高等魔術の教理と祭儀 1-7

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第七章 ז G 火の剣


ネツァフの剣


 七つ組は全ての神智学と象徴において聖なる数であるが、これらは三つ組と四つ組が組み合わさっているからである。七の数は万物が満たされる魔術的な力を表している。これは全ての四大エレメンツの力により強化された精神であり、自然に仕える魂である。ソロモンの鍵では聖なる王国として記され、王冠をかぶった戦士の姿でタロットでは描かれている*1。彼の胸当ての上には三角形を身に着けて、立方体の上で立ち、それらには二匹の反対の方向を向くも頭は同じ道を向くスフィンクスが繋がれている。この戦士は火の剣を持ち、もう一方の手には三角形と球をつけた王錫を持っている。この立方体は賢者の石であり、二匹のスフィンクスは大いなる動者の二つの力であり、ソロモン神殿のヤキンとボアズの柱と照応する。戦士の胸当ては神的なものの知識であり、賢者が人の襲撃に破られないようにする。王錫は魔術のロッドであり、火の剣は七つの大罪に対する勝利の象徴であり、この七の数はそれらの徳である。古代において、これら両方の概念は当時知られていた七つの惑星で表されていた。すなわち、信仰――無限への大志、全ての徳での自信が支える高貴な自負心――この信仰は弱い自然ではプライドへの堕落をするかもしれないが、これらは太陽により表わされている。貪欲と対立する希望は月により表わされ、贅沢と対立する慈善は明けと宵の明星である金星で表され、憤怒を超える力は火星を表し、怠惰と対立する思慮分別は水星を表し、暴食と対立する節制は子を飲み込む代わりに石を与えられたサトゥルヌス、土星を表し、最後に嫉妬に対立する正義はティターン族を征服したユピテル、木星を表す。天文学はこれらの象徴をギリシア宗教から取り入れた。ヘブライのカバラにおいては、太陽は光の天使を表し、月は向上心と夢の天使、火星は破壊の天使、水星は進歩の天使、木星は力の天使、土星は野性の天使を表す。彼らはミカエル、ガブリエル、サマエル、アナエル、ラファエル、ザカリエル、オリフィエルと呼ばれている。
 これらの魂を支配する力は、人生の各時期を共有しており、占星術師らは関連する惑星の位置によりそれらを測っていた。だがカバラの占星術を、裁きの占星術と混同してはならない。私はこの違いを説明しよう。幼児は太陽に、子供は月に、若者が火星と金星に、大人は水星に、熟年は木星に、老人は土星に捧げられている。さて、人類一般も個々の人間の一生のように進歩の法の下に存在する。この概念から、トリテミウスは七つのスピリッツの預言的な鍵を確立したが、これらは私は後に述べる事にする。この方法により、連続する出来事の類推の比率を観測し、未来の重要な出来事を確信とともに予知するのが可能となり、時代から時代へと国や世界の運命を事前に明確にできる。キリストの秘密教義の受寄者たる使徒聖ヨハネは、それらを黙示録のカバラの書の中で表し、七つの印で封印した。そこで我々は古代神話での七つの精霊、タロットの杯と剣を見つけられる。これらの象徴の下に隠された教義は、純粋なカバラであり、キリストが降臨した際には既にパリサイ人らが失ったものである。この驚異的な預言で次々と現れる場面はかくも濃厚なものであり、それらの鍵は、三つ組、四つ組、七つ組、十二つ組である。このヒエログリフ的な象徴は、ヘルメスの書か、博識なウィリアム ポステルの個人的な意見で仮の題名としたエノクの創世記と類似している。
 モーセがエデンの門に火の剣とともに配置したケルブ、象徴的な牛は、スフィンクスであり、牛の体と人間の頭を持つ。これは古代アッシリアのスフィンクスであり、ミトラスの戦いと勝利がこの象徴的な意味合いとしてある。次にこの火の剣で武装したスフィンクスは、大衆が秘儀参入の扉に近づかないよう監視している神秘の法則を表す。これらを何も知らなかったヴォルテールは火の剣を振り回す牛の意味合いを大きく誤解していた。彼がメンフィスやテーベの廃墟を訪れたら、何を言ったであろうか? ラムセス王の墓に眠っている過去の時代のエコーが、今のフランスで楽しまれている軽薄な風刺にどう答えるだろうか? モーセのケルブはまた、大いなる魔術の神秘をも表しており、それらの要素は七つ組により表わされるが、最後の言葉は与えられていない。このアレキサンドリア学派の賢者らも言えずにいた言葉、ヘブライのカバラ学者らが、יהוה IHVHと書き、אראריתא アラリタと解釈した*2言葉は、第二の原理の三重性を表しており、二元性を表し、第一と最終の原理の均等な統一を表し、さらに三つ組と四つ組をこの四文字の言葉の中で結合させ、三重と二重の繰り返しにより七を形成する――この言葉はアラリタと発音する。
 魔術において七つ組の性質は絶対である。この数は万物を定めるからである。ゆえに全ての宗教ではその儀式で七を聖化している。七年はユダヤ教では安息の年であり、週の七日目は休息と祈りのための安息日であり、カトリックでは七つの秘跡が存在するなどである。古代においてはプリズムの七色と音楽の七音階も、七惑星と関連しており、それらは人の竪琴の七つの弦である。霊的な天は決して変化せず、占星術は天文学よりも不変であった。この七惑星は事実、我々の感情の鍵のヒエログリフ的な象徴である。太陽、月、土星のタリズマンを作る事は、意志を磁気的に魂の主な力に照応しているサインに繋げる事である。何かを水星や金星に聖別するのは、その目的である何らかの喜び、科学、利益への直接的な意図へとこの物を磁気化する事である。これらと関連する金属、動物、植物、香はその目的を補助しよう。七つの魔術的な動物は――(a)鳥は神的な世界に関連し、白鳥、フクロウ、禿鷲、鳩、コウノトリ、鷲、タゲリである。(b)魚は霊的、知的世界に関連し、アザラシ、ナマズ、カワカマス、ボラ、鮠、イルカ、イカである。(c)四足獣は自然界と関連し、ライオン、猫、狼、山羊、猿、雄鹿、モグラである。これらの動物の血、脂肪、肝臓、胆汁は呪術に役立つ。これらの脳は植物の匂いとも関連しており、これらは七つの惑星の影響と関連する磁気的な性質を持つのを、古代では実践的に認められていた。
 七つのスピリットのタリズマンはカーバンクル、水晶、ダイヤモンド、エメラルド、瑪瑙、サファイア、オニキスといった宝石や、金、銀、鉄、銅、固体の水銀、スズと鉛の合金の白目、鉛といった金属に彫られていた。七つのスピリッツのカバラのサインは、太陽はライオンの頭をした蛇である。月は二つの三日月により分割された球である。火星は剣の柄を噛んでいる竜である。金星は性器である。水星はヘルメスのカドケウスの杖と、アヌビス神の犬頭である。木星は鷲が爪か嘴で持つ燃える五芒星である。土星は足が不自由な老人か太陽石に絡まる蛇である。これらの象徴全ては古代の石に彫られているのを見つけられ、特にアブラサクスの名で知られていたグノーシス派のタリズマンにである。パラケルススのタリズマンのコレクションで、木星は祭司服を着た祭司で表される。タロットでは高祭司であり、教皇の三重冠をかぶり、その手に三重の十字架を持ち魔術的な三角形を形成し、それらは三つの世界の王錫と鍵を表している。
 三つ組と四つ組の統一について私が述べてきた事を組み合わせれば、七つ組について話すべき残りのもの全ても見つけられ、四と三の組み合わせによる大いなる魔術的統一は完成しよう*3



高等魔術の教理と祭儀 1-8
↑ 高等魔術の教理と祭儀


*1 タロット第七のカード「戦車」のこと。
*2 ウェイト注。少なくともゾーハルのカバラ学者らはこの種の事は何もやっていない。全てのラビ ユダヤ教では一般的に、彼らは主アドナイをヨド、ヘー、ヴァウ、ヘーと呼び、メシアが現れた時に、この神名は再建された聖所で回復するだろうと考えていた。
*3 レヴィ注。磁気の試みで用いられる七つ組の色や植物については、ラゴン氏の「オカルトメイソンリー」の博識な書を参照せよ。