アストラル体投射 9-3

ページ名:アストラル体投射 9-3

霊体は見知った場所へは、より容易に離脱する


 別の強力な要素(止めた習慣)、潜在意識の意志に非常に強く活性化させる効果があるものは、慣れていない場所で寝る、つまり、あなたがいつも寝ている習慣ではない場所で寝る事である。寝ている間に潜在意識の心が、いつも寝ている場所へとアストラル体を戻そうと、どれだけ強く働くかについては、あなたは思いもよらないであろう。


見知らぬ場所から見知った場所への離脱


 私が16歳くらいの頃のある日、40マイルほど離れた近くの村に住んでいる叔父のもとへと訪ねた。その夜、私はそこで眠ったが、なかなか寝付けずに、自宅でのいつも寝る習慣のある場所のベッドで寝たいと望んだ。


 やがてようやく眠る事ができて、すぐに私は夢を見た。そこでは私には翼があって飛んでいて、我が家の寝室の、いつも寝ているベッドの直上の空間へと浮かんでいた。やがてはアストラル体で意識を取り戻すと、自室のいつも寝る習慣のあるベッドの直上で自らが水平に浮かんでいるのに気づいた。


 そして最初に目覚めた時に思った事は、私は自らが死んだというものだった。私はこの自室で離脱して意識を取り戻すと、ベッドにいつものように肉体が横たわっているのを見なかった。肉体が無い事で最初に心に浮かんだのは、私は死んでいて、しばらく無意識となっていた間に肉体は墓に埋められたのだろうと考えた。


 私は考えた。「どこに自分の体があるのか? 私はそれを見つけたい!」だが、その時には叔父の部屋にある実際の肉体へと戻ろうとは思いつかなかった。あなたはこの例から、潜在意識の迅速さと比べて表層意識の思考の働きがどれだけ遅いかについて気付かされるだろう。自分が実際には叔父の家で寝ていると(表層意識が)思い出す前に、私は自らの肉体へと既に戻っていたのだ!


 この例の中に、あなたは3つの要素――習慣、欲望、夢――の全てがあるのに気づくだろう。さらに、私はある「場所」へと行くのを望み、その欲望を満たすために、アストラル体はその場所へと動いたのだ。


 いかなる離脱でも、見知らぬ場所よりも見知った場所への方が、常にアストラル体は遥かに容易に「離脱」する。事実、アストラル体が離脱して無意識ならば、多くの場合では離脱者が見知った場所、行くのが習慣となっている場所の周囲を彷徨っている。そしてこれは一時的に離脱した霊体の場合のみならず、永遠に去った霊体(死者の霊)についても当てはまる。


死者の霊は欲望や習慣の「ストレス」に支配される事が多い


 これは「幽霊屋敷」や「霊が現れる場所」が存在する理由の1つである。死者の霊には「欲望」と「習慣」が強く残っており、堅固にその習慣を続けるだろう。それは意識を取り戻してもであり、この「ストレス」があるために、霊らはそうせざるを得ないのである。この同じ欲望や習慣、あるいはその両方のストレスから、眠っている間の霊体も行おうと試みるが、この事を知るならば、我々も潜在意識の意志に霊体を動かすように強制できる。眠っている間に、欲望や習慣、あるいはその両方の「ストレス」を注ぐ事で、潜在意識の心の表面に浮かび上がらせ、一方で肉体は通常は「無力化」されているならば、習慣のストレスを取ったり欲望を満たすべく、霊体は解放される。


 死者の霊はアストラル界*1に入った後に、生者の離脱した霊とは違ったように行ったりはしない。一部の者はしばらくは無意識だが、他の者らはアストラル ケーブルが切れる前にすら意識を取り戻す。さらに他の者らは、夢の状態、部分的な意識の状態で彷徨っている。


 無意識か部分的な意識のある状態で、霊体は習慣や欲望のストレスの下にあり、「示唆」が心に残っている間は、そこから逸れたりはしない。だがひとたび意識を取り戻したら、この欲望を満たしたり、習慣のルーチンを止める事ができるし、止めるであろう。だが実際問題として、このストレスは強すぎるので、多くの場合では、たとえ意識を取り戻してもしばらくは、霊体は見知った場所を彷徨い、このストレスの衝動に従っている。


 死んだ後にも、習慣は止まらず、欲望は満たされず、これらの「ストレス」は残る。霊体は生きていた時に持っていた欲望や、蓄積してきた習慣を満たそうとして彷徨う。


無意識の霊体は、時には物質の物を動かす


 潜在意識の意志の示唆への反応は、その示唆の「濃度」に拠ると、先に私は述べた。深く根付いた習慣、ルーチンのストレス下で、潜在意識の意志は時には実際に「決断する」ようになる。潜在意識の意志はあらゆる行動で強力な「動力」を用いており、習慣を行うこの動力は、他の場合よりも遥かに強力となる。


 これが死者の霊――習慣のストレス下にあり、見知った場所へと彷徨う――が、しばしば彼らの表層意識の意志では動かせない物質を動かす理由である。示唆のストレスが強力で潜在意識の心に強く根付いているので、強い潜在意識の意志の反応を生み出すのだ。


 この「無意識の」の霊体は、習慣の働きのストレスの下で、時には「意識のある」霊体が動かせない物も動かせる。なぜなら表層意識の意志は、潜在意識の意志が作り出せる「動力」を作り出せず、表層意識の示唆は、深く根付いた潜在意識の示唆ほどには強くないからである。


 多くの「幽霊屋敷」の現象は、よって容易に説明出来る。ここで活動が発見されている霊体らは欲望や習慣のストレスの下にあり、その「動性」は、そこに住んでいる地上の存在にも「発見」されるほど強力である。そしてこの「霊」は、無意識、部分的な意識、意識のあるのいずれかである。


 多くの幽霊屋敷の研究者は、特定の時に特定の現象が定期的に起きる事に気づいている。これは霊体が習慣のストレスの下にあるからである。以下に一つの例を挙げるとしよう。


望ましい習慣のストレス下にある「霊」


 私は2階の自室で最後の数年を過ごしていた、ある老婦人を知っている。彼女はその生涯の最後の10年間で、定期的に聖書を読む習慣があった。毎朝4時から5時の間に起きて、キーキー鳴る古い愛用のロッキングチェアに座って、前後に揺れながら聖書を読んでいた。椅子が揺れるたびにキーキー音を作っていた。


 5時になると彼女は聖書を閉じて、1階へと降りていった。このルーチンを彼女は10年間続けていた。最終的に彼女は地上での生活を終えた。その後、この老婦人の死後に家に住むようになった住人は、毎朝の4時頃に老婦人が用いていた椅子が、前後に揺れるキーキー音を鳴らすのを聴くようになった。


 この家が「幽霊屋敷」だという話はたちまち広く伝わり、老婦人の死後に住んだ住人らが即座に出ていっただけではなく、以後は誰も住もうとはしなくなった。この出ていった住人は迷信的な人物ではなく、「霊を信じなかった」と言われるが、にも関わらず、彼らは毎朝4時から5時の間に椅子が定期的に揺れる音を聴いていた!


 これは潜在意識の心にある習慣のストレスが霊をいかに支配するか、さらに望ましい習慣のストレス下で動力がどれだけ強いかを示す例の1つにすぎない。この霊は聖書を読むという「欲望」の下に、さらに特定の「場所」で「定期的に」読む「習慣」の下にあった。


早朝の「霊」*2


 霊体が離脱した際に、定期的な習慣をいかに行うかについて示す、別の例も紹介しよう。息子とその家族とともに住んでいた、ある75歳の老人がいた。彼ら全ては家の2階で眠っていて、老人は自らの部屋に、息子夫婦は彼らの部屋に、さらにその2人の子供は子供部屋で寝ていた。


 この老紳士には、早朝に起きてから1階へと降りてストーブを点ける習慣があり、これをいつも6時30分に行っていて、それは何らかの義務からではなく、自らそうしたいからであった。


 ある日曜日の朝、この時間に2階の息子が起きて、1階のストーブの蓋がガタガタと鳴っているのを聴いた。彼は隣の妻に対して、父(老人)が火を点けていると告げた。それは何時もの事であって、それから30分ほどして、息子とその妻は起きた。


 1階へと降りてみると、そこではストーブが点けられていないのに気づいた。だが、少なくとも老人――あるいは他の誰か――が6時30分にストーブをガタガタと鳴らしたのを聴いたのは確かだった。妻は2階へと上がって子供部屋へと行くと、子供たちにお爺様はまだ自室で寝ているので、起きる時には騒音を立てないようにと伝えた。


 だが子供らは反対して、お爺様が広間から1階へと降りて、ストーブがガタガタ鳴っていたのを聴いたと言った。そのため子供らが両親に、老人は既に起きているという考えを確信させると、息子とその妻は老人の部屋へと行った。


 そこで老人はベッドでまだ横たわっていたが、調べてみると既に死んでいた。医者がすぐに呼ばれて、老人は少なくとも5時間前には死んでいたと確証した。そのため、彼らとその子供らが聴いた音は、老人によるものではないと彼らは結論づけた。


 このようなケースに似たものは数えきれず記録されている。離脱した霊体は習慣のストレス下にあり、そのようなケースでの「動力」は強力なものである。私は後の章で、どのように霊体が物質の物を動かせるかについて、より詳しく説明するつもりである。


「衰弱」の要素


 潜在意識の意志がアストラル体を離脱させるようにする諸要素のリストの中には、「衰弱」も含まれよう。この要素について説明する必要はないだろう。なぜなら衰弱――宇宙エネルギーの欠如――は睡眠中にアストラル体を肉体から離脱させ充填させる事を、我々は既に学んでいるからだ。さらに、神経質な人はより早く、遠く、容易に離脱させる事も学んでいる。


 衰弱は真にアストラル体を離脱させる助けとなる肉体の状態である。ところで、一部の権威者らが離脱のためにすべきであると主張するように、あなたが何度となく「私にはエネルギーがある――私にはエネルギーがある――私にはエネルギーがある」と日々唱えていたら、アストラル体の離脱の助けになるどころか、実際にはアストラル体を堅固に肉体に縛りつける事になる。よりあなたがエネルギーを持つほど、アストラルのコンデンサーは分離の際に遠い場所へと移動しなくなるからである。


 神経質な人が離脱には最適ならば、エネルギーを蓄積させる事は離脱を得るのに最適な方法と言うのは矛盾していないのではないか? だがそうではない! 神経エネルギーの「欠如」が、神経質を作り出すのだ。そしてエネルギーを何らかの方法によって蓄積する事は、望んだ目的から遠ざけるのみなのである。


 アストラル体がエネルギーが多すぎたら、夜に寝ている間に肉体から分離しない。だがそれでも充分ではなく、そのため我々は夜に寝ているのだ。意志の力とエネルギーの蓄積がアストラル体の離脱を起こすとしたら、病人は離脱する事が出来ないであろう。だが、知られている諸事実は正反対なのである。私はこの分野での現在の研究者らに強い敬意を抱いているが、彼らの「良き健康」と「エネルギーの蓄積」の説は矛盾に満ちていると信じている。そして私は自らの「潜在意識のストレス」説に独断的なのである。


アストラル体投射 10
↑ アストラル体投射


*1 マルドゥーン注。アストラル体が肉体と重なっているように、アストラル界は物質界と重なり合っている。
*2 マルドゥーン注。私はここで述べた内容に出てくる全ての人物を良く知っている。