ソロモンの鍵 付録1

ページ名:ソロモンの鍵 付録1

付録1 ソロモンの鍵の古代の断片


 ヘブライ語よりエリファス レヴィにより翻訳され、そのオカルト哲学 第2巻 136ページに含まれる。


 余は今、汝に霊らの王国の鍵を与えん。

 この鍵はイェツィラー*1の神秘の数と同じである。

 この霊らは自然と普遍的な位階により支配されている。

 三重により三重が三重の中間を通じて命ぜられる。

 上にある霊らと、下にある霊ら、中央にある霊らがある。汝が聖なる梯子を探索し、上昇する代わりに下降するなら、汝は殻の、あるいは死者の霊らの反位階を見つけるだろう。

 天の主天使、力天使、能天使らは人物らではなく、尊厳だとのみ知れ。

 彼らは聖なる梯子の階級にあり、ここを霊らは上昇したり下降する。

 ミカエル、ガブリエル、ラファエル、その他の者らは、名前ではなく称号である。

 第1の数は統一である。

 セフィロトと呼ばれる神性の概念の第1はケテル、王冠と呼ばれる。

 霊らの第1のカテゴリーは、カイオト ハ=カデシュ、4文字の神の知性体と呼ばれ、これらの文字は預言者エゼキエルの神秘的な獣によって象徴されている。

 これらの帝国は統一と統合であり、これらは知性と関連する。

 これらに対立するのはタミエル、2つの頭を持つ者ら、反逆の無法の悪魔ら、その2人の首領はそれぞれが永遠に戦い合い、それはサタンとモロクである。

 第2の数は2であり、第2のセフィラはホクマー、知恵である。

 知恵の霊らはアウファニムで、それは輪を意味する。なぜなら、天のすべての行動は、惑星が動くように輪の動きをするからだ。これらの帝国は調和によるもので、これらは理性と関連している。

 これらの敵はカイギデル、物質に縛られ偽りの外見を持つ殻である。それらの首領――あるいはむしろ導き手、なぜなら悪しき霊らは誰にも従わないからである――はベルゼブブであり、これは蠅の神を意味する。蠅は腐敗した死体に付きまとうからである。

 3番目の数は3である。第3のセフィラはビナー、理解である。

 ビナーの霊らはアラリム、強きものである。これらの帝国は理想の創造であり、思考の活動性、エネルギーと関連する。

 これらの敵はサタリエル、隠すもの達、不条理、知的愚鈍、密儀の悪魔らである。サタリエルの首領はルキフゲであり、これはルシファー(古代ギリシア人らが復讐の女神エウメニデスを輝けるものと呼んだように)の偽った呼び名である。

 第4の数は4で、第4のセフィラはゲドゥラーやヘセド。慈悲や荘厳である。

 ゲドゥラーの霊らはカシュマリム、流れるもの達である。これらの帝国は恩恵によるもので、これらは想像力と関連する。

 これらの敵は、ガムキコト、魂を荒らすもの達である。これらの悪魔の首領あるいは導き手はアスタロトあるいはアスタルテ、シリア人の不浄な金星の霊であり、ロバや牛の頭を持ち女の胸を持つ。

 第5の数は5で、第5のセフィラはゲブラー、正義である。

 ゲブラーの霊らはセラフィム、熱意に燃える霊らである。これらの帝国は犯罪への懲罰である。これらは選択や比較の機能と関連する。

 これらの敵は、ゴラブ、扇動者、怒りや誘惑の精霊であり、その首領はアスモデウス、また黒きサマエルとも呼ばれる。

 第6の数は6で、第6のセフィラはティフェレト、至高の美である。

 ティフェレトの霊らはマラキム、王達である。これらの帝国は普遍的調和である。これらは審判と関連する。

 これらの敵は、タガリリム、争う者らで、その首領はベルフェゴルである。

 第7の数は7で、第7のセフィラはネツァフ、勝利である。

 ネツァクの霊らはエロヒム、神々であり、それは神の代理者を意味する。これらの帝国は生命と進歩であり、これらは感覚と関連する。

 これらの敵は、ハラブ=セラペル、死のカラスらであり、その首領はバアルである。

 第8の数は8であり、第8のセフィラはホド、永遠の秩序である。

 ホドの霊らはベニ エロヒム、神々の息子達である。これらの帝国は秩序のもので、これらは内なる感覚と関連する。

 これらの敵はサマエル、大道芸人らであり、その首領はアドラメレクである。

 第9の数は9で、第9のセフィラはイェソド、基礎原理である。

 イェソドの霊らはケルビム、あるいは天使らで、地に豊穣を与える力を持ち、へフライ文字の象徴では雄牛で表わされる。これらの帝国は豊穣さであり、これらは真の考えと関連する。

 これらの敵はガマリエル、猥褻な者らで、その女王はリリス。放蕩の悪魔である。

 第10の数は10で、第10のセフィラはマルクト、形態の王国である。

 マルクトの霊らはイスキム。剛健なものらで、これらは聖人らの魂であり、その首領はモーセである*2

 これらの敵は邪悪なもの達で、ナヘマ、不浄の悪魔に従う者らである。

 この邪悪なもの達はヨシュアが滅ぼした5つの呪われた国で象徴化されている。

 ヨシュア、あるいは救世主イェホシュアはメシアの象徴である。

 その名は神の4文字テトラグラムにシンの文字を加えて5文字ペンタグラムに変えて構成される。

 ペンタグラムのそれぞれの文字は5つの呪われた国を攻撃した善の力を表わしている。

 神の民の真の歴史は、人類の寓話的な伝説である。

 5つの呪われた国とは――

 1.アマレキテ、侵略者ら

 2.ゲブリム、暴力者ら

 3.ラファイム、臆病者ら

 4.ネフィリム、肉欲にふける者ら

 5.アナキム、無秩序の者ら

 無秩序の者らは、ヨド、父の笏により消し去られる。

 暴力は、ヘー、母の優しさにより消し去られる。

 臆病さは、ヴァウ、ミカエルの剣と、労苦と痛みの生成により消し去られる。

 肉欲にふけるのは、第2のヘー、母による痛みをもたらされる事で消し去られる。

 最後に、侵略者らはシン、主の火、正義の法と同等のものにより消し去られる。

 道を外れた霊らの大公らは、彼らが崇拝する偽りの神々である。

 地獄には、ひねくれた懲罰と、過ちを正す法則以外に支配するものは無い。これらの偽りの神々は彼らの信奉者の誤った意見にのみ存在するからである。

 バアル、ベルフェゴール、モロク、アドラメレクは、シリア人らの偶像であり、魂無き偶像、今や破壊された偶像で、名前のみが残っている。

 真の神は全ての悪魔を、真理が過ちに勝つように、消し去った。これは人の意見の過去であり、ミカエルのサタンへの戦いは、動きと霊らの進歩の象徴である。

 悪魔は常に神の拒絶である。

 偶像崇拝は、彼らの時の宗教である。

 古き偶像崇拝は、迷信と神聖冒涜である。

 かつて流行っていた幻影の神殿群は、愚か者らの天国である。

 幻影の入れ物は、地獄である。

 だがこれらは全て、俗間の想像力の中にのみ存在する。

 賢者には、天国は至高の思索であり、地獄は愚劣である。

 だが我らは天国という言葉を神秘的な感覚により用いて、それを地獄という言葉と対称して用いているのを理解されねばならない。

 幻影を呼ぶには、自らを酔わせるか、狂気へと導けば充分である。幻影は常に酒飲みと目眩の仲間だからである。

 想像力の幻影は、過剰な興奮や病んだ神経に従うならば、怪物と不合理な幻視で満たされる。

 また我々は麻薬の使用により、起きている状態と寝た状態を混ぜ合わせる事で幻覚に到達できるが、それは自然に対する犯罪である。

 知恵は自然の法則の黙想と聖なる数の学習により、幻影を払い、高位の霊らと対話させるようにする。

 (ここでソロモン王は彼の息子レハブアムに尋ねる)

 汝、我が息子レハブアムよ、主への畏れは知恵の始まりと知れ。

 アドナイへの畏れを理解できない者らから離れよ。それにより我が王冠は汝のもとに与えられ保持されるだろう。

 また汝自身により神への畏れを学べ。それにより天の霊らは降りてきて、汝に仕えるだろう。

 余ソロモン、汝の父、イスラエルとパルミュラの王は、聖なるホクマー、アドナイの知恵を多く得た。

 そして余は地上と天上の霊らの王となり、風に住む者ら、海に生きる魂らの師となった。余は隠された光の門の鍵を持っていたからだ。

 余はハ=フォラシュの図とイェツィラーの32の路により、大いなる事柄を行ってきた。

 数、重さ、測りは物事の形態を定める。実質は1つであり、神がそれを永遠に創造した。

 幸いなる者は、文字と数を理解した者である。

 文字は数より導かれ、数は考えから、考えは諸力から、諸力はエロヒムから来る。エロヒムの統合は図である。

 図は1つであり、その列は2つ、その力は3つ、その形態は4つ、その反映は8つ、それに3を掛ければ、知恵の24の玉座となる。

 それぞれの玉座に、3つの光線を放つ王冠があり、それぞれの光線には、名前があり、それぞれの名前は絶対的な考えである。これら72の名前が、図の24の王冠にある。

 汝はこれらの名前を36の護符タリズマンに書くのだ。それぞれのタリズマンには2つの名前を表と裏にだ。

 汝はこれらのタリズマンを図の文字の数に従って、それぞれ9つによる4つの集まりに分けよ。

 第1の集まりには、アロンの炎の杖を表すヨドの文字を彫れ。

 第2には、ヨセフの杯を表すヘーの文字を。

 第3には、我が父ダビデ王の剣を表すヴァウの文字を。

 第4には、シケル金貨を表す終端文字のヘーを。

 これらの36のタリズマンは、全ての自然の秘密を含む書である。そして、これらを様々に組み合わせる事で、汝は精霊や天使と対話する事が出来るであろう。

(ここで、ソロモンの鍵の断片は終わる)


ソロモンの鍵 付録2
↑ ソロモンの鍵


*1 マサース注。セフェル イェツィラー(形成の書)。カバラの最古の書の1つである。
*2 エリファス レヴィ注。これはソロモンが述べた事なのを忘れてはならない。