アストラル体投射 16

ページ名:アストラル体投射 16

第16章


 天命は我々の悲観主義にも関わらず生きるように望んでおり、たとえ死んでも人の心は消滅しないので、我々は最良の生をなすようにし(そうする事で利益となる事に疑いは無い)、我々の思考をより楽観的に変え、そしてこの生の謎が解けたならば、その幸福への期待を遥かに超え、(生は悲劇であるという)我々の思考は遠い未来で間違っていたと証明されるだろうと希望を持つようにしよう。そのため本章では再びアストラル体投射の話題に戻り、結論としてこの主題に関連して私の心に浮かんできた幾らかの補足についても触れるとしよう。


麻酔による睡眠の間の離脱


 私はこれまで自然な眠りで起きる離脱について主な関心を向けており、また催眠によって引き起こされる離脱についても、何が起きるか、何を期待できるかを充分に述べている。


 だが私は麻酔による睡眠下で起きる離脱はこれまで述べておらず、この分野についても述べる価値がある。麻酔による睡眠下での興味深い体外離脱体験は、ジョージ ワイルド博士の著書「神智学、あるいは霊的な力学」で述べられている。


 博士は腎石の痛みを和らげるためにクロロホルムを吸った際に離脱体験があり、自らが衣服を着て、理性機能も持ったまま、ベッドに横たわる自らの肉体から2ヤード(約1.8メートル)ほど離れて、動かない肉体を見ているのに気づいて驚いた。


 博士はこの体験の意味合いについて理解でき、後には他の人々も同じような体験をしているのを学び、この微細体にある感触や、麻酔の効果によって、この体を肉体から離脱させ、結果として痛みを感じないようにしたと結論付けた。


 また麻酔による睡眠下で体外離脱体験をした人々の証言を集めていたH. エルネスト フント氏も、以下の様に述べている。


「彼らが語った話は、基本的に同じものであり、彼ら全員がわざわざ嘘をついていると仮定しない限り、彼らが真実を話していると見做す事のみが理性的な態度である。」


 彼らの中にはこの著者に対して、自らの肉体の手術のオペをしているのを観察していたと述べ、それは借家のリフォーム工事をしているのを見ているようであり、自らの肉体を上から見下ろしていて、見て聞いた事の全てをはっきりと覚えていたという。


 J. アーサー ヒルは著書「人は霊である」で、17歳の少女ヒントン嬢の話を述べている。この少女は歯を抜く際にクロロホルムを投与され、意識を戻すのが大きく遅れて人々を心配させたが、意識を戻した際に彼女は自らの肉体の上で浮かんでいて、そこにいた人々に対しても語ろうとしたが成功しなかったと述べた。彼女はその時には自分が死んだと思っていて、なぜ神の審判が来ないのかと不思議に思ったという!


 ここで述べたような体験は、結論として自然な睡眠によるアストラル体投射の実験の他にも、麻酔を用いての医学実験の幅広い領域もあるのを示している。


特有の夢


 先に述べたばかりのフント氏の優れた小冊子「なぜ我々は生き残るか」の中で、この著者のロンドンの友人が、体外離脱の夢と多く共通している特有の夢を見た事について述べている。


「彼女(夢を見る者)は自らが――勿論、夢の中で――ある建物の屋根にいるのに気づき、何らかの理由からそこにあったコードに興味を持ち、彼女は極めて散文的に、屋根で輪になっていた物干し綱だと考えた。


 好奇心からこのコードに従って進むと、それは屋根の端から寝室の窓の中へと通じていた。そのまま寝室へと入って行くと、そこでは眠っている彼女自身の肉体があり、すぐに彼女は自らの体で起きた。」


 私自身、似たような夢を何度も見ていて、私もまた同様にそれが物干し綱だと考え、従っていくと常に自らの肉体へと導かれていた。私はこの夢に慣れていき、このコードに従うならば、自らの肉体をその末端で見つけるだろうと(夢の中で)考えるほどだった。


 私はもともとは、この典型的な夢について、「典型的な離脱の夢」の節で述べようと思っていたが、より重要な様相について述べる事に心が囚われていて、つい忘れていた。この夢では、このコードが何であるかに強い好奇心があり、常に肉体へと戻るまでこのコードに従おうとしていた。


 これらの夢で物干し綱、解きほぐした糸などと考えるものは、勿論、最小の直径となっている拡張したアストラル ケーブルであり、それに従おうとする印象は、潜在意識の心が夢の体を肉体へと戻そうとする印象の単なる別の手段である。


別の方法もあるだろう


 読者は本書で述べたアストラル体投射を起こす技法を熟読した後に、私がこの主題の全てを語ったと思わないように願う。それは事実ではないからだ。私は単に自らが慣れているやり方を語ったに過ぎない。他の離脱者が持つやり方に関する価値ある情報もあるだろうし、私も知りたいと願う。この例の一つとして、世の中には「形而上学的結社」が幾つもあると言われている。そこにはオカルトを好む学徒が入り、その「内陣」に受け入れられるほどに位階が上昇したら、体外離脱をし、霊の領域を訪れ、そこで直接的な情報を得るために必要な秘密の教授を受ける(と主張されている)。そのような教授でどのような技法が伝授されるか、それらの学徒がどれだけ成功しているかについて私は知らない。


 これらの結社の他にも、アストラル界への離脱を出来るようにしたオカルト知識を有していると主張している人々もいる。彼らの技法が私が本書で与えたものと同じなのか――私はその必要があると信じてはいるが――を私は学ぶ機会は無かった。そのため、私は本書ではこれらの全てについて述べたと主張せず、私が個人的に理解しているもののみを語ったと繰り返したい。


未来予言


 私はアストラル体が空中を通じて旅する能力について学んでいるが、人類が微細な諸法則を理解するようになり、アストラル体がなせるように望むように「物理的」自動的にも空中を旅できるようになる時代も、そう遠くは無いだろうと信じている。我々は自らの中に飛行船を持っているのは事実であるが、空中を自動的に移動できる様になるまでは、便利な物理的なモードは完全なものではないだろう。私は未来には肉体が重力を乗り越え、動力を用いる多くの進歩がなされると予想している。


誰もが離脱の力を持つ


 アストラル体投射は選ばれし少数者への賜物では無く、あらゆる生ける魂はこの生来の諸力を持ち、適切な操作のみが必要とされるのである。離脱する事の出来る者は、他の人間とは違った特別で異常なアストラル体を持つというのは間違った考えであり、この現象で肉体はアストラル体と同様に重要な役割を果たしており、通常は異常性はアストラル体ではなく肉体にあると私はあなたに確証する。


モラルに関して


 私はモラルについて説教したいとは望まないが、一つだけ指し示したいのは――あらゆる時代で指し示されていた事だが――我々全ては正直で良き生を歩むのを望むべきである。我々は自らの考えに注意をし、同胞に悪をなすと考えないようにするのは最も重要である。なぜなら、我々の思考そのものが自らのアストラル界の環境を創り出し、復讐心とはアストラル界の住人には未知だからだ。


 あの私が体験した不快な「アストラルの悪鬼との遭遇」の内容を思い出してほしい。あれは私が単に、述べられていた男に対して悪しき考えを向けた事で起きた。私はあなたに対して、特に離脱の実践をしようとするならば、孔子が述べた警告や「悪を見ざる言わざる聞かざる」を心に留めて欲しい。あなたがこの警告を無視するならば、様々な体験からアストラル界全体は敵に満ちていると信じるようになるだろう。そしてこれはまた、別の問題へと我々を導く。


悪魔の説


 オカルト学、特に遠隔透視や催眠術などに対しての最も一般的で効果的な拒絶は、悪魔の説、つまり全てのそのような発現は悪魔や悪霊の仕業だという考えである。数年前にも、ある大宗教組織(疑い無く、我が読者全てがよく知っていよう)が、オカルト実践に対して十字軍を発動していた。


 これらのキャンペーンの範囲と成功については、彼らの本の1928年版が350万部売れていた事でも測れよう。そして彼らは似たような本を幾つも出版していた! それらの内容は無限にあるように思える。彼らは地球最大のラジオ番組で説教を中継し、彼らの勧誘員はアメリカの最も僻村まで訪れていた。


 この他にも同様な目的を持つ他の大組織や個人がおり、例えばオドンネルは全てのオカルト現象は悪魔によるものだと激しく主張している! 結果として、多くのオカルトの研究者は、その研究や学習から離れ去った。特にこれらの事が彼らの心を変えたり、霊媒らの述べる事に矛盾があったり、戻ってきた霊が述べる情報の欠如からであった。


結論


 この問題――つまりサイキック現象は人の霊からか、悪魔の狡猾さからか――への真実を求める全ての人々に対して、ひとたびあなたがアストラル体の離脱の体験をしたならば、もはや肉体の他に存在する事への疑問は無くなるだろうと私は述べたい。もはやあなたは、単なる理論を受け入れるように強制されない。もはやあなたは自らの不死の信念を、霊媒や説教者や聖なる諸書の言葉に拠るように強制されない。あなたは自らで証明を持つだろうからだ――あなたが肉体で生きている時のように事実であると確信し、自明となるからだ。


 私自身については、不死についての本を書いた事は無く、「死後の生存」についての講義をなさず、セアンスに参加したり霊媒を訪れたりはしない。実際、世界全体で誰も「死後の生」について述べられまい。だがそれでも私は自らが不死であると暗に信じている――私はアストラル体の離脱の体験があるのだから。


↑ アストラル体投射