アストラル体投射 11

ページ名:アストラル体投射 11

第11章


「無能力」をどのように生み出すか


 自然な眠りの間には、肉体は概ね「無能力」にあるのを我々は知っている。だが、この無能力をさらに生み出すためには、心拍は低下する必要がある。私がこの事をどのように知ったかは先の章で述べており、意図的に心拍を低下させる方法も開発している。ちなみに、この心拍を低下させる実践はまた、集中とリラクゼーションも起こす――そのため、これらの要素のそれぞれで特別な実践を行う必要性を取り除いている。


 あなたがまず行うべき事は、夜に(あるいは他の時間帯でも)心地よい姿勢、理想的には背中をつけた仰向けで横たわる。あなたが背中をつける姿勢に耐えられないならば、右側を下にして横たわる。私は今はあなたが背中をつけた姿勢だと仮定する。また両手は胴体の側面に置く。


 まず最初に深呼吸をして、息を少し留めてから、あなたのみぞおちに持っていくように努める。それにより、ここの横隔膜は膨らむだろう。それから息を吐いて、全ての空気をあなたの肺から取り除くように努める。これを6回から8回は繰り返す。これと関連して、キャリントン氏のヨーガについての本での助言は、ここでも適切に当てはまるだろう。


「太陽神経叢――分割された肋骨の場所の直下――がリラックスしているのを感じ、ここが花のように「開いている」と意識的に感じるのは不可欠である。ここが緊張していたら、あなたがリラックスさせるまで、開発は止まるだろう。ここに集中して充分に「制御」できるようにすべきで、それによってあなたはこの部分を感じて、それからリラックスできるだろう。


 この神経叢そのものは蛸のような形をしている。ここは人体でも脳を除いた最大の神経叢であり、「交感神経」、消化系、その他の成長の働きを司っている。これらの理由から、ヨーガを実践する時には胃を満たしていてはいけない。なぜなら、胃が食物で満ちていると、この神経叢と心臓を圧迫するだろうからだ。これは胃を空にして、軽い食事にするのが重要な理由である。」


 次には、あなたの目を閉じて、心の中で自らを描く。そして、あなたの頭頂から始めて、頭皮について考え、適切な筋肉を緊張させる事で動かそうと試みる。次に、あなたの顎を考え、数回緊張とリラックスを繰り返す。次には首について考え、ここの筋肉の緊張とリラックスを数回行う。次はあなたの上腕、それから下腕にし、手のひらを握ってはリラックスさせる。それから首の元で始めて、下へと向かって行き、体の各部分を順番に考えて、その部分の筋肉を緊張させ、リラックスするように試み、最終的にはあなたの両足首を緊張させ、リラックスさせる。これは猫がゴロゴロとしている間、足を緊張させリラックスさせる様にである。


 次に、あなたの心臓に集中をする。心は緊張させずに、リラックスした思考で、この器官について考える。あなたは心臓の鼓動を感じ、あなたの胸でのこの部分で感じられるだろう。あなたはこの鼓動に心を集中させ続ける。やがてこれらは明白となり、あなたははっきりと感じて聴く事が出来るようになるだろう*1


 アストラル体を離脱して、コードの活動範囲内ならば、あなたの後頭部でも同じ鼓動を感じるだろう。実際、これはベッドカバーの重さを感じるなどがない限り、あなたが持つ正当な物理的な感覚である。コードの活動範囲内ならば、複製された感触で、肉体と対応しているかのように、この鼓動を感じさせる。そして今は、心臓の鼓動に集中する事でこれらを感じられるだろう(これは左側を下にして横たわるならば最も容易に感じられるが、好ましいやり方ではない)。


 静かに横たわり、あなたの胸の中の心臓の鼓動を感じて聴く能力を得たら(疑い無く、1、2回の試みで得られるだろう)、あなたの次のステップは体のどの部分でも、集中する事によってこの鼓動を感じて聴けるようにする事である。私は今では、あなたは私の教授に従って横たわり、心はリラックスした状態で、心臓の鼓動を感じて聴けるようになっていると仮定する。


 これら(鼓動)を密接に聴くようにせよ。これらはドクン、ドクン、ドクンと鳴っている。次に、あなたの集中を首へと向けよ。あなたは首でも心臓の鼓動を、ドクン、ドクン、ドクンと感じられるだろう。首で感じられるようになったら、頬に意識を向けると、すぐにそこでも感じられだろう。あなたが頬で鼓動を明白に感じたならば、次は頭頂へと向かい、そこで堅固にドクン、ドクン、ドクンとなるのに集中する。今やあなたはこれらをそこでも感じる!


 あなたの頭皮での鼓動を感じられるようになったら、意識を戻して息、それぞれの特別な場所――頬、首、胸と移動させ、さらに下へと向かわせていく。今や、あなたはそれらをみぞおちでも感じる。だが、はっきりと感じられるようになるまでは、さらに下へと向かってはならない。これらは、ドクン、ドクン、ドクンと鳴っている。次に、あなたは少し下、腹の下部へと意識を向ける。ここは鼓動を感じるのに容易な場所であり、首でと同じくらいに容易であろう。


 これらが完全に明白となったら、次にはあなたの両太腿を同時に集中する。ここでも、あなたはドクン、ドクン、ドクンと感じるだろう。次には、両足のふくらはぎへと移り、そこでも鼓動を規則的で明白に感じられたら、あなたの両足首、足の底へと集中させて、そこでも単に考えるだけで、心拍が非常に明白に感じられるようになるまで続ける。


 次に再びふくらはぎへと戻り、そこでも感じるようにする。次に太腿へと戻り、それでも鼓動があるだろう。次には、あなたの右の太腿のみに集中し、左の方は忘れる。ここまでくると、あなたは意識する事で、心臓の鼓動が体のどこでも感じられるようになるだろう。次に(文字通りに)足の冷えを感じる事があれば、あなたがまさに行った事によって、この足での血の循環を増大するように努めよ!*2


 あなたが延髄の部分に集中して、そこでも鼓動を感じるならば、アストラル体が離脱した時に(アストラル ケーブルを経由して)そこで感じる鼓動について、正確に知るであろう。


 さらに先に進む前に、一つ助言がある。あなたが心臓病に罹っているならば、アストラル体投射自身も試みようとしてはならない。心臓は離脱に重要な要素であり、離脱している間に心拍は非常に低下する事が多いからだ。そしてご存じのように、アストラル体が離脱している間の肉体の保全は、呼吸の働きに拠っている。一方で、あなたの心臓が健康ならば、ここで注意すべき事は何も無い。


 あなたが体のどの部分でも集中を通じて心拍を感じられるようになったら、次のステップはこの心拍の速度を遅く出来るようにする事であり、これは困難ではない。アストラル体投射で望ましいのは、「遅くて安定した」心拍である。心臓に集中している間、「あなた」は一つの知性であり、「心臓」は別の知性であって、あなたの考えを理解し服従すると見做すようにする。実際問題、これはまさにその状況だからである。あなたの思考、あなたの集中は別の知性と見做す事もできる。あなたが心拍を増減したいならば、それは別の知性によって行われると見做す。


 あなたは思考や方向付けを自らの潜在意識に向けようとしてから、「我が示唆が内なる知性に影響したかどうか、どうやって知る事が出来ようか?」と疑問に思った事もあるだろう。だが心臓に対しては、あなたは語りかけ「られる」。


 あなたが心臓に集中し、心拍が徐々に遅くなるや早くなると考えるならば、あなたの示唆に心臓は従い、あなたは自らの示唆が制御する知性に到達したと知るだろう。さらに、あなたが自らの表層意識のムードを知り、心臓を制御できるのを知るならば、思考を自らの潜在意識の心に沈めたい別の時に、どのようなモードであるべきかも知るだろう。


 表層意識の示唆に対して、潜在意識がなかなか従わないと考える時、多くの人々はウンザリとする。潜在意識の心が従うまで、何度となくアファメーションを繰り返す作業を多くの人々は好まない。だが少し考えて欲しい! もし制御する知性が、ごく最初のアファメーションにいつも従うならば、何が起きるかを?


 もしあなたが心臓に止まるように示唆し、内なる知性が即座に従ったらどうなるか? それは大変な事にならないだろうか? 幸いにも、潜在意識の心はそう容易には制御されず、それでいて心拍を増減させる事は難しくはない。


 繰り返し述べると、あなたは今は背中を床に付けて横たわり、リラックスし、あなたの腕は側面に置いていて、あなたは体のどの部分でも心拍を感じられる能力を得たとしよう。次にはあなたは心臓に再び集中をし、それが安定していないならば、心の中で安定して「いる」と心臓に向かって語り、適切な心拍のリズムを心に浮かべて、心臓の鼓動が適切なリズムを打つと集中する。あなたの心臓が安定して鼓動するようになるまで、この実践を続ける。


 次には、先に不安定だったのを安定させたり、自然と安定して健康だった場合には、今度は心拍をゆっくりにするように集中する事にする。これらの心拍についてのみを考えて、これらの心拍に集中し、胸の心臓の部分で感じる。心拍のリズムを心に浮かべて、そうしたいならば、各心拍で頭を僅かに動かしてもいい。数分ほど、真のリズムを保った後に、少し心拍を――あなたの心の中で――ゆっくりにする。心臓が少しゆっくりと鼓動すると考える。


 「心臓」があなたの示唆に従うために、集中を止めない。それにより、実際にゆっくりとなったかを知る事が出来るからである。あなたの集中をこのように続けていると、やがては心拍はあなたの望むペースとなるだろう。これはあなたが考えるよりも遥かに容易であって、ほとんどの人々は疑いなく僅かな試みで行えるだろう。


 肉体を「無能力」とするには、どれだけ心拍を遅くすべきかをはっきりという事は出来ない。あなたは私が定期的に離脱を経験していた頃の心拍が1分間に42回だった話を思い出すだろう。これは危険なまでに遅いとは考えられず、それでいて肉体を非常に受動的にしていた。


 無論、一般的に眠っている時には、起きている時よりも1分間の心拍は遅くなる。そのため、私が起きている時に心拍が1分間に42回だったら、寝ている間にはさらに遅いだろう。あなたも知るように、血液の循環が肉体を活性化させたり、反対に肉体の無感覚――言い方を変えると「無能力」――の度合いを決めるのである。


 通常の心拍数は無論、人によって様々であると言える。そして睡眠中はある程度は肉体が自然と「無能力」であり、通常から10から15ほど心拍数が低下したら、肉体が深く無能力にあるのは明らかである。


 あなたは他の誰よりも良く、自分の受動性の状態を決める事ができ、心拍をほとんど認知できないまでに減らす事もできる。あなたが眠る前に寒気を感じたり、あなたの手足に軽く流れる空気を感じなかったりしたら、あなたが「眠っている」間に深まるだろう「無能力」の証拠である。だが、不快なまでに寒くなるのをあなたは望まないだろう。あなたが寒気があると同時に心地よいレベルになるよう、周囲を調整するように努めるべきである。


 一方であなたがこの「心拍を減らす」考えを望まずに、眠っている間の通常の受動性(と通常の心拍数)で実験をするのを好むならば、あなたはそうしつつも成功する事もできよう。あなたも知るように、多くの離脱の体験は、このレベルでの肉体の静けさでも行われているからだ。だが一般的に、無能力であるほど離脱の成功率は高くなり、より深い無能力を生み出す技法をここで与えているのはこの理由からである。


 自然な睡眠では、静けさの領域の多くは、コンデンサーであるアストラル体にあるエネルギーの総量と共に、肉体の条件によっても動かされている。肉体が活性であるほど、霊体は肉体の近くにある。衰弱の状態に深い無能力が「加わる」ならば、あなたが眠りに入ると共に霊体は2フィートは離脱するだろう。


 一方であなたが疲れておらず、エネルギーに満ちていながら――加えて肉体は活性で――睡眠に入ると、なかなか寝られないだろうし、寝てからも霊体はせいぜい1インチにも満たずに肉体から分離するだろう。また疲れていつつも肉体の無能力が無いまま睡眠に入ると、霊体は6インチほど肉体から分離するだろうといった様に、これらは含まれている諸要素に拠る。


 一般的に睡眠が深くなるほど、霊体は上昇する。睡眠に「入る」時には、霊体は肉体から2インチほどしか離れずにいる。だが睡眠に入ってから数時間はすると、霊体は1フィードほどは離れるが、これは肉体が徐々に受動的となるからである。ほとんどの離脱が、離脱者が数時間ほど寝てから起きているのは、この理由からである。


 あなたが心拍を遅らせるコツを学んだ後、この器官が自分の導きに従う様に驚くだろうし、心拍を僅かな時間で減らせるだろう。あなたがこの技法を実践し続けて、この器官を自由に制御できるようになったら、心臓に語りかけるのを行うのだ。例えば、「心臓よ、お前は今から1分間に50回鼓動し、未来の命令があるまで、それを続けよ!」などである。


 するとあなたは、この器官が他の事をするよう命ずるまでこの速度を保ち続ける事に驚くだろう。これは心臓の背後にある制御する知性に催眠術をかけたようにである。だがその後に「だが心臓が行うとは信じない」と言ってから腕時計で確認しても、そうならないだろう。これは先に与えた示唆を相殺するからである。もしあなたがこの時間で行うのを望むならば、心臓は1分間に50回鳴ると信じつつ行うべきである。


 この心臓の制御は、肉体の「無能力」を自発的に引き起こす、私の知る限りにおいて唯一の方法である。さらにこの実践によってあなたは無意識に「自己の意識」――アストラル体投射の最も必要な条件の1つ――に働きかけるだろう。


 あなたがアストラル体投射を試みる前には、潜在意識の意志に印象づけるためのどの方法をあなたが用いるにせよ、肉体の無能力に好都合な全ての要素を可能な限り集めるように常に努めるのだ。それほど「無能力」は重要なのである。


自己の意識の開発


 成功する離脱者となるためには、あなたは自分について心を向ける必要がある。自らについて学び、自らについて探求し、自らを知ろうと努めるのだ。この全世界で「あなた」に似た者は一人しかおらず、それは――「あなた」だ。しばらくは他の人々について学ぶのを止めて、自らについて学び始めるのだ。何か神秘的なものを探すために、2,900万マイル離れた太陽を見る必要はない。太陽はあなた以上に神秘的ではないからだ!


 あなたが自己の探求をこのように始めたら、以前には自分について如何に知らなかったかに驚くだろう! 何年か前に私が信じるに、それは「サイキカル カルチャー」誌だったと思うが、ある有名な著者の記事を読んだ。そこでは、殆んどの人々は、自分の背骨について知らず、鏡で見た事すら無いと述べている! それでいて、これらの人々は自分について知っていると信じている!


 アストラル体投射では、「自己の意識」は非常に重要である。そのため、自己について学ぶのを始めるのだ。ここでは、私に成功をもたらして、あなたもアストラル体投射の助けとして欠かせないのを見い出すだろう実践を紹介しよう。


 まず鏡の前に椅子を置く。これからあなたは、「自分自身で」自分自身を驚かせようと試みるからだ。この実践では、あなたはほとんど眠りに向かって、真の自己への理解を失いようになるまでに激しく自己を学ぶよう努めるだろう。


 あなたは今ではアームチェアに心地よく座り、鏡に向き合っていると私は仮定しよう。ここでは鏡について考えようとはせず、あなたは自己の反射を見ているとも信じないようにする。そうではなく、この反射こそが実際の「自分」であると確信するように努める。


 次に自己について凝視し、これまで気づかなかった部分を見つけようと努める。あなたの髪の真の色、あなたの目の真の表現、あなたの鼻の真の形を見よ。頬骨、顎の僅かな髭、額の膨らみ、鼻の周囲の小さな縁を見るのた! あなたは自己について見て、自己を学ぶように集中し続けよ!


 次には、あなたは自己への集中した探査をした後に、鏡の前で立ちあがり、その両目を直接見るのだ。鏡に反射するあなたの目に自らの目を集中する。あなたが望むならば瞬きをしても良いが、鏡の中の目に目を向け続けるのだ。今では目は不安定になっただろうか? 僅かに左右に揺れただろうか? これはあなたがなすべき事である。


 次に再び椅子に座って、鏡の中の両目を直接凝視し、これらの目への集中を保つ。あなたがそう行いつつ、「自らの」名前を何度も何度も繰り返して、はっきりと単調に唱えよ。これはあなたの自己に非常に微細な効果がある。しばらくしてから、あなたの目が霞んだりぼんやりとしているように見えても、注意を払うのを怠ってはならず、自らの両目への凝視を保ち続ける。


 あなたの心の中では、この鏡の反映こそが「あなた」だと信じている。あなたは自分が椅子に座っている事も忘れて、真の「自分」は鏡の反射だとのみ信じる! あなたは自分自身を見ているが、真の「あなた」は鏡の中にある! これを心に置いたまま眠るように努め、あなたの目は鏡の中の目に留めたままにする。


 この自己の「欺き」は、アストラル体を「戸惑わせる」だろう。これは潜在意識の心に、鏡の反射こそが真のあなたであるという考えを植え付けるからだ。そしてあなたが眠った後に、この示唆の効果は、あなたが実際にいると考える場所へとアストラル体を動かすように潜在意識の心が「思う」のに充分に強力である事が多い。


 潜在意識の心からの示唆が真実かどうかは問題ではない事を忘れないようにせよ。心があなたは鏡の反射にある場所にあると欺かれたとしても、潜在意識の意志にそう印象付けるだろう。あなたはこれを夜に、あなたが望むならば、椅子で眠るのを意図して試みてもいいし、あなたが「疲れる」までこの実践を続けて、それからベッドへと急いで、このヴィジョンを心に保ったまま、すぐに眠ってもよい。


 言うまでも無いが、この実践の最中にはあなたは自らの目を水晶玉のように鏡へと用いる。また、水晶玉凝視についての本を読み、それをこの実践で用いる事も良い考えである。これらについて、本書では述べる余地が無いからである。これは素晴らしい実践であり、アストラル体投射の特定の要件が含まれている。


アストラル体投射 11-2
↑ アストラル体投射


*1 マルドゥーン注。あなたはこれらの鼓動を頭で感じるのではないのに気を付けよ。あなたの両腕を側面に保ちつづけよ。あなたは内なる心臓の鼓動を感じるだろう。
*2 マルドゥーン注。また、適切な集中によって、体の様々な部分から血を引かせる事も可能である。