明かされたカバラ 序説2

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39. 次に私はセフィラとセフィロトの本当の意味について説明するとしよう。
 セフィラは単数形でセフィロトはその複数形である。この言葉の最良の翻訳は、「数で表された流出」である。10のセフィロトがあり、十進法の最も抽象的な形態、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10の数である。ゆえに、高等数学と同様に我々はこれらの抽象的なセンスによって数について考える。それゆえカバラでは我々は神について数の抽象的な形態として考える。言い方を変えるならば、SPIRVTh、セフィロトによってである。これは古代の東方の理論から来ており、ピュタゴラスもまたそこから数の象徴の考えを得ているのである。


40. これらのセフィロトを共同や個々に分析したりして、我々は神の属性と個人の進歩を見つける。これらのうち、あるものは男性であるものは女性である。次に、ある理由から、あるいは他の彼ら自身が知る理由から、聖書の翻訳者らは、神は男性原理であると同時に女性原理である事実への、あらゆる参照と、その存在を慎重に隠した。彼らはエロヒムの言葉の女性複数形を男性単数形として翻訳した。彼らはしかし、うっかり複数形であるのを知っているのを示している。創世記の第1章26節の「そしてエロヒムは言った。我々は人を造ろう。」また、27節でどのようにエロヒムの像としてアダムらが男と女として造られたのか、もしエロヒムもまた男であり女で無いとしたら? エロヒムという言葉は女性単数形のALH、エローから、IMを足した複数形で作られる。だが、IMは通常は男性複数形の末尾であるので、ここで女性名詞に加えられることで、エロヒムという言葉は女性の潜在性のセンスに男性の考えの複数形が組み合わされる。それにより、子を産む能力がある。次に、我々はよく祈りで父と子とと聞くが、母については今日の一般の宗教では聞かない。だがカバラにおいては、古き御方は自らを同時に父母として認め、それゆえに子を産むのを我々は見つける。この母はエロヒムである。次に、我々は聖霊は男性原理だと通常語られる。だが、RVCh、ルアフ、霊という言葉は女性名詞である。以下のセフェル イェツィラーの一節で現れるようにである。「AChTh RVCh ALHIM CHIIM, アハト(女性形。男性形のアハドではない)ルアフ エロヒム ハイーム、彼女はエロヒムの命の霊である」。


41. 次に我々が見つけるのは、神が自らを一致させる――すなわち、男と女として――まで、世界は存在出来ない。あるいは、創世記でいう「地は形なく虚無であった」。これらの前世界は「イスラエルの王が支配する前にエドムを支配していた王達」として象徴される。それゆえ、カバラではこれらは「エドムの王達」として語られる。これは本書の様々な場所で見つけられるだろう。


42. 我々は次に第1セフィラ、あるいは1の数、ピュタゴラス学派の言うモナドについて考えよう。この数の中に、他の9つは隠されている。これは分割不可能な数であり、掛けるのも不可能である。1を自らで割っても、1のままである。1を自らで掛けても、1のまま変わらない。ゆえに、これは万物の不変の父を表すのに最適である。次に、この統一の数は二重の性質がある。ゆえに、否定と肯定の間のリンクを形成する。この変化不能の一つのものゆえ、これはほとんど数とは言えない。だが足し算が可能な性質から、これは数列での第1の数と呼べよう。次に、ゼロ、0は、足し算すら不可能である。否定的存在と同様にである。では、1は掛けるのも割るのも出来ないのなら、足すための別の1を得るにはどうするか。言い方を変えれば、どのようにして2の数は見つけられるか? それは自らを反映する事によってである。ゼロは定義が不可能だが、1は定義可能である。そして定義の効果は、エイドロン(幻)、複製、像を造れる事である。ゆえに、我々は1と自らの反映の両者により、2、デュアドを得る。さらに我々は確立した波動の開始を得る。1は変化不能性から定義へと変化し、さらにまた変化不能性へと戻る事で波動するからである。ゆえに、これは全ての数の父であり、万物の父を表わすのに最適となる。

 第1セフィラの名前は、KThR、ケテル、王冠である。

 これに帰する神名は、出エジプト記 第3章4節での父の名、AHIH、エヘイエー、我は我なり。これは存在を強調する。

 これに当てはめる形容辞らは、自らの背後に否定的存在の概念を抱えているので、TMIRA DTMIRIN、テミラ デ=テミリン、秘中の秘。
 OThIQA DOThIQIN、アティカ デ=アティキン、古き中の古き方。
 OThIQA QDIShA、アティカ カディシャ、最聖の古き方。
 OThiQA、アティカ、古き方。
 OThIQ IVMIN、アティク イオミン、日々の古き方。

 またこうも呼ばれる。

 NQDH RAShVHN、ニクダー レショナー、最初の点。
 NQDH PShVTh、ニクダー ペシュター、平坦な点。
 RIShA HVVRH、リシャ ハウラー、白い頭。
 RVM MOLH、ロム マアレー、探索不能な高み。

 これら全てに加えて、万物の大いなる父としての別の非常に重要な名前もこのセフィラには当てはめられている。それはARIK ANPIN、エリーク アンピン、広大な顔、あるいはマクロプロソプスである。彼は部分的には隠れており(その否定的な存在との繋がりという意味合いにおいて)、部分的には顕れている(肯定的なセフィラとして)。ゆえに、広大な顔とは、顔の片方の側から、あるいはカバラで言われる「その全ての右側」からのみが見える事の象徴である。私はこの称号について後に再び検討するだろう。

 この10のセフィロトは、天の人間、あるいは原初の存在、ADM OILAH、アダム オイラーを表している。

 このセフィラの下に属する者らは、天使の位階のChIVTh HQDSh、ハヨト ハ=クデシュ、聖なる生物、エゼキエルの幻視とヨハネの黙示録に現れたケルビムあるいはスフィンクスである。これらは黄道12宮では、4つのサイン、金牛宮、獅子宮、天蝎宮、宝瓶宮――雄牛、獅子、鷲、人間*1で表される。天蝎宮は、良きエムブレムとして鷲として、悪しきエムブレムとして蠍に、そして混合した性質として蛇により象徴される。

 第1のセフィラは、他の9つを含んでおり、これらを連続して産み出す。ゆえに――


43. 第2の数、デュアド。第2のセフィラの名前はChKMH、ホクマー、知恵であり、私が先に述べたケテルから反映された男性的活動的な能力である。このセフィラは活動的で明白な父であり、第3に位置する母と統一される。この第2セフィラは神名のIH、ヤー、とIHVHで表され、天使らの中では、AVPNIM、ウファナイム、輪たち(エゼキエル書 第1章)である。これはまた、AB、アブ、父とも呼ばれる。


44. 第3のセフィラ、トライアドは、女性的受動的能力であり、BINH、ビナー、理解と呼ばれ、ホクマーと同格である。第2は、2つの点による直線であり、決して空間を含まない。そのため、これは第3が加わり三角形を形成するまでは無力である。ゆえに、このセフィラは至高の三角形を完成させ顕在化させる。これはまた、AMA、アマ、母と、AIMA、アイマ、大いなる豊穣の母を表す。彼女は永遠にAB、父と繋がり続けて、この宇宙の秩序を維持する。それゆえ、彼女は我々が父として知る者の最も明らかな形態であり、ゆえに彼女は全ての栄誉が与えられるべきなのである。彼女は至高の母であり、ホクマーと同格であり、神エロヒムの偉大な女性形態である。カバラにおいては、神の面前で男と女はエロヒムの像として同等に造られた。女性は男性と同格であり、いわゆる自称キリスト教徒らが教えようとするのとは違い、確実に劣った存在ではない。アイマはヨハネの黙示録(第12章)で記す女である*2。この第3セフィラは時には大いなる海とも呼ばれる。彼女には神名のALHIM、エロヒムとIHVH ALHIMで表され、天使の階級はARALIM、エレリム、玉座らである。彼女は天上の母として、マルクト、劣った母、花嫁、王妃と区別される。


45. 第4の数。第2と3のセフィロトの結合は、ChSD、ヘセド、慈悲あるいは愛を産み出す。これはまた、GDVLH、ゲドラー、偉大さ、壮麗とも呼ばれる。神名AL、エル、力ある方により男性的な能力が表される。天使の位階は、ChShMLIM、ハシュマリム、煌く炎である(エゼキエル書 第4章4節)。


46. 第5の数。ここより、女性的受容的な能力、GBVRH、ゲブラー、力あるいは忍耐、あるいはDIN、ディン、正義が流出した。神名のALHIM GBVR、エロヒム ゲブラとALH、エラーで表され、天使の名はShRPIM、セラフィム(イザヤ書 第6章6節)である。このセフィラはまたPChD、パハド、恐れとも呼ばれる。


47. 第6の数。ここでは上の2つから統一されたセフィラ、ThPARTh、ティフェレト、美あるいは温和さが発せられた。神名のALVH VDOTh、エロハー ヴァダートで表され、天使らの名は、ShNANIM、シナニム(詩篇 第68章18節)、あるいはMLKIM、メラキム、王たちである。ゆえに、正義と慈悲が結合する事により、我々は美や温和さを手に入れ、セフィロトの第2の三角形は完成した。このセフィラ、あるいは「小路」や「命数法(Numeration)」――これらの後者の名称により、この流出は時には呼ばれる――が第4、第5、第7、第8、第9セフィロトとともに、ZOIR ANPIN、ザイル アンピン、小さな顔、ミクロプロソプスと呼ばれる。これは第1セフィラ、ケテルの名前の1つの、マクロプロソプス、広大な顔の対照の道である。ザイル アンピンが成り立つ第6のセフィラは、ゆえに彼の6つの仲間らと呼ばれる。彼はまた、MLK、メレク、王とも呼ばれる。


48. 第7の数。第7のセフィラはNTzCh、ネツァフ、堅牢さや勝利である。関連する神名はIHVH TzBAVTh、イェホヴァ ツァバオト、万軍の主である。天使らの名前は、ALHIM、エロヒム、神々と、ThRShIShIM、タルシシム、輝けるものたち(ダニエル書 第10章6節)である。


49. 第8の数。ここで女性的受動的な能力、HVD、ホド、栄光へと進む。関連する神名はALHIM TzBAVTh、エロヒム ツァバオト、万軍の神々であり、天使らの中ではBNI ALHIM、ベニ エロヒム、神々の息子たちである(創世記 第6章4節)。


50. 第9の数。ここで上の2つはISVD、イェソド、基礎や基底を産み出す。関連する神名は、AL ChI、エル ハイ、力ある生けるものと、ShDI、シャダイである。天使らの中では、AShiM、アシム、炎ら(詩篇 第104章4節)で、ここでセフィロトの第3の三角形が産み出される。


51. 第10の数。第9のセフィラから第10にして最後のセフィラは導かれる。これにより、10の数は完成する。これはMLKVTh、マルクト、王国と呼ばれる。また王妃、妻、劣った母、ミクロプロソプスの花嫁、そしてShKINH、シェキナーとも呼ばれる。神名ADNI、アドナイで表され、天使らの中では、KRVBIM、ケルビムである。



 次に、各セフィロトはある程度は両性具有である。セフィロトの流れにおいて直前のセフィラから受け取る際には女性的であり、それに続くセフィラへ能動的に送る際は男性的となる。だが、ケテルの前にあったりマルクトの後にあるセフィラは無い。これらを頭に置くと、なぜ男性的なセフィラとして記されるホクマーは女性名詞であるかも分かろう。セフィロトを繋げるものは、メズラ、隠された影響からのルアフ、霊である。


52. 私は次に、MThQLA、メテケラ、バランスの天秤についてのカバラ的な意味合いについても少し述べる事にする。セフィロトの3つの三角形、トライアドはそれぞれ、対称の性の2つ組と、結果としての統一された知がある。ここでは、男性原理と女性原理のそれぞれの能力は2つの天秤の秤皿と見なされる。そして統一されたセフィラはこれらを繋げる棹としてである。ゆえに、天秤という用語は、三位一体、統一にある3つ組、秤の棹の中心点が表す統一の象徴と言えよう。だが再び言うが、セフィロトでは、上位、中位、下位の3つの3つ組がある。これらの3つは、王冠ケテルによる天上あるいは至高のものと、王による中位のものと、王妃による低位のものがある。最後のものは最大の三角形となる。そしてこれらの地上の相関物は、太陽と月のプリムム モビル(第一動因)である。こごで我々は錬金術の象徴主義を見つけられる。


53. 次に、セフィロトは世界ではこのように表される。

(1)RAShITh HGLGLIM、レシート ハ=ガルガリム、渦の動きの始まり、第一動因。
(2)MSLVTh、マスロト、黄道12宮の圏。
(3)ShBThAI、シャバタイ、休息、土星。
(4)TzDQ、ツェデク、正しさ、木星。
(5)MADIM、マディム、猛烈な力、火星。
(6)ShMSh、シェメシュ、日光、太陽。
(7)NVGH、ノガ、煌く光輝、金星。
(8)KVKB、コハブ、星の光、水星。
(9)LBNH、レヴァナー、月の炎、月。
(10)ChLM ISVDVTh、ハラム イェソドト、基底の破壊者、エレメンツ。


54. セフィロトはさらに3本の柱に分割される――第2のホクマー、第4のヘセド、第7のネツァフの流出で構成される慈悲の右側の柱、第3のビナー、第5のゲブラー、第8のホドで構成される峻厳の左側の柱、第1のケテル、第6のティフェレト、第9のイェソド、第10のマルクトで構成される隠和*3の中央の柱である。


55. これら10のセフィロトの総合性と統一を、原型的な人、ADM QDMVN、アダム カドモン、プロトゴノスとして表される。最初の3つ組の性質を見ればわかる通り、これらは知性を表している。ゆえに、この3つ組は知性界、OVLM MVShKL、オラム メシェクルと呼ばれる。第2の3つ組は倫理界、OLVM MVRGSh、オラム モーガシュと照応する。第3は力と安定を表しているので、物質界、OVLM HMVTBO、オラム ハ=メッターブと呼ばれる。これらの3つの相は顔、ANPIN、アンピンと呼ばれる。これらにより、生命の樹、OTz ChIIM、エッツ ハイームが形作られる。第1のものは上に、第2と第3は下に、そして男性原理のセフィロトは右側に、女性原理は左側に、4つの統一されたセフィロトは中央に位置するように置かれる。これはカバラによる万物が属する「生命の樹」である。この樹と北欧神話のユグドラシルの樹には多くの考慮に値する類似がある。


56. 私は既に述べているが、全てのセフィロトを含む1つの3つ組がある。それは、王冠、王、王妃(ある意味、これはキリスト教の父と子と聖霊の三位一体であり、その至高の神性の性質は最初の3つのセフィロト、ケテル、ホクマー、ビナーで象徴される)で構成される。この3つ組により世界は創造され、あるいはカバラの文脈で言うならば、王冠を被った王と王妃から世界は産まれた。しかしカバラでは、天の人間(10のセフィロト)の完全な形態が産み出される前に、特定の原初の世界が幾つか創造されたとされる。だがバランスの均衡が完全ではなかったので、これらは生き残れなかった。そしてこれらは不安定の力によって崩され滅ぼされた。これらの原初の世界は「古き世の王達」や「イスラエルの君主らの前に支配していたエドムの王達」と呼ばれる。この文脈では、エドムは不安定な力の世界であり、イスラエルは安定したセフィロトである(創世記 第36章31節)。この現在の創造の時代の以前に諸世界が作られ破壊された重要な事実は、ゾーハルの中で何度となく繰り返し記されている。


図3 


57. 次に、セフィロトはまた流出の世界、あるいはアツィルト界、原型界、OVLM ATzILVTh、オラム アツィルトとも呼ばれる。そしてこの世界は、3つの別の世界を産み出した。それぞれが繰り返しセフィロトを持っているが、その輝きは衰えていく。


58. 第2の世界は、ブリアー界、OVLM HBRIAH、オラム ハ=ブリアー、創造界である。また、KVRSIA、コーシア、玉座とも呼ばれる。ここはアツィルト界から直接流出された世界であり、これらの10のセフィロトも反映している。従ってより限界があるものの、なおも最も純粋な性質があり、どのような物質の混合も無い。


59. 第三の世界は、イェツィラー界、OVLM HITzIRH、オラム ハ=イェツィラー、形成界または天使界である。この世界はブリアー界から導かれたものだが、その形質はより劣化している。だがなおも物質で構成されていない。ここは天使の世界であり、これらの知的で霊的な存在が住んでおり、輝く衣を着て、人間の前に現れる時には形態を取る。


60. 第4の世界は、アシヤー界、OVLM HOShIH、オラム ハ=アシヤー、活動界であり、また殻の世界、OVLM HQLIPVTh、オラム ハ=クリポトとも呼ばれる。ここは物質世界であり、他の3つの世界の粗雑なエレメンツにより造られた。ここはまた、カバラでは「殻」、QLIPVTh、クリポト、物質的な殻と呼ばれる悪しき霊らの住処でもある。悪魔らはまた10の階級に分かれ、それぞれが向いている場所に住む(図参照)。


図4 セフィロトと四界(アティルト界、ブリアー界、イェツィラー界、アシヤー界)との関係などの表

セフィロト神名大天使天使の位階惑星悪魔の位階大悪魔神名の四文字
1.ケテルエヘイエーメタラトンハヨト ハ=クデシュ第一動因タミエルサタンかモロク
2..ホクマーイェホヴァラジエルウファナイム黄道十二宮ハイギデルベルゼブブי ヨド
3.ビナーイェホヴァ エロヒムザフキエルエレリム土星サタリエルルキフゲה 上位のヘー
4.ヘセドエルザドキエルハシュマリム木星ガメヒコトアスタロト
5.ゲブラーエロヒム ゲブラカマエルセラフィム火星ガラブアスモデウス
6.ティフェレトエロハー ヴァダートミカエルメラキム太陽タガリリムベルフェゴールו ヴァウ
7.ネツァフイェホヴァ ツァバオトハニエルエロヒム金星ハラブ セラペバール
8.ホドエロヒム ツァバオトラファエルベニ エロヒム水星サマエルアドラメレク
9.イェソドシャダイ エル ハイガブリエルアシム*4ガマリエルリリト
10.マルクトアドナイ メレクメタラトンケルビムエレメンツナヘモトナヘマה 低位のヘー

61. 悪魔らはその全ての形態において最も粗雑な物質で構成され不完全である。これらの10の階級は、10のセフィロトと反映しているが、逆の比率による。闇と不浄さはそれぞれ下がるごとに増大するからである。最初の2つは、見える形や組織の欠如以外の何物でもない。第3は闇の住居である。次に続くのは、人間の特定の罪悪を司る悪魔らに支配される7つの地獄で、人が生きている間にその罪に陥ったなら、死後はこの世界で懲罰を受け続ける。彼らの君主らは、SMAL、サマエル、毒と死の天使。彼の妻は売春婦、あるいは淫売の女たち、AshTh ZNVNIM、アシェト ゼヌニムで、両者を合わせて、獣、ChIVA、ヒオアと呼ばれる。これにより地獄の三位一体は完成する。これらは、天上のものの反対物、カリカチュアだと言われる。サマエルはサタンと同一と考えられている。


62. 我々がイェホヴァと呼ぶ神の御名は、ヘブライでは4文字の御名、IHVHである。この真の発音はごく僅かの者のみが知る。私自身は、幾つかの違った神秘的な発音のスコアを知っている。神の名の真の発音は、最秘の奥義であり、秘中の秘である。「正しくそれを発音したならば、その名により世界全体に流れるゆえ、天と地は震える」。それゆえ、熱心なユダヤ教徒が聖書を読むなら、彼はそれを発音しないようにして少し口を止めるか、あるいはこれをADNI、アドナイ、主と置き換える。この言葉の根本的な意味は「存在」で、それゆえ、AHIH、エヘイエーと似て、存在のグリフである。この文字は12の並び替えが可能であり、その全てが「存在」の意味がある。これは、これだけ多くの並び替えをしても意味が変わらない唯一の言葉である。これらは「力ある御名の12の旗」と呼ばれ、ある者らからは、黄道12宮の各宮を支配すると言われる。IHVH、IHHV、IVHH、HVHI、HVIH、HHIV、VHHI、VIHH、VHIH、HIHV、HIVH、HHVI、これらが12の旗である。他にも、3つの他の4文字的な名前があり、それはAHIH、エヘイエー、存在と、ADNI、アドナイ、主とAGLA、アグラである。最後のは厳密にいうならば言葉ではなく、AthH GBVR LOVLM ADNI、アター ギボール レオラム アドナイ、「主よ、御身は永久に強き御方」の句のノタリコンである。このアグラの簡潔な説明としては、Aは最初と最後にあり、Gは統一の3つ組で、Lは大いなる作業の完成を表す。


63. これらの御名を見て我々が気づく第1の事は、AHIHもIHVHの両方とも存在の概念を伝えている。これは、これらの第1の類似である。第2は、それぞれがHの文字が2番目と4番目にある。第3は、ゲマトリアによりAHIHは最後のH(これはマルクト、第10セフィラの象徴だと我々がすぐに見る事になる。)を欠けたIHVと同値である。さらに、これらが1つをもう片方の上に書いたら、これらは下向きにAHIHとIHVHと読める。

AHIH
IHVH

64. 次に、我々がカバラ的にこれらの問題について検討したら、これらの類似の理由を見つけられる。AHIH、エーヘイエーは、大いなる顔、古き御方、マクロプロソプス、ケテル、第1セフィラ、カバラのセフィロトの最も偉大な3つ組(これは、王冠、王、王妃、あるいはマクロプロソプス、ミクロプロソプス、花嫁で構成される)の王冠、三位一体のキリスト教の語義での父なる神を表す。


65. だがIHVH、テトラグラマトンは、我々がすぐに見るように、ケテルを除いた全てのセフィロトを含んでいる。特に、低位の顔、ミクロプロソプス、カバラのセフィロトの偉大な3つ組での王であり、三位一体のキリスト教の語義での神の人間としての顕現での息子を強調している。
 それゆえ、息子が父を明かすように、IHVH、イェホヴァはAHIH、エヘイエーを明かす。


66. そしてADNIは、王妃である。「これによりのみ、テトラグラマトンを握る事が出来る」。このビナーでの高揚は、キリスト教の聖母マリアの中に見つけられる。


67. テトラグラマトン IHVHは、セフィロトに反映される。よって、4文字の最初のヨド、Iは、ケテルを表すと言われる。Iの文字そのものはホクマー、小さな顔の父である。文字H、あるいは「天上のヘー」はビナー、天の母であり、文字Vは次の6つのセフィロトを表し、これらは小さな顔の6つの仲間と呼ばれる(そして6はヘブライ文字のヴァウ、Vの値である)。最後のH、「低位のヘー」はマルクト、第10セフィラ、小さな顔の花嫁である。


68. 次に、アツィルト、ブリアー、イェツィラー、アシヤーの四界に対応した4つの秘密の名前がある。再びテトラグラマトンはこれらの四界のそれぞれで特定の方法により書かれると言われる。アツィルトの秘密の名はOB、アウブであり、ブリアーの名は、SG、セグ、イェツィラーの名はMH、マー、アシヤーの名はBN、ベンである。付記の図では、四界のそれぞれの名の書法を示すだろう。


四界のそれぞれテトラグラマトンの書法を示す図

アツィルトOB アウブ I.I.H.I.H.V.I.H.V.H.
ヨド ヨド へーヨド ヘー ヴィウヨド ヘー ヴィウ へー
ブリアーSG セグI.I.H.I.H.V.I.H.V.H
ヨド ヨド ヘーヨド ヘー ヴァウヨド ヘー ヴァウ ヘー
イェツィラーMH マーI.I.H.I.H.V.I.H.V.H.
ヨド ヨド ハーヨド ハー ヴァウヨド ハー ヴァウ ハー
アシヤーBN ベンI.I.H.I.H.V.I.H.V.H.
ヨド ヨド ヘーヨド ヘー ヴーヨド ヘー ヴー ヘー

69. これらの名をセフィロトと「231の門」――様々なアルファベットの組み合わせがこう呼ばれる――を共に作用させる。だがこの主題について語るには、紙面が足りないので割愛する。


70. テトラグラマトンの文字と密接に関連するのは、第1セフィラで私が既に記している4匹のケルビムである。エゼキエルの幻視での神の玉座を支えるこれらの形態について忘れてはならない。ここにて天上の人――アダム カドモン、セフィロトの像――が座るのである。そして玉座とこれらの生き物らの間にあるのは天空である。ここに四界は位置し、アツィルト界は神の形態を、ブリアー界は玉座を、イェツィラー界は天空を、アシヤー界はケルビムを表す。それゆえ、ケルビムは物質世界でのテトラグラマトンの4文字の諸力を表す。そしてこの4という数は、四界それぞれでの4文字の働きを表している。ゆえに、ケルビムは4文字の生ける形態であり、私が先に述べたように黄道12宮では金牛宮、獅子宮、天蝎宮、宝瓶宮で象徴されている。


明かされたカバラ 序説3
↑ 明かされたカバラ


*1 ヨハネの黙示録に出てくる天で神を称える四聖獣のこと。
*2 「1人の女が太陽を着て、足の下に月を踏み、その頭に12の星の冠をかぶっていた。この女は子を宿しており、産みの苦しみと悩みとのために、泣き叫んでいた」
*3 日本では均衡と訳される事もある。
*4 原書の図では、アシムとケルビムが逆だったので、本文に合わせておいた。