占星術入門 4

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第4章 12のハウス、その性質と意味


 私が先に述べたように、12のサインと12のハウスが天にはあるが、ここでは私は12のハウスについて述べる。たとえ惑星とサインの性質を学んでいてもハウスの占断方法を知らない者は、先を考えずに沢山の子供を産んで、彼らを養わせることが出来ない人のようなものである。かくも、これらの正確な知識を求められるのである。この世界の人間の中で、天の12のハウスの一つとも関連が無い人は存在しない。12のサインが人の体の部分と関連しているように、12のハウスも人の体の部分のみならず、その行動、人生の質、生涯とも関連する。占星術の先駆者らの好奇心と判断から、彼らはあらゆるハウスに特別な意味合いを与えていたほどであった。また人のアクシデントも12のハウス全体に区分している*1。これらの問題を理解した者は、偶然のアクシデントやその成功について占断し理性的な回答を与えるのには充分な程度では望まないであろう。


第1ハウスとその意味合い


 第1ハウスは、第2章の図1の天宮図で線1から第2ハウスが始まる線2までの間の空間で、地平線からIC、天底までの間の3分の1の距離がある。ここは占断での質問者や出生での人の一生、姿形、色、複雑性を意味する。これは天宮図が造られた場所の一般人や、王国の一般的な状態を表す。そして最初のハウスとして、ここは人の頭と顔を表す。そのため、質問や出生の時に♄土星や♂火星がこのハウスにあれば、顔にある傷を見るであろう*2。あるいは、このハウスのカスプに相応しいサインがある場合で、例えば♈白羊宮がこのアセンダントの中なら、例外なく黒子やあざ、傷が頭か顔にある。そしてサインが数度は上昇していたら、黒子は頭の上部にあるだろう。サインの中間の角度がカスプにあれば、黒子や傷は顔の真ん中にあり、後半の部分ならば、顔の顎のあたりや首に向かって傷があるだろう。私は数百の例からこれが事実であると確認している。色については、それは白である。すなわち、このハウスにある惑星が白色の意味合いがあれば、顔色は白く血の気の無い色となろう。あるいは、ある人の衣服の色を調べたくて、その人物の表現星(significator)が第1ハウスにあり関連するサインの中ならば、相手の衣服は白か灰色か近い色であろう。また牛について質問して、その表現星がこのハウスの中に見つけられたら、これらは白か近い色である。このハウスは男性原理である。このハウスの共同表現(consignificators)は、♈白羊宮と♄土星である。このハウスは第1ハウスなので、第1サインの♈白羊宮と一致する。また、♄土星は惑星の中から最初のものである*3。そのため、♄土星はこのハウスでは適度に強化する。また、♃木星、♀金星、☉太陽、☽月との良いアスペクトがあれば、肉体を健康にし、通常は長生きする。☿水星もこのハウスで喜ぶ。なぜなら、このハウスは頭を表し、水星は舌、空想、記憶と関連するからである。水星が良い品位にあり、このハウスの中にあれば、雄弁家となろう*4。このハウスはアセンダントと呼ばれているが、それは☉太陽や他の惑星がこのハウスのカスプに来た時に、これらはアセンド、上昇して、地平線から見えるようになるからである。


第2ハウスに関する質問


 このハウスは財産や土地資産、動産、貸した金、経済的利益や損失での彼の財産や土地資産に関する占断で必要となる。また、訴訟においては、これは人の友人やアシスタントを意味する。個人的な取引では、質問者の部下。蝕や大コンジャンクションでは、人々の貧困や富。このハウスは彼らの弾薬を持ち込む。このハウスは人の中では首と肩に向けての隠れた部分を表す。色では緑色である。これは女性原理のハウスで、サクシーデントである。


 このハウスの共同表現は♃木星と♉金牛宮である。♃木星がこのハウスの中にあるか、その主であると、財産や土地資産を強める。☉太陽と♂火星はこのハウスには決して良く置かれない。占断でこれらの星が入っていたら、これらの能力と性質により、物質の消散を示すだろう*5


第3ハウス


 このハウスが意味するのは、兄弟姉妹、従弟、親戚、隣人、小さな旅、国内旅行、しばしばある場所から別へと移す、書簡、手紙、噂、メッセージ。このハウスは肩、腕、手、指を支配する。色では、赤と黄色や薄赤褐色を支配する。この共同表現は♊双児宮と♂火星であり、これは♂火星がこのハウスにあっても、♄土星が加わっていない限り、非常に不幸では無い理由の一つである。これはカデントハウスであり、☽月が喜ぶ。月がこのハウスに位置して、特に活動サインの中にもあれば、旅行、馬の速足、速歩を強化したり、騒がしくする。このハウスは男性原理である。


第4ハウス


 このハウスは父親の一般の占断を与える。質問者の父親や、出生時の父親である。また他にも、土地、家、借家、資産相続、耕地、隠された宝、何らかの決定や終焉、街、都市、包囲されている城やされていない城、全ての古い住居、庭園、野原、牧草地、果樹園、購入した土地の質や自然、ワイン畑、小麦畑など、また土地が森か岩地か不毛かも示す。

 第4サイン*6は街、そこの君主、支配者を意味する*7。このハウスは胸と肺を支配し、色では赤である。その共同表現は♋巨蟹宮と☉太陽である。我々はここを地のアングル、あるいはImum Coeli(IC、天底)と呼ぶ。このハウスは女性原理であり、北のアングル*8である。出生チャートや質問では、この第4ハウスは父親を表す。ゆえに、昼間は☉太陽で夜は♄土星である。ゆえに、ここに☉太陽があれば、質問者は不幸ではなく、その父親が高貴な傾向にあるのを示すなどである。


第5ハウス


 このハウスにより占断するのは子供や使節、子供のいる女性の状態、宴会、エール酒場、酒場、遊技場、共和国のための使者やスパイ、父の富、包囲中の都市の弾薬、妊娠した女性が男の子か女の子を産むか、また質問で息子や娘が健康か病気か。このハウスは胃、肝臓、心臓、腹の側面と背中を支配する。また男性原理である。色は黒と白、蜂蜜色である。また、これはサクシーデントハウスである。その共同表現は♌獅子宮と♀金星で、これらはこのハウスで喜ぶ。そのため、ここは快楽、喜び、歓楽のハウスと見做されている。♂火星や♄土星は極めて凶星であり、これらがこの中にあれば、子供たちの不服従や強情さを示す。


第6ハウス


 このハウスが関連するのは、従者やメイド、ガレー船奴隷、豚、羊、山羊、野兎、兎、あらゆる種類の小さな牛とこれらによる損益、病、その性質と原因、病の主要な気質、治療可能か否か、病は短いか長く続くか、日雇い、借地人、農民、羊飼い、豚飼い、牛飼い、養兎場人。また、叔父や父方の兄弟や姉妹を意味する。このハウスは腹の下部と腸、直腸すら支配する。このハウスは女性原理であり、カデントハウスであり、不幸にもアセンダントとは何のアスペクトも無い。色では黒である。♂火星はこのハウスを楽しむが、共同表現はサイン♍処女宮と惑星♀金星である。一般的に、♂火星と♀金星がこのハウスで合コンジャンクションすると、良く医師を強化するのを私は見つけている*9


第7ハウス


 このハウスが占断で与えるのは、結婚、質問の対象が男か女か、全ての愛の問題、公共の敵、訴訟での被告人、戦争について、対立する党、全ての喧嘩、決闘、訴訟、占星学では占者自身、医術では医師、盗賊と盗み、男にせよ女にせよ盗んだ人、狼、愛人、その姿や描写、状態、高貴な生まれか下賤な生まれか、毎年の占断では今年は戦争になるか平和になるか、勝利、誰が征服し誰が逃げ出すか、追放されるか無法人となるかである。共同表現は♎天秤宮と☽月である。♄土星か♂火星はここにあると凶星であり、結婚では不幸を示す*10。色では、暗い黒。このハウスは尻と臍を支配する。西のアングルと呼ばれ、男性原理である。


第8ハウス


 このハウスは故人の場所である。死、その性質と自然、遺書、遺産、故人の遺言、妻の持参金、メイドの持参金、それらが多いか少ないか、容易に得られるか難しいか、決闘では敵の動き、訴訟では被告人の友人、人が死んだ死因。このハウスは人の精神の恐怖と怒りを表す。また、亡くなった者の相続人である*11。このハウスは排泄器官を支配する。色では緑と黒である。共同表現はサイン♏天蝎宮と♄土星である。痔核、結石、排尿困難症、膀胱はこのハウスに支配されている。また毒もである。ここはサクシーデントハウスで女性原理である。


第9ハウス


 このハウスの占断で与えるのは、長い船旅、宗教的な人、司教にせよその下位者にせよ、あらゆる種類の聖職者、夢、幻視、外国、本、学習、聖職禄、妻や夫の優しさである。色では緑と白。人の体では、尻と腿。このハウスの共同表現は♃木星と♂火星である。♃木星がこのハウスの中にあれば、自然と彼の宗教の信仰深い人や謙虚に与えた者を表す。私は竜の尾や♄土星や♂火星がこのハウスにあると、質問者は無神論者や無鉄砲な宗派の信者より少しマシな程度なのを何度も確認している*12。☉太陽はこのハウスで喜び、ここは男性原理でカデントである。


第10ハウス


 このハウスは一般的に、王、大公、公爵、伯爵、判事、隊長、軍にせよ都市にせよ最高司令官を表す。権力の全ての長官や役人、また母、名誉、昇進、威厳、権能、法律家、仕事、交易を表す。また、王国、帝国、公国、伯国も意味する。色では赤か白であり、人の体では膝と腿を支配する。ここはMedium Coeli、あるいはミッドヘブン(MC)と呼ばれ、女性原理である。このハウスの共同表現は♑磨羯宮と♂火星である。♃木星も☉太陽もこのハウスでは非常に吉星で、特にこれらが共にある場合である。♄土星や☋竜の尾は通常は高潔な士としての名誉を否定し、大衆は保有や交易で少しの利益しか得られないだろう。


第11ハウス


 このハウスが一般的に表わすものは、友、友情、希望、信用、確信、誰にせよ称賛や非難、友人の忠実さや偽り。王としては、このハウスは彼らのお気に入り、廷臣、従者、近侍や同盟者、彼らの金銭、財力、宝であり、戦争では弾薬や兵士であり、このハウスは廷臣らを表す。共和国コモンウェルスにおいては、少数の貴族や平民の支配、議会でのアシスタンスをこのハウスは表す。ロンドンでは、第10ハウスは市長を表すが、第11は市議会、この都市の平民から出世した者を表す。人の体ではこのハウスは足とくるぶしを支配する。色では、サフロン色と黄色である。このハウスの共同表現は☉太陽と♒宝瓶宮である。♃木星は特にここで喜ぶ。ここはサクシーデントハウスで男性原理であり、この性質はほとんど第7と第4ハウスと変わらない。


第12ハウス


 このハウスが意味するのは、個人的な敵、大きな牛、馬、雄牛、象など、悲しみ、苦難、捕囚、あらゆる種類の苦悩、自堕落など、悪意を持って隣人らをこっそり傷つける者、彼らに対して秘密裏に告げ口する者。このサインの共同表現は♓双魚宮と♀金星である。土星はこのハウスでは非常に喜ぶ。彼は自然と損害の著者だからである。人の体では、足首を支配する。色では緑を表す。ここはカデントハウスで、女性原理である。


 これがプトレマイオスの教義と私自身の何年もの経験によるハウスの真の性質である。私はアラブ人らは幾つかの別のハウスの分割方法を作っているのを告白しなくてはならない。だが私はこれらが正当であるか、自分の経験では一度も確認出来なかった。それゆえ、これらについて私は何も言えない。


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*1 原注 ここでのアクシデントという言葉は、人生の出来事全般を意味する。
*2 原注 これはブロアム卿の出生図で確認できる。誕生時には♄土星が♏天蝎宮の中にあったので、卿は自然と顔に多くの傷があった。
*3 リリーの時代の7惑星時代なら、外側から数えて1番目になる。
*4 原注 ブロアム卿はこの時代の最良の雄弁家であったが、卿は☿水星が丁度起き上がろうとした時に生まれている。
*5 原注 このハウスに☽月があり、♃木星と良いアスペクトにあれば、土地の富を与えるだろう。ウェリントン公爵はこのハウスに☽月があり、第10ハウスの♃木星とは△トラインにあった。
*6 おそらくハウスの間違い。
*7 原注 これは著者の時代に都市の包囲戦の占断がしばしば行われたのを暗示している。
*8 ホロスコープでは180度逆にしているので、東は左、北は下となる。
*9 原注 これは病に対する質問の話であり、出生チャートでは何の意味も無いのを暗示している。
*10 原注 私はこのハウスに♄土星、♂火星、♅天王星があると、結婚や結婚状態で不幸となる原因となるのを常に見つけている。出生チャートでは、これらとのアスペクトをよく見るようにせよ。質問時では、私はこれらに対して何の意見も無い。もっとも、強い品位があるが。ウェリントン公爵は第7ハウスに♄土星と♂火星の両方があり、結婚生活は不幸なものだった。
*11 原注 これは質問者の表現星が第9ハウスにあるのを示唆している。
*12 原注 これはホラリーでの質問ではほとんど無いのを示唆しており、この方法により影響を与える事は出来ない。これらは良く言っても善人や悪人の象徴である。出生チャートでは、月や水星のみが精神に影響を与える。この学の2つの流派の混乱による間違いで、出生チャートでは、惑星は出来事の原因(神の影響の下で)であるが、ホラリーの質問では星々は出来事の「徴」のみである。これがこの高尚な学に悪評を与えている最大の原因なのである。この間違いは、中世の粗悪な状態の天文学から来ているようである。チャールズ2世の御代ほど後の時代ですら、王室医師のゴード博士が天文学者らは惑星♃木星と♄土星が1週間よりも近い時のオポジションを計算できないと述べていた。ならば、初期の頃のデータもしばしば信用できない時代に、どのように正確な占星術師の占断が期待できようか?