ソロモンの鍵 1-5

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第5章 祈りと召喚


祈り

 主なる神、聖なる父、全能にして慈悲深き御方、万物を創造し、全知にして全能、御身の前には何も隠す事は叶わぬ。我が行う儀式は御身の力への誘惑にあらず、隠された知識を求めるゆえと御身は知る。我らは聖なる慈悲を与えられんことを祈らん。御身の助けにより我らはどんな秘密の事柄の理解へも到達しよう。最も聖なるアドナイよ、御身の王国と力は世々限りなく続かん。アーメン。

 祈りが終わったら、エクソシストはペンタクルへと手を触れる。弟子の1人は書を開いて、霊らを征服し鎮圧し咎めるのに相応しい祈りと召喚のページを開く。それから師は地の四方へとそれぞれ向いて、天へと視線を上げてから以下を言わねばならない。

 主よ、悪しき霊らの出現と襲撃に対して御身は我の避難の強き塔とならん

 再び地の四方へ向いていき、それぞれで以下の言葉を唱える。

 汝に永遠の畏怖と恐怖を与える、この創造主の御名と諸象徴を見よ。ゆえにこれらの聖なる御名の性質と、神秘の中の神秘により、我に従え。

 その後、あらゆる方向から霊らが来るのを見るだろう。だが、彼らが他のことに気を取られていて来ない場合や、来たがらない場合は、以下の方法の後に再び召喚を始めさせよ。そしてエクソシストに霊らが鉄と火の鎖で縛られていたとしても、彼の意志に従って来ることを拒む事は出来ないと確信させよ。

召喚の呪文

(マサース注 「ソロモンのカバラ的な招聘」という題の招聘の呪文がエリファス レヴィによって書かれているが、これは下記の文章と多くの場所で違っている。もっとも部分的には似ている所もある。レヴィのものは、見たところ、「セーフェル デツェニオウタ」の第3章の注釈で記されている内容に基づいて作られているようだ。一方では下記のものは、同書の別の箇所に従っている。私はレヴィのものが信憑性のないと見做す何の理由も無い。カバラを知る読者は、この呪文に書かれている諸神名は10のセフィロトと関連するのに気づくであろう。)

 汝霊らよ、神の霊の力、知恵、徳により、創造されざる神の知識により、神の大いなる慈悲により、神の力により、神の偉大さにより、神の統一により、神の聖なる、そして全ての神の御名の源となり、その命と徳を導かれ、アダムが唱えて全ての被造物の知識を得た御名エヘイエーにより、我は汝らを召喚する。

 我は神の性質の統一と純粋を表現し、アベルが唱え、彼の兄カインの手から逃れられた*1、不分割の御名イオドにより汝らを召喚する。

 我は主の尊厳がいかに高くあるかを示し表現し、ノアが唱える事により、彼とその家族を大洪水より救った御名テトラグラマトン エロヒムにより、汝らを召喚する。

 我は主の慈悲と善を示し、アブラハムが唱え、カルデアのウルより来る価値ある者となった、強く驚異ある神の御名エルにより、汝らを召喚する。

 我は神の力を示し、邪悪な者らを3代4代に渡って懲罰し、イサクが唱え、父アブラハムの剣から逃れる価値ある者となった最も力ある御名エロヒム ギボルにより、汝らを召喚する。

 我はヤコブが大いなる危難の時に唱え、神の征服者イスラエルの名を受けるに値する者となり、兄エサウの怒りを受ける事となった、最も聖なる御名エロアー ヴェ=ダートにより、汝らを召喚し追儺する。

 我は神の軍を意味し、天を支配し、ヨセフが唱えて兄弟らから逃れる価値ある者となった、最も効能ある御名エル アドナイ ツァバオトにより、汝らを召喚する。

 我は神の敬虔、慈悲、壮麗、知識を表し、モーセが唱えてエジプトとファラオの奴隷よりイスラエルの民を導く価値ある者となった、最も効能ある御名エロヒム ツァバオトにより、汝らを召喚する。

 我は全てにおける善を示し、モーセが唱えて、海を左右に2つに分けた、最も効能ある御名シャダイにより、汝らを召喚する。また、我は生ける神を表し、我らと盟約し、その贖いがなされ、モーセが唱えて、分かたれた水が元へと戻り、エジプト人らの追っ手を飲み込み、彼らがミツライムの地へとその知らせをもたらす事が叶わなくなった最も聖なる御名エル ハイ*2により汝らを召喚する。

 最後に我はヨシュアが唱え、メタラトン*3を通じて、その主要な像により太陽がその軌道を留まった神の最も聖なる御名アドナイ メレクにより、また日夜神への賛美を止める事無き天使の軍勢、カドシュ、カドシュ、カドシュ、アドナイ エロヒム ツァバオト(聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、(天使らの)万軍の主なる神は栄光に満ちるを意味する)により、10のセフィロトに坐する10人の天使ら、それらにより神がその影響を下位の世界、ケテル、ホクマー、ビナー、ゲドゥラー、ゲブラー、ティフェレト、ネツァフ、ホド、イェソド、マルクトへと広げていく者らにより、汝ら反逆の霊らを召喚する。

 我は改めて汝ら霊を、神の全ての御名により、その偉大なる御業により、天と地と地獄の底と神の霊が動かす天空により、太陽と星々により、水と海により、さらにそこにいる全ての被造物により、風と竜巻と嵐により、全ての草と植物と石の特質により、天と地と地獄の影にいるすべてにより、召喚する。

 我は改めて汝らを召喚し、汝らを全力で従わせん。悪魔らよ、汝らがいかなる場所にあろうとも、汝らは風、火、水、地、その他の世界のどこにあろうとも、あるいは汝らが好む心地よい場所であろうとも、留まる事は許されず、我が望みと、さらに汝の服従により我が求めるものすべてを果たすべく、迅速に来たれ。

 我は2枚の律法の板により、モーセの5書により、大いなる神の玉座の面前にある金の7枝の燭台により、さらに高祭司のみが入る事を許された至聖所コヘン ハ=ガドゥルにより、汝らを改めて召喚する。

 我は天と地を造られた御方により、天をその手で測られた御方により、地をその指により彫られた御方により、ケルビムとセラフィムの運ぶ御座に坐す御方により、人が楽園より追放された後、神が作り燃える剣を持たせ生命の樹を守るよう命じたケルプと呼ばれるケルビムらにより、汝らを召喚する。

 我は偉大な御業をなす御方により、天のエルサレムにより、4文字の最も聖なる神の御名により、万物をその言葉に出来ぬ聖なる御名、エーヘイエー アシェル エーヘイエーにより啓明させ輝かせる御方により、改めて汝ら神の背教者らを召喚する。これにより汝らは我が望みを何であれ実行するため即座に来たれ。

 悪魔らよ、汝らが世界のどこに居ようとも、アドナイ、ヤー、ホア、エル、エロハ、エロヒヌ、エロヒム、エヘイエー、マロン、カフ、エシュ、インノン、アヴェン、アグラ、ハゾル、エメト、ヤイイ、アラリタ、ヨヴァ、ハカビル、メシアク、イオナ、マルカ、エレル、クヅ、マツパツ、エル シャダイ*4、これらの聖なる御名すべての徳により、そして永遠なる契約の印として血で書かれた神の全ての聖なる御名により、我は汝らを召喚し、絶対的に命ずる。

 我はその他の最も聖にして知られざぬ神の御名、その性質により汝らが日々震えるバズク、バクラボン、パタケル、アルケゲル、アクゥアキアイ、ホモリオンス、エイ、アッバトン、チェヴォン、ケボン、オイ、ゾイマス、カイェ、エーヘイエー、アッバマキ、オラタグ、ナレ、ヘレク、イェゼ*5により、汝らを改めて召喚する。汝らは今居る世界の四方とあらゆる場所より、神の偉大な御名により我らが命ずる事を実行すべく、遅れる事無く速やかに我が元へと来たれ。


ソロモンの鍵 1-6
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*1 奇妙な内容である。旧約聖書ではアダムの子アベルは兄カインから逃げられずに殺されている。カインは最初の殺人者となる。マサース注。フランス語では、merita d'echapper。
*2 マサース注。両方の名前とシャダイは、第9のセフィラと関連している。それゆえ、私はこの2つの招聘を同じ段落へと入れておいた。
*3 マサース注。またの名をメタトロンともいい、神の顔の大公とも呼ばれる大天使である。
*4 マサース注。私はこれらの神名を、ヘブライ語が大きく異なる原文書らから可能な限り正しいものにするよう努めた。これらの名前のあるものは、神の一般的な称号であり、他のものは、文の頭文字から拾ったカバラ的、魔術的な名前である。他のものは、他の名前の置き換えである。
*5 マサース注。私はこれらの名前をそのままに記した。これらは全てヘブライ語では無い。あるものは、ギリシア・エジプト魔術パピルスにある蛮名の術式であるのを示唆している。