さ、無益で甘い想像、全ての記憶の障害、しわがれ声、乾いた咳、多すぎる唾、頭か喉の鼻詰まり、手や足の痛風、無口、舌の詰まりや病、想像力と知力の全ての悪しきもの。


 オーブ――水星のオーブは7度である。


 年数――水星の最大の年は450年で、大きいのは76年、中間は48年、最小は20年である。


 国――水星はギリシア、フランドル、エジプト。都市ではパリである。


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*1 原注 これはアスペクトでも当てはまるが、無論、ホラリーの占断での場合のみである。
*2 原注 ハーシェル星(天王星)とともにあるか良いアスペクトなら、より可能性が高まる。